目次
- 1 外壁のひび割れを放置するとどのような事態になるの?
- 2 外壁のひび割れに対応した保証はあるの?
- 3 外壁のひび割れに対応した保証の種類と適用条件とは
- 4 外壁のひび割れに対応する保証のポイントとは?
- 5 コンクリート製の外壁になぜ防水工事を施すのか?
- 6 コンクリート外壁の防水ではどのような工法が用いられているのか?
- 7 コンクリート防水にかかる費用と施工期間は?
- 8 DIYでコンクリート防水を行うことはできるのか?
- 9 外壁に起こるひび割れとは?
- 10 外壁のひび割れの状態と対応の基準
- 11 外壁材の種類によって補修方法が違う
- 12 ひび割れ幅が1mmを超える場合は業者に
- 13 外壁のひび割れの補修費用について
- 14 外壁のひび割れに保証や保険が適用できる
- 15 DIYによるひび割れ補修は推奨できない
- 16 住宅外壁のひび割れにはどんな種類がある?
- 17 外壁のひび割れが問題のあるものかどうかを見極める判別方法
- 18 外壁のひび割れがあることによるリスク
- 19 原因別のひび割れの対処方法
- 20 ひび割れに強い外壁にリフォームするポイント
- 21 ひび割れに強い外壁にするメリットとデメリット
- 22 外壁でひび割れしやすい部分
- 23 外壁のひび割れ補修にかかる工期
- 24 外壁のひび割れ補修にかかる費用
- 25 外壁のひび割れを補修するためにかかる費用の総額
- 26 外壁のひび割れの修理に強い業者の見つけ方
- 27 外壁のひび割れ補修に地震保険が適応できるかどうか
- 28 DIYで外壁を補修することはできる?
- 29 火災保険を利用して外壁の補修を行うことはできる?
- 30 外壁のひび割れを放置した際に懸念されることとは
- 31 外壁にひび割れができる原因にはどのようなことが考えられる?
- 32 外壁にできたひび割れの種類と対処方法とは?
- 33 モルタル外壁の特徴とは
- 34 モルタル外壁の塗装リフォームの施工手順と施工費用の相場
- 35 DIYでモルタル外壁の塗装はできる?
外壁のひび割れを放置するとどのような事態になるの?
外壁のひび割れを見つけてもそのままの状態にしていると建物にもかなりのダメ-ジを与えてしまいます。どのようなリスクが発生するのかを説明します。
建物全体の耐久性が低下!
外壁のひび割れをそのまま放置していると、外壁だけでなく、建物自体の劣化が進行します。ひび割れた部分から雨水が入りサイディングボ-ドやモルタル仕上げの下の木の部分までもが腐食します。
さらに雨水が構造体の木の部分にまで染み込むことで、シロアリが巣くうということも起きるのです。
すると基礎となる部分が弱り、風水害や地震に対しての耐性も弱くなってしまいます。そのために外壁の素材そのものを張り直す必要が出てきます。
雨漏り
ひび割れの部分から雨水が浸入すると外壁材だけでなく、室内の部材にも影響が出てきます。最初は気づきにくくても、時間の経過とともに室内の雨漏りに繋がることがあるのです。
雨漏りした部分にカビが発生してしまうと、見た目の印象が悪くなるのはもちろんのこと、人体の健康にも悪影響を与えることになります。
さらに建物がみすぼらしい外観になるのは、辛いですよね。大切なマイホ-ムが外壁のひびによって美観までも損なわれる前に対処したいものです。
外壁のひび割れに対応した保証はあるの?
建物を購入した時や外壁の塗替えをした場合に、担当の工務店や塗装の施工会社から保証書についての説明や受け取りをしたでしょうか。何年間の保証がついているという説明があったと思います。まずは保証内容を確認してください。
外壁に塗料メーカーや施工業者の保証がついていても、ひび割れは対象外
外壁の施工に当たって塗料のメーカーや施工した業者などの保証が一般的にはついています。
しかし塗料メーカーによる保証というのは、塗料そのものに対する製品の保証となっており施工外壁の塗装に対しての保証ではありません。またその製品に対する保証は、1年間から10年間とかなり期間に幅があります。
さらに施工業者の保証でも、外壁のひび割れに対しては経年劣化と判断されて保証されないという場合がありますので保証書をよく読んで対応してください。
外壁の塗料メーカーや施工業者の保証は塗装の剥がれに対して
外壁塗料のメーカーが保証しているのは、塗料の希釈量や塗布した量と塗布した回数などが適切に行われていなかった場合の保証となります。また外壁の塗装した部分の剥がれや塗りむら、膨れ、色落ちなどが主な対象となります。
ひび割れも一応入っていることがありますが、経年劣化とされると保証されません。主に保証の対象は、施工上のミスや作業の手抜かりについての保証となっている場合が多いのです。
ひび割れの原因によっては保証が適応される場合が
外壁のひび割れに対しては保証が適応されないことが多いのですが、あきらかに塗装して1年も経たないうちにひびが入っているのを見つけた場合などは、施工業者の瑕疵といえます。
その間に地震などの外的な原因がないのであれば、交渉次第で修繕をしてもらえる可能性があります。
保証の期間や範囲が定められている
保証書を確認する必要がありますが、塗装してから5年以上が経過した場合の外壁のひびなどの劣化については、その保証が微妙です。というのも5年程度たつと経年による劣化なのか施工業者側の施工の不良なのかを見極めるのが難しいからです。
例えば塗装後7年から8年ほど経っているのであれば、経年劣化とされ保証としての対象外と判断される場合が多くなります。
外壁のひび割れに対応した保証の種類と適用条件とは
外壁のひび割れに対しては、その保証の種類や保証されるための条件などがあります。
保証内容に関わらず、地元に根付いた良識ある業者であれば3年以内のトラブルであれば、何らかの処置をしてくれると思いますので、早めに相談してみましょう。
第三者機関による瑕疵保証とは
第三者機関というのは、施工業者が組合に入っている場合にその組合組織をさします。
施工を依頼した業者が仮に倒産したという場合でも組合に加盟していたのであれば、組合からの保証が受けられるのです。
しかし施工業者の加盟していた組合が解散してしまった場合は、保証は受けられませんので申請はできるだけ早めにすることが重要です。
火災保険では
火災保険に加入していても保証される内容としては、突発的に起こる自然災害に対するもので。外壁の塗装におけるひび割れなどに対しての保証はほとんどされません。
ただ台風などの災害で、壁が破損して外壁修理をした場合にその後壁がひび割れたというのであれば補償される可能性もあります。
例えば自然災害では、強風の条件となっているのは最大瞬間の風速が秒速で20m以上になることなどが明記されています。さらにその災害で外壁が破損し工事をした場合の費用が保証されるのは20万円以上の場合です。
このような風災での保証がついていないと補償されないものもあります。
申請が可能な期間は、自然災害によって外壁が破損してから3年以内ですので注意してください。
地震保険では
地震保険では、3段階の全損、半損、一部損という基準で保証の基準が決まります。全損であれば保険の金額は全額で、半損の場合は50%、一部損と認められると5%です。
そして主要な建物の構造部で建物の基礎部や屋根、そして外壁などが対象となります。それらの部分で建物の価値として3%が損害を受けている場合には、保険金は支払われます。
ただ最低の損害部分が3%といっても一箇所にひびが入っている場合に「この程度の修理費用なので一部損にして欲しい。」と要求しても対象にしてくれるという規準ではありません。
何ポイントという基準で査定されるために一般人では、納得しにくい保証基準となっています。また損害額などは、専門家による鑑定が必要となります。
さらに申請については、地震保険の場合地震当日から10日以内に申請をすることが必要です。ただ大地震であきらかに建物の被害が地震によるものと判断できる場合には保証されますので、10日を過ぎて申請がしにくかった場合でもあきらめずにまずは申し込んでください。
また外壁の塗装工事などについて市区町村が助成金制度を設けていることがあります。一度確認してみてください。
助成金制度がある場合には、一般的には塗装をする前に申請書を作成して必ず提出する必要があります。そして決定の通知が届いてから施工業者に連絡して工事を始めましょう。
最終的に工事が終了したという報告書も提出する必要があります。自治体によって申請の仕方や業者の指定などもありますので、注意してください。
外壁のひび割れに対応する保証のポイントとは?
保証範囲では
施工業者の外壁塗装などでの保証内容は、上述しましたが外壁の塗装した部分の塗りむらや剥がれ、膨れ、色落ち、そしてひび割れも入っています。しかし保証される内容として、業者の施工上のミスということが保証の対象となります。
またに外壁のひび割れや凸凹などがあった場合に補修を行ってから塗装しますので、それが行われていないのであれば指摘することができます。しかし業者が塗った後では確認するのが難しいので、塗装をする前にしっかりと確認してひび割れていた部分が修繕してから塗装できているかを確かめてください。できていない場合は、早めに業者に指摘してください。
免責事項では
業者が前もって責任を負わないと決めた事項が、免責事項です。業者によって内容が異なりますので、必ず確認しておきましょう。
例えば内容としては、一般的に家主が使用している時に破損したり事故で壊したりした場合や維持管理上で問題があったとして業者が責任を負わない場合です。
さらに経年劣化で摩擦や消耗があったり、施工工事をした時に発見ができずにその後不具合が建物や壁に起きたりした場合も免責となります。落雷や地震、台風などの自然災害、火災や公害などが原因となったものも同様です。
申請する時期
一般的に塗装業者は、数年から10年程度の期間の保証を設定しています。しかし塗料の種類や施工の方法によってその保証期間が違ってきます。
保証は、施工業者の手抜かりなどが対象で経年劣化の場合は対象になりませんので、施工後早めに問題箇所が見つかった場合は業者に申請してください。もし工事後5年以上経っていると、申請しても経年劣化として、保証の対象外とされることもありますので注意してください。
瑕疵保証に加入している業者を選ぶこと
施工業者から保証書を手渡された時には、契約する前にその内容をしっかり確認してください。
保証書に記述されている内容は、表現が難しいのでかなり理解するのに時間を要するかもしれませんが、分かりにくい場合には、担当者に聞くなどして内容を把握してください。
その場合に業者側の瑕疵について保証されているかどうかをきちんと確認してください。その部分がなかったり説明をその点について省いたり、質問した内容について説明を面倒がるというような業者は信頼できないかもしれません。
また保証書を発行するのが、施工工事の終了後になるという場合には、始めに渡される工事の請負契約書や約款などで保障の内容をしっかりと確かめてから工事を開始してもらってください。
そして工期内容や施工の費用面だけでなく、工事終了後のフォローをしっかりとしてくれる体制のある業者を選択することをお勧めします。
コンクリート製の外壁になぜ防水工事を施すのか?
マンションや一戸建て住宅などでは、コンクリートが主な建材として広く用いられています。
コンクリートは自由に成形が可能で、耐久性や強度も高く、優れた建材ではありますが、雨に弱いという性質があるため、防水対策が欠かせません。
これは、コンクリートの主成分が炭酸カルシウムであるため、酸性雨によってセメントが溶け出し、強度が低下することが理由です。
特にひび割れが出たコンクリートは内部鉄筋の錆びを引き起こし、最悪の場合強度をなくし崩壊に至ることもあり、見過ごしは大変危険です。
近年では酸による劣化に強い耐酸セメントも開発されていますが、一般住宅向けには通常の製品が利用されています。
そのため、建物についてはコンクリートへの雨の影響を抑えるため、防水加工が欠かせません。
マンションなどで良く用いられている打ちっぱなし仕上げについても、表面に透明な防水材が塗布されています。
防水工事には鉄筋への影響を防ぐ働きも
コンクリート造の建物では、引っ張り強度を高めるために内部に鉄筋が埋め込まれており、この鉄筋を守り、建物の強度を維持するためにも防水工事が行われます。
コンクリート内部の鉄筋はコンクリートに保護されていますが、コンクリートがひび割れたり劣化したりすると、内部まで水分が侵入して雨漏りや鉄筋の錆びを起こしてしまうのです。
鉄筋が錆びると、体積が膨張するため、コンクリートのひび割れはさらに拡大しますし、鉄筋そのものの強度も低下するため、建物の強度も著しく低下します。
また、外壁のひび割れが増加すると、ちょっとした雨でも簡単に雨漏りが発生するようになり、屋内の設備まで雨漏りによってダメージを受けてしまうでしょう。
コンクリート外壁に防水工事を施すことでこのような鉄筋の劣化や雨漏りによる被害を抑えることができるようになり、建物を守ることができます。
コンクリート外壁の防水ではどのような工法が用いられているのか?
コンクリートで作られた建物の防水については透明な防水材を用いた仕上げが主流です。
施工方法は、一般的な住宅の外壁塗装と同じく、足場を設置して外壁の洗浄および補修を行い、防水材を塗布します。
防水材は、塗装と違いプライマーなどの下地用塗料を使用しないため、やや耐用年数が短く、約7年で塗り替えが必要です。
また、近年では塗装によってコンクリートの質感を再現する描写再現工法という塗装技術も用いられており、こちらは通常の塗装と同じく10年程度の耐用年数があります。
塗装については耐久性の高いフッ素塗料や光触媒コーティングを施す手法もあり、これらを組み合わせた場合は約15年間塗膜が維持できるようです。
外壁以外の屋上やベランダなどの雨が溜まりやすい部分については、ゴムや樹脂製のシートの張り付け、アスファルトの塗布、ガラス繊維と樹脂を用いたFRP防水などが用いられています。
耐用年数はシート防水が約10年、アスファルト防水が約20年、FRP防水は約15年です。
アスファルト防水は屋上防水の中でも特に耐用年数が長い工法ですが、防水層が重くなるため、建物の重心が変化してしまう可能性があります。
FRP防水やシート防水の場合は防水層が軽量で建物への影響を抑えることができるため、屋上部分の重量が気になるという方はこれらの防水工法を選ぶと良いでしょう。
コンクリート防水にかかる費用と施工期間は?
施工費用は打ちっぱなし仕上げの外壁に防水材を塗布する場合が1平方メートルあたり約3,000円、描写再現工法を用いた塗装の場合は1平方メートルあたり約5,000円が相場です。
施工期間については、戸建て住宅全体をリフォームした場合、防水剤の塗布が約1週間、描写再現工法については約2週間が目安となります。
屋上防水については、シート防水とアスファルト防水が1平方メートルあたり約8,000円、FRP防水は1平方メートルあたり約9,000円が相場です。
屋上防水の施工については、どの工法でも約2日が目安となっていますが、設備の撤去や下地の補修等が必要な場合は作業日数がやや長くなります。
また、高所作業を行う場合については、足場と養生シートの設置が必要となり、こちらは足場代が1平方メートルあたり約700円、養生シートは1平方メートルあたり約400円が相場となります。
施工費用はひび割れや劣化などの施工箇所の状態、施工面積、形状等によって大きく変わりますので、詳細な費用や施工期間について知りたいという方は、リフォーム会社に見積もりを立ててもらうと良いでしょう。
DIYでコンクリート防水を行うことはできるのか?
塗装や防水材の塗布、防水シートの設置などをDIYで行うことはできるのでしょうか?
ホームセンターなどでは、色々な塗装用品、塗料などが販売されていますが、個人で防水工事を行うのはあまりおすすめできません。
塗装下地の調整や傷んだ外壁の補修は、少しでも問題があると仕上がりや建物の寿命に悪い影響を及ぼします。
プロでも施工不良を考えて独自保証を用意している場合が多いため、ミスを起こしても保証が受けられないDIYでの施工は危険です。
施工不良による建物へのダメージを抑え、もしもの時も十分な補償が受けられるよう、防水や外壁塗装はプロに施工を依頼することをおすすめします。
外壁に起こるひび割れとは?
外壁のひび割れには種類があり、それぞれ原因が異なります。一般的な外壁のひび割れについて、タイプごとの特徴と原因についてご説明します。
塗膜にできるひび割れ「ヘアークラック」
ヘアークラックは、英語でhair clackと書き、名前のとおり髪の毛のように短く、ごく細いひび割れを指します。
塗装の塗膜部分にできることが多く、経年による劣化をはじめ、重ね塗りの時間間隔が不十分、あるいは硬質タイプの塗膜塗装などが原因と考えられます。
つまり、外壁自体ではなく表面に塗ってある塗装のひび割れということです。
このタイプの外壁ひび割れは、特別急いで修理する必要はありませんが、外壁劣化の目安となり、塗り直しを検討するタイミングと言えるでしょう。
外壁材にできるひび割れ
外壁材自体にできるクラックには、主に次の3タイプがあります。
乾燥クラック
モルタルの塗り壁やコンクリートなど、湿式工法の外壁材に見られるひび割れです。
塗装をする前にモルタルやコンクリート自体が完全に乾燥していなかったために、水分蒸発とともに収縮が生じ、結果クラックとなってしまいます。
原理としては陶器などの焼き物と同じですが、陶器のようにデザイン上のポイントにはならないため、補修が望まれます。
塗装の下地が完全に乾燥している時点で、クラックが広がることはありません。
外壁塗装を行う際に、シーリング材あるいはエポキシ系充填材の上に微弾性フィラーの下塗りをし、塗装を仕上げる方法が有効とされています。
構造クラック
建物の構造に欠陥として生じているクラックは、構造クラックと呼ばれます。
幅0.3mm以上、深さ5mm以上のクラックはすべて構造クラックに含まれており、名前のとおり構造に関係している重度なひび割れです。
原因としては、地震や地盤沈下など、連結と融解の幾度にも渡る繰り返しといった外的な圧力が考えられます。
建物の構造に関わるため、早急な補修が必要となります。
対策も、構造補強など比較的大掛かりなものになると想像されます。
縁切れクラック
モルタル、コンクリートなど塗り壁施工においては、一気に一面を施工するのが基本的なルールです。
しかし、途中で作業を中断する、あるいは部分的に施工するなどして、一面内に境目のようなクラックができると縁切れクラックと呼ばれます。
何か事情があって塗り継ぎがあると、そこからひび割れが大きくなっていきます。
モルタルの場合は0.3mm以上だとシーリング材を充填し、コンクリートだと0.3mm以上ではVカット後、樹脂モルタルやシーリング材を充填して補修します。
ひび割れを放置すると起こること
上記のようなひび割れを補修せず、放置しておくと大きな欠陥に繋がる可能性が出てきます。
考えられるリスクとして、以下のようなものがあります。
- 外壁からの雨漏り
- 構造や躯体の劣化、建物自体の耐久性低下
- 湿度上昇によりカビ発生、衛生的な問題へ
- 外観が劣る
外壁のひび割れでは、外壁材のクラックは修理が遅れると、建物自体の耐久力が劣ってしまい、雨漏りやカビといった問題も起こりやすくなります。
塗膜へのクラックは直接躯体には影響しにくいものの、やはり住宅の見た目はよくないため、塗り直しだけでも行うのが理想的でしょう。
外壁のひび割れの状態と対応の基準
外壁のひび割れにはいくつか種類があります。
それぞれの状態により、対応方法も異なりますので、外壁のひび割れの状態ごとの対応についてご紹介します。
【ヘアクラック】ひび割れの幅が0.3mm以下のクラック
ヘアクラックと呼ばれる幅の細いクラックは、塗膜だけがひび割れた状態なので、すぐに大きな問題が発生する可能性は低いといえます。
DIYでの補修も可能ですが、それ以上ひび割れが大きくならないかどうかについて定期的にチェックするようにしましょう。
【乾燥クラック】幅の狭いひび割れ
外壁材にモルタルなどを使用した場合、乾燥していく過程で水分の蒸発などにより収縮が発生し、ひび割れが生じます。
しかし、その多くは構造にまで影響があるひび割れではありません。
早急な対応は必要ありませんが、定期的に経過を観察する必要があります。
【構造クラック】ひび割れの幅が0.3~0.5mm以上のクラック
幅が0.3~0.5mm以上の大きな外壁のひび割れは、構造クラックの可能性が高くなります。
建物内部の構造部分に問題が生じている可能性が多く、そのままにしておくと建物の強度に影響を与えるため、早急に専門業者による補修が必要となります。
外壁材の種類によって補修方法が違う
外壁の補修方法は外壁材の種類によって異なってきます。
それぞれの外壁材の特徴と補修方法について見ていきましょう。
タイル外壁
タイルは、石や粘土などを高温で焼き固めた外壁材のことです。
高温で焼き固めているため、耐久性が高くメンテナンスの手間があまりかからないという特徴があります。
一方で、初期費用が高くなる傾向にあり、また素材が重たいため建物への負担が大きくなるという面も持っています。
タイル外壁の劣化として見られる症状には、タイルのひび割れやタイルの浮きなどが挙げられるでしょう。
大きなひび割れやタイルが浮いている場合には一度タイルを取り外し、新しくタイルを張り替えます。
小さなひび割れに関しては、エポキシ樹脂を注入し補修します。
ALC外壁
ALCとは軽量気泡コンクリートというコンクリートの一種です。
軽量で、耐久性が高く定期的にメンテナンスをすることで約50年以上、長期で使用することができます。
ALC外壁で主に見られる劣化症状はひび割れです。
幅が0.3mm以下のひび割れには、ひび割れしている箇所にシーリング材を擦り込む方法と、微弾性フィラーを擦り込む方法があります。
幅が0.3mm以上のひび割れが見られる場合には、ひび割れに沿ってU字型の溝をつくり、そこへ接着剤を塗布してシーリング材を注入するUカットシーリング工法などで補修を行います。
窯業系サイディング
窯業系サイディングは、セメントに繊維質を混ぜて板状に形成した外壁材のことです。
国内の外壁材の中でもシェアの高い外壁材になります。
その理由としては、機能性やデザインのバリエーションの多さ、そして他の外壁材に比べても初期費用を抑えることができるなどの点が挙げられるでしょう。
窯業系サイディングの補修では、小さなひび割れにはコーキング材などで補修を行います。
ひび割れが多発している場合などには、サイディング自体が寿命を迎えている可能性もあるため、張り替えやカバー工法でのリフォームをおすすめします。
モルタル壁・コンクリート壁
モルタルはセメント・砂・水を加えてつくられ、コンクリートはそこに砂利が加わったものです。
耐火性に優れ、ALCや窯業系サイディングのような外壁材のつなぎ目であるコーキングの補修の必要がないなどのメリットがあります。
一方で、水を含みやすくひび割れしやすいという点がデメリットです。
幅0.3mm以下のひび割れが見られる場合には、シーリング材もしくは微弾性フィラーを擦り込むなどの補修方法があります。
幅0.3mm以上のひび割れの場合には、ひび割れ箇所に溝をつくり、そこをシーリング材で埋めるUカットシーリング工法という方法で補修を行なっていきます。
ひび割れ幅が1mmを超える場合は業者に
外壁のひび割れが幅1mmを越えている場合、下地や構造躯体に影響していることも考えられます。
その場合は、プロの業者に修理を依頼するようにしましょう。
実際に業者へ外壁ひび割れの修理を依頼する際の、ポイントをまとめていきます。
業者の選び方
リフォームや修理を業者に依頼する場合、業者選びはとても重要です。
悪徳業者を避け、信頼できる優良業者に施工を依頼するために、以下のような業者を探しましょう。
- アフターケアや工事保証がついている
- 大幅な値引きをしない
- 見積もり依頼など対応が早い
修理工事の見積もりは、候補となる会社を複数選んで相見積もりを依頼します。
比較検討してから正式に工事を依頼する業者を決めるのは、業者選びで失敗しないための大前提です。
見積もりのやりとりを通して、腕の確かな業者を見つけてください。
その他、定期的なメンテナンスや点検を取り入れることで、後の大きなリフォームや補修になる前に対処できます。
できれば信頼置けるリフォーム業者に1~2年に1度は検査をしてもらえば安心です。
お家の健康診断と思いましょう。簡単なタッチアップ込みで半日程度1万~2万円で済みます。
外壁のひび割れの補修費用について
外壁のひび割れはその規模によって補修費用も異なりますが、一般的にどのくらいの費用を見ておくと良いのでしょうか?
まず、部分的な外壁のひび割れであれば、1箇所あたり約1~10万円で補修することができるでしょう。
ヘアクラックのように表面的なひび割れの補修であれば、DIYでも補修することができるので、もっと安く補修することもできます。
構造クラックのような構造体にまで影響を与えるひび割れの場合は、費用が大きく変わります。
外壁塗装代なども含めて約80~150万円が1つの目安です。
しかし、建物の大きさや建物の条件により異なります。
平米あたりの単価では約1,700~5,000円が相場です。
これには足場代が入っていないので、足場が必要になる施工箇所の場合は、別途足場代が必要となります。
ご紹介した費用は、あくまでも目安です。
ひび割れの状態や補修箇所の場所や規模により、工事費用は大きく変わりますので、具体的な費用については、専門業者に見積もりを取るようにしましょう。
外壁のひび割れに保証や保険が適用できる
外壁のひび割れは、状況に応じて保証や保険が適用できる場合があります。
ひび割れに保証があるか確認する
ひび割れを発見した際には、まず保証書で保証の適用範囲と適用期間を確認するようにしましょう。
保証には外壁に使う塗料のメーカーによる保証や施工業者の保証、そして新築住宅を購入する際についている保証などがあります。
しかし、保証期間が1〜2年で、適用範囲に関しても塗装の剥がれに限定されていることがほとんどです。
ひび割れも対象に入っていることがありますが、経年劣化ではなく施工上のミスに対してのみ適用対象となる場合が多くみられます。
外壁のひび割れに対しては保証が適用外である場合がほとんどですが、塗装を行なってから約1年以内で、明らかに外的要因が原因でないひび割れの場合、交渉次第では補修を行なってもらえるかもしれません。
また、瑕疵担保責任によって業者が補修してくれる可能性もあります。
事業者は住宅の欠陥や不具合に対して契約不適合責任を負っているため、この責任をきちんと履行するためにも保証金の供託または保険の加入が義務付けられています。
不具合の原因が瑕疵によるものである場合には瑕疵保証によって補修できる可能性もあるため、不動産購入の際などには事前に不動産業者などに確認しておくといいでしょう。
ひび割れ補修に火災保険が使える
ひび割れの補修に火災保険が適用できる場合もあります。
火災保険がひび割れに適用できる条件としては、ひび割れが自然災害などが原因によるものである場合です。
火災保険よりも適用範囲の広い総合住宅保険では、自然災害に加えて物体の衝突による破損や第三者によるいたずらなどにも適用されます。
保険の適用を検討する際には、まず保険の適用範囲を確認、業者に相談し保険の申請準備を整えた状態で保険会社へと連絡することが大切です。
DIYによるひび割れ補修は推奨できない
DIYでひび割れを補修する方法としては以下のような方法が挙げられます。
- セメントチョークをクラックに塗り込む
- スプレーセメントをクラックに吹き付ける
- 住宅用浸透性防水剤をクラックに吹き付ける
- シーリング材を塗り込む
DIYでもひび割れ補修をすることは可能ですが、様々なリスクがあります。
- 養生をうまくできずに、仕上がりが汚くなってしまった
- ひび割れ部分の深部にきちんと充填できず、ひび割れがすぐに再発してしまった
- コーキング材の知識がなく、間違ったものを使用してしまった
また、高い位置にあるひび割れを補修するために、はしごに登って作業をするため危険も伴います。
DIYでのひび割れ作業は避け、業者に依頼することをおすすめします。
住宅外壁のひび割れにはどんな種類がある?
外壁のひび割れは経年により必ず出て来るもので、ほとんどは緊急を要するものではありませんが、中にはすぐ手当てをしておかないと重大な問題となる前兆である場合もあります。
どんなものか知っておくと素人でもある程度判断がつきやすくなります。
住宅の外壁部分に起こるひび割れにはどのようなものがあるのでしょうか?
外壁表面のクラックには、塗られている塗料が経年劣化を起こすことで発生するヘアークラック、モルタルが乾燥する際の伸縮によって起こる乾燥クラック、施工タイミングがずれることで起こる縁切れクラックがあります。
また、住宅や地盤の歪みによって発生するものに構造クラックというものもあり、他のひび割れと違い進行しやすく建物を傷めやすいため、注意が必要です。
サイディングの場合は、窯業系サイディングならボードのひび割れが、金属系なら目地部分に施行されたコーキング剤の劣化による割れが起こることがあります。
外壁部分にひび割れを見つけた際には、まずひび割れが何処まで進行しているか、ひび割れの幅はどれぐらいかなどを確認し、大きなひび割れの場合はすぐに対応するようにしましょう。
外壁のひび割れが問題のあるものかどうかを見極める判別方法
ひび割れ(クラック)の程度によっては外壁の下地や建物の劣化を早めてしまう恐れがあるため、早急に修繕が必要な場合があります。
問題のあるひび割れであるかどうかはひび割れの大きさによってある程度判断することが可能です。
そのため、ひび割れを見つけた時にはまずひび割れが起こっている幅を測り、次のどの種類のひび割れに該当するかを確認しましょう。もし判別が難しい場合や数が多い場合は専門業者に診断してもらう必要があります。
それでは、それぞれのひび割れについて詳しく見ていきましょう。
ヘアークラック
ヘアークラックとは約0.2~0.3mm未満の浅いクラックのことをいい、髪の毛のように細いことからこのように呼ばれています。
ヘアークラックは外壁の表面に発生する軽微なひび割れであり、経年劣化によって塗膜が壁材の膨張・収縮に耐えられなくなったことによって発生します。
ヘアークラックの場合は修復も容易で建物の構造上には特に問題を与えないクラックです。
乾燥クラック
乾燥クラックとは塗装する際に塗料が十分に乾燥する前に上塗りをすることによって発生するクラックのことを言います。
通常は素地を塗装した後に十分乾燥させてから上塗りをしますが、工期の短縮などの目的から完全に乾燥する前に上塗りをすると、空気に触れている上塗り部分が下地の塗料よりも先に乾燥し、表面と内部の塗料の収縮率の違いからクラックが発生します。
乾燥クラックは表面のみに発生しているクラックであり、完全に乾燥すればそれ以上クラックが広がることはないでしょう。
構造クラック
構造クラックとは建物に構造的な欠陥がある場合や、地盤の緩みなどから不同沈下が起こることによって発生するクラックのことを言います。
構造クラックは建物の内部にかかる力によって発生するクラックであるため、表面的な補修方法では修復することができません。
また、構造クラックを放置すると建物の強度が低下し、最悪の場合は倒壊してしまう危険性もあるため、早急に対処することが必要です。
縁切りクラック
縁切りクラックとはモルタルなどの湿式工法で施工する場合に、塗り継ぎ部分に発生するクラックのことを言います。
湿式工法とは、現場で水と原料を混ぜてその材料が乾かないうちに使用して施工する工法で、モルタル等の施工がこれにあたります。
通常、湿式工法で塗装する場合は作業の途中で中断することはせず、一気に一面全て塗装してしまいます。
しかし、途中で作業を中断してしまった場合、塗装の新旧それぞれで乾燥具合が異なり、収縮の程度に差が生じることによってクラックが発生することがあるのです。
外壁のひび割れがあることによるリスク
家屋は外壁材の表面の塗料によって覆われており、風雨や紫外線から守られています。しかし、外壁にひび割れがある状態で長期間放置してしまうと、さまざまな問題に発展する可能性があるため注意が必要です。
たとえば、外壁のひび割れによって雨漏りが発生することがあります。外壁と室内の間には防水シートや断熱材があるため、外壁にひび割れがあったとしてもすぐに雨水が内部へ侵入してくるとは限りません。
しかし、ひび割れから長期間に渡り雨水が浸入してくると、徐々に内部が劣化して雨漏りへと繋がる恐れがあります。
さらに壁の内部へ雨水が浸入することによって建材が腐食したり、湿気によりカビが発生しやすい状態になってしまいます。
カビは日光の当たらない湿った場所で繁殖しやすいため、外壁の表面からではカビの発生に気付かないこともあるでしょう。
また、雨漏りによる建物への被害はカビの発生だけではありません。
水分が壁の内側へ浸透することによって建材が劣化し、脆くなっている状態では白アリの被害も受けやすくなってしまいます。
湿気による建材の劣化やシロアリの被害が進行すると、建物の耐久性が低くなります。建物の構造上重要な部分が劣化した場合、台風や地震といった自然災害による建物の倒壊や壁の崩落といったリスクが高まります。
外壁のひび割れは単に見た目の美観が損なわれるだけでなく、良好な居住環境を維持できなくなってしまう可能性があるため、ひび割れを発見したらすぐに対処することが大切です。
原因別のひび割れの対処方法
ひび割れの原因によって対処法はどう変わるのでしょうか?
塗膜の劣化によって発生するヘアークラックについては、塗膜部分のみをリフォームするだけで対処できるため、外壁の再塗装を行えば問題ありません。
ヘアークラックだけの場合は緊急性も低く、急いで補修を行う必要もありませんので、見つけたら外壁塗装の時期だと考えると良いでしょう。
乾燥クラックおよび縁切れクラックについては、施工時の問題や建材の特性が原因のため、経年でひび割れが拡大することはほとんどありません。
対処方法は、クラックの幅が1mm以下ならひび割れ部分にシーリング剤を擦り込んだ後に弾性塗料で仕上げ、1mm以上の場合はエポキシ系充填剤を用いてひび割れを埋めてから弾性塗料で仕上げを行います。
構造クラックについては、建物の歪みが原因のため、放置しているとどんどんひび割れが進行し、雨漏り等によって躯体の劣化が進行してしまうので注意が必要です。
地震等の短期的な原因でクラックが発生している場合は、ダイヤモンドカッター等でひび割れ周囲を削り、シーリング剤を充填して補修を行います。
地盤の変化、建物の歪みなどの経年劣化によって構造クラックが起こっている場合は、基礎部分をジャッキアップするなどの方法で建物の歪みを取ってからクラックを補修しなければなりません。
もし歪みを除去せずにクラックを補修しても、将来的にはまたひび割れが起こるため、根本的な解決にはならないでしょう。
サイディングボードの割れや目地のひび割れについては、サイディングボードの張替え、または重ね張りで対処します。
目地のひび割れについては目地部分のコーキング剤を除去し、新しいコーキング剤を充填して対処するのが一般的です。
窯業系サイディングの割れについては、ひび割れの大きさによっては塗装によって対処する事も出来ますが、将来的な安全性を考えるなら張替え、もしくは重ね張りで対処した方が良いでしょう。
ひび割れに強い外壁にリフォームするポイント
ひび割れに強い外壁にリフォームする場合、選択肢の一つとして弾性塗料を用いて外壁の仕上げを行う事が挙げられます。
弾性塗料は一般的な塗料よりも伸縮性に優れていることからひび割れを起こしにくい塗料となっています。
既存外壁材が窯業系のサイディングボードの場合には外壁表面に膨れや剥がれが発生する恐れがあるため使用できませんが、それ以外の外壁材には使用できるため、取り入れやすい施工方法だと言えます。
単層弾性仕上げ
単層弾性仕上げはシーラーという下地調整材を使用して下塗りを行い、単層弾性塗料を使用して中塗り、上塗りを1回ずつ行う3度塗りの施工方法です。
少ない工程で仕上げていくため、材料費や施工時間を抑えることが出来るというメリットがあります。
しかし、今のところ耐久性の高い種類の塗料が少ないため、約5年を目安に塗料の弾性が失われてしまい、塗り替えが必要になるという点がデメリットです。
そのため、塗膜の強度は弾性塗料の仕上げの中で一番低い方法となっています。
複層弾性仕上げ
複層弾性仕上げは単層仕上げと同じくシーラーを用いて下塗りをした後、高弾性中塗り材を2回塗り、その後複層仕上げ塗材を使用して2回上塗りを行う5回塗りの施工方法です。
工程数が多いことから工期が長く、施工費用も高いというデメリットがありますが、その分弾性塗膜の品質はとても高いため、弾性効果が持続しやすいというメリットがあります。
長い家では約20年近く持続する場合もあり、弾性塗料仕上げの中で塗膜の強度が一番高い方法と言えます。
微弾性塗料仕上げ
微弾性塗料仕上げは、下塗りに微弾性フィラーという下地材を使用し、その後任意の上塗り塗料を使用して中塗り、上塗りを1回ずつ行う3度塗りの施工方法です。
微弾性フィラー自体の弾性が高くないため約1年程度経過すると徐々に弾性が失われるデメリットがありますが、上塗りの耐久性が残っている間は外壁を保護してくれるため、塗り替えの頻度が高くないというメリットがあります。
塗膜の強度に関しては、単層仕上げと複層仕上げのちょうど間に位置する方法です。
短いスパンで計画的にメンテナンスを行える方は単層仕上げ、費用をかけることが出来て長期的にメンテナンス不要の状況を作り出したい方は複層仕上げを選ぶことでデメリットは解消出来るでしょう。
また、微弾性仕上げについては折衷案と考えることが出来るため、迷った時には微弾性仕上げを行うというのも一つの方法です。
いずれにしても専門業者の見解と予算を見比べながら、どの仕上げ方法が適切なのか判断する必要があるため、まずは業者に相談することをおすすめします。
ひび割れに強い外壁にするメリットとデメリット
弾性塗料を使用してひび割れに強い外壁にすることでどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
ここでは弾性塗料のメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。
<メリット>
・防水性が高くなる
弾性塗料は外壁材としっかり密着する性能を持っている塗料のため、雨水が塗膜の内部に入りにくくなります。そのため、弾性塗料を使用して外壁を仕上げることで防水性が高くなります。
・モルタル外壁の場合劣化を防ぐことが出来る
様々な外壁材に使用できる弾性塗料ですが、その中でもモルタル外壁との相性が特に良いです。モルタル外壁は一般的にひび割れを起こしやすく、水分を吸収しやすい外壁材となっています。
弾性塗料を用いることで伸縮性がひび割れを防ぎ、高い防水効果が水の吸収を抑えるため外壁の劣化や家屋の劣化を防ぐことが出来るのです。
<デメリット>
・耐用年数が短い
高額な費用と長い工期をかければ耐用年数が長い外壁が完成するのが弾性塗料ですが、費用と工期を抑えてしまうと約5年ほどで弾性がなくなり塗り替えが必要となります。
仕上げの種類によっては耐用年数が短くなってしまうため、塗装を行う前に確認をしましょう。
・施工が難しい
弾性塗料で塗装する場合、外壁に余計な汚れや水分が含まれている状態で塗装を行うと塗膜が膨らむ原因となります。そのため、塗装を行うタイミングが難しく、仕上げによっては施工工程も長いため難易度が高いです。
以上が弾性塗料のメリット、デメリットとなります。
現在の外壁材や予算によって弾性塗料の良し悪しは変わってくるため、専門業者と打ち合わせを行いながら、弾性塗料が好ましいのか判断するようにしましょう。
外壁でひび割れしやすい部分
外壁のひび割れは雨水や紫外線による劣化、地震などの振動によって発生する場合が多いです。
そのため紫外線によって傷みやすいコーキング部分や振動による歪みのダメージを受けやすい釘周り、サッシ周りなどはひび割れを起こしやすい部分となっています。
いずれの部分も約5年~約10年を目安に症状が現れますが、症状に気づいたタイミングで部分的に補修を行うようにしましょう。
症状が現れたにも関わらず放置してしまうとひび割れた部分から水が入り込み、家屋内部にもダメージを与えてしまう可能性があります。
また、外壁の種類によってはひび割れの範囲が広がることで崩落を引き起こす可能性があるため、迅速に対応することをおすすめします。
症状を見逃さないためにも特に傷みやすいコーキング部分や釘周り、サッシ周りは定期的にチェックするようにしましょう。
外壁のひび割れ補修にかかる工期
外壁のひび割れ補修を業者に依頼して外壁塗装を行う場合、工期は約10日間~約2週間が目安でしょう。
補修や塗装に時間がかかるのはもちろんですが、外壁のひび割れを補修する際は事前の準備作業も重要です。
主な準備作業としては、足場の設置、壁の洗浄や養生の3段階があります。
まず最初に足場の設置が行われますが、高さ2m以上の場所で作業する場合は足場を組むことが法律で義務付けられています。そのため一般的な2階建て住宅であれば足場の設置は必須となり、この作業だけで1日かかります。
次に補修する壁を高圧洗浄機で洗浄します。ひび割れを埋めたり外壁を再塗装するためにはまず表面に付着したカビや汚れ等を洗い落とす必要があるためです。
そして最後に塗装しない部分に塗料等が付いて汚れてしまわないよう養生をして準備作業が完了です。
補修する外壁の面積や作業時の気候によっても異なりますが、この準備作業だけでも2~3日かかるのが一般的です。
準備作業が完了した後にひび割れの補修を行い、補修をした上から塗装を行います。塗装はまず下塗りをし、十分な乾燥期間を設けてから中塗り、上塗りを行います。
この乾燥期間が短ければクラックの原因となってしまうこともあるため、しっかりとした補修を行う場合は少なくとも10日以上の工期がかかると思っておきましょう。
外壁のひび割れ補修にかかる費用
ヘアークラックや乾燥クラック等の小規模なひび割れについては、外壁塗装とそれに伴う下地の調整で対処できるため、ウレタン塗料を利用した場合、1平方メートル辺り約3,000円が相場です。
サイディングの張替え、カバー工法については、張替えが1平方メートル辺り約5,000円、カバー工法なら約4,000円が相場となります。
サイディングの目地部分の補修については、補修する部分の長さで価格が決まり、1メートルで約700円が相場です。
外壁のひび割れを補修するためにかかる費用の総額
外壁のひび割れを全面補修する場合、補修費用は平米あたりの単価と外壁の面積を乗じることで概算することができます。ただし、平米あたりの補修費用は外壁に使用されている塗料や壁材によって異なる点には注意が必要です。
外壁の塗装に使用される塗料には主にアクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン系塗料、フッ素系塗料などがあります。これらの塗料は性能も耐用年数もそれぞれ異なり、平米あたりの単価は約1,000円~5,000円と価格にも差があります。
また、外壁に使用される外壁材にはモルタル、タイル、サイディングなどの種類があり、壁材の違いは補修費用の単価に大きな影響を与えます。
たとえば、タイル壁の場合で目地の打ち直しのみであれば費用の相場は約50万円ですが、サイディングが使用された外壁で全面的なサイディングの張り替えを行う場合の費用相場は約200万円です。
このようにひび割れの補修にかかる費用は壁材や塗料の違いによって大きな差が生じることがあるため、事前に複数の業者に見積もりを依頼し、金額や工事内容を十分に比較検討しましょう。
外壁のひび割れの修理に強い業者の見つけ方
外壁のひび割れ修理を業者に依頼する場合、確認しておくべきポイントがあります。
そのポイントは以下の4点です。
・相見積もり
工事の内容や金額が他の施工業者と比べて逸脱している点が無いか確認する。
・施工実績
依頼したい内容の施工実績が豊富にあるのか確認をする。
・資格/許可
依頼する業者の作業員が塗装技能士を持っているのか、また依頼する業者がしっかり建設業の許可を持っているのか確認する。
・アフターフォローの充実度
施工後の点検、保証が充実しているか確認をする。
上記を意識して施工業者を探すことで、相場や施工内容、品質、アフターサービスに優れた業者を見つけやすくなりますので参考にしてみてください。
外壁のひび割れ修理を依頼する場合、基本的には外壁の塗装を行っている業者に依頼することになります。
外壁の塗装を行う業者は大きく分けるとリフォーム業者、ハウスメーカー、地元の外壁塗装会社の3種類です。
ここではそれぞれの業者のメリット、デメリットをご紹介していきます。
リフォーム業者
<メリット>
リフォーム業者で塗装を行う場合、万が一他の工事が必要となった場合でも協力業者がいるため、迅速に対応してくれるという強みがあります。
また、自社で施工しているリフォーム業者の場合には人件費や材料費にしっかり費用をかけることが出来るため、高い品質の仕上がりを期待することが出来ます。
<デメリット>
リフォーム業者が下請け業者に施工を任せる場合、下請け業者が費用を削るために塗料の品質を落としたものを使用して塗装を行うことがあります。
また、保証やアフターサービスの内容も業者によって大きく異なるため、品質の高い業者を探すのが大変な場合があります。
ハウスメーカー
<メリット>
ハウスメーカーは施工手順、品質に独自の基準を設けています。その基準に沿ってどの業者も施工を行うため、品質に乱れが少なく、全体的に高い品質の仕事をしてくれます。
また、多くの実績を持っているためトラブルに対しての対応力は高く、保証の内容もしっかりしている場合が多いです。
<デメリット>
ハウスメーカーの場合は自社施工ではなく下請け、孫請けが施工を行うことになり、間に入る業者が多いため費用が割高になります。
また、対応のスピードにおいても担当者から施工業者に連絡して業者が対応という形になるため、時間がかかる場合があります。
地元の外壁塗装会社
<メリット>
地元の外壁塗装会社は、地元の気候など塗装において大切なポイントをどの業者よりも理解しています。そのため地域にあった適切な塗料で塗装をしてくれる場合が多いです。
また、間にマージンを取る業者が入らないため、施工費用は安い傾向にあり、地元ということで素早い対応を行ってくれることも期待できます。
<デメリット>
地元の業者の場合、質の高い業者だけがいるとは限りません。施工品質の基準やアフターサービスの基準はあくまでもその会社の視点、考え方に準じているため、質の高い業者を見つける事が難しい場合が多いです。
地元の業者に依頼する場合には相見積もりを取り、アフターサービスの内容を確認するようにしましょう。
3業種ともメリット、デメリットがあるため、費用や対応、アフターサービスの内容が自分にとって良いと感じた業者に依頼をすることで失敗を避けやすくなります。
最初から1つの業種に絞るのではなく、複数の業種に問い合わせをして判断していくようにしましょう。
外壁のひび割れ補修に地震保険が適応できるかどうか
近年では各地で大きな震災が発生しているため、火災保険と共に地震保険に加入している方も多いでしょう。
もし地震保険に加入しているのであれば、地震保険を利用して外壁のひび割れの補修費用を賄うことができるかもしれません。
外壁のひび割れ補修に地震保険が適用されるためにはいくつかの定められた条件を満たす必要があります。
そもそも地震保険とは、地震等による災害の被災者の生活再建を目的とした保険制度です。そのため一つ目の条件としては、保険の適用を受ける建物が店舗や事務所ではなく居住用の建物であることが求められます。
また、損害の内容が地震による火災・損壊、噴火による埋没、津波による流出によるものであることも条件です。これに加えて、損害の金額にも条件が設けられています。
地震保険では損害額によって全損や一部損といったように区分が設けられており、区分ごとに支払われる保険金額が異なります。損害額が少ないために損害と見なされず保険金の支払いを受けることができないケースがある点にも注意が必要です。
上記のように外壁のひび割れ補修に地震保険が適応できるのは、地震が原因となって発生した一定額以上の損害規模のひび割れの場合だと言えるでしょう。
DIYで外壁を補修することはできる?
ヘアークラックや1mm以下のひび割れが発生している場合、DIYで補修を行うことはできるのでしょうか?
ヘアークラックの場合は再塗装が、それ以外のクラックの場合はシーリング剤の充填および再塗装という作業手順のため、時間をかければDIYでも作業できそうに思えます。
しかし、シーリング剤の充填は十分内部まで充填できなければ簡単に水が浸入してしまいますし、塗装についても初心者では十分な防水塗膜を作るのが難しいため、DIYでは十分な補修が行えない可能性が高いのです。
特に3mmを超えるような大きなクラックの場合、躯体内部の鉄筋や柱等に影響が出ている可能性が高く、塞ぐだけでは対応できないこともあります。
また、1mm以下のクラックでも深さ次第では雨漏りによって雨水が構造材まで浸透し、壁内部で劣化が起きている可能性もあるため、できる限りリフォーム会社等に調査を依頼し、住宅の状況を確認してもらった方が良いでしょう。
施工についても、作業時間や施工後の信頼性を考えた場合、プロに依頼する方が安心です。
DIYでの施工は費用を抑えられるイメージがありますが、外壁の補修については雨漏り等による内部の劣化により、将来的な修繕コストの増大につながりかねないため、避けた方が良いでしょう。
火災保険を利用して外壁の補修を行うことはできる?
ご加入の火災保険が風災害への補償に対応している場合、状況によっては外壁のひび割れ補修に火災保険を利用することができます。
ひび割れの補修については、台風や地震による建物の揺れが原因で起こった場合、火災保険の適用となりますので、災害発生後に建物にひび割れを見つけた場合には保険会社に連絡してみると良いでしょう。
保険会社に連絡を行うと、保険会社から損害鑑定人が派遣され、災害による破損だと認定されれば修繕費用を負担してもらえます。
リフォーム会社の中には外壁や屋根の補修に火災保険が利用できると謳っている場合がありますが、高額の手数料を請求されるなどのトラブルが後を絶ちません。
火災保険を利用して住居の修繕を行う場合には、まず加入者本人が保険会社に調査を依頼し、補償が受けられることを確認してからリフォーム会社に作業を依頼すると良いでしょう。
外壁のひび割れを放置した際に懸念されることとは
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外壁にひび割れがあるのをそのままにしておくと、少しのひび割れだとしても、そこから雨水が入り込み、建物へ大きな被害を与える可能性があります。
では、外壁のひび割れを放置しておくとどのような問題が起こるのかについてご説明します。
ひび割れからの雨漏り
外壁のひび割れから雨水が浸透し雨漏りになるケースがあります。小さなひび割れなので、あまり問題ないと考えて長期間そのままにしておくと、ひび割れから雨水が入り、冬場は、その部分が凍ってひび割れがさらに大きくなることもあるのです。
やがて断熱材や部屋の壁にまで雨水が入り込むようになったり、基礎部分の木材まで傷めたりする可能性があります。
湿気によるカビの発生
外壁のひび割れから浸透した雨水が断熱材などに浸み込むと、梅雨などの時期には、壁面が乾かず湿気によってカビなどが発生する恐れもあるでしょう。
室内の壁面部分にカビが見えるようになると見た目が損なわれてしまうだけでなはなく、カビの胞子によって健康への影響も懸念されます。
さらに基礎部分にまでカビがおよぶと木材を腐らせて建物そのものの歪みにもつながるでしょう。
木材の腐食や金属の錆など内部建材への影響
壁面のひび割れを放置し、経年劣化した建物の構造部分が風雨にさらされるようになると、基礎部分の木材が腐食したり、基礎の接合部分などにある金属部品も錆びたりしてしまいます。
そして最悪の場合、建物自体が傾き倒壊する恐れもあるのです。このよう事態を防ぐためにも、外壁のひび割れを発見したら早めに対処しましょう。
外壁にひび割れができる原因にはどのようなことが考えられる?
外壁のひび割れを引き起こす要因は様々なものが考えられます。ひび割れを起こす危険性があった場合には、適宜チェックしてひび割れに対する対策を講じましょう。
それでは外壁にひび割れができる原因には、どのようなことが考えられるのかについてご説明します。
地震などの自然災害
大型の地震が起きた場合には、外壁に深刻なひび割れが発生することがあります。これは、基礎部分が傾いたことによって外壁材がずれ、ひび割れや亀裂が入ったものと考えられます。
塗料や外壁材の経年劣化
外壁材の塗料や外壁材が劣化すると塗料がはがれてひび割れを起こし、そこから雨水が入って内部が錆び、雨漏りがするという状態を引き起こすことがあります。
また外壁材同士をつないでいるコ-キング材の劣化でひび割れができ、そこから外壁材も劣化していくというケースもあります。
外壁がモルタルの場合は、季節によって温度が急激に下がるとコンクリート自体が縮み、ひび割れが起きることがあります。
特に、外壁工事を夏場に施工した場合には、よく起きる現象なので注意が必要です。
車や電車の走行による振動
建物が道路近くや電車の通るそばにあると、その振動が長期間に渡って外壁に伝わることでひびが入るということがあります。
これは主に、基礎部分が振動で揺れることによりひずみが生まれ、そのひずみが外壁部分にも及ぶことでひび割れを引き起こします。
施工不良
外壁の塗料の塗り忘れや塗料自体の質の悪さが要因となって塗料が剥がれたり、外壁材の立て付けが悪くてひび割れが入るということも考えられます。
このようなひび割れの場合には、施工業者に確認して保証の期間内であれば早めに直してもらいましょう。
気づかずにそのままになって保障期間が過ぎていたということがないように定期的にチェックしておくことをおすすめします。
できれば信頼置けるリフォーム業者に1~2年に1度は検査をしてもらえば安心です。お家の健康診断と思いましょう。簡単なタッチアップ込みで半日程度1万~2万円で済みます。
外壁にできたひび割れの種類と対処方法とは?
外壁にできたひび割れは、「クラック」とも呼ばれています。
クラックの種類には、「ヘアークラック」という塗料の塗膜部分にだけにできるものと、下地にまで広がってくるものとがあります。
そのほかにも「乾燥クラック」や「構造クラック」、また「縁切れクラック」などの種類があります。詳しく見ていきましょう。
ヘアクラック
ヘアークラックは、名前の如く、髪の毛のように細く短いひび割れの状態をいいます。主には、塗装された塗膜の部分にできやすいひび割れです。
ヘアークラックは、塗料の塗膜の経年劣化や、塗装作業の施工不良などが原因で起こります。
施工上の不良でできるヘアークラックは、塗装作業をしている時に下塗りから次の塗装までの時間を十分に空けずに塗った場合などにみられます。
最初の塗装が乾かないまま上塗りした場合や塗膜の上にさらに硬質塗膜となるものを塗ってしまうとヘアークラックが起こりやすいのです。
緊急を要するものではありませんが早めの処理で劣化の加速を防げます。
このようなことのないように、しっかりとした信頼できる塗装業者に外壁塗装を依頼するようにしましょう。
乾燥クラック
外壁がモルタルの場合に、モルタル自体の乾燥が原因となってできるひび割れが乾燥クラックです。
モルタルが乾燥する過程で、水分が一気に蒸発し、収縮などが起こりることでひび割れになってしまうものです。
乾燥クラックのひび割れは、比較的ひびの幅が小さくモルタルが乾燥してしまうとそれ以上ひび割れが大きくなるということはありません。
短期間にひびが広がったり大きくなっている場合は、重大な問題を含んでいる可能性があります。速やかに点検を行うべきでしょう。
構造クラック
構造クラックは地盤沈下などが原因となってが起こります。建物自体が地盤沈下などで構造的に歪むことで外壁にもひび割れが現れるのです。
外壁のひび割れの幅が、だんだんと広くなるとひび割れの深さも深くなります。そしてその部分から雨水が侵入することで内部の金属が錆び構造部分が傷んで、最悪の場合は倒壊につながる可能性もある危険なクラックです。
縁切れによるクラック
経年劣化などで補修した際の外壁の塗装作業が、途中段階で中断され、時間を置いて補修が再開された時などに起こるひび割れが縁切れによるクラックです。
補修の時に既存の部分と新しい部分の継ぎ目部分でできやすいひび割れです。
一般的に外壁塗装は一気に仕上げるのですが、諸事情で別の日に塗装するなどすると縁切れクラックができやすくなります。できるだけ時間をおかずに一気に塗装できるように施工業者と相談して工期を決めると良いでしょう。
モルタルやサイディングのクラック
外壁材の素材によっては外壁のひび割れが起こりやすいものがあります。最もひび割れが起こりやすいのは、砂やセメントなどでできているモルタル壁と言われています。
モルタル以外にも窯業系のサイディング外壁材は、ひび割れになりやすいという傾向があります。原料となるセメントや石膏などを混ぜ合わせると、どうしても硬質の外壁材となりひび割れを起こしやすくなるのです。
さらに吸水性が高いため表面の防水塗膜が劣化すると湿気が入り込み劣化が進みます。またプレスなどで成型された硬い素材なので気温の変化で外壁材そのものが伸縮し、ひび割れを起こしやすくなる傾向もあります。
ひび割れを見つけた場合には、状況を確認して早めに補修を行うようにしましょう。
モルタル外壁の特徴とは
モルタル外壁はコンクリート同じく、セメントに水を混ぜて作られる建材です。
モルタルは一度硬化してしまえば他の建材に比べて劣化しにくく、耐久性も高いため、新築住宅の外壁として広く用いられています。
ただ、モルタル外壁は弾力性に欠けるため、どうしても住宅の揺れなどが原因となってクラックやひび割れが発生してしまうという弱点があり、モルタル塗装による補修が必須です。
モルタル外壁は塗装だけでは保護しきれない場合もある
耐久性が高く、塗膜が維持できている状態では耐用年数も長いのが特徴のモルタル外壁ですが、モルタルのひび割れが大きくなってくると塗膜までわれてしまい、躯体に水が浸入してしまいます。
この状態になると雨漏りや鉄筋の錆び、モルタルそのものの劣化などが起こってしまうため、ひび割れを見つけた際にはできるだけ早く外壁塗装による補修を行いましょう。
塗膜にまでひび割れが起こった場合の補修方法は、まずクラックの穴埋めとしてシリコン樹脂などで作られたコーキング剤を充填してから表面に新しい塗料を塗布していきます。
この時、再度のひび割れを予防するために、弾力性が高く、ひび割れに追随して表面をカバーしてくれる弾性塗料という製品がおすすめです。
弾性塗料とは、まるでゴムのように塗膜が伸縮する性質のことで、弾性塗料なら製品にもよりますが2~3mm程度のひび割れが起こってもカバーしてくれるため、内部への雨の侵入を防ぎ、メンテナンスの頻度を抑えることができます。
モルタル外壁用の塗料にはシリコン塗料やフッ素樹脂塗料など、色々な種類の製品がありますが、基本的には弾性タイプのものを選んでおけば十分耐用年数まで表面を保護してくれるでしょう。
サイディングなどの外壁材とモルタル外壁の違い
住宅用の外壁材には、モルタル以外にもサイディングが多く用いられています。
サイディングは、金属やセラミックなどの素材を板状に成型した外壁材で、モルタル外壁と違い、ボードを貼り付けるだけで施工できるのが特徴です。
サイディングは、モルタル外壁に比べて軽量で、さまざまなデザインを利用できるというメリットがありますが、約35年でボード自体の交換が必要となるため、ややコストパフォーマンスが悪いというデメリットもあります。
モルタル外壁の場合は、クラックなどの対処が必要となりますが、壁材としては半永久的な耐久性を持っていますので、長期的なコストの面ではサイディングより安価となるでしょう。
ただ、どちらの外壁材も定期的な外壁塗装によるリフォームは欠かせません。
使用する塗料によってメンテナンスの頻度は変わりますが、サイディングなら変形や破損、モルタルならひび割れと、どちらも補修作業が必要ですので、予算やデザインなどの面からどちらを選ぶか考えると良いでしょう。
モルタル外壁の塗装リフォームの施工手順と施工費用の相場
モルタル壁の外壁塗装リフォームでは、最初にコーキング剤を用いたひび割れの処理などの下地処理、補修を行います。
ひび割れの補修が終わったら、高圧洗浄機を用いて表面のカビや汚れを洗浄。
外壁が乾燥したら塗膜の密着性を向上させるためにシーラーという下地材を塗布し、下地材が乾燥したら仕上げに上塗りを行います。
上塗りが硬化したら、後は足場や養生シートを撤去し、周辺の清掃を行えば塗装リフォームは完了です。
施工価格は、足場代、ひび割れの補修などの下地処理費、高圧洗浄費、塗装費などを含めて、合計で約50万~70万円(30坪程度)が相場となります。
追加でカビや汚れを防ぐコーティングを施したり、塗料を層弾性があり、シリコンより耐久性の高い弾性フッ素塗料に変更したりする場合の費用は、約60万~80万円が相場です。
シリコン樹脂塗料とフッ素樹脂塗料では、フッ素樹脂塗料の耐用年数が約4年長いようです。
施工価格はシリコン樹脂塗料の方が安価ですが、長期的なコストパフォーマンスを考えるとフッ素の方が良い場合もあります。
予算やメンテナンス頻度などをよく考えて使用する塗料の種類を選ぶと良いでしょう。
DIYでモルタル外壁の塗装はできる?
ひび割れやクラックが入り、塗装が劣化した住宅外壁をDIYで補修することはできるのでしょうか?
可能か不可能かという話で考えると、誰でも施工自体は可能です。
ただ、高所作業の場合は足場を組まなければ危険ですし、高圧洗浄やコーキング剤を用いたクラック補修などの下地処理については作業が不十分だと十分な耐久性が発揮できません。
また、塗装についても、養生作業の手間がかかりますし、天候や塗膜の乾燥度合いを確認しながら作業する必要があるため、素人にはかなり難しい作業といえます。
施工価格自体はDIYの方が人件費などの理由で安上がりにはなりますが、十分な耐久性を確保し、仕上がりを美しくしたいなら、プロの塗装会社、リフォーム会社に依頼した方が安心です。
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