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2018年12月18日更新
天井を断熱リフォームしたい!工法や費用相場はどのくらい?
天井の断熱処置がない場合、室温が高くなったり冷え込んだりと、エアコンなどの電気代もかさみますよね。対策として、お手軽で経済的な天井の断熱リフォームがおすすめです。天井の断熱リフォームにかかる費用や施工方法、リフォーム時の注意点についてご紹介します。
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この記事の監修者下久保彰二級建築設計事務所経営30年
天井断熱の施工方法
天井の断熱リフォームは、天井裏に断熱材を設置する施工が一般的です。施工方法は主に「敷込み工法」と「吹込み工法」の2種類あります。
それぞれ施工の流れを見ていきましょう。
天井裏に断熱材を敷設する「敷込み工法」
天井裏に断熱材を敷設するのが「敷込み工法」です。
敷込み工法の流れ
- 壁体内への外気の侵入を防ぐため、カットした断熱材で壁の中の空気の通り口を塞ぎ、気流止めをします。
- 吊木の周りに隙間ができないよう、断熱材に切り込みを入れながら敷込みます。
- 屋根裏全体に断熱材を敷込んで完了です。
比較的安価に施工できる方法ですが、隙間ができないよう断熱材を適切に敷設しなければ断熱効果は得られません。
天井裏に断熱材を吹込む「吹込み工法」
天井裏に綿状の断熱材を吹込むのが「吹込み工法」です。
吹込み工法の流れ
- 敷込み工法と同様に、気流止めをします。
- 専用の機械を使用して、断熱材を300mm以上の厚さまで吹付けて完了です。
吹込み工法は専門業者による施工が必要で、敷込み工法と比べると費用は高くなります。しかし断熱材が綿状なため隙間ができず、断熱効果は高いです。また、既存の断熱材がある場合でも上から吹込むことができます。
天井断熱のリフォームにかかる費用
実際にリフォームをする場合、気になるのは費用のことですよね。
天井の断熱リフォームにかかる費用は、施工面積の大きさ以外に
- 天井を剥がすかどうか
- 施工方法
- 断熱材の種類
主にこれら3つの施工内容によっても変動します。具体的な費用の相場や、断熱材の種類と価格について見ていきましょう。
天井を剥がす場合と剥がさない場合
同じ工法を行うとしても、天井を剥がして行う施工は、剥がさず行う施工よりも費用が高くなってしまいます。
目安の相場
- 天井を剥がして施工:約40~90万円
- 天井を剥がさずに施工:約15~50万円
リフォームする際にはまず、天井を剥がす必要があるのかを確認しましょう。
施工別の費用相場
施工方法を2種類ご紹介しましたが、工法をどちらにするかによっても費用は変わり、施工にかかる費用は、「敷込み工法<吹込み工法」となります。
敷込み工法は比較的費用を安く抑えられますが、もし隙間ができてしまった場合には十分な効果が発揮されません。
吹込み工法は専門業者にしか施工できないということもあり、費用は高くなります。しかし、厚さの調節や障害物の有無にこだわらないといったように、施工面で融通が利きやすいというメリットがあります。
どちらの工法が良いかは小屋裏の状態によっても異なります。業者から工法を提案された際には、理由を確認するようにしましょう。
断熱材の特徴と価格
断熱材にはどのようなものがあるのか、特徴や価格についてご紹介します。
断熱材は大きく分けて2タイプ
断熱材は繊維系と発泡プラスチック系の2タイプあります。主に天井断熱の施工に使われるのは繊維系で、ビーズ法ポリスチレンや押出法ポリスチレンフォームなどの発泡プラスチック系は、床断熱で使用されることが多いです。
繊維系は発泡プラスチック系と比べると価格が安いため、天井の断熱はお家の断熱リフォームの中でも低コストで抑えられます。
天井断熱に使われる断熱材の特徴と価格
天井断熱の施工で使われる繊維系の断熱材について、特徴や価格を見ていきましょう。
価格が安い順に並べると「グラスウール≦ロックウール<セルロースファイバー」となります。グラスウールはガラス繊維でできている断熱材で、
- 法定不燃材としての指定を受けている
- 湿気を吸い込まないため、重みが増さない
以上2点の理由から天井断熱に向いているとされ、価格も安いため、よく使用されます。グラスウールと性能も値段も近いのがロックウールです。この2つはほぼ同等で、天井断熱ではこのどちらかで施工される場合が多いです。
ロックウールは鉱物から作られる石綿の一種で、グラスウールよりも少し防火性に優れています。セルロースファイバーは天然繊維でできた断熱材で、他2つと比べると価格は高いです。
性能に大差はありませんが、最大の特徴は、新聞紙をリサイクルして作っているため環境に優しいエコロジー資源となります。
天井断熱リフォームをする際の注意点
ここまで、天井断熱リフォームの施工方法や使用する断熱材について説明いたしました。次に、リフォームをする際に前もって知っておきたい注意点をご紹介します。
天井ではなく屋根の断熱が必要な場合
天井断熱をすると、勾配天井やロフトなど、小屋裏を生活空間として利用することができません。生活空間として利用したい場合は、天井ではなく屋根を断熱することになります。
ただし天井断熱でも、収納部を断熱材で覆えば、小屋裏収納を設置することは可能です。屋根断熱は、デッドスペースとなる小屋裏部分を幅広く活用できるという点がメリットになります。
対して天井断熱のメリットとして、施工面積が広い屋根断熱よりも工事費が安く、冷暖房の空間も小さくて済むため、非常に経済的です。
天井断熱をした後は小屋裏の換気が重要
天井の断熱リフォームをした後は、天井より上は外部空間となります。
熱せられた空気は上部にたまりやすいため、夏場は小屋裏換気が確保されていないと断熱効果が減少してしまいます。
また、冬場に室内を暖房していると、暖められた空気が上部にあがり、その中に含まれる水分も一緒に小屋裏へ侵入します。
もし小屋裏換気が確保できていなければ、たまった水分が結露を誘発することになり、小屋裏の劣化につながるでしょう。
断熱リフォームは、ただ断熱材を設置すれば良いというものではありません。
断熱材料にとって大切な機能は、断熱性能・気密性の確保、この2点の両立が重要です。断熱性能がいくら優れていても、湿気のコントロールは目に見えない屋根裏での作用ですので、特に梅雨時など目視で状況確認を行いましょう。
最大の断熱効果を得るためにも、丁寧に施工し、断熱に適した環境を作ってくれる、信用できる業者に施工してもらうことが大切です。
断熱リフォームに対応する優良な会社を見つけるには?
ここまで説明してきた断熱リフォームは、あくまで一例となっています。
「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。
そのとき大事なのが、複数社に見積もり依頼して必ず「比較検討」をするということ!
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一生のうちにリフォームをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しないリフォームをするためにも、リフォーム会社選びは慎重に行いましょう!
