目次
外壁塗装の工程における「高圧洗浄」の位置づけ
高圧洗浄は、足場を設置した翌日(工事2日目)に行われる「塗装のための土台作り」の工程です。
全工期は約10日間〜2週間が目安ですが、高圧洗浄がどのタイミングで行われるか、まずは全体の流れを確認しましょう。
1. 近隣挨拶・足場設置【初日】

工事前には近隣への挨拶を行い、初日に作業用の「仮設足場」と飛散防止の「メッシュシート」を設置します。
2. 高圧洗浄【2日目】

ここが最初の重要なステップです。専用の業務用高圧洗浄機を使用し、外壁や屋根についたコケ、カビ、藻、古い塗膜、チョーキング(白っぽい粉)などを徹底的に洗い流します。
3. 乾燥【3〜4日目】
洗浄後は外壁を完全に乾燥させます。水分が残っていると、後から塗る塗料が膨れたり剥がれたりする原因になるため、季節や天候によっては丸1日〜2日以上かけて乾かします。
4. 下地調整・養生〜塗装【5日目以降】

乾燥後、ひび割れの補修(下地調整)や窓の保護(養生)を行い、いよいよ「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗り工程へと進みます。
このように、高圧洗浄は単なる掃除ではなく、塗装の品質を左右する不可欠なプロセスです。
なぜ重要?高圧洗浄の2つの効果と洗浄方法の種類
塗料を長持ちさせるためには、高圧洗浄による「不純物の除去」と「下地調整」が絶対に欠かせません。
ブラシでこする程度ではなく、なぜ「高圧洗浄」が必要なのか、その理由は主に以下の2点です。
1. 不純物を除去し、塗料の「密着性」を高める
外壁には、長年の排気ガス、ホコリ、コケ、カビなどが蓄積しています。これらが残ったまま塗装をするのは、汚れたテーブルの上にセロハンテープを貼るようなもので、すぐに剥がれてしまいます。
高圧洗浄で不純物を取り除くことで、塗料が外壁材にしっかりと密着します。
2. 劣化した古い塗膜を削ぎ落とす
既に寿命を迎えて剥がれかけている古い塗膜は、新しい塗装の邪魔になります。強力な水圧でこれらを削ぎ落とし、健全な下地を露出させる役割もあります。
汚れ具合で使い分ける「洗浄方法」の違い
汚れの状態に応じて、洗浄方法を使い分けることがあります。
| 洗浄方法 | 特徴 |
| 通常高圧洗浄 | 水圧のみで汚れを落とす一般的な方法。 通常のホコリや汚れに対応。 |
| トルネード洗浄 | 先端が回転するノズルを使用。 さらに水圧が強く、頑固な汚れに適する。 |
| バイオ洗浄 | 特殊な薬品(洗剤)を使用。 カビやコケを根元から分解・殺菌する。 |
※注意点(水道代について)
業務用の洗浄機を使用しますが、水自体はお客様宅の屋外水道を使用するのが一般的です。その分の水道代は施主負担となるケースが多いことを知っておきましょう。
外壁塗装と「雨」の関係|高圧洗浄なら雨の日でもできる?
高圧洗浄に限っては、雨の日でも問題なく作業可能です。
外壁塗装は屋外作業のため天候に左右されますが、工程によって「できる作業」と「できない作業」が明確に分かれています。

塗装作業は「雨天中止」が原則
塗装中に雨が降ると、塗料が薄まり品質が低下したり、雨粒の跡がついて仕上がりが悪くなったりします。そのため、雨天時や湿度が著しく高い日(85%以上など)は、塗装作業は行いません。
「高圧洗浄」は雨の日でも作業可能
一方、高圧洗浄は作業自体が水を使うものであるため、雨天でも実施できます。
むしろ以下のようなメリットさえあります。
- 近隣への配慮が楽になる: 雨の日はご近所の方が洗濯物を外に干していないため、水飛沫によるトラブルのリスクが減ります。
- 汚れが落ちやすい: 湿気で汚れがふやけているため、洗浄効果が高まる場合があります。
「雨なのに作業しているけど大丈夫?」と不安になる必要はありません。高圧洗浄であれば、雨天決行は合理的かつ一般的な判断です。
【注意】外壁塗装「後」に高圧洗浄機で掃除してもいい?
塗装後の外壁に対する高圧洗浄機の使用は、原則としておすすめしません。
強力な水圧によって、せっかく新しくなった塗膜やコーキングを傷つけ、家の寿命を縮めるリスクがあるからです。
どうしても使用したい場合は、外壁材ごとのリスクを理解し、細心の注意を払う必要があります。
素材別!塗装後の高圧洗浄におけるリスクと注意点
外壁の素材によって、高圧洗浄機が与えるダメージの種類が異なります。
| 素材の種類 | リスク | 注意点・対策 |
| サイディング (窯業系・金属系) | 水漏れ・凹み | 目地(コーキング)は避ける。 金属系は水圧で凹む恐れあり。 距離を離して洗浄する。 |
| モルタル ALC | 塗膜剥離 | 表面のザラつきに汚れが溜まりやすいが、 至近距離だと塗装が剥げる。 ひび割れ部分には当てない。 |
| 木材 | 腐食・変色 | 使用NG。 水が染み込みやすく腐食の原因に。 塗膜も非常に剥がれやすい。 |
共通する正しいお手入れ方法
家庭用高圧洗浄機を使う場合でも、以下のルールを守りましょう。
- 水圧は「最弱」にする: 強力な水流は塗膜を傷つけます。
- 目地(コーキング)には当てない: ゴム部分は水圧に弱く、劣化や断裂の原因になります。
- 基本は「ホースとブラシ」: 最も安全で確実なのは、散水ノズル程度の水圧で水をかけ、柔らかいスポンジやブラシで優しく汚れを落とすことです。
高圧洗浄で起こりやすいトラブルと対策
高圧洗浄時は「水漏れ」「騒音」「乾燥不足」などのトラブルが起きやすいため、事前の対策が必須です。
工事中のよくあるトラブルとその回避策を押さえておきましょう。
1. 室内への水漏れ
窓の鍵をかけ忘れたり、サッシの隙間から水が入ってきたりすることがあります。
対策: 作業当日は戸締まりを徹底しましょう。また、古い家屋で隙間が多い場合は、業者が事前にテープ等で目張りを行うこともあります。
2. 近隣への飛散・騒音
洗浄の水が隣家の洗濯物や車にかかったり、洗浄機のエンジン音がうるさいといった苦情です。
対策: 工事前の挨拶で、洗浄を行う日程を明確に伝え、洗濯物の部屋干しや車のカバーなどの協力を仰ぐことが最も重要です。
3. 乾燥不足による施工不良
洗浄後、乾ききらないうちに塗装をしてしまうと、後から不具合が出ます。
対策: 「高圧洗浄の翌日にすぐ塗装していないか(十分な乾燥時間を取っているか)」を工程表で確認しましょう。冬場や湿気の多い時期は特に注意が必要です。
外壁塗装における高圧洗浄は、家の寿命を延ばすための土台作りであり、雨天でも進められる重要な工程です。また、施工後はむやみに高圧洗浄を行わず、素材に合わせた優しいメンテナンスを行うことで、美しい外観を長く保つことができます。
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