目次
トイレの引き戸と開き戸との使い勝手の違い
引き戸と開き戸の最も大きな違いは、ドアを開閉する向きです。
開き戸はドアを前後に開閉しますが、引き戸は横にスライドさせてドアを開閉します。
ドアの開閉方向が違うことで、引き戸と開き戸では使い勝手や安全性が異なります。
体を前後に動かしながら開閉する開き戸に比べて、引き戸は手を使うだけで簡単に開閉できるのが特徴です。
また、引き戸はドアを開けた際に人や物にぶつかる心配がなく、安全に使えるメリットもあります。
トイレを引き戸へリフォームするメリット
トイレを開き戸から引き戸へリフォームするメリットについて説明します。
トイレを引き戸に変えるとさまざまなメリットがあるので、参考にしてみてください。
ソフトクローズ機能がついている
ソフトクローズ機能があるドアはゆっくりと閉まるため、指を挟んだりドアに巻き込まれたりするのを防げます。
また、弱い力でドアを閉めても、しっかりと最後まで閉まるのが特徴です。
ドアに手を挟みやすい小さな子どもや、腕力が弱い高齢者の方でも、ドアを安全に開閉できます。
デッドスペースを減らせる
引き戸は横にスライドして開閉するため、開き戸のようにドアの前後にスペースを必要としません。
開き戸を引き戸へリフォームすれば、ドア周りのスペースを有効活用できます。
空いた空間は収納スペースとして使ったり、インテリアを置いたりできるのがメリットです。
高齢者や子どもでも使いやすい
手でドアをスライドするだけで開閉できるため、引き戸は開き戸よりも少ない動作で使用できます。
そのため、小さい子どもや高齢者の方も、簡単にドアを使えるのが特徴です。
また、トイレのドアを引き戸へリフォームする際は、開口幅を広くしたり、段差のないバリアフリー設計にしたりすることもできます。
開口幅を広くしてバリアフリー化すれば、車いすでもスムーズにトイレが使えるようになります。
介護がしやすくなる
一般的に引き戸のトイレは、ドアと平行した向きで便器を設置するケースが多いため、少ない動作でトイレを使えます。
開き戸のトイレはドアの正面に便器があるため180度回転しないと座れませんが、引き戸のトイレは90度回転するだけで座れます。
トイレに座る際の動作が少ないと高齢者が使いやすいのはもちろん、介護しやすくなるのも嬉しいポイントです。
また、引き戸をフルオープンにすれば、車いすに乗っている方の介護もスムーズに行えます。
スリッパの履き替えがスムーズになる
開き戸のトイレは前後にドアを開閉するため、スリッパを脱ぐ場所に困るものです。
ドアの近くにスリッパを脱いでしまうと、ドアに当たってスリッパが散乱してしまいます。
その点、引き戸のトイレはドアの正面にスリッパを脱いでも、戸に当たる心配がありません。
スリッパの履き替えがしやすくなると、よりトイレをスムーズに使えるようになります。
トイレを引き戸へリフォームするデメリット
メリットが多いトイレの引き戸ですが、中にはデメリットもあります。
デメリットも把握した上で、後悔のないリフォームを行いましょう。
戸袋部分に物が挟まると、扉が開かなくなる
戸袋があるタイプの引き戸は、戸袋に物が詰まってしまうと扉が動かなくなってしまいます。
子どものおもちゃやアクセサリーなど、小さくて挟まりやすいものは落とさないように気を付けましょう。
戸袋に挟まってしまった物を取り出すのは難しく、扉を外す必要のあるケースも多いため注意が必要です。
音やニオイが漏れやすくなる
引き戸はドアと壁の間にすき間があり、ニオイや音が漏れやすいデメリットがあります。
レールをスライドして開閉する構造のため、どうしてもすき間から空気が逃げてしまいます。
また、戸を引き込む側の壁は通常よりも薄い場合が多く、音が漏れやすいです。
トイレを引き戸にする際は、音漏れやニオイ対策を忘れずに行うと使いやすくなります。
開き戸よりも設置費用がかかる
開き戸に比べると、引き戸は設置費用が高くなりやすい傾向にあります。
そのため、できるだけ安くドアをリフォームしたい方や、機能性よりも安さを重視する方には向いていません。
費用は引き戸の種類やグレードによっても左右されるため、予算と相談してリフォーム内容を決めましょう。
トイレのドアを引き戸に交換するリフォーム費用
トイレを引き戸に交換するリフォーム費用は約15万円前後です。
リフォーム費用の総額は、ドアのグレードと施工方法によって上下します。
トイレの開口部を広くしたり、壁に戸袋を作ったりする場合は施工費用が高くなる傾向です。
一方で、壁の外にレールを取り付けるアウトセット引き戸は、壁を工事する必要がなく比較的費用を抑えられます。
後からトイレを引き戸にする際の条件とは?
住まいの間取りによっては、残念ながらトイレのドアを引き戸へリフォームできない場合もあります。
ここでは、トイレを引き戸にリフォームする際の条件を紹介します。
戸を引き込むためのスペースが必要
引き戸を設置する場合は、ドアを引き込んで収納するスペースが必要です。
前後に開閉する開き戸とは異なり、設置できる場所が限られるので注意しましょう。
また、階段下の空間を利用して作られたトイレは、天井の高さが低いケースも多くあります。
天井が低い場所には引き戸を設置できないので、気を付けましょう。
耐震構造上の問題がないかを確認
戸袋が必要なタイプの引き戸は、ドアを引き込む側の壁が薄くなりやすい傾向にあります。
そのため、もともと壁が薄い住まいだと、耐震構造上の問題で引き戸を設置できません。
どうしても引き戸を設置したい場合は、戸袋が必要ないアウトセット引き戸を検討するなど工夫しましょう。
【バリアフリーの場合】車いすが通れる幅を確保する
トイレのドアをリフォームする際にバリアフリー化したい場合は、車いすが通れるように開口幅を広くする必要があります。
一般的に車いすの幅は約40〜70cmほどあるため、使用している車いすの幅に合わせて開口幅を調整しましょう。
引き戸の種類とは?
一括りに引き戸といっても、種類によって設置方法や特徴が異なります。
ここでは、トイレのリフォームで選ばれている引き戸の種類を紹介します。
引き込み戸
壁の中(戸袋)にドアを引き込む、引き込み戸は、ドアを開けると戸が壁の中に隠れるため、すっきりとした外観になります。
また、ドアを開閉した先に人がいても、巻き込んだり挟んだりする心配がないのがメリットです。
ただし、戸袋のある壁にはコンセントやスイッチを設置できないので注意しましょう。
さらに、戸袋の中にはゴミやほこりが溜まりやすいため、こまめな掃除が必要です。
アウトセット引き戸
壁の外側上部にレールを取り付けて設置するタイプの引き戸を、アウトセット引き戸といいます。
戸袋を作る必要がなく、壁を工事せずに設置できるため、引き込み戸よりも手軽に設置できます。
既存の開口に設置しやすいアウトセット引き戸は、リフォームで多く選ばれているタイプです。
床にレールがなく、つまずいたりゴミが詰まったりしないメリットもあります。
レールタイプの引き戸
レールタイプの引き戸は、床にレールを敷いてドアをスライドさせます。
住まいの引き戸として一般的なレールタイプは、施工がシンプルなため比較的費用を抑えられるのがメリットです。
ただし、床にレールがあるとつまずく原因にもなるため、バリアフリーのリフォームがしたい方には適しません。
どうしてもレールタイプを選びたい場合は、レールと床の段差が少ない製品を選ぶのがおすすめです。
上吊りタイプの引き戸
上部にレールを作りドアを吊るして設置する、上吊りタイプの引き戸です。軽やかな動きで開閉でき、静音性も高いのが特徴です。
アウトセット引き戸と似ていますが、上吊りタイプは壁の外側ではなく、壁面に沿って設置されます。
施工する際は壁の工事も必要になるため、アウトセット引き戸よりも費用が高くなる傾向です。
引き戸へリフォームする際に後悔しないための注意点
ここでは、トイレを引き戸へリフォームする際の注意点を紹介します。
施工してから後悔しないために、あらかじめ注意点をチェックしておきましょう。
音漏れやニオイ対策をする
引き戸は開き戸よりも音やニオイが漏れやすいため、設置する際は対策が必要です。
音やニオイが漏れると困る、キッチンやリビング、2階の吹き抜け近くのトイレは、引き戸を設置しないようにしましょう。
一方で、トイレと各部屋の間に廊下がある場合は、ニオイや音漏れが気になりにくいため、引き戸へのリフォームがおすすめです。
また、引き戸の中には防音性に優れた製品もあるため、音漏れが気になる場合はそちらを検討してみてください。
引き込み部分を内側に作ると危険
ドアの引き込みを内側に作ると、トイレの外観は一見すっきりとした印象になります。
しかし、トイレの中で人が倒れたときに、ドアが開かなくなってしまうため大変危険です。
トイレを安全に使うために、ドアの引き込み部分は戸袋かトイレの外側に作りましょう。
主要メーカーのトイレの引き戸商品
トイレを引き戸にリフォームする際に選ばれている、主要メーカーの商品を紹介します。
それぞれの特徴やメリットを解説するので、参考にしてみてください。
LIXIL-ラシッサ
LIXILのラシッサは6つのレーベルがあり、豊富なデザインから自由に選べるのが特徴です。
引手は抗菌・抗ウイルス加工が施されており、汚れが付きやすい引手を清潔に保てます。
また、開口を広く確保できる「連動方式引戸」にも対応しているため、バリアフリーにしたい方や車いすで使いたい方にもぴったりです。
DAIKEN-hapia 音配慮ドア
DAIKENのhapia音配慮ドアは、一般的なドアよりも音漏れを約30~50%軽減できるのが特徴です。
ドアに特殊気密パッキンを採用しており、ドアを引き込む壁には遮音パネルを用意しています。
トイレの音漏れを防ぎつつ、ドアを引き戸へリフォームしたい方に適しています。
Panasonic-ベリティス
Panasonicのベリティスは、ドアを安全に開閉できる機能が充実している製品です。
ドアが閉まる直前にブレーキがかかる「両面ソフトクローズ機構付き」で、手指が挟まるのを防ぎます。
また、「幅広引き戸」や「連動引き戸」を扱っており、広々とした出入りがしやすいドアを設置できます。
さらに、車いすの方が握りやすい「バー引手」は、抗菌・抗ウイルス加工にも対応しているのがポイントです。
Q&Aよくある質問
トイレのドアを引き戸へリフォームする際に、よくある質問を紹介します。
ドアの耐用年数や交換時期についても触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 引き戸が引っかかる・重くなる原因は?
-
引き戸を開閉する際に引っ掛かりや重さを感じる場合は、以下の原因が考えられます。
- レールにゴミが詰まっている
- レールが擦り減っている
- 戸車が故障している
- 住まいの建付けが悪くなっている
- ドアの耐用年数、交換の目安は?
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一般的にドアの寿命は15~20年ほどといわれています。傷みが気になりだしたら交換を検討しましょう。
- リフォームでトイレの向きは変えられる?
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トイレの便器を使いやすい向きに変えたい場合は、リフォームで変更できます。
すでにある便器の向きを変える場合は、2~3万円ほどでリフォーム可能です。
トイレリフォームの業者選びで後悔しないために
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