3階建て室内リフォームの費用相場

3階建て室内リフォームの費用相場は、「1,000～4,000万円」です。

費用相場はリフォームの範囲や方法によって変動します。

本章では、3つのリフォームにかかる費用相場について紹介していきます。

スケルトンリフォーム

3階建てスケルトンリフォームの費用相場は、「1,000～3,000万円」です。

スケルトンリフォームは壁や床、天井をすべて撤去し、躯体のみにします。

自由にリノベーション工事ができるため、大幅な間取りの変更や断熱材の充填、水回りの移動におすすめです。

スケルトンリフォームの場合、工事中に仮住まいできる場所の確保が必要になります。

部分リフォーム

3階建て部分リフォームにかかる費用相場は、「500～3,000万円」です。

部分リフォームで実施される工事内容と費用相場の一覧表は、以下の通りです。

工事内容	費用相場
内装仕上げ変更のみ	500～1,000万円
間取り変更あり・外装を含める	1,500～2,500万円
外壁塗装・防水工事を含める	2,000～3,000万円

部分リフォームは工事範囲を選べるため、予算に合わせたリフォームが可能です。

スケルトンリフォームよりも、思い切った工事ではないため、間取りの変更や住宅性能向上の工事が難しくなります。

二世帯住宅のリフォーム

3階建て二世帯住宅のリフォームにかかる費用相場は、「1,000～4,000万円」です。

二世帯住宅は間取りのタイプによって、リフォーム費用が大幅に変動します。

間取りのタイプ	費用相場
寝室以外をすべて共同で使用する間取り（完全同居）	1,000～2,000万円
生活空間を完全に独立させる間取り（一部同居）	3,000～4,000万円
各家族が独立した空間を持つ間取り（完全分離）	1,500～3,000万円

二世他住宅の場合、各世帯の部屋の使い方や共用部分などによって費用が変動します。

設計時のアイデアがそのまま費用に反映されるため、誰に設計してもらうかも重要になります。

外壁・屋根塗装にかかるリフォーム費用相場

外壁・屋根塗装にかかるリフォームの費用相場は、「1,000～14,000円」です。

塗料ごとの価格一覧表を以下にまとめました。

塗料	外壁塗装にかかる価格（/㎡）	屋根塗装にかかる価格（/㎡）
アクリル塗料	1,000～1,800円	1,500～2,500円
ウレタン塗料	1,700～2,500円	1,700～2,500円
シリコン塗料	2,300～3,500円	1,800～3,500円
フッ素塗料	3,500～4,800円	3,000～5,000円
断熱塗料	2,300～14,000円	3,600～4,800円

外壁・屋根のどちらに塗装を実施するのかによって、同じ塗料であっても、㎡単価が異なります。

見積時には、屋根・外壁塗装に適した金額が記載されているかの確認を忘れず行いましょう。

建物構造別の3階建てリフォームの費用相場

スケルトンリフォームの費用相場は、「1,000～3,000万円」です。

リフォームの場合、構造が変わるからといって、費用が大幅に変動するわけではありません。

ただ、下地やサッシの取り付けなどは構造によって変わるため、工事範囲が広いと、多少の費用変動が見られます。

建て替えの場合、リフォームとは異なり、躯体から建築します。

躯体からの建築は、構造によって費用が大きく変動するため、リフォームのように同様の金額になることはありません。

3階建てリフォームで費用を抑える4つの方法

3階建てリフォームで費用を抑える方法として、以下の4つを紹介します。

1. 水回りを2階・3階に設置しない
2. 足場工事をまとめて実施する
3. 1階が駐車場ならそのまま残す
4. 補助金・助成金を利用する

1つずつ順番に紹介します。

方法1．水回りを一箇所にまとめる

二世帯住宅にリフォームする場合、トイレやキッチンをそれぞれの世帯に設置する場合があります。

各世帯に水回りを作ることで、設備の引き込みや住設機器の新設などによる高額な工事費用が発生します。

費用を抑えるのであれば、浴室・洗面台・トイレなどを一箇所にまとめるのがおすすめです。（水回りをわける場合は、上階と下の階の配置場所をある程度そろえる）

一箇所にまとめることで、配管工事や住設機器の工事費用を抑えられるからです。

方法2．足場工事をまとめて実施する

外壁・屋根塗装をリフォーム工事で実施する際、まとめて行うのが費用を抑えるポイントです。

分けて工事を進めると、工事回数分の足場設置代や飛散防止ネット代がかかります。

費用面以外も、メンテナンスを同時にしやすくなったり、足場の設置期間を短縮できたりなどのメリットが感じられます。

方法3．1階が駐車場ならそのまま残す

1階を駐車場として使用していた場所を居室にリフォームする場合、下地のやり替えから必要になります。

居室を駐車場に変更する場合には、シャッター取り付けによる耐震補強の工事が必要になったり、下地撤去が必要になったりなどの大掛かりな工事になります。

費用を抑えたい方は、1階を駐車場として使用していたり、1階を駐車場にしようとするリフォーム工事は避けておくのが無難です。

方法4．補助金・助成金を利用する

3階建てリフォームの費用を抑える方法として、補助金・助成金の利用がおすすめです。

補助金・助成金は、市・府の行政や国が実施しています。

リフォームであれば、サッシ交換や断熱に関するリフォーム工事が対象になります。

補助金・助成金を利用するには、いくつかの手続きが必要になるため、設計者に委託するようにしましょう。

3階建てリフォームの設計ポイント

3階建てリフォームの設計ポイントは、以下の2つです。

• 省エネ性能を高める
• 生活動線や採光を考慮する

それぞれ順番に紹介します。

省エネ性能を高める

3階建てリフォームを実施する際、断熱性などの省エネ性能を高めましょう。

断熱性を高めるためには、窓や壁、天井など全体を断熱材で覆う工事が必要になります。

費用をかけられない方は、高断熱のサッシに取り替えるのもおすすめです。

リフォーム工事によって省エネ性能を高めることで、外部の環境に左右されない過ごしやすい室内環境を手に入れられます。

生活動線や採光を考慮する

3階建てリフォームでは、生活動線や採光を考慮しましょう。

間取りを大幅に変更するリフォームの場合、リフォーム前よりも生活がしにくい動線の発生が考えられます。

リフォームは限られたスペースでの工事になるため、大きく間取りを変えられません。

生活導線が悪化するなら、間取りを変更しないというのも1つの方法です。

また、間取りを変更した際、採光の確保が難しくなります。

採光が確保できないと、暗い閉鎖的な空間になります。

明るい空間を確保するためにも、開口部の位置を確認し、どれくらいの採光が確保できるのかを確認しておきましょう。

3階建てリフォームの施工事例

3階建てリフォームを実施する方向けに、施工事例を紹介します。

3階建てリフォームの設計アイデアや工事の参考にしてみてください。

プライベート空間を確保した内装リフォーム

■Before

■After

概要	内容
リフォーム費用	約1000万円
施工期間	2か月
リフォーム箇所	間取り変更、水回り入れ替え、断熱材充填、収納のやり換え
面積	135㎡
家族構成	4人
築年数	30~40年未満

2階をスケルトンリフォーム、3階を部分リフォームと階数によってリノベーションの方法を変更した施工事例です。

すべての階をスケルトンリフォームすることは自由度が高くなるものの、リフォーム費用が高くなります。

そのため、今回のリフォームでは限られた予算のなかで、要望を叶えられる形のアイデアを提案しています。

>>3階建て住宅のリフォーム

二世帯住宅を可能とした内装リフォーム

■Before

■After

概要	内容
施工期間	1か月半
リフォーム箇所	間取り変更、水回り入れ替え、収納のやり換え

親世帯と子世帯が同居するためのリノベーション事例になります。

同居する若い家族が増えるため、断熱性能が高められる工事を重点的に実施しています。

また、ダイニング・キッチンと分かれていた部屋を1つにすることで、広く開放的なLDKの確保が可能になり、家族の共有スペースになりました。

>>3階建て内装リフォーム工事

3階建てリフォームは構造によって法規制の考え方が変わる

3階建てリフォームの場合、構造計算適合性判定が必要になる建物が大半です。

構造計算適合性判定とは、建築確認申請に添付される構造計算が現在の建築基準法等に適合しているかどうかを判断する制度のことです。

適合性がない場合、リフォームの許可が下りません。

2025年4月からは、木造住宅のリフォームに関する申請制度が厳しくなります。

内装だけであれば、確認申請は不要です。

構造計算適合性判定がクリアできない場合は、申請が不要な内装リフォームを検討しましょう。

木造3階建ての場合

木造3階建てでは、主要構造部（壁や柱、床など）が50%を超える工事になると、確認申請業務が必要になります。

建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。

建築基準法第6条抜粋

大規模の修繕や模様替えに該当するスケルトンリフォームの場合は、大半の住宅で確認申請業務が必要になるでしょう。

確認申請業務は、建築主から委託を受けた設計事務所が代わりに行うのが一般的です。

混構造（木造+鉄筋コンクリート造）の場合

混構造（木造+鉄筋コンクリート造）の場合、構造計算をクリアにするのが難しいです。

混構造とは、木造や鉄骨、重量鉄骨のような構造が2つ以上、同じ建物に組み合わせられた構造体のことです。

混構造は、それぞれの躯体の特徴を考慮し、バランスの取れた構造検討が必要です。

ただ、2種以上の構造が混ざってしまうと、バランスが取りにくくなります。

混構造の壁や床を撤去するなどのリフォーム工事では、片方の構造が弱くなってしまい、バランスが崩れてしまうことも考えられます。

それぞれの接合方法や構造体の組み合わせの検討に時間がかかり、設計・施工のレベルも高いです。

施工事例を確認し、混構造の設計・施工をメインとしている業者に依頼すると、安心して任せられるでしょう。

3階建てリフォームに関するよくある質問

最後に、3階建てリフォームに関するよくある質問についてお答えしていきます。

2階→3階建てに増築リフォームはできる？

2階→3階建てに増築リフォームはできます。

建物を増築することができない、狭小住宅に適しています。

しかし、建築基準法上の斜線制限や容積率などの問題から増築に関する工事が難しいことも。

1層分の荷重が2階から下にかかるため、耐震性に注意を払う必要があります。

3階建てを4階建てに増築リフォームする場合も、同様の考え方になります。

3階→2階建てに減築リフォームはできる？

3階→2階建てへの減築リフォームも可能です。

減築では、固定資産税の負担が減ったり、移動が楽になったりなどのメリットがあります。

リフォーム工事によって外壁や屋根から雨漏りが発生したり、耐震性が弱まったりすることが考えられるため、質の高い工事業者を選ぶ必要があります。

3階建てで老後を過ごすバリアフリー・動線確保のコツはなに？

3階建てで老後を過ごすバリアフリー・動線確保のコツは、以下の通りです。

• フロア間の上下移動が少なくなるようにする
• 車いす生活になっても困らないように、間口を広めにとる
• 廊下やトイレ、浴室も広めにしておく
• ドアは引き戸を選ぶ
• 寝室はトイレから近い間取りにする
• トイレは立ち上がりやすいように手すりを付ける
• 浴室は滑りにくい床材を使用する

バリアフリーに適したリフォーム工事をすることで、長期的に安心して住み続けられます。

家のなかでは、障害物が多数あります。

転倒による事故の危険性も考えられるため、将来も安全に暮らせるバリアフリーのリフォーム工事を実施しましょう。

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