目次
電動シャッターを後付けリフォームできる条件とは
まず「今の窓にシャッターがあるか・ないか」で、工事の内容が変わります。すでに手動シャッターがある場合は「電動化」、シャッターがない場合は「新規後付け」になります。いずれも多くの戸建て住宅で対応可能ですが、建物の条件によって設置できないケースもあります。
手動シャッターが既についている窓への電動化
すでに手動シャッターが設置されている窓を電動化する方法には、大きく分けて2つあります。
後者は費用を抑えられそうに思えますが、既存シャッターのメーカーや型番によっては電動化キットが適合しない場合があります。また、電動化に伴いシャッターボックスが小さくなり、ボックス周囲の外壁が露出してしまうケースも現場では見られます。
その場合、外壁の補修(タッチアップ塗装)が別途必要になり、トータルコストが想定より高くなることがあります。適合するかどうかは専門業者による現地調査が必須です。
手動シャッターの電動化は「安く済む」とは限りません。現地調査を経て判断することが重要です。
シャッターがない窓への新規後付け
現在シャッターがない窓に新規で電動シャッターを取り付けることも可能です。この場合、窓枠まわりに電動シャッター用のシャッターボックスを設置し、電源配線を引き込む工事が必要になります。
特に2階以上の窓や、バルコニーのない窓への設置は、作業スペースを確保するための仮設足場が必要になるケースがあります(別途費用が発生します)。
後付けできないケース(防火地域・構造上の制限)
以下に該当する場合は、一般的な電動シャッターに交換・後付けできないことがあります。
防火地域・準防火地域では、延焼防止のため窓に防火ガラスまたは防火シャッターの設置が義務付けられている場合があります。お住まいの地域の用途地域を確認した上で、業者に相談しましょう。
電動シャッターを後付けする費用の相場
1階の窓1枚に設置する場合、もっともよくあるケースは20万〜25万円です(本体+電気工事込み、足場なし)。ここから、窓のサイズや設置階数、配線ルートなどによって金額が変わってきます。
電動シャッターのリフォーム費用は「本体価格」「電気工事費」「足場費用(必要な場合)」の3つで構成されます。合計額だけを確認すると思わぬ追加費用に驚くことがあるため、内訳で把握しておくことが重要です。

タイプ別の本体価格と工事費の内訳(1箇所あたりの目安)
| 種類 | クローズドタイプ (標準) | 採光・通風タイプ 耐風タイプ |
|---|---|---|
| 本体価格 | 10万〜15万円 | 15万〜25万円 |
| 電気工事費 | 5万〜8万円 | 5万〜8万円 |
| 合計 | 15万〜23万円 | 20万〜33万円 |
電気工事費が高めなのは、電気工事士の資格を持つ専門職による作業が法律上必要なためです。配線ルートの長さや建物の構造によってはさらに費用が上がることがあります。
上記はあくまで目安です。窓のサイズ・建物の構造・配線ルートの長さなどにより大きく変動します。また、2階以上でバルコニーがない窓への設置は、仮設足場費用(3万〜10万円程度)が別途かかります。
なお、施工時間の目安は1箇所につき半日〜1日ほどです。足場工事が必要な場合は、別途日数がかかることがあります。工事日のスケジュール調整のために、事前に業者へ確認しておくと安心です。
手動シャッターを電動化する場合の費用
既存の手動シャッターにモーターを後付けする「電動化工事」の費用目安は、1箇所あたり10万〜20万円です。ただし、以下の場合は費用が上乗せされます。
「電動化のほうが安い」と一概には言えないため、新規交換と電動化の両方で見積もりを取ることをおすすめします。
費用を大きく左右する3つのポイント

①配線ルートの長さと露出の有無
電動シャッター用の電源をどこから引くかによって、電気工事費が変わります。配線が長くなるほどコストが上がり、また外壁に露出してしまう場合は見栄えが悪くなるため、化粧モールでカバーする追加工事が必要になることがあります。
②設置する窓の階数・バルコニーの有無
現場で多く見られるのが「部分足場」による想定外の費用発生です。2階以上の窓で、バルコニーや足場を使わずに作業できない場合、部分的な仮設足場を設置する必要があり、3万〜10万円の追加費用が生じます。事前に確認しておくことが大切です。
③外壁・窓まわりの補修の必要性
既存の手動シャッターから電動シャッターへ交換すると、サイズ変更により窓まわりの外壁の一部が露出することがあります。また、過去に外壁塗装を重ねている場合は色が合わなくなることもあり、タッチアップ塗装費用が発生します(目安:1万〜3万円)。
【費用を抑えるために】相見積もりのポイント
費用を抑えたい場合、複数の業者から相見積もりを取ることが最も有効な方法です。目安は最低3社。同じ工事内容でも、業者によって数万円単位の差が出ることがあります。
比較する際は、以下の点を確認してください。
なお、現地調査は多くの業者が無料で対応しており、調査後に断ることも問題ありません。「業者を呼んだら断れない」という心配は不要です。
電動シャッターにリフォームする4つのメリット

電動シャッターに交換することで、防犯・安全・快適性の面で手動シャッターにはないメリットが得られます。
【メリット1】防犯対策になる(タイマー機能で留守対策も)
警察庁のデータによると、令和6年の戸建て住宅への侵入窃盗の侵入口は「窓」が第1位です。電動シャッターを閉め切ることで、窓からの不正侵入を大幅に抑止できます。

さらにタイマー機能を活用すれば、長期不在中でも朝に開・夕方に閉という動きを自動で繰り返せるため、「留守でないように見せる」防犯効果も期待できます。
【メリット2】台風・飛来物から窓ガラスを守れる
台風や強風時には、飛来物が窓ガラスを直撃し割れてしまうリスクがあります。電動シャッターを取り付けておけば、シャッターが物理的な盾となり、窓ガラスや室内への被害を防げます。
台風が多い地域や沿岸部にお住まいの方には、耐風タイプのシャッターが特におすすめです。
【メリット3】開閉の身体的負担を大幅に軽減できる
手動シャッターは、腕を伸ばしたりかがんだりといった動作が必要で、特に小柄な方や高齢の方には負担になりがちです。電動シャッターなら、スイッチひとつで開閉が完了します。
複数の窓にシャッターがある場合でも、リモコン1台で一括操作できる製品が多く出ています。操作に不安がある方には、ボタンが少なくシンプルなリモコン型モデルが向いています。なお、スマートフォンと連携して外出先から操作できる製品も普及が進んでいますが、対応機種や費用は製品によって異なるため、業者に確認してみてください。
【メリット4】開閉音が静かで近隣への騒音を減らせる
手動シャッターは勢いよく開閉しやすく、大きな音が出て近隣への迷惑が気になる方も多いです。電動シャッターは一定の速度でゆっくり動くため、騒音を最小限に抑えられます。早朝や深夜の開閉でも安心です。
電動シャッターのデメリットと注意点
電動シャッターは便利な一方で、コスト・停電時の対応・実際に後悔した事例など、事前に把握しておくべきデメリットがあります。
【デメリット1】手動より初期費用が高い
電動シャッターは手動シャッターと比較して、本体価格に加えて電気工事費がかかるため、初期費用が高くなります。手動シャッターのリフォーム費用目安が10万〜20万円であるのに対し、電動シャッターは15万〜33万円程度(タイプ・工事内容による)が目安です。
毎日の開閉にかかる電気代は微々たるものですが、ランニングコストとしても手動よりはかかる点は理解しておきましょう。
【デメリット2】停電時は手動対応が必要になる
電動シャッターは、停電時に自動開閉ができなくなります。多くの製品は手動への切り替え機能を備えているため、停電中でも手動で開け閉めできます。リフォーム前に、手動切り替えの操作方法を確認しておくと安心です。
【デメリット3】実際に後悔しやすい3つのケース
電動シャッターのリフォームしたお客様からは、以下のような「後悔」が報告されています。リフォーム前に必ず確認してください。
電動シャッターの種類と選び方
電動シャッターは、目的やお住まいの環境によっておすすめのタイプが異なります。
| 種類 | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| クローズドタイプ (標準) | 一般的なシャッター。 風も光も通さないシンプルデザイン | 防犯・暴風対策として取り付けたい |
| 採光・通風タイプ | ブラインドのような切れ込みなどの 加工が施されている。シャッターを 閉めても風を通したり、光を通した りが可能 | 日中の換気・採光も確保したい |
| 耐風タイプ | 台風などの暴風に強い耐久性を持った シャッター。飛来物が当たっても折れ にくく破損しにくい | 台風が多い地域・沿岸部にお住まい |
色の種類も豊富に揃っています。外壁の色と合わせて選ぶと、設置後の外観の違和感を抑えられます。
後悔しないための設置前チェックリスト6項目

業者との打ち合わせ前に以下の6項目を確認・整理しておくことで、追加費用や設置後のトラブルを防ぎやすくなります。
【チェック1】電気配線の経路と露出の有無
電動シャッター用の電源をどこから引くか、配線が外壁に露出する箇所はないかを確認してください。露出する場合は、外壁の色に合わせた化粧モール(配線を隠すためのカバー)や塗装で対処できるか業者に聞いておくと、追加工事による予算オーバーを防げます。
【チェック2】停電・故障時の手動切り替え方法
停電や故障でシャッターが自動で動かなくなった際の切り替え操作を、設置前に確認しておくのがベターです。普段から手動でも開閉できるタイプを選んでおくと、万一のときに慌てません。
【チェック3】障害物感知機能の有無(子どもがいる家庭は必須)
シャッターが閉まる際に物や人を感知して自動停止する「障害物感知機能」の有無を確認してください。小さな子どもがいるご家庭では、この機能がついた製品を選ぶことが外せないポイントです。
【チェック4】メンテナンス費用とサイクル
電動シャッターの耐用年数・定期メンテナンスの内容・費用・交換が必要な部品などを事前に把握しておくことで、将来の維持コストを見通せます。「買ったら終わり」ではなく、長く使うものとして考えておきましょう。
【チェック5】仮設足場が必要になるか
2階以上の窓で、バルコニーがない場合は仮設足場が必要になります。設置箇所の条件を最初の段階で正確に伝え、見積書に足場費用が項目として明記されているかを確認するのが鉄則です。
足場の設置費用はいくら?階数・坪数ごとの相場や計算方法を解説!
【チェック6】窓まわりの外壁タッチアップの必要性
既存シャッターから交換する際、サイズ変更で窓まわりの外壁の一部が露出したり、外壁塗装の色と合わなくなったりすることがあります。その場合は部分的な塗装補修(タッチアップ)が必要です。追加費用の有無を事前に業者に確認しておけば、リフォーム後の「こんなはずじゃなかった」を防げます。
電動シャッターをDIYで後付けできない理由
「費用を抑えたいのでDIYで取り付けたい」という方もいますが、電動シャッターの後付けはDIYで行うことができません。
電動シャッターの設置には電気配線工事が伴い、この工事は「電気工事士法」により電気工事士の資格を持つ者しか行えないと定められています。無資格での電気工事は法律違反となり、3万円以下の罰金が科される場合があります(電気工事士法第14条)。
費用を少しでも抑えたい場合は、複数の業者から相見積もりを取ることが最も有効な方法です。同じ工事内容でも業者によって価格差が出ることがあります。
【Q&A】電動シャッターのリフォームでよくある質問
- 電動シャッターにリフォームできないケースはある?
-
防火地域・準防火地域では、延焼防止のため防火ガラスまたは防火シャッターの設置が求められます。ただし、防火設備の認定を受けた電動シャッター製品であれば設置できるケースもあります。「うちは防火地域だから無理」と決めつけず、まず業者に相談することをおすすめします。
- 手動シャッターのリフォームにかかる費用の目安は?
-
本体・工事費込みで、10万〜20万円が目安です。窓のサイズやシャッターのグレードによって価格は大きく変わるため、複数枚設置を検討する場合は総額で把握するようにしましょう。
- 手動シャッターを電動化することはできる?
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可能な場合とできない場合があります。既存シャッターのメーカー・型番によっては電動化キットが適合しないケースがあり、その場合はシャッター本体ごとの交換になります。「電動化のほうが安い」と決めつけず、新規交換との両方で見積もりを取った上で判断するのがベターです。事前に専門業者による現地調査を依頼してください。
- 電動シャッターの後付けをDIYで行うのはNG?
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NGです。電気工事士法の規定により、電気配線工事は資格保有者しか行えず、無資格での施工は罰則の対象となります。費用を抑えたい場合は、複数業者への相見積もりが最善の方法です。


















