スケルトンリフォームとは?メリットデメリットなどの詳細を解説

スケルトンリフォームは、ライフスタイルの変化に合わせた柔軟な間取りの再設計や、災害に強い住宅を実現するための選択肢です。
この記事では、スケルトンリフォームのメリットやデメリット、具体的な施工事例についてくわしく解説します。
今の住まいを最大限に活かしつつ、スケルトンリフォームで理想の住まいを実現しましょう。

2025年10月14日更新

監修記事
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スケルトンリフォームは、床や壁、天井をすべて取り除き、建物の構造部分だけを残して、間取りや内装を一から作り直す大規模なリフォームです。排水管の修繕や更新、耐震性の強化といった住環境の改善が可能になり、より安心で快適な暮らしを実現できます。

🏠戸建て住宅:柱や梁などの基盤部分だけを残し、屋根や外壁を含めて住戸全体を解体することで、徹底した改修が可能。

🏢マンション:コンクリートの骨組みがむき出しになるまで住戸内をすべて解体し、ゼロから間取りを再設計出来る。

スケルトンリフォームは、住宅全体の構成を一新するリフォーム方法で、希望に沿った間取り変更や機能改善を実現できるのが特徴です。

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スケルトンリフォームとリノベーションの違い

スケルトンリフォームとリノベーションは、どちらも建物の改修に関連する用語ですが、工事範囲や目的には明確な違いがあります。

"スケルトンリフォーム"とは

建物の内部をすべて取り除き、構造部分だけを残した全面的な改修工事のこと。建物内部のすべてを解体して間取りを一から再設計するため、大規模な変更が可能です。

"リノベーション"とは

既存の建物に新たな価値を加える改修工事のこと。スケルトン状態にまではせず、部分的に改修する工事も含まれる。古くなった設備を新しくしたり、部分的に間取りを変更したりすることで、既存の建物の価値を向上できます。

工事範囲・目的の違い

改修の目的や規模に応じて、スケルトンリフォームとリノベーションのどちらが適しているかを判断することが重要です。

項目スケルトンリフォームリノベーション
工事範囲大規模な全面改修 内装、設備、間取りをすべて撤去し、
構造部分(骨組み)だけを残して改修する。
部分的な改修も含む 内装・設備の更新、間取り変更、
デザイン改良など、工事範囲は多岐にわたる。
主な目的建物を刷新し、機能性とデザイン性を向上させること。
住まい全体のデザインと間取りに統一感を持たせる。
既存の建物に革新的な変化と新たな価値を加えること。
推奨ケース間取りを根本から変更したい。 ・古い配管や断熱材など、
隠れた部分の老朽化を徹底的に改善したい。
既存の建物の良さを生かしつつ、
機能や価値を高める改修をしたい。

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スケルトンリフォームのメリット

スケルトンリフォームのメリットは3つです

メリット
ライフスタイルに合わせて間取りが変更できる💡

構造以外を全て解体し、間取りや動線を一から設計できます。水回りの位置変更を含む間取りの自由度が非常に高いです。古民家風など、住まい全体のコンセプトを統一でき、ライフスタイルに合った理想のテーマを実現できます。

家族構成の変化やバリアフリー化など、ライフスタイルに合わせ、理想的な住まいを実現するのに最も効果的な選択肢です。

メリット
耐震性を高めれば災害にも備えられる💡

構造全体を把握した上で、基礎や柱の強化、必要な補修を行うため、耐震性を最大限に向上できます。また、断熱材を追加し、快適さと災害への備えを両立させる効果的な選択肢です。

メリット
機能と安全性の向上💡

建物を骨組みだけの状態に戻すため、古い水道配管や劣化した断熱材などをすべて一新できます。これにより、老朽化による水漏れや結露といった問題を解消し、住み心地が根本的に改善します。

スケルトンリフォーム最大のメリットは建物の構造以外をすべて新しくできることです。これにより、間取り変更の自由度が格段に向上するだけでなく、普段は見えない部分の住み心地も根本から改善できます。

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スケルトンリフォームのデメリット

スケルトンリフォームのデメリットは4つです

メリット
部分リフォームより費用が高額になりやすい💡

スケルトンリフォームは自由度が高い分、改修箇所が多くなり、費用が高額になりがちです。また、解体後に隠れた劣化が見つかると追加費用が発生し、予算が膨らむ恐れがあります。計画の際は、予算に余裕を持ち、ローンの利用や減税制度の活用も視野に入れましょう。

メリット
解体後に予期せぬ問題が発生する場合がある💡

建物の構造状態は解体するまで完全に把握できないため、柱の腐朽など新たな劣化が発見されることがあります。その場合、追加の補強が必要となり、費用増や工期の延長につながります。仮住まいの期間が延びる可能性も考慮し、施工会社と事前に対応を相談しておきましょう。

メリット
工期が長くなり、予測が難しい💡

大規模な改修となるため、工期が長くなる傾向にあります。家の大きさや解体後に見つかる問題によって、工期は変動しやすく予測が困難です。正確な工期の目安を知るには、リフォーム会社に直接確認し、密に連携してスケジュールを調整することが、スムーズな計画の鍵です。

メリット
個性的なデザインはリセールバリューが下がる恐れがある💡

自分好みの間取りやデザインにできますが、個性的すぎる仕様は、将来的に売却する際に買い手が見つけにくくなる場合があります。将来的な売却を視野に入れるなら、より多くの人が快適と感じる万人受けするデザインにすることで、市場価値(リセールバリュー)の低下を防げます。

スケルトンリフォームは自由度が高い分、費用が高額になりがちです。

最大の懸念は、建物の内部を解体した後に、柱の腐朽や配管の劣化など隠れた問題が発覚する可能性があることです。これにより、予期せぬ追加費用や工期の延長が発生することがあります。

このリスクに備えるためには、以下の対策が重要です。

計画段階で費用と工期に余裕を持たせる。

信頼できるリフォーム会社を選び、事前に建物の状態や想定されるリスクについて徹底的に相談する

適切な対策を講じることで、予期せぬ問題に対応し、スムーズなリフォームを実現できます。信頼出来るリフォーム会社のご紹介は下にある「無料見積もりスタート」ボタンからお問合せください

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スケルトンリフォームの費用相場

スケルトンリフォームの費用相場は、戸建てとマンションで異なります。

🏠 戸建ての場合:650〜2,500万円が目安

🏢マンションの場合:650〜1,450万円が目安

です。

一般的に、戸建て住宅に比べてマンションのスケルトンリフォームは、費用が抑えられる傾向があります。

>>「戸建て住宅におけるスケルトンリフォームの費用内訳」の記事はこちら

費用の変動に注意!

費用相場は物件の大きさや使用する設備のグレード、間取りのデザインによって大きく変動します。そのため、スケルトンリフォームを検討する際は、建物条件や希望するリフォームの内容を踏まえて専門業者に相談しましょう

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スケルトンリフォームの施工事例

スケルトンリフォームの施工事例を3つ、ご紹介します

施工事例はスケルトンリフォームの具体的な成果や工夫点を知る手段になりますので、自分のリフォーム計画に役立てることをおすすめします。

事例1 自然素材で戸建て住宅を増築・耐震補強

💰 費用:約1,800万円
🔨 施工期間:約2ヵ月

戸建てスケルトンリフォームで、自然素材なデザインと増築・耐震補強を実現させた例です。木のぬくもりを感じられるナチュラルなテイストと床暖房仕様のフローリング、キッチンカウンターはおしゃれなタイルを採用しています。

リビング横の和室は引き出し収納で空間を有効活用し、サッシ位置や採光パネル仕様の引き戸で明るいリビングを提案した点が高評価を得ました。

事例2 高齢化に配慮したマンションリフォーム

💰 費用:約1,910万円
🔨 施工期間:約4ヵ月

「高齢者のお父様にやさしい住まい」をテーマに、収納力や通気性アップを目指したスケルトンリフォームの例です。リビングダイニングは間仕切を撤去し、明るい光が差し込むようにデザインされており、収納は完全オーダーメイドで大工&家具職人の手造りとなっています。

リフォーム会社とお客様がアイデアを交換しながら打ち合わせを進め、快適な住まいを実現しています。

事例3 1,000万円以内でマンションをリフォーム

💰 費用:約950万円
🔨 施工期間:約3ヵ月

築40年の中古マンションで間取りや配管など不安な部分を、全面的にスケルトンリフォームした事例です。配管はすべて新規入れ替えをし、断熱材も利用して家の性能を高め、玄関から水回りの動線はお客様と一緒に検討し、住みやすくこだわった空間を実現しています。

また、愛犬の居場所を確認できる工夫や、ファミリークローク、玄関土間など用途に合った収納を取り入れています。

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スケルトンリフォームで利用できる減税制度

スケルトンリフォームを進める際は、利用できる減税制度を活用することで費用を大幅に抑えられます。減税制度を上手に活用し、無理のない範囲でスケルトンリフォームを検討しましょう。

制度1:住宅ローン減税

スケルトンリフォームで住宅ローンを利用した場合、新築同様、住宅ローン減税の対象です。

住宅ローン減税を受けるための条件
  • ローンを組んだ本人居住用物件
  • 一定規模以上の修繕を行う
  • リフォーム後の床面積が50㎡以上かつ床面積の半分が居住用
  • 耐震性、バリアフリー、省エネ目的のリフォーム
  • 住宅ローンを組んだ本人の所得は2,000万円以下
  • リフォームにかかる費用が100万円以上

参考:国土交通省省「令和6年度税制改正の大綱(14頁)」

このほかにも細かい条件が定められているため、利用を検討している場合はリフォーム会社に相談して施工内容を検討することをおすすめします。

制度2:リフォーム推進減税

リフォーム推進減税は、既存住宅に対して一定のリフォームを行った場合にローンの有無を問わず所得税が控除される制度です。2024(令和6)年から子育て世帯(※)が、子育てに対応した住宅リフォームを行う場合も対象となりました。なお、対象工事限度額は、必須工事と合算して1,000万円までです。

※「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」
参考:国土交通省「令和6年度 国土交通省税制改正概要(21頁)」

たとえば、耐震+省エネ+耐久性を目的とした1,000万円のリフォームを実施した場合、必須工事(限度額500万円に10%)と超過分(500万円に5%)の控除率をかけた最大75万円が翌年の所得税から控除されます。

ローンの有無に関係なく所得税が控除される制度なので、対象となる場合は忘れずに申告しましょう

制度3:固定資産税の減税

既存住宅の耐震化、バリアフリー化、省エネ化を目的とした住宅リフォームを実施した場合は、工事翌年の固定資産税が一定割合減額されます

固定資産税は毎年1月1日時点に所有している土地や建物に対して課される地方税です。一定のリフォーム工事を行った場合、工事完了から3ヵ月以内に市区町村に申告すると固定資産税の減税を1年度分受けられます

スケルトンリフォーム実施の際には、忘れず申告するようにしましょう。

参考:国土交通省「令和6年度 国土交通省税制改正概要(22頁)」

制度4:贈与税の非課税措置

贈与税の減税は、親や祖父母などから住宅取得資金などの贈与を受けてリフォームした際に、一定の上限額まで贈与税が非課税になる制度です。

非課税枠上限1000万円となる耐震、省エネまたはバリアフリーの要件
  1. 断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4以上
  2. 耐震等級2以上または免震建築物
  3. 高齢者等配慮対策等級3以上
    参考:国土交通省「令和6年度税制改正の大綱(15頁)」

なお、非課税措置は「2024(令和6)年1月1日~2026(令和8)年12月31日」に限定されるため、該当する場合は活用を検討しましょう。

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スケルトンリフォームに関するよくある質問

スケルトンリフォームの費用を抑えるコツは?

スケルトンリフォームの費用を抑えるコツは、以下のとおりです。

  • 複数の業者から見積もりをとる
  • 設備のグレードを下げる(キッチン・浴室など)
  • 補助金制度や減税制度を活用する
スケルトンリフォームは1,000万円で出来る?

1,000万円のリフォーム予算で、スケルトンリフォームは可能です。

しかし、すべての条件でスケルトンリフォームが可能というわけではありません。建物の構造や築年数、劣化状況などによっては1,000万円でおさまらないケースもあることを頭に入れておきましょう

>>合わせてよみたい!1,000万円でできるスケルトンリフォームは?

築50年の戸建て住宅におけるスケルトンリフォームの費用は?

築50年の戸建て住宅におけるスケルトンリフォームの費用相場は、1,200〜2,500万円が目安です。

追加費用に備えて、リフォーム予算にゆとりを

築50年の戸建て住宅は、壁の内側や床下など日常生活で見えない部分の腐食が進んでいる可能性が考えられます。

工事着工後に建物の腐食が確認された場合には、追加費用がかかる可能性があるため、リフォーム予算にゆとりをもたせておきましょう。

スケルトンリフォームで法的手続きは必要?

建物の主要構造部(躯体の壁、柱、床、はり、屋根、階段など)に手を加えなければ、スケルトンリフォームで法的手続きは不要です。

増築や用途変更がともなうスケルトンリフォームは、法的手続きが必要

増築や用途変更がともなうスケルトンリフォームは、建築確認が必要となるケースがあるため注意しましょう。

スケルトンリフォームはどのタイミングで検討したらいいの?

スケルトンリフォームを検討すべきタイミングは、以下のとおりです。

  • 家族構成の変化
  • 建物の老朽化が著しい
  • 生活動線が悪く、使い勝手が悪い

スケルトンリフォームは、自身のライフスタイルや家族のニーズを満たすことで、満足度の高い住まいを実現できるでしょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】久田麻里子

マザーハウス 石田工務店

久田麻里子

2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。

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