縁側とは?種類は大きく分けて2種類
縁側の種類は、大きく分けて「濡れ縁(ぬれえん)」と「くれ縁」のふたつ。
これらの違いは「雨に濡れる場所にあるか」という点にあります。
濡れ縁
雨に濡れる場所にある縁側は「濡れ縁」と呼ばれます。
濡れ縁は建物の外側にあるので、外で作業する際の休憩場所として使われる場面が多く、人が集いやすいのが魅力。外の空気を感じながら、家族や友人と、ゆったりとした時間を過ごせます。
- 建物の外側につくられる縁側
- 屋根がないため、雨が降れば濡れてしまう
くれ縁
濡れ縁とは相反して、雨に濡れない場所にあるのが「くれ縁」です。
くれ縁は室内にある縁側なので、お気に入りのイスを置いてゆったり外を眺めるなど、ゆるやかに外とつながれるのが魅力の空間。雨に濡れる心配もないので、子どもの遊び場にするなど、さまざまな活用方法があります。
- 窓や雨戸の内側につくられる縁側
- 和室の延長スペースとして活用されるケースが多い
縁側を後付けする費用相場
費用相場 | |
濡れ縁 (ぬれえん) | 15,000円〜/平方メートル ※既製品を想定 ※基礎工事は含まない |
くれ縁 | 10万円〜/平方メートル |
縁側は、濡れ縁の方が安く後付けできます。4畳ほどの広さでつくる場合でも9万円〜と、比較的リーズナブルな価格でつけられるのが魅力です。
一方、くれ縁を後付けする場合の費用は、4畳ほどで66万円〜が相場。しかし、解体や間取りの変更が必要になるため、物件によって大きく金額が変動する場合もあります。
【パターン1】濡れ縁の後付け
濡れ縁を後付けする方法は、大きく分けてふたつあります。
- 木材を使ってつくる方法(造作)
- 既製品を使う方法
前項でお伝えしたとおり、既製品を使って4畳の濡れ縁をつくる場合は9万円〜が相場。また、造作する場合も、ほぼ同額が目安となっています。
【パターン2】くれ縁の後付け
くれ縁を後付けする場合、和室などの間取り変更をあわせておこなうのが一般的です。そのため、費用相場も平方メートルあたり10万円〜と高額になります。
さらに、間取りを変更する場合、構造の強さやバランスに問題がないか確かめなければいけません。また、以下に当てはまる場合は、建築確認申請が必要になります。
- 防火、準防火地域にお住まい
- 防火、準防火地域以外にお住まいで10平方メートルをこえて増築する
建築確認申請の費用は、書類作成と申請代行で12〜15万円ほど。構造計算とあわせると20〜30万円が相場となっています。
くれ縁をつくる際は、間取り変更で必要な費用についても、予算に含めておきましょう。
建築確認申請や構造計算の費用は、お住まいのエリアや依頼する専門業者によって異なります。くわしい金額は、見積もりを依頼して確かめましょう!
縁側がある家のメリット
- 集う場所になる
- 風通しがよくなる
- 暑さと寒さを軽減する
縁側がある家には、このようなメリットがあります。
「縁側に集まりたい」「家の風通しをよくしたい」という方は、リフォームのプロに相談して、理想の縁側をつくりましょう!
【メリット1】集う場所になる
室内と室外をつなぐ場所にある縁側は、建物のなかと外をつなぐだけでなく「人と人をつなぐ場所」でもあります。
リビングやダイニングなど、室内に通すのはハードルが高い場合でも、縁側であれば気軽にコミュニケーションを楽しめます。
たとえば、庭の手入れをしている場面。通りかかったご近所の方と麦茶を飲んで一緒に休憩するなど、「ちょっと寄っていきなよ」と気軽に誘えるのが縁側の魅力です。
【メリット2】風通しがよくなる
縁側に面する窓は、幅が広く、天井の近くまである高い窓にするのが一般的。そのため、窓をあけると室内に気持ちがいい風を入れられます。
また、縁側の反対側にある窓もあけておくと、室内に風が通り抜けて、室内に湿度がこもりにくくなります。
【メリット3】暑さと寒さを軽減する
くれ縁が室内にあるメリットは、部屋の暑さや寒さを軽減してくれる点です。
くれ縁は、窓と建具に囲まれた空間となるため、外からの熱気や冷気を遮り、室温の上昇や低下を防いでくれます。
また、くれ縁の軒には、夏の直射日光を遮る効果も。夏の太陽は、高い位置にのぼるので、軒があることで直射日光を遮ってくれます。
縁側がある家のデメリット
- 室内の様子が見えやすい
- 居住スペースが狭くなる
- メンテナンスに手間がかかる
縁側がある家には、このようなデメリットがあります。
「縁側をつけなければよかった」と後悔しないよう、後付けする前にデメリットを理解しておきましょう。
【デメリット1】室内の様子が見えやすい
縁側には大きな窓がつくため、室内の様子が見えやすくなります。
開放的な空間となるのが縁側の魅力。しかし、縁側をつくる場所によっては「外から見えるのが気になる」と、ストレスを感じてしまう場合もあります。
そのため、縁側を後付けするなら、庭のデザインも含めて検討するのがおすすめです。
葉が冬でも落ちることのない「常緑樹」を植えておけば、ほどよく視界を遮ってくれます。
また、デメリットのカバーという点だけでなく、自然を感じられて、癒しの空間をつくれるメリットも得られます。ほどよく視界を遮りたい場合は、好みの木を選んで植えてみましょう。
【デメリット2】居住スペースが狭くなる
室内にくれ縁を後付けする場合、和室やリビングなどの居住スペースを削らなければいけません。
住宅の面積を変えずに後付けする場合は、あらかじめ以下のようなことを視野に入れて、居住スペースが狭くなっても問題ないようにしましょう。
- くれ縁は物干しスペースも兼ねる
- 使っていない物置を、和室にリフォームする
これらのように、くれ縁の用途を考えてみたり、くれ縁ではない箇所を変えてみたりと、工夫すれば居住スペースが狭くなっても問題はありません。
「くれ縁をつくったら、収納スペースが足りなくなった」など、リフォームによる失敗が起きないように、スペースの活用プランを考えてみましょう。
【デメリット3】メンテナンスに手間がかかる
屋根がつかず、雨が降れば濡れてしまう「濡れ縁」は、くれ縁よりもメンテナンスに手間がかかります。
たとえば、既製品ではなく造作で後付けした場合は、定期的に塗装が必要です。木材の塗装がはがれてくると、腐食を起こしやすくなるため、定期的に塗装しなければいけません。
また、濡れ縁の下に落ち葉がたまったり、木材に汚れが染みたりと、掃除の手間も増えます。そのため、メンテナンスや掃除が必要である点を理解した上で、濡れ縁の後付けを検討することが大切です。
縁側を後付けする際のポイント
縁側を後付けする際に、押さえておきたいポイントをいくつか紹介します。
【ポイント1】縁側の後付けする目的を明確に
縁側には「濡れ縁」と「くれ縁」の2種類があるほかに、サイズや素材など、さまざまな選択肢があります。
そのため、以下のように「縁側を後付けする目的」を明確にしておくことが大切です。
- いつでも外の景色を楽しみたい
- 庭の手入れをする際の休憩場所がほしい
- 子どもがプールで遊んでいるのを見守りたい
たとえば、いつでも外の景色を楽しみたいのであれば、雨が降る日でものんびり景色を楽しめるように、くれ縁にしてリクライニングソファを設置するなど。目的からつくるべき縁側のイメージ図が見えてきます。
縁側で何がしたいのかを家族で話し合い「気づいたら縁側にいる」というような、居心地のいい縁側をつくりましょう。
【ポイント2】増築や改築も検討する
開放的で居心地のいい縁側をつくるには、増築や改築が必要な場合もあります。
デメリットでもお伝えしたように、縁側をつくることで、居住スペースが狭くなる場合もあるため、間取りを変更する際は増築や改築の必要がないか検討しましょう。
増築については、下記記事でくわしく解説しています。6畳ほどの増築なら費用がいくらかかるかなど、具体的な金額についても紹介しているので、増築も検討したい方はチェックしてみてください。
【Q&A】縁側についてよくある質問
- 縁側の値段はどれくらい?
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縁側の値段は、造作するなら、材料費だけで2〜4万円が一般的です。
工事を専門業者に依頼したり、縁側の下をコンクリートにしたりする場合は、追加で費用が発生する点に注意しましょう。
- 縁側と広縁の違いは?
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縁側と広縁の違いは「奥行き」です。
現在では、以下のような奥行きで、縁側と広縁が区別されています。
- 縁側:3尺(およそ910mm)
- 広縁:4尺(およそ1,200mm)以上
- 縁側とウッドデッキは何が違う?
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縁側とウッドデッキの違いは、おもな使用用途にあります。
縁側は900mmほどの奥行きで、細長い「廊下」として設置されます。ウッドデッキに比べて奥行きがないため、おもに「腰をかけて休む」という用途で使われます。
一方ウッドデッキは、縁側よりも奥行きや幅があるものが多く、おもにテーブルやイスなどを置いて「休憩スペース」の用途で使われます。
ウッドデッキのリフォーム費用はいくらかかる?「縁側よりウッドデッキがいい!」という方は、こちらもチェックしてみましょう。
- DIYで縁側を設置できる?
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材料や道具さえ用意すれば、縁側はDIYで設置できます。
ただ「濡れ縁」をつくる場合は、雨で濡れた木材が腐らないように、定期的に塗装するなどの工夫が必要です。
また、座ったときに壊れないよう、耐久性にも注意しなければいけません。
そう言われると、ちょっと不安なんだけど…「DIYは慣れていないから不安」という場合は、リフォームのプロに依頼するのがおすすめです。
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