2024年04月17日更新

監修記事

築20年・築25年の住宅のリフォームと建て替えを比較!

築20~25年は、多くの人が家のリフォームを検討し始める時期です。しかし、築年数が5年違うだけで、リフォームと建て替えのメリット・デメリットも異なります。築20年と築25年の家それぞれの、リフォームと建て替えの費用やメリット・デメリットを比較してみましょう。

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住宅設備の寿命は約20~25年

キッチンやお風呂などの水回り機器や、外壁や屋根、内装のフローリングや壁クロスなど、住宅に使われている設備や建材は、使い続けるうちに必ず寿命を迎えます。

例えば、キッチンやお風呂などの毎日使う水回り設備は、通常は約20~25年で寿命を迎えると言われます。

また、外壁や屋根などの屋外設備は、定期的な点検を行わなければ、新築から約10年前後で寿命を迎えてしまうこともあります。

つまり、築20年、築25年の住宅では、建物のどこかに寿命を迎えた設備があっても不思議ではない状態になっています。

築20年と築25年の住宅で起きていること

日常的に手入れが行き届いている設備や、簡易なメンテナンスが定期的に行われてきた家では、平均的な寿命よりも設備が長持ちすることがあります。

そのため、築20年の住宅の中には、リフォームする箇所が比較的少ないものもあります。

しかし、そのような住宅でも、築年数がさらに5年経つと、設備に不具合が生じる確率は一気に高まります。よって、築25年の家は、築20年の家と比較すると、リフォームの必要性がやや高くなります。

築20年と築25年の住宅で、リフォームと建て替えそれぞれの費用やメリット・デメリットを比較してみましょう。

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築20年の住宅でリフォームと建て替えを比較

まずは、築20年の住宅で、リフォームと建て替えそれぞれの、違いや特徴を比較してみましょう。

築20年の住宅をリフォーム

築20年の住宅では、建物全体のリフォームよりも、設備の交換や補修といった部分的なリフォームが行われる傾向にあります。

築20年住宅のリフォームの費用負担

築20年の住宅を部分的にリフォームした場合の費用相場は、約150~300万円程度です。

水回り設備の価格だけでも、約100~150万円は必要になりますので、部分的なリフォームでは最低でも約100万円以上の費用が必要になります。

水回りリフォームについて詳しくはこちら

一方、フルリフォームなど建物全体のリフォームになると、費用相場は約800~1200万円と高額になります。しかし、一般的な住宅のフルリフォームに比べると、割安な金額と言えるでしょう。

もちろん、築20年の住宅でも、約1500~2000万円の費用をかけてリフォームが行われることもありますが、このような高額なリフォームが行われるケースは全体の中でも少数です。

築20年住宅のリフォームのメリット

築20年の住宅でリフォームを選択するメリットは、キッチンの交換や、フローリングの部分的な張替えといった、簡易な交換・補修だけで家の問題を解決できることでしょう。

また、建築時期が比較的浅いため、断熱性や耐震性などに配慮して建てられている住宅も多く、これらの補強工事が追加で発生するリスクも低くなります。

築40年や築50年など、建築時期が古い住宅になれば、断熱性や耐震性が現在の住宅よりも劣るため、追加で補強工事が発生し、リフォームの総費用も高額になってしまいます。

築20年住宅のリフォームのデメリット

築20年目の住宅をリフォームするときは、「ほんの少し前にリフォームを済ませたのに、またリフォームすることになってしまった」という二度手間を発生させないよう、注意しなくてはなりません。

築20年目では問題なく使えた設備でも、その後5年、10年と時間が経つと、徐々に不具合が出始めます。そのため、工事が済んだ後で、新たにリフォームを必要とする箇所が出てくる恐れがあります。

今はリフォームの必要がなくても、後からリフォームが必要になるか調べておきたいという場合は、リフォームを行う際に、家全体の住宅診断を併せて実施しておくと良いでしょう。

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築20年の住宅を建て替え

築20年目の住宅で建て替えを検討する場合は、なぜリフォームではなく建て替えを選択するのか、その理由を明確にしておく必要があります。

築20年住宅の建て替えの費用負担

建て替えでは、建物をいったん土地の上から完全に無くしてしまうため、基礎や地盤に適切な補強を行うことができます。

しかし、築20年の住宅では、基礎や地盤などに大きな問題が生じているケースは少ないため、地盤や基礎の補強工事が発生せず、最低限の工事で済ませることができます。

そのため、建て替えの費用相場も約1500~2000万円となっており、一般的な住宅の建て替え費用の相場と比較すると、約100~200万円ほど割安になります。

築20年住宅の建て替えのメリット

建て替えのメリットは、家を使用目的に合わせて、新築のように作り替えることができる点です。

今住んでいる家を、何らかの理由で今と違う造りにしなければならないときは、建て替えを選択した方が良いでしょう。

例えば、親世帯と同居するための二世帯住宅化や、高齢者や介護が必要な家族のために、家全体をバリアフリー化する場合は、間取りを全体的に見直す必要があります。

建て替えであれば、間取りや家の規格を一から作り直すことができるため、最も理想的な間取りを手に入れることができます。

一方、リフォームで二世帯住宅化やバリアフリー化を行おうとすると、どうしても既存の間取りに合わせて設計しなければなりません。

そのため、せっかくリフォームを行っても、使いにくさや不便さを感じてしまう恐れがあります。

また、リフォームでは、階段や柱など、建物の強度に関わる箇所の変更が行えないことも多く、この点を気にせず自由にプランニングが行える点が、建て替えの大きなメリットと言えるでしょう。

一戸建てフルリフォームについてこちらの記事もご覧ください

築20年住宅の建て替えのデメリット

築20年の住宅で建て替えを行うと、リフォーム以上の高額な費用が必要になってしまいます。

また、建て替えでは、建物の基礎を含むすべての設備を解体しなければなりません。そのため、比較的状態の良い設備も解体・撤去してしまうリスクがあります。

支払う費用が高額ということだけでなく、解体撤去する設備に大きなロスが生じる点も、よく理解しておきましょう。

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築25年の住宅でリフォームと建て替えを比較

築25年の住宅でリフォームや建て替えを行うときは、築20年の住宅とは異なる視点が必要になります。

築25年の住宅をリフォーム

築25年目の住宅では、築20年目の住宅よりも、リフォームが必要な箇所が若干増えはじめます。

築25年住宅のリフォームの費用負担

築25年目の住宅は、築20年の住宅よりもリフォームしなければならない箇所がやや増えるため、リフォーム費用の相場も約100万円ほど高くなっています。

築25年の住宅で行われた部分的なリフォームは、約200~500万円が相場費用です。

一方、建物の全体的なリフォームの相場費用は、約1000~1300万円となっています。

築25年住宅のリフォームのメリット

築25年の住宅では、築20年の住宅に比べると、故障や劣化が生じた箇所がわかりやすいため、一度のリフォームで必要な箇所をまとめて交換することができます。

一回のリフォームで必要な工事を済ませておくことができれば、解体費用や配線費用もひとまとめになるため、期間を空けて二回工事を行ったときよりも、費用を節約することができるでしょう。

築25年住宅のリフォームのデメリット

一度にまとめてリフォームが行えるということは、手を入れる箇所が増えるということでもあります。そのため、築25年の住宅では、リフォーム費用がやや割高になってしまいます。

築25年を迎える前に、簡易な点検やメンテナンスを定期的に行って、建物を良い状態に保っておくと良いでしょう。

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築25年の住宅を建て替え

設備の故障や劣化がわかりやすく、リフォームに適した時期と言っても過言ではない築25年目の住宅ですが、建て替えを選択するメリットは存在するのでしょうか?

築25年住宅の建て替えの費用負担

築25年の住宅の建て替え費用は、築20年の住宅とほぼ同じ、約1500~2000万円程度が相場です。

しかし、すぐ目の前に築30年目が近づいているということは、基礎や構造材に何らかの変化が生じていてもおかしくはありません。

そのため、補強工事が追加で発生し、約2000万円以上の建て替え費用になることもあるため注意が必要です。

築25年住宅の建て替えのメリット

築25年目の住宅では、リフォームのし忘れを防ぎやすいというメリットがあります。

しかし、建物全体を解体し、新築同様の状態で作り直す建て替えであれば、リフォームよりも確実に、安全で使いやすい家を手に入れることができるでしょう。

築25年住宅の建て替えのデメリット

築25年目の住宅でも、使い方によっては築20年未満、または新築の建物と同じくらい状態が良いこともあります。

そのような建物で建て替えを行い、状態の良い建材や内装材まで解体・処分してしまうと、費用や資材の大幅なロスに繋がる恐れがあります。

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自分の家にはどちらが適している?

リフォームや建て替えを考えると言うことは、何らかの理由で今のライフスタイルに不便さを感じていると言うことでしょう。両親の介護の問題や子供の巣立ちなど、家族状況の変わり目が20~25年目と言われています。

親世帯との同居や、二世帯住宅化など、家を完全に作り替えなければならない事情があれば、建て替えを選択した方が、満足度の高い工事を行うことができるでしょう。

一方、これまでに一度でも、住宅の点検やメンテナンスを行っているのであれば、リフォームを選択することで、補修した設備まで解体せずに済み、費用の無駄を抑えることができます。

費用の安さだけで選択すると、完成後に追加で工事が発生したり、使いにくく住み心地が悪かったりと、せっかく費用が節約できても、不満が残る結果になってしまう恐れがあります。今後20年間の家族状況を十分考えて判断する事が大切です。

住宅リフォームの減税や補助

住宅のリノベーションやリフォームには各種の減税や補助金の制度があり、一定の条件で支援を受けることができます。

補助金については、各自治体により各種の制度が増えたり、内容が変化していますので最新の情報を確認しておきましょう。

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築年数ごとのフルリフォームと建て替えの検討

他の築年数におけるフルリフォーム/建て替えの考え方を知りたい方は、こちらページでも詳しく解説しています!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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