2023年11月17日更新

監修記事

天井にあいた穴の塞ぎ方と修理方法

天井にあいた穴を塞ぐには、ホームセンターで材料を調達してDIYで塞ぐ方法と、工務店や内装業者に依頼する方法とがあります。穴を塞ぐ方法や専門業者に依頼するメリットや費用相場などについてご紹介します。

天井の穴!その原因は?

天井 穴 塞ぎ

天井に穴があいてしまった場合、考えられる主な原因は以下の通りです。

外的要因による天井の穴

天井に穴があいてしまうケースで多いのは、照明器具の取付の前後です。照明器具を交換するときに、古い照明器具を無理に引っ張ると天井の石膏ボードが割れて穴があいてしまうことがあります。

また、天井の掃除をしていてハタキなどがぶつかっただけでも穴があいてしまうことも。あいた瞬間は気がつかずに、あとになって気がつくことも多いようです。

天井のクロス下地には薄いタイプの石膏ボードが使われていることが多いので、軽い衝撃でも穴があいてしまうことがあります。強い衝撃を与えないように注意が必要です。

雨漏りによる穴

雨漏りによって天井材が傷み、少しずつもろくなって穴があいてしまうことがあります。

この場合は継続して雨漏りしていることが考えられるので天井の修理はもちろんのこと、雨漏りの原因を突き止めて対処することが重要です。

雨漏りによる穴かどうかは、クロスにシミが広がっているかどうかでわかります。雨漏りによって穴があいた場合、その穴の周囲のクロスは水が染み出しシミができています。天井にシミがある場合には雨漏りが疑がわれます。

天井にできた穴を塞ぐ方法

実際に天井に穴があいてしまった場合どのようにして対処すれば良いのでしょうか?具体的な方法をご紹介します。

天井の穴が小さいとき

穴が小さいのであれば、ホームセンターに売っている穴塞ぎ用のシールを貼って塞ぐことができます。また、パテとよばれる隙間を埋めるための材料でも代用できます。

注意しなければならないのは、穴から木くずやフン、虫の死骸などが落ちてくる場合です。シロアリやネズミの食害で穴があいた可能性もありますので、専門的な調査をすることをおすすめします。

シロアリには特に注意が必要です。日本の家屋に多くの被害をもたらしているのは「ヤマトシロアリ」というシロアリですが、このシロアリは地上1m以上の場所ではほとんど生きていけません。

ヤマトシロアリに対して、最近日本各地で猛威を振るっているのが「イエシロアリ」という家全体を食べてしまうシロアリです。

天井からシロアリのフンや死骸、食害による木くずが落ちてくるケースではヤマトシロアリではなく、さらに被害が甚大な「イエシロアリ」の可能性が高いので、速やかに調査を行いシロアリの防駆除を業者に依頼しましょう。

大きな穴の場合

天井にあいた穴が大きい穴の場合は、下地である石膏ボードから補修する必要があります。

手順1:穴の周辺を切り取る

あいてしまった穴の周辺の石膏ボードを大きめに切り取ります。穴をさらに広げてしまう行為ですが、石膏ボードをはめ込むための下地になる木材を取りつけるために必要な工程ですから大きめに切り取りましょう。

手順2:下地の木材を埋め込む

四角く大きめに切り取った部分の両端にボードをとめるための木材を入れます。

木造の場合、天井には30cm~45cmの間隔で木材が取りつけられていますので、石膏ボードを切り取ったところに木材があれば新しく木材を入れる必要はありません。

手順3:石膏ボードを木材にとめる

あけた穴の大きさにカットした石膏ボードをはめ込みます。ただはめ込んだだけでは落ちてきてしまいますので、下地になる木材にビスどめします。

このとき、安全で確実にとめるためにも「ボードビス」という種類のビスを使用するようにしましょう。

手順4:クロスの補修

ボードがしっかりとまったらクロスで仕上げます。クロスを貼る前にボードとボードの隙間をパテ埋めするときれいに仕上がるのでおすすめです。

クロスを貼るための道具はセットになってホームセンター等で売られています。糊とクロス、道具一式をそろえたらクロスを貼っていきましょう。

なお、既存のクロスの品番と同じものが手に入ればよいのですが、難しい場合は似たような柄のクロスで対応します。

クロスを石膏ボードよりも大きめにカットして貼っていきますが、このとき、余分な糊が既存のクロスにつかないように養生テープなどでクロスを保護しましょう。

クロスを貼ったあとに余分なクロスをカットすれば完成です。切れ味のよいカッターを使わないと、つなぎ目が目立ってしまうのでカッターの刃は新しいものを用意するとよいでしょう。

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天井の穴をカバーする便利なグッズ

ホームセンターで手に入る天井の穴を塞ぐための便利なグッズをご紹介します。

手軽に天井の穴を塞ぐ「天井シール」

貼るだけで簡単に天井の穴を塞ぐことのできるシールが「天井シール」です。柄にもバリエーションがありますので、天井の柄に近いものを選ぶことでシール自体を目立ちにくくすることもできます。

穴塞ぎだけでなく、天井の汚れやシミを隠すのにも使えますし、天井と壁クロスが同じクロスであれば壁にも使えて大変便利なグッズです。

はがれにくくするために角が丸くなっていて、粘着力の高いものを選ぶとよいでしょう。

しっかり塞ぎたい人には「目隠しプレート」

電気工事やエアコン工事であいた穴を隠すために使われている「目隠しプレート」も天井の穴塞ぎに役に立つグッズです。

完全に天井クロスと色をあわせることはできませんが、大きめの穴でも簡単にしっかり塞ぐことができますので、急いで対処したいときにはとても便利です。価格も数百円と安価です。

専門業者に依頼するメリットと費用相場

天井 穴 塞ぎ

DIYで天井を塞ぐ方法をご紹介しましたが、リフォーム業者に依頼することでしっかりと穴を塞ぐことができ、さらに美しい仕上がりになります。DIYに自信のない場合や確実に穴を塞ぎたい場合、仕上がりを重視する場合には専門業者への依頼をおすすめします。

また、雨漏りやシロアリ等が原因で穴があいた場合にはただ穴をふさぐだけでは根本的な解決はできません。必ず専門業者に依頼し原因となる部分から補修を依頼しましょう。

天井穴のリフォーム費用の相場

リフォーム内容 費用相場
小さい穴の補修(5cm×5cm程度) 約15,000円~
大きい穴の補修(30cm×30cm程度) 約2万円~
石膏ボードの張替え(1枚分) 約1万円~
ベニヤ合板張り 約15,000円~
部分的なクロスの貼替え 約20,000円~
全体的なクロスの貼替え(6畳の天井) 約30,000円~

穴が小さくても大きくても、材料と経費はあまり変わらないため、穴が小さいほど割高になります。クロスについても同様です。また、上記の費用のほかに、パテ埋めなどの下地処理費用や廃材処分費が別途必要になります。

雨漏りやシロアリ等の穴修理にかかる費用相場

雨漏りやシロアリなどが原因で穴があいてしまった場合の修理に関しては、穴を塞ぐ以外にも雨漏りの原因となる部分を補修する費用や、シロアリなどの駆除費用等がかかるので全体の工事価格は高くなります。

工事内容 費用相場
雨漏りの原因を特定する調査 約1万円~ ※修理を依頼すれば無料になることもある
シロアリ調査 約1万円~ ※防蟻処理を依頼すれば無料になることもある
シロアリ防蟻処理 約5万円~
傷んだ構造体の補強 約3万円~

なお、今回ご紹介した費用はあくまで一例であり、リフォーム会社ごとに天井の修理にかかる費用が異なることがあります。見積もりを取る際には相見積もりにして、費用を比べてみましょう。

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天井穴の修理方法

天井に穴が開いた時、もしくは穴を発見した時にそのまま放置するわけにはいきません。

放置した場合は穴が広がったり、腐食が進んだりして良いことは何もないのです。

天井穴は早急に修理しましょう。

小さな穴の修理方法

DIYが流行している現在では、ホームセンターや通販で修理に必要な道具も揃いやすいです。

特別な技術も必要ないため、小さい天井穴ならば素人でも修理することができます。

しかし、天井という危険が伴う場所なので、無理だと判断したら業者に依頼しましょう。

最低限用意するのは、市販のパテとパテ用のヘラ、クロスだけなので費用もかかりません。

パテは、壁やクロスにできた穴を埋める際に多く使われ、天井穴を埋める際にも最適です。

時間はかかりますが、下塗り、中塗り、上塗りの3回を基準にして塗り、サンドペーパーがあれば、表面をこすって滑らかにします。

最後に一部クロスを張ることで綺麗に仕上がります。

大きな穴の場合

天井穴が大きな場合は、天井ボードの交換とクロスの一部張替え、もしくは全体の張替えで修理ができます。

壁や天井には下地となる安価で機能性の高い石膏ボードが多く使用されています。石膏ボードはプラスターボードとも呼ばれます。

壁なら初心者にもできるかもしれませんが、天井ボードの交換は難易度が高くなります。更に、天井ボードを交換した後のクロスの張り替えは難しい作業となるので、業者に任せたほうが良いでしょう。

同じクロスが手に入る場合

同じクロスの品番がある場合は、取り寄せてもらいましょう。

部分張替えが可能です。

もし無かったとしても、破損した部分のクロスを再利用してまかなえる場合もあります。

ただ注意が必要なのは、同じ品番のクロスだとしても生産時期が異なる場合ロット番号が違い若干の色味の差が出ることもあります。

クロスが廃盤になっている場合

穴が開いている天井に使われているクロスが廃盤になっていて、取り寄せられないことも大いにありえます。

廃盤になっている場合は、似たクロスを探すと良いでしょう。

また、天井クロスと壁紙が同じ品番の場合、壁紙の普段隠れているスペースから切り取って天井クロスとして使用するという方法もあります。

しかし、違和感なく綺麗に仕上げるためには一部張替えではなく全面張替えをした方が良いでしょう。

サンプルを参考にして自分の好きな天井クロスを選びます。

天井穴修理にかかる費用

天井穴修理は状況や面積、工法などによって費用が変わってきます。

一般的にとてつもなく高額な費用が必要な工事にはなりませんが、業者によっては費用に差が出ることもあるので、前もって見積もりをしておきましょう。

天井穴修理のケース費用
小さな天井穴市販パテなど必要な道具購入費:約5000円
大きな天井穴穴修理のみ:約1万円
クロス在庫有り(クロス再利用)穴修理+クロス再利用=約1万6千円
クロス廃盤(全面張替え/40㎡以内)穴修理+全面張替え=約4万円

天井穴修理を業者に依頼した人で一番多い価格帯は、約2万円~4万円です。

様々な要素によって価格は異なるので業者に見てもらったり、相談したりして適当な価格を提示してくれる業者を選んで下さい。

価格に関して疑問点があれば業者に尋ねましょう。

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こんな時は専門業者に

天井という場所だけで素人が修理しようすると難易度が高く、業者に任せた方が安心ですが、場所以外でも業者に依頼すべきケースがあります。

素人が下手に手を出すとより状況が悪化したり、見た目も悪くなるので業者へ依頼する判断はできるだけ早く、適切にできるようにしましょう。

シロアリによる穴

木造住宅にとっての天敵として有名なのはシロアリです。

シロアリは木を食べてしまいます。

家を支える木も住人が知らない間に食べられてスカスカになる場合も珍しくありません。

シロアリに食べられた家は地震にも弱くなり、倒壊の危険性が高くなります。

シロアリには種類がありますが、どの種類のシロアリに対しても定期点検をして一刻も早く駆除、予防をしなければなりません。

シロアリは床下に繁殖するものだと思っている人も多いですが、実は天井裏も要注意箇所です。

シロアリの種類によっては天井から侵入、繁殖するので天井に穴が開くことも有り得るのです。

早急に業者に依頼しましょう。

カビの発生による穴

日本は元々多湿です。昔多かった住宅構造は日本の気候に合わせて作られていましたが、近年の住宅は機密性が高くカビが発生しやすい環境です。

カビは高温多湿の環境を好むため、湿気が多い天井はカビの温床になります。

カビは健康に被害を及ぼすだけでなく、天井に穴を開けてしまう程の害を出します。

したがって、天井穴修理だけでなく、防カビ対策も含めた処置が必要です。

雨漏りによる穴

雨樋の詰まりや瓦の老朽化など様々な原因によって雨漏りが起こることがあります。

雨漏りが起こると、家の中に雨水が入ってきます。

雨が降って濡れてしまった天井は腐食がどんどん進み、ついには穴が開いてしまいます。

その場合、天井が落ちてくるという最悪のケースも想定されます。

穴が開く兆しとして、シミが天井に現れたり、クロスの浮きやたわみ、天井が膨らんで見えるなど見た目の異変でわかる場合が多いようです。

ただのシミや膨らみだと放置して対応が遅くなれば、被害は大きくなり修理費用も高くなってしまいます。

しかし、雨漏りの箇所を探すのは素人には簡単ではありません。

雨漏り被害の場所を特定したりするのにも専門業者のノウハウが必要です。

雨漏りが原因だと思っていたらシロアリだったというケースもありますので、必要な処置を的確に施すためにも専門業者の力を借りましょう。

早めの対応が大切

家に不具合や修理が必要な場所がある場合、それがどこでだろうと早めに対応することが大切です。

素早い対応は修理費用を抑えたり、二次被害を防いだりすることに繋がります。

天井に穴が開いている場合、見た目が悪いのは言うまでもありません。

穴から侵入する虫が増え、虫に刺されたり噛まれたりすることも考えられます。

また、劣化や穴に何かを引っかけることで穴が広がってしまう可能性もあります。

穴の開いた原因が雨漏りやシロアリ、カビの場合、家の他の場所にも影響が及ぶ可能性があります。

また賃貸の場合でも、退去時に敷金から支払うだろうと考えて放置しがちですが、放置すれば修繕費用は余計に高くなるのです。

その場合、退去時になって大家や不動産会社とトラブルに発展することもあります。

そうならないためにも、部屋の不具合を感じたらすぐに大家や不動産会社に連絡し、対処方法を話し合うのが賢明です。

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天井に穴が?!賃貸なら退去前にリフォームしましょう

お子さまが部屋の中で野球ボールやサッカーボールで遊んでいたら天井に穴が空いてしまった、というトラブルもときどき聞くことがあります。

マンションなどの天井は石膏ボードでつくられていることが多く、棒のような突起物や野球ボール、サッカーボールなど硬い物があたると穴が空いてしまうことがあるのです。

天井の穴を補修・修理する費用は?

賃貸マンションであれば退去時に高額な修理代を請求されるケースもあります。天井と壁に同じ品番のクロスを使用していて、さらにその品番が廃番になっていた場合は、穴の修理代と壁・天井のクロスを全面張替えるからです。

またポッカリと穴が空いている状態では断熱効果も薄れ、隙間風が入り冬は寒く、夏の冷房効果も落ちてしまい、無駄な電気代がかかってしまう結果になってしまいます。

天井裏が見えているような大きな穴は、石膏ボードの補修からしなければなりません。穴が空いてしまったら早急に修理することです。

同じ品番の壁紙があれば部分的修理が可能

以下のような場合であれば部分的な修理が可能です。

・壁紙の品番が現行モデルである
・廃番品でもメーカーに在庫がある
・壁紙のスペアを持っている
・違う壁紙見本帳に対照品番がある

建築年数が3年以内なら廃番になっていない可能性もあります。ただし、同じクロス品番でも生産ロットが違うと微妙な色の違いが生じる場合があります。

穴の周りの石膏ボードを四角く切り取りビスで固定します。同じ大きさにカットした石膏ボードをはめてビスで固定し、下地用パテで隙間を埋めます。

サンドペーパーで下地を均したら、目の細かい仕上げ用パテで整えます。新しいクロスを貼って修理完了です。

部分的修理の工事費用

下地補強・石膏ボード部分補修・パテ処理:約1万円前後
クロス部分張替え:約6,000円前後
総額:約16,000円前後

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天井クロスの品番が廃番の場合

築年数が経っていると壁紙が廃番になっている可能性が高いです。破損したクロスの状態にもよりますが、小さな穴ならそのまま剥がれているクロスを再利用できるケースもあります。

天井の穴を補修・修理する費用は?

直径20cm以下の小さな穴で剥がれたクロスの再利用が可能な場合

穴の周辺を作業しやすい範囲にクロスをめくります。石膏ボードの補修をし、下地パテ処理、サンドペーパーかけ、仕上げパテ処理後、めくったクロスを貼り直します。

壁紙再利用の工事費用

下地補強・石膏ボード部分補修・パテ処理:約1万円前後
クロス再利用の修理費用:約8,000円前後
総額:約18,000円前後

直径30cm以上の大きな穴や剥がれたクロスの再利用が不可能な場合

穴が大きかったり、経年劣化によりクロスが硬化してしまいはがそうとするとすぐキレてしまったりと破損したクロスが修復不可能な場合は、残念ながら天井全面の貼替えが必要になってきます。持ち家であれば、壁も含めてお部屋全体をリフォームする機会にもなりますね。

天井クロスの部分修理の要領で修理し、天井全面に壁紙を貼替えます。

全面張替えの工事費用

下地補強・石膏ボード部分補修・パテ処理:約1万円前後
クロス全面張替え:約2~3万円前後
総額:約3〜4万円

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社KURODA一級建築士事務所 坂田理恵子

株式会社KURODA一級建築士事務所

坂田理恵子

一級建築士、一級施工管理技士。和歌山市で設計事務所に勤務。住宅のリフォームや新築を中心に携わり、女性目線で、家事や掃除、片付けがしやすく暮らしやすい家の提案を行う。

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