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2020年12月04日更新
外壁をクリア塗装で守ろう!効果・塗装のコツから費用まで徹底解説
サイディングやモルタルなどの外壁をリフォームする場合、ボードの張替えではなくクリア塗装を施すという方法もあります。クリア塗装とはどのような塗装方法なのか、クリア塗装による外壁補修の方法と、費用についてご紹介していきます。
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この記事の監修者GAISOガイソー大和店 株式会社マルセイテックGAISOガイソー大和店 株式会社マルセイテック
目次
クリア塗装とは?

クリア塗装とは、外壁に透明な塗膜を作る塗料を用いて塗装を行う工法です。
サイディングなどの外壁材のザラザラとした質感を生かしたまま防汚性や防カビ性、耐候性などを高めることができ、建物の質感やサイディングの二色柄三色柄といった外観を変えずにリフォームしたいという方に人気となっています。
クリア塗装のメリットとデメリットとは
クリア塗装をするにあたっては、メリットとデメリットを正しく理解しておく必要があります。塗装工事を依頼する前に施主が知っておいたほうがいいメリットとデメリットを紹介します。
メリット①外壁のデザインをそのまま保持できる
クリア塗装は現在の外壁のデザインやサイディングボードの模様を残すといった事が可能です。その為、外観を変えることなく外壁を補修できます。
メリット②外壁に光沢が出る
クリア塗装はその名のとおり透明な塗料を塗り、外壁を保護・補修します。クリア塗装の特徴として外壁に光沢を持たせる事ができます。外壁にツヤが出るため、見た目が新しく見えるのに加えて、汚れの付着も防ぐ事もできます。
メリット③チョーキング現象が発生しにくい
チョーキング現象とは、外壁塗装を行ってからしばらく経つと発生する劣化現象のことを言い、塗膜表面に白い粉が付着します。白い粉は塗装の材料に含まれる顔料が原因で発生するものなので、その顔料が含まれていないクリア塗装ではチョーキング現象が起こりません。
デメリット①劣化した外壁には不向き
外壁塗装を行う理由のひとつに、劣化した外壁に塗装をして見栄えを良くするというものがあります。しかしクリア塗装の場合は下の外壁が丸見えになってしまうので、既に劣化している外壁にはクリア塗装をするのはお勧めできません。
デメリット②チョーキングが起きている外壁には使用できない
こちらは先ほどのデメリットと関連していますが、チョーキングが発生している外壁にはクリア塗装はできません。チョーキングが発生している上からクリア塗装を塗ると、透明な塗料が白く濁ってしまうので、施工は不可となります。
クリア塗料について
クリア塗装は透明で外壁材のザラザラした質感や色あいをそのまま生かすことができる塗料ですが、塗料そのものにはどのような特徴があるのでしょうか?
成分や性質など、クリア塗装の特徴について見てみましょう。
水溶性と油性がある
クリア塗料に限らず、外壁用塗料には水性と油性の2種類があります。
これは、塗料の溶剤成分の違いで、水なら水性、有機溶剤なら油性です。
水性の場合は、水が溶剤成分として用いられているため、揮発時の臭いが少なく、硬化も比較的遅いので施工性に優れていますが、やや塗膜の強度が劣るとされています。
油性はシンナーなどの有機溶剤で液化しているため、乾燥が速く塗膜も強固ですが、施工時に強い溶剤臭が発生するため、臭いの問題に注意しなければなりません。
また、硬化も速いため、手早く施工しなければならないという制限もあります。
クリア塗料の種類
クリア塗料には、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系、アクリル系などがありますが、これは塗料に含まれる材料に何が用いられているかの違いです。
ウレタン系はウレタン樹脂を用いた塗料で、耐用年数は約7年、光沢に優れ吸着性も良好、シリコン系はシリコン樹脂が使われており、耐用年数は約10年、こちらは耐熱性や耐候性に優れているという特徴があります。
フッ素系塗料は、ウレタン塗料やシリコン塗料にフッ素樹脂を添加した塗料で耐用年数は約12年です。
塗膜表面にこのフッ素樹脂が浮き上がることでテフロンフライパンのように汚れが滑り落ちる皮膜がつくられ、高い防汚性と耐候性を発揮します。
アクリル塗料は、アクリル樹脂を使った塗料で、安価かつ透明度の高さが特徴の塗料です。
しかし、アクリル塗料は耐候性や耐熱性が低いため、直射日光が当たるような場所には使用できず、耐用年数も約8年と短くなっています。
クリア塗装はどんな外壁に向いている?
クリア塗装は外壁材の質感をそのまま生かすことができるため、数色の配色がされていてザラザラした質感の窯業系サイディング材や、レンガ、タイルなどの外壁の補修に向いています。
また、モルタル外壁向けのクリア塗料も販売されており、こちらはモルタルのひび割れや伸縮に合わせて伸び縮む特殊な塗膜が形成される点が特徴です。
その他にも、コンクリート打ちっぱなしの外壁にも使用でき、クラック等を防ぐことができるクリア塗料などもありますので、色つき塗料で外壁のデザインを崩したくないという方は、塗装業者に相談してみると良いでしょう。
クリア塗装はどんな外壁に向いていない?
クリア塗装は着色をしないので、元の外壁に劣化が生じる前に塗装をする必要があります。
クリア塗装には表面保護の機能がありますが、前述のとおり透明です。汚れやキズ、色落ちなどは補修する事はできないので、劣化した外壁に塗装をしても透けてしまい、塗装をする意味がなくなってしまいます。
他に、チョーキングが発生している壁にもクリア塗装をしてしまうと白く濁ったような形になり、見た目が綺麗に仕上がらないのでおススメができません。
また、光触媒・無機塗料やフッ素塗料でコーティングされている外壁にもクリア塗装は向いていません。
理由としては、これらの特殊なコーティングがされている外壁にクリア塗装をしてしまうと塗装が上手くのらず、剥がれの原因となるからです。従って、クリア塗装をする前にサイディングメーカーのカタログや施工要領書で確認をする必要があります。
このように、クリア塗装に向いていない外壁もありますので施工前に業者としっかりと打ち合わせをすることが大事です。
失敗しないための注意点
クリア塗装は外壁の質感を蘇らせることができる優れた塗料ですが、サイディングの種類によっては不向きな場合もあります。
外壁用サイディングには、完成時に光触媒や無機塗装、フッ素コーティングなどが施されているものがあり、このようなサイディングの補修にクリア塗装を行うと、塗膜の吸着性が低下して剥がれやすくなってしまうのです。
同様に、サイディングの隙間に施工されている防水コーキングについても塗装を弾く性質があるため、注意が必要となります。
ただ、近年はこのようなコーティング済み外壁材やコーキング向けの下地剤も開発されており、コーティング済み外壁でも他の外壁と同様の強度を発揮できることもあるようです。
その他の注意点として、コーティングされていない外壁でも劣化が激しい場合はクリア塗装でも補修しきれませんので、このような場合には外壁材の交換を行った方が良いでしょう。
また、塗膜が劣化した場合には外壁材に直接雨水や紫外線が当たってしまいますし、クリア塗装そのものが白く濁りはじめるため、早めの塗り替えを行うことも重要だと言えます。
クリア塗装にかかる費用
クリア塗装の費用についてですが、クリア塗料は基本的に下塗りを行わないため、通常の塗装工程より塗装回数が1回少なくなり、2度塗りでの施工となります。
塗装費用の相場は塗料の種類によって変わりますが、1平方メートルあたりアクリル塗料が約1,000円、ウレタン塗料が約1,800円、シリコン塗料が約2,300円、フッ素塗料は約4,000円です。
この価格に加えて、足場代と養生代が合計で1平方メートルあたり約1,000円、高圧洗浄が1平方メートルあたり約200円、下地処理が状態にもよりますが、クラック処理等が1カ所で約2万円となります。
サイディングの場合はシーリングの打ち直しも行い、こちらは1mあたり約1,200円が相場です。
クリア塗装の施工事例は?
ここからはクリア塗装の施工事例を紹介していきます。築年数や費用等、施行計画の参考としてください。
塗装工事は築年数が10年前後の場合が多いようです。前述のとおりクリア塗装は外壁の劣化がひどくなる前に施工する必要がありますので、施工事例を参考にして早めの塗装を検討すると良いでしょう。
劣化をする前に施工
こちらのお宅は築年数は12年とそれなりに経過していますが、比較的外壁の状態はよく目立った劣化は見られていませんでした。タイル部分にクリア塗装を使用し、他の部分には顔料を含んだ塗料で施工をしています。
費用は80万円程度で、工期は約10日でした。
既存のサイディングへ施工
こちらのお宅は既存の外壁材がおしゃれなので、そちらを活かしたいという意向からクリア塗装での施工となりました。築年数は11年で外壁の劣化は少ないですが、屋根の塗装の塗り替えとコーキングの打ち直しも実施しています。
費用は107万円で工期は約14日でした。
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