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平屋増築の費用はいくら?相場・坪単価【ケース別】
平屋を増築し、より良い住まいの形にすることは可能です。
増築費用の相場は、工事面積や施工内容で大きく異なり200~3,000万円の範囲が想定されます。
この項では、平屋増築の費用感をケース別に解説します。
ケース1 平屋を二階建てに増築
平屋を二階建てにする「お神楽」とよばれる増築があります。
お神楽は、二階部分を大きく増築して床面積や部屋数が増やせる利点があります。
しかし、平屋の構造部分は二階建てを想定していないため、多くの場合で補強工事が必要です。
坪単価は100〜200万円程度ですが、基礎や壁、柱など大幅に補強する場合は1,000万円を超えることもあります。
二階建て増築が「お神楽」とよばれる由来は、平屋に二階部分を乗せた状態が、神社で用いられる祭壇お神楽殿のようであったためと言われています。
ケース2 平屋の1階部分を増築
平屋の1階部分の増築を「差しかけ増築」とよびます。
「差しかけ増築」は、既存の住宅に対して居室やサンルームを付け足す増築方法です。
基本的には新築工事と同様、基礎から家を建て既存の平屋部分とつなぎ合わせていきます。
建物の構造により費用相場が異なるほか、既存の建物と一体化する必要があるため、内装工事のみではなく、外壁工事や基礎工事も必要です。
木造住宅の場合、1坪あたり約70万円、鉄筋コンクリート住宅であれば約100万円が相場となります。
平屋を増築・2階建てにするメリット

平屋を増築すると、費用面での大きなメリットが得られます。
できるだけ安く理想の住環境を手に入れたい人におすすめです。
メリット1 ニーズに合った住環境が手に入る
平屋増築は、ニーズにあった住環境を得られるメリットがあります。
最適な住環境は、家族構成や世代によって日々変化します。
子供の出生や、両親との同居など家族構成が大きく変化するタイミングでも、増築を利用すれば快適な住環境が実現可能です。
メリット2 建て替えに比べ割安となるケースが多い
建て替えと比較すると、割安になるケースが多いのも平屋増築におけるメリットと言えます。
家族構成の変化に伴い、大幅な住環境の変更を求める場合、増築のみでなく建て替えも選択肢に入るでしょう。
建て替えの場合、解体費用・撤去費用・新築工事費用など、さまざまな費用がかかります。
住宅の構造や規模にもよりますが、上記の費用を加味すると1,500万円~3,000万円の予算が必要です。
建て替えと比較すると、柱や壁を補強しても1,000万円前後の費用で収まる増築は、割安で快適な住環境を得られる方法と言えるでしょう。
メリット3 住みながら工事できる
増築工事は原則として、増築や耐震補強の範囲が広くない限り、既存の住宅に住みながら工事が可能です。
建て替えの場合、数か月に及ぶ工事期間中に仮住まいを用意しなくてはなりません。
このため、新築費用の他に100万円前後の仮住まい費用が必要となるでしょう。
一方、増築は工事内容が限定的であるため、全体の費用を抑えることが可能です。
建て替えや増築を検討する際には、工事費用のみでなく、仮住まい費用や引越し費用などを加味した総費用で比較しましょう。
平屋を増築・2階建てにするデメリット

平屋増築には数多くのメリットがある一方、制約の多さや固定資産税の増加などのデメリットがあります。
デメリットの大小は既存の住宅における状態が大きく影響するため、リフォーム業者に現地確認を依頼してみましょう。
デメリット1 構造上のバランスが崩れやすい
平屋増築は、構造上のバランスが崩れやすいデメリットがあります。
具体的には、既存の建物と増築した部分の耐久性の差や耐震性などが挙げられます。
また、既存の建物と増築した部分の結合部分では、雨漏りやひび割れなども懸念点です。
懸念を払拭し、平屋増築を成功させるためには、実績豊富なリフォーム業者への依頼が重要と言えます。
デメリット2 固定資産税が増える
平屋増築の影響により評価額が変動すると、固定資産税が増えます。
評価額による固定資産税の増加額は、増築に使用した建材や面積により異なります。
どの程度固定資産税が増加するのかについては、家屋調査にて算出されるまでわかりません。
固定資産税の増加は、すべての増築に該当するデメリットです。平屋増築だけに限ったデメリットではありません。
デメリット3 制約が多い
平屋増築では、北側斜線制限や高さ制限により一般的な増築よりも制約が多くなります。
下記に制約とその内容をまとめたので、確認してみましょう。
制約 | 内容 |
高さ制限 | 全面道路や隣接地の日当たり確保による制限 |
建ぺい率 | 敷地面積に対して定められた建物面積の割合 |
容積率 | 敷地面積に対する延べ床面積の割合 |
北側傾斜制限 | 敷地の北側の日当たりや風通し確保による制限 |
道路斜線制限 | 敷地に面した道路における架空の斜め線による高さ制限 |
上記は建築基準法に基づいた制約であり、違反すると建築許可がおりません。
罰則の対象となるケースもあるため、制約に基づいた増築が求められます。
デメリット4 デザインの統一感が失われる
平屋の増築には、住宅のデザインにおける統一感が失われる懸念点もあります。
住宅の建材は日々新しいものとなり、新築時に使用した外壁材や内装材は手に入らない可能性が高いからです。
既存の住宅と増築部分を結合する際、色味・タイルなど同系統にできますが、統一感が失われてしまう可能性は考えられるでしょう。
増築よりも建て替えが適しているケース

平屋増築では、建物の状態やニーズによって、メリット・デメリットに関わらず建て替えが適しているケースもあります。
増築後に後悔しないためにも、建て替えが適しているケースをよく確認しておきましょう。
ケース1 基礎や構造に問題がある
基礎や構造に問題がある場合、増築よりも建て替えが適しています。
既存の住宅における柱や基礎に増築に耐えうる耐久性がない場合、補強工事が不可欠となります。
全面的な補強工事が必要な場合、建て替えた方が安い可能性も考えられるでしょう。
基礎や構造が増築に耐えうるか否かは、建築士事務所における耐震診断で判断できます。
ケース2 建物が老朽化している
基礎や構造に問題がなくとも、築年数が古く保存状態の良くない平屋における増築はおすすめできません。
古く保存状態の悪い住宅では、リフォームしなければならない箇所が多く、大規模な工事になる可能性が高いです。
増築工事自体ができても、その後長く住み続けられない可能性もあるため、事前にリフォーム業者と相談しましょう。
ケース3 大幅に間取りを変更したい
大幅な間取り変更を希望する場合、増築よりも建て替えやリフォームが適しています。
増築はあくまでも部分的な拡張であるため「リビングダイニングを今風の間取りにしたい」「間取りを一新したい」「和室を洋室にしたい」場合には適していません。
大幅な間取り変更を希望している人は、下記の記事を参考にしてみましょう。
平屋を増築する際の注意点

平屋を増築する際には、建築確認申請や増築できない可能性へ注意する必要があります。
注意点1 建築確認申請が必要になるケースも多い
平屋増築を行う際、原則として建築確認申請が必要になります。
増築部分の面積が10平方メートル以下で、かつ建物の敷地が防火地域・準防火地域でない場合、確認申請は不要です。
しかし、平屋増築における多くの場合では申請が必要と言えるでしょう。
敷地内に倉庫を作る、庭に屋根付きの駐車場を作るなど、平屋部分と繋がった増築でなくとも建築確認申請が必要となるため注意しましょう。
建築確認申請とは、住宅を建てる際や増築する際に現行の建築基準法に適合しているか審査する制度です。防火地域・準防火地域内では、工事の規模に問わず申請する必要があります。
注意点2 増築できない可能性がある
敷地の建ぺい率や容積率に問題がなくても、増改築が制限される「既存不適合建築物」があります。
「既存不適合建築物」とは、法改正により現行の建築基準法に適合しなくなった建築物で、増築による制限を受ける可能性があります。
各自治体の条例により、増築制限のある住宅もあります。増築前にリフォーム業者とよく確認しましょう。
注意点3 実績のある業者へ依頼する
平屋増築は専門的な技術を要するため、実績のある業者へ依頼しましょう。
平屋増築リフォームが得意なリフォーム業者を知りたい際、リフォーム会社紹介サービスの活用がおすすめです。
「ハピすむ見積もり比較」は、お住いの地域やリフォームのニーズを詳しく聞いたうえで、最適な業者を最大3社ご紹介しています。
複数の大手リフォーム業者が加盟しているので、安心して利用できます。
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【ハピすむ事例】平屋増築で実家を二世帯住宅へ変更


施工期間 | 4か月 |
増築範囲 | 30㎡ |
築年数 | 40〜50年 |
構造 | 木造 |
この項では、実際にハピすむで平屋増築した実例をご紹介します。
家主様は、二世帯住宅にしたい希望から平屋増築を依頼されました。
既存住宅の1階部分に増築する「差しかけ増築」により、30㎡の新たな居室が誕生しました。


居室はホワイトを基調としたため、全体的に明るく清潔感のあるものとなりました。


外壁は既存住宅も変更し、増築部分との統一感を出しています。
モエンサイディングとよばれる耐火性・耐久性に優れた外壁材を使用しています。
切石の豊かな陰影感が楽しめるモダンな外壁となりました。
【ハピすむ事例】おしゃれで広々とした玄関に増築


施工期間 | 1か月半 |
費用 | 約500万円 |
増築範囲 | 15㎡ |
構造 | 重量鉄骨 |
平屋増築ではありませんが、2階建て住宅の1階部分に「差しかけ増築」にて玄関増築をした事例です。


15㎡の増築により、広々としたおしゃれな玄関が実現しました。
シューズクローゼットは玄関奥に設け、常に片付いたスッキリとした空間となっています。
正面の壁にはピクチャーレールと壁を照らすダウンライトが設置してあるので、家族の写真や絵画などを飾って楽しめるでしょう。
増築リフォームに使える補助金・助成金制度

平屋増築では、活用できる補助金・助成金制度があります。
補助金・助成金制度の要件をそれぞれ確認しましょう。
制度1 子育てグリーン住宅支援事業

子育てグリーン住宅支援事業は、平屋増築に限らず断熱改修や省エネ設備の導入など暮らしを快適にする工事に対して最大60万円補助される制度です。
補助を受けるためには、登録事業者と工事請負契約を結び工事する必要があります。
交付申請期間はすでに開始しており、終了は2025年12月31日もしくは予算に達するまでとなっているため、早めの申請をおすすめします。
制度2 先進的窓リノベ2025事業

先進的窓リノベ2025事業は、既存住宅の省エネ化や省CO2加速を目的とした事業です。
補助対象事業は開口部の断熱リフォームで、一戸あたり最大200万円の補助金が受け取れます。
子育てグリーン住宅支援事業と同様に、補助を受けるためには、登録事業者と工事請負契約を結ぶ必要があります。
交付申請期間は2025年12月31日までを予定しており、予算に達し次第終了するため、早めに申し込みをしましょう。
制度3 住宅ローン控除
平屋増築などのリフォームで住宅ローンやリフォームローンを組んだ場合、住宅ローン控除が適用されます。
住宅ローン控除とは、ローン残高に応じて毎年発生する所得税・住民税を削減できるのが制度です。
令和7年度税制改定において、住宅ローン控除の制度が変更されたため、詳しくは国土交通省のページを確認しましょう。
【Q&A】平屋増築に関する良くある質問

- 平屋増築はやめた方が良いですか?
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平屋増築は、コストを抑えて理想の住環境が手に入るため、やめた方が良いとは言えません。
しかし、建物の状態や耐久性、法規制などさまざまな面で注意が必要です。
このため、平屋を増築する際には、専門的な知識を有したリフォーム業者への相談を行いましょう。
- 平屋が人気な理由はなんですか?
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平屋は、バリアフリーで家族のコミュニケーションが取りやすい間取りである観点から、幅広い世代に人気の間取りです。
2階建てと比較すると足場を組む必要がないため、建築コストやメンテナンスコストを抑えられる利点もあります。
- 平屋を6畳分増築した場合、どのくらいの費用がかかりますか?
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平屋を6畳分増築する場合、場所や建築工法、内装のグレードによって費用が異なります。
増築箇所 費用 1階部分に増築 180〜300万円 2階部分に増築 200〜1,000万円 離れを増築(木造在来工法) 200〜300万円 離れを増築(プレハブ工法) 150〜200万円 上記の費用は、トイレやキッチンをはじめとした水回りがない場合の費用です。
6畳の居室に水回りを設ける際には、別途費用が必要となります。
- 平屋を3階建て以上に増築できますか?
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平屋を3階建て以上へ増築する工事は、理論上可能です。
なぜ理論上かというと、平屋は原則として2階以上の重さを支えられる構造でないからです。
このため、平屋を2階3階建て以上に増築する際には、構造を見直す大がかりな工事が必要と言えます。
さらに、平屋の構造によっては上階を支える柱を建てられず、技術的に難しいといったケースもあります。
- 増築の定義とはなんですか?
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増築の定義は、建物の延床面積を増加させることです。
増築と混同されやすい言葉に「改築」や「リフォーム」があり、これらは間取りの変更や機能性向上を意味しています。
平屋から2階建てにする、敷地内に建物を建てるなどの工事は、すべて増築とされます。
増改築・間取り変更リフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
とはいえ「信頼できる業者が分からない」「何度も同じ説明をするのが面倒」と踏み出せない方もいらっしゃると思います。
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