
お風呂の床が変色する原因
お風呂の床の黄ばみや茶色い汚れは、皮脂汚れ、石けんカス、水垢、もらいサビなどの蓄積か、床材そのものの変質かを見分ける必要があります。ハイターやカビキラーを使った後に色が変わった場合は、漂白剤による変質も疑われます。お風呂の床が変色する主な原因は、漂白剤による変質、皮脂汚れ、サビ、水垢の4つです。原因によって適切な対処法が異なるため、まずは変色の色や発生した場所、使用した洗剤を確認しましょう。

漂白剤による変色
カビキラーなどの浴室用塩素系カビ取り剤には、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする強いアルカリ性の製品があります。床材に使用できない製品を使ったり、洗剤を長時間放置したりすると、床が白くなるなど、変色・変質することがあります。使用前に床の取扱説明書と洗剤の表示を確認し、指定された使用量と放置時間を守りましょう。使用後は、十分な量の水で洗い流してください。洗っても色が戻らない場合は、汚れではなく表面が変質している可能性があるため、メーカーや専門業者に相談してください。
皮脂汚れ
浴室の床には、体や足裏から落ちた皮脂汚れが蓄積し、黒ずみになることがあります。皮脂汚れの付着は避けにくいものの、定期的に掃除すれば蓄積を防げます。
サビ
ユニットバスやタイル張りの浴室では、金属部品の多くにサビにくいステンレスが使われているため、通常の使用で床がサビにより変色するケースは多くありません。ただし、カミソリや、鉄にメッキ・塗装を施した棚やフックを置いたままにすると、発生したサビが水で流れて床に付着し、もらいサビになることがあります。
水垢
水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどが、水分の蒸発後に残ると白っぽくかたい水あかになります。一方、排水口周辺などの黒ずみは、カビや皮脂、石けんカスなど複数の汚れが関係していることがあります。見た目だけで水あかと決めつけず、まずは浴室用中性洗剤と床材に適した道具で落ちるか試しましょう。
お風呂の床の汚れを落とす際に必要な道具
浴室の床を掃除する際は、以下の道具を用意しましょう。
- 浴室用中性洗剤
- ゴム手袋
- 床材に適したやわらかいスポンジや床用ブラシ
床の細かな溝や凹凸にスポンジが届きにくい場合は、取扱説明書で使用できることを確認し、先割れ加工など床材に適した浴室用ブラシで、力を入れすぎずにこすります。メラミンスポンジ、ナイロンたわし、樹脂製のヘラ、クレンザーなどは、床材や表面加工によって使用できないことがあるため、取扱説明書を確認してください。金属たわしなどの硬い道具や、コーキングを強くこする掃除は、傷やはがれの原因になるため避けましょう。洗剤の湿布を行うときも、製品に表示された放置時間を守り、使用後は十分に洗い流してください。
お風呂の床の汚れの種類に合わせた洗剤と落とし方

軽い汚れは浴室用中性洗剤とブラシで落とす
日常的なお風呂の床掃除には、浴室用中性洗剤と床材に適したブラシやスポンジを使う方法がおすすめです。軽い汚れは、浴室用中性洗剤をつけてやさしくこすります。長年蓄積した頑固な汚れは市販の洗剤だけでは落ちにくいこともあるため、床材に対応した専用洗剤を検討してください。
皮脂汚れは浴室用中性洗剤で落とす
皮脂や石けんカスは、まず浴室用中性洗剤を使い、床用ブラシややわらかいスポンジで落とします。お風呂の床の黒ずみがハイターなどの塩素系漂白剤で落ちない場合は、汚れの種類と洗剤が合っていない可能性があるため、別の洗剤を重ねて使わず、床材の取扱説明書を確認してください。キッチンハイターやキッチンブリーチなどの台所用塩素系漂白剤を風呂掃除に使う場合は、床材と洗剤の両方の表示で浴室床に使用できることを確認し、指定された使用量と放置時間を守ってください。
使用可否が確認できない場合は使わず、浴室用中性洗剤から試しましょう。水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を含む強いアルカリ性洗浄剤は、浴室の床の変色・変質や金属部品のサビにつながることがあるため、自己判断で使用しないでください。
※ 参考:LIXIL「浴室(ご注意事項)」
サビによる変色は床材に対応したクレンザーやサビ取り剤で落とす
お風呂の床がサビで変色している場合は、次の2つの方法があります。
- 浴室用クリームクレンザーで落とす方法
床の取扱説明書で使用できることを確認したうえで、スポンジや布に浴室用クリームクレンザーをつけ、強くこすらずに少しずつ落とします。研磨剤を使えない床材や表面加工もあります。 - 専用のサビ取り剤や還元型漂白剤を使う方法
床材の取扱説明書で使用が認められている場合に限り、製品に表示された使用量と放置時間を守って使います。還元型漂白剤を使えないFRP素材などもあるため、素材がわからない場合はメーカーや専門業者に相談しましょう。
水垢汚れは床材に合った洗剤と道具で落とす
白くかたい水あかは、まず浴室用中性洗剤と床材に適したブラシで落とします。落ちない場合は床の取扱説明書を確認し、使用が認められた洗剤と道具を使ってください。メラミンスポンジは表面を傷つけることがあり、クエン酸などの酸性洗浄剤を使えない床や金属部品もあります。クエン酸などの酸性洗浄剤と、カビ取り剤や塩素系漂白剤を混ぜると、有害な塩素ガスが発生するおそれがあります。塩素系洗浄剤は必ず単独で使い、十分に換気したうえで、保護眼鏡とゴム手袋を着用しましょう。使用後は排水トラップに洗浄剤が残らないよう十分な量の水で流し、別の洗浄剤を続けて使わないでください。

床の水はけが悪い、または翌朝も部分的に濡れている場合は、見た目ではわからない皮脂や石けんカスなどが表面に残っていることがあります。まず床の取扱説明書に従い、浴室用中性洗剤と対応するブラシで掃除し、十分にすすいで換気しましょう。掃除をしても改善しない場合は、床材や排水部分の状態をメーカーへ相談してください。
※ 参考:国民生活センター「住宅用塩素系洗浄剤の使い方―まぜるな危険!浴室などで事故が発生しています―」
変色を防ぐには素材に合った洗剤を選ぶ
変色を防ぐには、まず床の取扱説明書を確認し、指定された洗剤と道具を使います。迷ったときは浴室用中性洗剤とやわらかいスポンジから試し、酸性・アルカリ性洗剤、還元型漂白剤、クレンザー、メラミンスポンジは、使用可能と明記されている場合に限りましょう。
お風呂の床の汚れを予防するには、入浴後に石けんや皮脂をシャワーで洗い流し、水分が残らないよう換気します。日常は入浴後の洗い流しを行い、週1回を目安に浴室用中性洗剤で床面や目地を掃除しましょう。ただし、床材によって推奨される頻度や方法が異なるため、取扱説明書を優先してください。
自力での対処が難しい変色とは
浴室用中性洗剤で洗っても色が戻らない場合は、汚れではなく床材が変質している可能性があります。また、床や壁の傷、コーキングの奥まで入り込んだカビも、掃除だけでは改善しにくい症状です。無理にこすったり別の洗剤を試したりせず、メーカーやリフォーム業者に相談してください。

自分で対処できないお風呂の床の変色は業者に相談する
漂白剤による変質や脱色は、塗装や内装の交換をしなければ元に戻せません。コーキングの奥まで入り込んだカビも、パネルやコーキングの交換が必要になることがあります。相談先と費用の目安は次のとおりです。

| 状態・作業内容 | 主な相談先 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 表面のカビや汚れ 浴室全体のクリーニング | クリーニング業者 | 1.3万〜2.5万円 |
| 洗い場床の変質・劣化 再生塗装・床シート施工 | リフォーム業者 | 6万〜9万円 |
| 浴室壁パネルの変質・劣化 部分補修・1枚交換 | リフォーム業者 | 3万〜15万円 |
広範囲のカビ除去やパネルの複数枚交換、下地補修が必要な場合は、費用が高くなります。依頼時は、変色の状態と、どこまで直したいかを業者に伝えましょう。複数の業者から相見積もりを取ると、費用や対応を比較できます。
浴室再生コーティング
浴室再生コーティングは、既存の浴槽や床、壁を塗装・コーティングで再生する方法です。浴室全体を施工する場合、費用は10万〜25万円、工期は1〜2日が目安ですが、広さや素材、劣化状態、下地補修の有無によって変動します。ユニットバス交換の費用相場は50万〜250万円で、再生コーティングのほうが費用を抑えやすいものの、施工範囲や状態によって差額は異なります。

賃貸物件で修繕を依頼する前に確認すること
賃貸物件で浴室設備の修繕が必要になった場合は、まず賃貸借契約書を確認し、貸主や管理会社へ連絡してください。民法上、使用に必要な修繕は原則として貸主が行いますが、借主の故意・過失による損傷は対象外です。
借主には、修繕が必要な状態を貸主へ通知する義務があります。貸主が相当の期間内に必要な修繕をしない場合や、急迫の事情がある場合は、借主が修繕できることもあります。ただし、修繕の範囲や費用負担をめぐるトラブルを防ぐため、緊急時を除き、自分で業者を手配する前に貸主や管理会社と十分に相談しましょう。退去時の費用負担は、経年変化・通常損耗に当たるか、借主の故意・過失や通常の使用を超える損傷に当たるかによって異なります。
※ 参考1:国土交通省「賃貸住宅の修繕に関するQ&A」
※ 参考2:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
















