2024年01月24日更新

監修記事

二世帯住宅に増築するリフォームにかかる費用は?完全分離、部分同居などの詳細も解説!

一世帯で居住していた家屋を二世帯住宅にリフォームする場合、どのような点に気をつける必要があるのでしょうか?二世帯住宅へリフォームする際の費用についてと、二世帯住宅に関する税金、二世帯住宅の構造などについてご紹介していきます。

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二世帯住宅とは何か?

二世帯住宅とは、親世帯と子世帯など異なる世帯の家族が一緒に暮らすことができる住宅のことを言います。

家族の人数が増えることで大変な面もありますが、お互いにサポートし合いながら暮らすことができるという点が魅力です。

二世帯住宅は建物の間取りや区切り方の違いによって「完全分離型」、「部分同居型」、「共有二世帯型(完全同居型)」などのタイプに分類されます。

それぞれの違いを簡単に説明すると、二世帯が住宅内全てのスペースを自由に行き来でき、寝室以外を全て共有するタイプが共有二世帯型と呼ばれます。

一方、壁やドアなどで分離したり、1階2階とで上下に分けたりすることで世帯ごとの居住スペースが完全に分離されているものが完全分離型、玄関やキッチン、浴室など一部分を共有するものが部分共有型と呼ばれています。

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二世帯住宅の構造にはどんな種類がある?

二世帯住宅へとリフォームするにあたり、最初に知っておきたいのが二世帯住宅の構造です。

二世帯住宅というと、両親と子供の夫婦2組の組み合わせが一般的ですが、どの程度同じスペースで暮らすかによって間取が変わってきます。

また、間取、名義の設定などによっては所得税やローン、相続税などが変わってくるため、リフォーム前には必ず双方の夫婦、世帯を交えて住まい方や光熱費、節税対策を含め設計について相談しておきましょう。

二世帯住宅に増築するリフォームにかかる費用は?

完全に同じ空間で生活する完全同居スタイル

完全同居スタイルとは、通常の一戸建てに2つの世帯が暮らす方式です。

キッチンやリビング、玄関などの部分も共有するため、二世帯住宅独自の設計にする必要がなく、建物の面積を最も有効活用できるでしょう。

ただ、部屋以外は基本的に共用となるため、プライバシーの問題が出ることがあります。

お互いのプライバシーをしっかりと守りたい場合には、双方の部屋などをできる限り離すなどしておいた方が良いでしょう。

部分的に空間を共有する部分同居スタイル

部分同居とは、キッチンやリビングなどの設備を双方のスペースに作り、ある程度別々に暮らせるように作られた二世帯住宅です。

何処まで共有するかは生活スタイルやお互いの関係性などによって変わりますが、一部の設備を共有できる構造にしておけば、費用を抑えられるだけでなく、一部の家事を協力してこなすこともできるでしょう。

ただ、設備を分けることになるので、共用部分次第で費用が大きく変わることがあります。

同じ家で完全に分かれた空間で暮らす完全分離スタイル

これは、テラスハウスなどのように玄関から別々の構造にする方式です。

同じ土地内、建物内に暮らしてはいますが、玄関や壁などで分断されているため、実質的には一世帯で暮らしているのと変わりません。

キッチンやリビング、トイレ、風呂なども別々に工事が必要ですので、費用は全スタイルで最もかかりますが、プライバシーをできる限り守りたいという方におすすめの方式です。

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二世帯住宅の魅力とは

二世帯住宅というと2階や3階がある縦に大きな建物を想像さるかたも多いかと思いますが、「平屋」の二世帯住宅もあります。平屋の二世帯住宅にはどのような魅力があるのでしょうか。

階段の上り下りがなくて生活が楽な平屋建て

平屋の魅力は1階建ての住宅なので階段の上り下りがなく、バリアフリー化にも対応しやすいことです。そのため特に親世帯にとっては住みやすいというメリットがあります。

子世帯にとっても、部屋と部屋への移動距離が短く生活動線がコンパクトになるので生活しやすいと感じられるでしょう。

お互いが気持ちよく暮らすための室内の間取りの工夫

平屋の二世帯住宅では、複数階建ての二世帯住宅よりも二世帯の生活エリアがより近くなることが予想されます。そのため、それぞれの家庭や個人がプライベートな空間を保てる間取り作りが大切です。

それぞれの寝室は離れるように配置する、気になる生活音への配慮から水回りと寝室は離すなどの対策を立てるといいでしょう。

またお互いのプライバシーに立ち入らないなどの一定のルールを決めるのも有効的です。

平屋の二世帯住宅には広めの土地が必要

複数階建ての住宅のように縦に住居空間を取れない平屋は、横へ広がる住宅になります。そのため、住宅を建てるために必要な土地は平均的な二世帯住宅よりも広めになることが多いでしょう。

共有型の二世帯住宅にして二世帯の共有スペースを増やし、住宅全体の延床面積を少なくすることも可能ですが、広めの土地にすれば、二世帯がそれぞれ気持ちよく暮らせるでしょう。

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二世帯住宅の種類別のメリットとデメリット

同居するための二世帯住宅にも、完全分離型、部分同居型、共有二世帯型とさまざまです。それぞれのメリットやデメリットを比較してみましょう。

二世帯住宅にするメリットとデメリットは?完全分離、部分同居などの詳細も解説します

完全分離型の二世帯住宅

完全分離型の二世帯住宅とは各世帯の居住スペースが壁やドアなどで完全に分離されている住宅のことを指します。1階と2階で世帯を分けたり、左右で分けるケースもあります。

玄関部分もそれぞれの世帯ごとに設けられているため、同じ住宅に住んでいるというよりもアパートの隣人といった感覚が近いかもしれません。

二世帯住宅のタイプの中で最もプライバシーが高いのがこの完全分離型であると言われています。ここでは完全分離型の二世帯住宅のメリット・デメリットについて紹介します。

完全分離型二世帯住宅のメリット

完全分離型のメリットはお互いの世帯と程良い距離感を保ちつつ暮らせるという点でしょう。

各世帯のプライバシーを保ちつつも、何か困ったことがあればすぐにサポートし合うことができます。

お互いのプライバシーを尊重できるという点は、同居する相手方の世帯と良好な関係を続けていくためには重要なポイントだと言われています。

完全分離型二世帯住宅のデメリット

完全分離型のデメリットは、他のタイプの二世帯住宅よりも建築費用が高いという点です。玄関やキッチン、トイレや風呂といった設備がそれぞれの世帯分必要となるため費用がかさみます。

また、完全分離型の二世帯住宅を建てる場合は、各世帯ごとに設備を設ける分、それなりの広さの土地が必要となる点もデメリットと言えるでしょう。

部分同居型の二世帯住宅

部分共有型とはそれぞれの世帯ごとに居住スペースを確保しつつ、リビングやキッチン、玄関等の一部のスペースを二世帯で共有する住宅のことを指します。

建築費用をおさえつつ、各世帯で過ごす時間や空間を大切にしたい場合に向いている二世帯住宅です。

ここでは部分共有型のメリット・デメリットについてご紹介します。

部分同居型二世帯住宅のメリット

部分共有型ではリビングなどを共有することにより、必然的に同居世帯と顔を合わせる機会が生まれます。

それにより世帯間の交流の機会が増え、より親密なコミュニケーションを取ることができるでしょう。

また、共有する設備が多ければその分建築費用を安く抑えることができるという点もメリットとして挙げられます。

部分同居型二世帯住宅のデメリット

部分同居型の二世帯住宅でよく問題となるのは共有スペースの利用方法や考え方が世帯間で異なり、ストレスや不和の原因となってしまうという点です。

共有部分については、どのように利用するのかなどのルールを、同居する家族全員で話し合っておくことが必要でしょう。

共有型の二世帯住宅

共有型とは個人の寝室等を除いた全ての設備を二世帯で共有する住宅のことを指します。二世帯が同じ居住スペースで生活することになるため、共有型での生活は家族が増えるようなイメージとなるでしょう。

共有型の二世帯住宅は他のタイプの二世帯住宅よりも世帯間の交流の機会が増え、より親密な付き合いになる一方で、ストレスを感じやすいとも言われています。ここでは共有型のメリット・デメリットについてご紹介します。

共有型二世帯住宅のメリット

共有型はほぼ全ての住宅設備を二世帯で共有するため、他のタイプよりも建築費用を安く抑えることができます。

また、居住し始めてからの水道光熱費もひとまとめにできるため、月々の支払総額を安く済ませることも可能です。

そして何より共有型は世帯間の距離が近くなるため、お互いのサポートがしやすくなり、賑やかな生活を楽しめるというメリットがあります。

共有型二世帯住宅のデメリット

共有型の二世帯住宅の場合は、お互いのプライバシーの確保が難しくなるというデメリットがあります。

たとえ仲の良い家族同士が一緒に暮らすとしても、生活習慣や生活リズムや異なれば考え方のすれ違いが生じることもあるでしょう。

家で過ごすことの多い親世帯と、会社や学校などで外出の多い子世帯では生活リズムが大きく異なるため、ストレスが生まれやすいとも言われています。

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二世帯住宅にリフォームする費用

二世帯住宅に増築するリフォームにかかる費用は?

二世帯住宅へリフォームする際には、構造によって費用が変わってきます。

一般的な一戸建てをリフォームした場合、完全同居タイプが約1,000万円、部分同居タイプなら約1,200万円、完全分離タイプは約1,500万円が相場です。

3種類のスタイルの価格差は、壁の数と設備の数が大きなウエイトを占めています。

完全同居タイプの場合は設備を共有するため、間取り変更込みのフルリフォームとほぼ同水準なのですが、ある程度設備を分ける部分同居の場合は水回り工事などの費用が追加されるため、約200万円割高となるのです。

完全分離でリフォームする場合は、部屋や設備、双方の居住スペースを分割するための間取り変更など、比較的大がかりな工事が追加となりますので、費用の相場も約500万円増加します。

どの二世帯住宅がおすすめ?

二世帯住宅にリフォームするメリットは、親子で同居することでコミュニケーションがとりやすいこと、何かあったときにすぐに頼れることです。

完全同居タイプなら日常生活の中で自然にコミュニケーションが取れますし、部分同居の場合は設備を利用する順序を気にせずにすむのがメリットとなります。

完全別居の場合は、居住スペースが完全に分かれているため、生活スタイルが違っていても生活音が気になりにくいのがメリットです。

ただ、入り口が別となっているため、コミュニケーションを取りたい場合や、家事を協力して行いたい場合などには出入りに少し手間がかかります。

二世帯住宅は設計によって費用だけでなく、コミュニケーションの取りやすさや協力のしやすさが変わるため、日常生活の中でどれだけ協力して生活するかによって決めると良いでしょう。

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二世帯住宅の新築と中古の費用相場

二世帯住宅を購入費用はいくらくらいかかるのでしょうか。ここでは、新築と中古それぞれについて二世帯住宅の購入費用の相場を紹介します。

新築の二世帯住宅の相場費用

二世帯住宅の建築費用は一世帯住宅の約1.5倍

二世帯住宅の新築費用は、一世帯住宅の建築費用の約1.5倍~1.8倍と言われており、共有型よりも部分同居型、部分同居型よりも完全分離型のほうが費用はかかる傾向があります。

建物の建築費用は延床面積と大きく関わっているため、一世帯住宅に比べて延床面積が大きくなりやすい二世帯住宅は建築費用が高くなるのです。

また、建築費用の中でも設備費用が大きく占めるのですが、二世帯住宅の中でも完全分離型だと、水回り設備をそれぞれの世帯に設置するため、他のタイプの二世帯住宅よりも建築費用はさらに高くなるでしょう。

建築費用の相場は約3,000万~4,000万円

二世帯住宅の建築費用の相場は約3000万~4000万円だと言われています。大手メーカーなら坪単価は約70万円、ローコストハウスメーカーなら坪単価約45万円が一般的でしょう。

ただしローコストハウスメーカーの場合、費用を抑えられる反面、デザインの自由度はあまりありません。思い通りに家をデザインして建築した場合には、ローコストハウスメーカー以外のハウスメーカーがおすすめです。

建築費用はハウスメーカーにも左右されますが、住宅の間取りや構造、導入する設備などにも影響されますので、建築費用の相場はあくまでも目安として参照してください。

中古の二世帯住宅の相場価格

中古の二世帯住宅の相場価格は高め

少子高齢化の影響もあり中古の二世帯住宅を求めるニーズがあるため、中古の二世帯住宅の相場価格は比較的高めです。築5年以下の築浅物件なら、新築物件とほぼ変わらない価格で売り出されることもあるでしょう。

中古の二世帯住宅のメリットは、実際に住宅を見て選べること、そして新築を建てるよりも入居できるまでの時間が短くすむことです。そうしたメリットから近年中古物件の人気が高まってきており、相場価格も高くなっていると考えられます。

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二世帯住宅に増築するリフォームに対応する優良な業者をさがすには

自分が住んでいる地域で二世帯住宅に増築するリフォームを得意とする業者を探すには、リフォーム会社紹介サービスを使うといいでしょう。

リフォーム会社紹介サービスの「ハピすむ」は、お住いの地域やリフォームのニーズを詳しく聞いたうえで、適切で最適な業者を紹介してくれます。

複数の大手リフォーム会社が加盟しており、高額のリフォームを検討している方も安心してご利用いただけます。

また、運営会社のエス・エム・エスは、東証プライム上場企業なので、その点も安心です。

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二世帯住宅の登記方法

家などの不動産は出資者の名義で登記することが原則です。二世帯住宅の登記は「単独登記」「共有登記」「区分登記」の3つの登記方法があります。

二世帯住宅にするメリットとデメリットは?完全分離、部分同居などの詳細も解説します

単独登記とは?

単独登記は二世帯住宅を一つの不動産として、親または子のどちらか一人が所有者(名義人)となることです。

費用を両方で負担した場合、単独登記した側に贈与したことになり、贈与税が発生するケースがあります。

例えば5,000万円の不動産購入費のうち、親が1,000万円、子が4,000万円出資し、子の名義で単独登記をした場合、親が子に対して1,000万円贈与したことになり、子はその額に応じた贈与税が課せられます。

また単独登記した不動産を相続する場合は、当然のことながら相続税がかかることになります。

登記費用:約10万円

共有登記とは?

費用の出資割合によって、不動産の持分を割り出し、出資者全員を名義人として登記する方法です。

例えば5,000万円のうち、親が3,000万円、子が2,000万円を出資したとします。登記簿には「親:3/5 子:2/5」のように記載されます。

出資額に応じてそれぞれの持分が登記されるので、贈与税が発生しません。

共有登記のデメリットは、売却を考えたときです。不動産は二人のものなので持分の大小にかかわらず両者の承諾なしには売却できないことを頭に入れておきましょう。

また親が亡くなった場合、兄弟姉妹など相続人が複数であると、親の持分については相続対象となります。上記の例でいえば「親:3/5」分を全相続人で分けることになります。

登記費用:約10万円

区分登記とは?

完全分離型の二世帯住宅を2つの不動産として、親と子の名義でそれぞれ登記する方法です。ただし、区分登記ができる完全分離型とは、壁、天井が全て遮断されいる構造であることが条件とされています。

条件1:内階段などで行き来ができる構造は基本的に対象外ですが、施錠ができる防火扉を設けてある場合は例外となります。

条件2:玄関が2つあり、それぞれの所有スペースを通らずに出入りが可能な、機能的に独立していることも条件となります。

完全分離型の二世帯住宅は、必ずしも区分登記しなければならない訳ではなく、共有登記や単独登記も可能です。

区分登記は名義が別になるので、親世帯、子世帯それぞれが住宅ローンを受けられることがメリットです。

親子がそれぞれ別に登記するので、登記費用は倍になります。

登記費用:約20万円

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二世帯住宅の確定申告について

二世帯住宅にするメリットとデメリットは?完全分離、部分同居などの詳細も解説します

二世帯住宅では、構造によって登記方法が変化するため、税金の支払い方法やローンの組み方が変わってきます。

完全同居の場合は、共有登記と単独登記のどちらかとなり、これは部分同居の場合も同様です。

完全分離では、この2つの登記方法以外に区分登記も行えるようになり、税制面などで有利となる場合もあります。

単独登記では家の扱いはどうなる?

単独登記は、家や土地の所有者を一人にまとめる登記方法です。

持ち主が一人になるため、税金やローンの支払いは登記人が担当することになります。

このような場合、ローン減税などのメリットが得られないため、単独登記はデメリットが大きいように思えますが、実家をリフォームして二世帯住宅にする場合、子の名義に変更することで相続税を大幅に削減することができるのです。

共有登記ではどのような扱いになる?

共有登記の場合は、親と子の双方が所有者として登記されるため、施工後の税金やローンの支払いはそれぞれの所有者が行うことになりますが、支払い比率は建物の持ち分で決められます。

例えば、建物の持ち分が親世帯が30%、子世帯が70%の場合、確定申告やローンについても同様に親が30%、子が70%となるのです。

注意点として、建物の持ち分が上記のようになっているにもかかわらず、資金の割合が親世帯80%となっているような場合は、建物の持ち分との差である50%分が贈与として扱われるため、贈与税を支払わなければいけません。

区分登記で税金負担を減らす

区分登記は他の登記方法と違い、二世帯住宅の居住者をそれぞれ一世帯として扱う登記方法です。

完全に別の家として取り扱われるため、税金やローンの支払いも完全に別となり、確定申告の際には所得税のローン控除を個別に受けることができます。

ただ、共同でローンを組む場合と違い、個別での契約となるため、手数料が別々にかかる点には注意が必要です。

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二世帯住宅の減税措置とは?

住宅などの資産を所有することで所得税や固定資産税などの税金を納めなくてはならないのですが、税負担を軽くするために減税措置が取られています。

その減税措置のひとつは、二世帯住宅へリフォームしたときのリフォーム費用に対して受けられる所得税の減税措置です。もう一つは、二世帯住宅を区分登記した場合に受けられる固定資産税と不動産取得税での特別措置です。

ここではそれぞれの減税措置について詳しく見ていきましょう。

所得税の減税

二世帯住宅をリフォームしたときに受けられる所得税の減税措置には、投資型減税とローン型減税の2種類があります。

「投資型減税」はリフォーム費用が固定資産税から控除

「投資型減税」とは、リフォーム費用の支払いでローンを使わない場合に受けられる減税措置で、リフォーム費用の10%分が固定資産税から控除される制度です。

控除期間は改修後1年間で、控除対象の限度額は250万円です。

「ローン型減税」はローン残高の一部が控除

「ローン型減税」とは、リフォーム費用の返済に10年以上のローンを組んだ場合に、10年間、年末残高の1%が控除される制度です。

2020年11月現在の制度では、消費税率10%が適用されるリフォームを行い、令和2年12月31日までに入居していれば控除期間はさらに3年間延長されて13年間になります。

固定資産税の軽減

二世帯住宅の減税措置として、固定資産税で軽減措置を受けられる場合があります。

「固定資産税」とは土地と建物に課される地方税

「固定資産税」とは所有する土地と建物に対して課される地方税です。課税標準税率は1.4%で、対象となる土地と建物の課税標準額に課税率を掛け合わせて算出されます。

小規模住宅地扱いなら課税標準額は1/6に軽減

固定資産税の軽減措置には、土地の広さが200平方メートル以下なら小規模住宅用地という扱いになり、課税標準額が1/6に軽減されます。土地の広さが200平方メートル以上だと一般住宅用地として扱われ、課税標準額は1/3に軽減されます。

二世帯住宅は住宅として比較的大きなものとなりやすく、土地の広さも200平方メートルを超えることがあるでしょう。その場合は一般住宅用地として扱われ固定資産税が算出されます。

ところが二世帯住宅を区分登記して2戸分として扱われると、200平方メートル以上ある土地も2分割されます。その結果、1戸分の土地の広さが200平方メートル以下になれば、小規模住宅用地の扱いとなり課税標準額が1/6に軽減されます。

つまり区分登記をするならば、二世帯住宅全体で400平方メートルまでは小規模住宅地扱いになるというメリットがあります。

建物の一世帯120平方メートルあたり3年間は税額半分

また建物についても、一世帯の延床面積120平方メートルの相当分に関して3年間は固定資産税が1/2になる特別措置があります。

二世帯住宅で延床面積が240平方メートルを超える場合でも、区分登記して2戸分として扱われれば、最大で延べ床面積240平方メートルまでの固定資産税は半分になります。

不動産取得税の控除

固定資産税の軽減のように、二世帯住宅を区分登記することで受けられる減税として不動産所得税があります。

「不動産取得税」とは不動産取得で課せられる税金

「不動産所得税」は不動産を取得したときに課せられる地方税ですが、新築や増築によっても課せられます。税額は、建物の固定資産税評価額に税率3%を掛け合わせて算出されます。
不動産所得税額 = 固定資産税評価額 × 3%

不動産取得税の控除

不動産取得税の減税措置として延床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下の住宅ならば、1世帯につき1,200万円が控除されます。

二世帯住宅の場合、上記の要件を満たした上で区分登記を行うと、2世帯分の控除額として2,400万円が控除されることになります。
不動産所得税額 = (固定資産税評価額 - 2,400万円)× 3%

区分登記している二世帯住宅のデメリット

相続税の減税措置を受けられない

二世帯住宅を区分登記すると固定資産税と不動産所得税において減税措置を受けらますが、区分登記によるデメリットとして、相続税対策として考えられる「小規模宅地等の特例」を受けられないことが挙げられます。

将来、相続税が課せられることが予想される場合には、区分登記をするかどうかを慎重に検討したほうがいいでしょう。

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二世帯住宅における相続税について

上記でも少し触れましたが、親名義の不動産、または持ち分については相続対象となり、相続人は相続税を支払う義務が発生します。2015年からは相続税の控除額が縮小されたことで、支払い対象者が大幅に増えました。

二世帯住宅の場合、親名義の土地に家を建てるケースが多いので、相続税の問題も事前にしっかりと考えておく必要があります。

相続税は対象となる不動産の評価額によって決まります。建物は固定資産税評価額と同じ評価額、建物より価値の高い土地は「路線価方式」または「倍率方式」によって算出します。

路線価方式:路線価(土地に面している道路に付けられた価格)に、土地の面積と補正率を乗じて算出

倍率方式:路線価がない土地では、固定資産税を基本として地域ごとに定められた率を乗じて算出

※路線価は毎年改訂、固定資産税は3年に一度改訂されます。

土地の価格が高い都心部では、路線価方式により評価額も高額になってしまう例も少なくありません。相続をすることで相続人の生活基盤を著しく脅かす結果になることを防ぐために、特例措置が設けられています。

小規模宅地等の特例

被相続人が所有していた宅地に対して、評価額を最大で80%減額できる特例制度です。特例の対象となる条件はとても複雑なので、ここでは2世帯住宅に住んでいる親子を例に解説します。

「親名義の土地で同居している子が相続した場合」に、特例措置を受けることができます。ただし上限は330平方メートル、相続税の申告期限まで土地を所有し居住していることも条件です。

しかしここで注意しなければならないのは、二世帯住宅のスタイルと登記方法です。完全分離型の二世帯住宅で区分登記をした場合、親子それぞれ独立した建物を所有していることになります。

つまり、マンションの隣同士に居住していることと同じで「同居している」ことにはならないため、子の居住部分に対応する敷地には特例措置が適応されないのです。

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二世帯住宅にリフォームする場合に利用できる補助金制度

二世帯住宅に増築するリフォームにかかる費用は?

二世帯住宅へリフォームする場合、補助金を利用することはできるのでしょうか?

国や県では、住宅リフォーム向けにさまざまな補助金制度を行っていますが、二世帯住宅へのリフォームを目的として作られた補助金制度はありません。

ですが、省エネ住宅の場合や、孫も含めて三世帯で居住する場合に利用できる補助金がありますので、リフォームの際にはこのような補助金を利用すると良いでしょう。

二世帯住宅での扶養家族について

二世帯住宅で暮らす場合、両親を扶養家族にすることで所得税の控除が受けられるようになります。

ただ、扶養となる条件については、「生計をひとつにしていること」が条件となるため、両親の生活費は子の世帯が負担しなければいけません。

扶養の場合は同居が必要と思われがちなのですが、実際は生計を子の世帯がまかなっている状態ならば同じ土地に同居していない場合でも扶養家族となります。

二世帯住宅なら、完全別居スタイルの家にお住まいでも、食事を一緒にとっていたり、生活費を渡していたりするなら扶養家族になるのです。

相続税の取り扱いについて

実家をリフォームして二世帯住宅にした場合など、名義を完全に子の世帯にしてしまうと、相続税の支払いが必要となります。

このため、実家をリフォームする場合は両親の名義のままで登記することもあるでしょう。

この時、名義人だった父親が亡くなった場合の相続税はどうなるのでしょうか?

もし母親が存命で、結婚期間が20年を超える夫婦の場合は、配偶者控除が受けられるため、1億6,000万円までは配偶者に対しては相続税がかかりません。

ですが、配偶者控除が無くても相続税には基礎控除がありますので、配偶者控除を使う場合はよほど相続額が大きい場合に限られるでしょう。

基礎控除額は3,000万円+600万円×相続人の数になります。

もしこれを超えてしまうような場合は、配偶者控除について税理士などに問い合わせてみると良いでしょう。

小規模宅地の特例など他にも考慮される税金のシステムなどありますので名義や登記など総合的に相談されるとよいでしょう。

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二世帯住宅で受けられる補助金とは

二世帯住宅は一世帯用の住宅に比べると間取りも複雑となり多額の費用がかかります。その費用の一部を援助してくるのが補助金です。

補助金には様々な種類がありますが、受給を受けるには、通常、定められている条件を満たす必要があります。

二世帯住宅を購入するときに受けられる補助金には「地域型住宅グリーン化事業」と「住まい給付金」がありますので、それぞれの特徴と条件を紹介します。

地域型住宅グリーン化事業

「地域型住宅グリーン化事業」とは2015年から始まった国が推奨している補助金制度で、中小工務店によって建てられた住宅で、耐久性や省エネルギー性が高い長期優良住宅に対して給付されます。

木造住宅が対象となり、主要構造部には原則として地域材(地元産の材木)が使われる必要があります。

住宅のタイプによって補助金額が変わり、長期優良住宅や低炭素住宅、性能向上計画認定住宅は上限110万円、ゼロ・エネルギー住宅は上限140万円です。

使用する木材の半分以上が地域材だと上限20万円、三世代が同居できる構造の住宅なら上限30万円の補助金が加算されます。(令和2年8月現在)

なお、申請は個人ではなく建築業者や工務店が行うのが一般的です。

「住まい給付金」

「住まい給付金」とは新築または中古住宅の購入を援助するための補助金で、消費税が8%に引き上げられた段階で始まりました。

補助金額は、購入時の消費税率と購入者の年収によって変わります。年収が低いと補助金額は増え、年収が高いと補助金額は低くなります。

例えば、消費税率10%で物件購入した場合、購入者の収入が675万円~775万円なら補助金額は10万円ですが、収入が450万円以下なら50万円の補助金が支給されます。

補助金の取得要件として、購入者の年齢は50歳以上、床面積は50平方メートル以上の自宅として使われる物件、第三者機関の検査を受けた物件などがあります。

「住まい給付金」の申請方法

「住まい給付金」の申請は、住宅を取得して入居した後に行います。住宅の引き渡しが終わってから1年以内が申請期間となり、全国にある住まいの給付金申請窓口で行います。

個人で郵送でも申請できますし、住宅の建築を行った建築業者が行うこともできます。

申請用紙は住まい給付金のホームページからダウンロードできますが、申請に必要な書類は住宅ローンを利用したか否かによって変わりますので、必要な書類を間違えずに用意することが大切です。

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二世帯間で起きるトラブル

二世帯住宅では親と接する機会も多く、生活習慣の違いからストレスになることもあります。特に共有型や部分同居型の二世帯住宅で多い両者の声をご紹介しましょう。

親世帯側の声

  • 友達を呼びにくくなってしまい、交友関係が減ってしまった
  • 洋食メニューが多く、食べ物の好みが合わない
  • 子世帯の友だちが頻繁に遊びに来るので、リビングに居づらく部屋にこもるようになってしまった

子世帯側の声

  • 1階のキッチンが親の部屋の近くなので、夜遅い時間は使えない
  • 親の手前、朝寝坊や深夜帰宅ができなくなった
  • 子ども(孫)を甘やかす

以上のように、どちらも気兼ねする気持ちからの悩みが多いようです。お互いが思いやる気持ちや、歩み寄ることで円満同居を可能にしたいですね。

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兄弟姉妹間で起きるトラブル

親が亡くなってから遺産の大部分が土地であった場合に、兄弟姉妹間で相続トラブルになるケースが多くあります。

相続権利のある兄弟姉妹にも相続分に相当する金融資産を分けることができないと、土地を売却しなければならなくなってしまいます。

親と同居を始めて、将来的にも住み続けるのであれば、兄弟姉妹に配分する金融資産の準備などをしておくことをおすすめします。

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親世代が亡くなったその後の二世帯住宅の活用法

もし親が亡くなった場合、その後二世帯住宅はどのような活用法があるでしょうか。

親が亡くなったことを機に売却してしまう方法もありますが、二世帯住宅という特殊な住宅スタイルのためニーズが少なく、簡単には売れないのが実情です。その後も住み続けるとすると、広過ぎたり使いにくい場合もあります。

二世帯住宅を賃貸併用住宅として活用

「小規模宅地等の特例」では、居住用の土地だけでなく、アパートや舗装工事が施された駐車場などの貸付事業用宅地も対象になります。

家業を生活の基盤としてた親子世代が、親の死亡により相続税によって継続できなくなることを防ぐための措置です。

貸付事業用宅地では、上限300平方メートルの土地評価額が50%減額されます。ご自分と同居している子が相続し、相続税申告までの期間、事業を継承することが条件となります。

二世帯住宅を賃貸併用住宅として活用することは、子世代への税金対策としても有効的な方法です。

二世帯住宅にするメリットとデメリットは?完全分離、部分同居などの詳細も解説します

貸付併用住宅にリフォームした際の各種税金への影響

相続の際の建物の評価額は、固定資産税と同額となります。新築であれば建築費の約6~7割ですが、リフォームした場合に毎年支払う固定資産税はどう変わるのでしょうか。

二世帯住宅を貸付併用住宅に改築するような大規模リフォームを行なった場合、建物の価値が上がり固定資産税評価額に影響することがあります。

固定資産税評価額に影響を与えるのは、床面積が広くなる増築、建物の主要構造部にかかわるリフォーム、住宅から事業用のアパートや店舗にするリフォームなどが当てはまります。

こうした大規模リフォームは建築確認申請をしなければなりませんが、内部で行き来ができない完全分離型であれば、建築確認申請が不要な内装リフォームだけで賃貸物件として活用することができるケースもあります。

しかし大規模リフォームはデメリットばかりではありません。「住宅ローン控除」は所得税から控除される制度で、最高で年に40万円の控除を受けられます。

  • 工事費が100万円以上で、その1/2の費用が自身の居住部分の工事費であること
  • 10年以上のローンを組んでいること

対象になるリフォームや条件は、このほかにも細かく決められています。

二世帯住宅のリフォームは、立地、家族状況、資産構成、等々各種条件により複雑な税制や条例があり、工事費についても各種の優遇策も施行されています。

先ずは、自治体の建築課やリフォーム業者の建築士など専門家に相談し方向付けを整理してみましょう。自治体によっては二世帯住宅に関する専門相談窓口を設けている所もありますので問い合わせてみましょう。

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なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。

とはいえ「信頼できる業者が分からない」「何度も同じ説明をするのが面倒」と踏み出せない方もいらっしゃると思います。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社フレッシュハウス 樋田明夫

株式会社フレッシュハウス

樋田明夫

フレッシュハウスでリフォームの営業担当を長年経験し、数々のリフォームコンテストでの受賞実績を持つ。現在はフレッシュハウス本社における営業戦略室の室長として、大規模リフォームから通常のリフォーム物件まで幅広く対応中。

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