スレート屋根のリフォーム費用相場
スレート屋根のリフォーム方法は、次の3つです。

| 費用相場(2階建て30坪/仮設足場費込み) | メンテナンスの目安 | |
|---|---|---|
| 屋根塗装 | 60万~100万円 | 5~20年 |
| 重ね葺き(カバー工法) | 80万~150万円 | 20年~ |
| 葺き替え | 120万~250万円 | 20年~ |
塗装リフォームは、色あせや剥がれが見られる塗膜を塗り替える方法です。費用は、塗装面積や使用する塗料によって異なります。重ね葺きは、既存の屋根を撤去せず、その上から新しい屋根材を施工する方法です。ただし、下地まで劣化している場合は葺き替えが必要になります。適した工法は、リフォーム業者の現地調査を受けて検討しましょう。重ね葺きや葺き替えの費用も屋根の状態や施工条件で変わるため、上記費用は目安です。

スレート屋根とは
スレート屋根は、セメントに繊維素材を混ぜて板状に成形した「化粧スレート」と、天然の粘板岩を薄く加工した「天然スレート」に分けられます。住宅で広く使われているのは化粧スレートです。「カラーベスト」はケイミューの屋根材シリーズ名、「コロニアル」は同シリーズの商品名で、一般名称はいずれも平形屋根用スレートです。化粧スレートは5〜7mm程度と薄くて軽い一方、強い衝撃によって割れや欠けが生じる場合があります。

化粧スレート
- 繊維状の素材をセメントに混ぜ、板状に加工したもの
- 品質が安定しており、作業がしやすい
- 比較的安価
- 住宅の屋根材として広く普及している
天然スレート
- 天然の粘板岩を薄く板状に加工したもの
- 天然石を使用するため、加工に技術力が必要
- 費用が高額で、高級屋根材として使用される
化粧スレートは経年によって表面の色あせや汚れが目立つことがあります。ただし、色あせだけで直ちに屋根材の基本性能が失われたとは限りません。割れや浮き、下地の劣化がないかを点検し、美観の回復や表面保護が必要な場合は、屋根材に適した塗料と施工方法で再塗装を検討しましょう。天然スレートは天然石ならではの意匠が魅力ですが、高価なため国内ではあまり普及していません。
スレート屋根の葺き替えとは?
葺き替えは、古い屋根材を撤去し、下葺材や野地板の状態を確認・補修してから新しい屋根材を施工する方法です。築年数が長い住宅や雨漏りがある住宅、屋根の下地まで劣化している住宅では、下地を点検・修繕できる葺き替えを検討しましょう。屋根ふき材だけの葺き替えやカバー工法は、原則として建築基準法上の大規模な修繕・模様替には該当せず、建築確認は不要です。ただし、屋根を構成するすべての材料を過半にわたって改修する場合などは、建築確認が必要になることがあります。どの工法が適しているかは、屋根材だけでなく下葺材や野地板まで調査してもらったうえで判断しましょう。
※ 参考:国土交通省「建築基準法関係Q&A」
スレート屋根からほかの屋根材へ葺き替える場合の費用相場
スレート屋根から葺き替える屋根材の主な候補は、ガルバリウム鋼板・アスファルトシングル・軽量瓦です。ここでは、2階建て・延床面積30坪前後の戸建てを想定し、費用相場と各屋根材のメリット・デメリットを比較します。

総額は、仮設足場費、既存屋根材の撤去・処分費、下地補修費を含むかどうかで変わるため、見積もりの内訳を確認しましょう。
ガルバリウム鋼板
| 費用相場 | 90万~200万円 |
| 耐用年数 | 20~30年 |
| 特徴 | アルミニウムと亜鉛、シリコンによってメッキ加工された鋼板 |
| メリット | ・コストパフォーマンスが良い ・比較的さびにくい ・軽量で、屋根の重量を抑えやすい ・断熱材一体型の商品では断熱性の向上が期待できる ・シンプルですっきりとしたデザイン |
| デメリット | ・種類によっては雨音が響く可能性がある ・施工には技術力が必要になる |
アスファルトシングル
| 費用相場 | 90万~180万円 |
| 耐用年数 | 15~30年 |
| 特徴 | ガラス繊維にアスファルトを染みこませ、表面に石を吹き付けている |
| メリット | ・軽量で耐震性が高い ・色あせ、割れ、サビに強い ・複雑な形状の屋根にも対応できる |
| デメリット | ・風でめくれたり、はがれたりしやすい ・劣化しやすい |
軽量瓦
| 費用相場 | 100万~200万円 |
| 耐用年数 | 20~40年 |
| 特徴 | 従来の日本瓦より軽い素材で作られている |
| メリット | ・軽量で耐久性が高い ・重量感のある仕上がりになる |
| デメリット | ・比較的高額になる ・凍害、飛来物などによって割れる場合がある |
葺き替え用の屋根材は、費用だけでなく、耐用年数や重さ、地域の気候、屋根の形状も比較する必要があります。耐用年数は、素材や商品、施工状態、周辺環境、点検・補修の状況によって異なります。同じ素材でもグレードやデザイン、価格、施工条件、メンテナンス方法に違いがあるため、予算や住まい方に合うものを選びましょう。
葺き替えの施工内容と工期の目安

- 既存屋根の撤去
1日 - 下地板の修繕
1〜2日 - 防水シート(ルーフィング)の設置
1日 - 屋根葺き
3日
屋根の葺き替えリフォームにかかる工期は、14~20日が目安です。屋根の劣化が進んでいる場合は、補強工事が必要になることもあります。天候不良で工事が中断したり、屋根の勾配がきつかったり形状が複雑だったりすると、工期は長くなる傾向があります。
スレート屋根を葺き替えた事例
スレート屋根のメリット・デメリット
スレート屋根の主なメリット・デメリットは次のとおりです。

スレート屋根の主なメリットとデメリットメリット
- 費用が安い
- 軽量で耐震性に優れている
- 工事が簡単
- カラーバリエーションが豊富
デメリット
- デザインが限られる
- 耐久性が低い
スレート屋根は比較的安価で施工しやすく、住宅用屋根材として広く普及してきました。和瓦より軽いため建物への負担を抑えやすく、落下による被害のリスクも軽減できます。色の選択肢が多い点もメリットです。一方、デザインの幅は限られ、セメント瓦やガルバリウム鋼板に比べて寿命が短い傾向があります。防水性も低く、割れや反りが生じやすいため、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。
スレート屋根の寿命
住宅屋根用化粧スレートは、15〜30年ほどで全面葺き替えを検討する目安が示されています。ただし、実際の時期は商品、施工状態、気候、点検や補修の状況によって異なるため、年数だけで判断せず定期的に点検しましょう。石綿を含む製品、初期のノンアスベスト製品、改良後の製品を年代だけで一律に分けて寿命を示すのは難しいため、製品名と現在の状態を確認したうえで、補修・重ね葺き・葺き替えを検討することが大切です。
スレート屋根の部材の耐用年数
スレート屋根は複数の部材で構成され、耐用年数は部材ごとに異なります。主な部材の耐用年数は次のとおりです。

| 部材名称 | 耐用年数 |
|---|---|
| 防水シート(ルーフィング) | 10~20年 |
| 野地板 | 35~45年 |
| 棟板金 | 10~15年 |
| ケラバ板金 | 20~30年 |
| 破風板・鼻隠し | 20~30年 |
屋根材だけでなく、各部材の劣化によっても補修やリフォームが必要です。特に屋根の頂部にある棟板金は雨風の影響を受けやすく、損傷しやすい部材です。台風などの自然災害で破損や雨漏りが起きた場合は、耐用年数にかかわらず早急に修理しましょう。
スレート屋根の補修方法
スレート屋根の補修方法には、棟板金の交換や屋根材の部分的な差し替えなどがあります。費用相場とメンテナンスの目安は次のとおりです。

| 費用相場 | メンテナンスの目安 | |
|---|---|---|
| 棟板金の交換 | 5,000~8,000円/m | 10~15年 |
| コーキング材や補修材の充填 | 1万~3万円/箇所 | ひび割れ・欠けが生じた場合 |
| 部分的な差し替え・交換 | 5,000~30,000円/枚 | 割れ・剥がれが生じた場合 |
補修費用は、足場の有無で大きく変わります。設置が必要な場合は総額が高くなるため、見積もりの段階で業者に確認しましょう。

スレート屋根を塗装する目安
屋根の塗膜が剥がれている場合や、コケ・藻が発生している場合は、塗装リフォームを検討します。前回の塗り替えから7~10年経過している場合も、再塗装を考える目安です。適切な時期は立地によって異なるため、業者に定期点検を依頼すると安心です。主な施工内容と工期は次のとおりです。
- 足場設置
半日〜1日 - 高圧洗浄
半日 - 下地処理・補修
補修内容による - 下塗り
1日 - 中塗り
1〜2日 - 上塗り
1〜2日 - 縁切り
1日 - 足場解体
半日〜1日
足場の設置から撤去までの工期は、10~14日ほどです。施工面積や補修内容、作業人数によって前後するほか、雨天時は基本的に作業できません。天候が悪い時期は塗料の乾燥にも時間がかかり、工期が延びることがあります。中塗り・上塗りは、塗料が十分に乾いてから行わなければ本来の性能を発揮できないおそれがあるため、工程表で乾燥時間が確保されているか確認しましょう。
スレート屋根の塗装リフォームの施工事例
スレート屋根の重ね葺き(カバー工法)とは
重ね葺き(カバー工法)は、既存の屋根材を撤去せずに新しい屋根材を重ねるため、葺き替えより費用と工期を抑えやすい方法です。築20年以上でも下地が劣化していない場合や、今後どのくらい住み続けるか未定の場合は、選択肢の一つになります。ここでは、重ね葺きの費用相場と工事内容を解説します。
スレート屋根の重ね葺きの費用相場
2階建て・30坪前後の住宅における重ね葺きの費用相場は、仮設足場費込みで80万~150万円が目安です。主な工法は次の2つです。

直接下葺き材カバー工法
- 既存の野地板の状態が良い場合に採用される
- 屋根の上に直接防水シート(ルーフィング)を張り、新しい屋根材を重ねる
野地板増し張りカバー工法
- 既存の野地板に新しい野地板を固定できる強度があり、下地を平らに整える必要がある場合に採用される
- 既存屋根の上に新しい野地板を張り、その上に防水シートと屋根材を重ねる
- 雨漏りや腐朽など下地の劣化が進んでいる場合は、既存屋根を撤去して下地を点検・補修できる葺き替えを検討する
費用は、採用する工法と新しい屋根材によって異なります。重ね葺きでは、スレートが新しい屋根材に選ばれることは多くありません。より軽量なガルバリウム鋼板や、耐久性を高めたエスジーエル鋼板を提案されるケースが一般的です。
重ね葺きの工事内容と工期の目安
- 足場の設置
半日〜1日 - 棟板金などの撤去
半日 - 防水シート(ルーフィング)の設置
半日〜1日 - 屋根材の張り付け
2~3日 - 棟板金の仕上げ
1日 - 足場撤去
半日
重ね葺きの工期は、足場の設置から撤去まで5~14日が目安です。補修の追加、天候、施工面積、屋根の形状によって工期は前後します。勾配がきつい屋根や複雑な形状の屋根では、施工に時間がかかることがあります。
スレート屋根を重ね葺きした事例
スレート屋根の劣化症状
屋根は外壁よりも紫外線や雨風の影響を受けやすいため、早めの点検が欠かせません。スレート屋根の主な劣化症状は、次のとおりです。

- コケやカビが生える
- ひび割れ
- 反り
- 色あせ
- 棟板金の釘が抜ける、浮き
- スレートが落下する
上記の症状が現れた場合は、まず専門業者に屋根の状態を点検してもらいましょう。色あせや軽い汚れは、下地に問題がなければ塗装を検討できます。一方、スレートの割れ・欠損・反り・脱落や棟板金の浮き、下地の劣化は塗装だけでは直せないため、部分交換や棟板金の補修、重ね葺き、葺き替えなどを状態に応じて選ぶ必要があります。
スレート屋根の劣化は放置すると危険
スレート屋根が劣化すると、ひび割れが生じたり、台風などの強風で屋根材や棟板金がめくれたりすることがあります。そこから雨水が入り込むと、雨漏りやスレートの落下につながります。雨漏りを放置すると下地の腐食が進み、修理範囲と費用が大きくなるおそれがあります。落下したスレートが通行人に当たる事故も考えられるため、異常に気づいたら早めに点検を依頼し、状態に応じて補修・重ね葺き・葺き替えを検討しましょう。
古いスレート屋根に含まれるアスベスト
古い化粧スレートには、アスベストが含まれている場合があります。住宅屋根用化粧スレートは2004年10月に石綿を1%超含む製品の製造・輸入・使用などが禁止され、2006年9月には規制対象が0.1%超へ広がりました。ただし、2004年時点では在庫品の流通や使用まで一律に止まったわけではないため、「2004年以降の建物なら含まれていない」とは断定できません。製品名や設計図書、メーカー情報を確認し、判断できない場合は分析が必要です。
アスベストをセメントで固めたスレートは、通常の使用状態では繊維が飛散する可能性は低いとされています。一方、撤去や切断、破砕などを伴う工事では飛散防止対策が必要です。屋根の改修前には、工事対象となる建材について、資格者による石綿含有の事前調査を行います。石綿含有成形板の撤去は、原則として切断・破砕を避け、法令に沿って湿潤化や粉じん対策などを実施します。請負代金の合計が税込100万円以上の改修工事は、事前調査結果の報告も必要です。カバー工法で既存屋根材を撤去しない場合でも、事前調査を省略できるとは限らないため、石綿対策に対応できる業者へ相談しましょう。
※ 参考1:厚生労働省「改正石綿則のポイント」
※ 参考2:環境省「石綿事前調査結果の報告について」
スレート屋根に太陽光発電パネルを設置できる?
スレート屋根にも、太陽光発電パネルを設置できます。現行の太陽光発電システムにはスレート屋根へ対応する工法があり、屋根材メーカーからも専用の支持金具が販売されています。ただし、事前に次の条件を確認してください。

- 屋根材や野地板に割れ、腐朽、雨漏りなどの劣化がないか
- 屋根材、屋根勾配、積雪・風圧条件が支持金具や太陽光パネルの適用範囲に合うか
- パネルの荷重を加えても建物の構造安全性に問題がないか
スレート屋根用の工法では、金具を固定するための下穴を設け、シーリングなどで止水処理を行うものがあります。施工不良は雨漏りにつながるため、屋根と太陽光発電システムの両方に詳しく、メーカーの施工基準を守れる業者へ依頼しましょう。
スレート屋根の塗装はDIYできるの?
劣化したスレート屋根をDIYでリフォームするのは困難です。主な理由は次の4つです。

- ひび割れや剥がれの修復が難しい
- 塗装前の下地処理に手間がかかる
- 塗装時期や塗料の選定には専門知識が必要になる
- 高所での作業には危険が伴う
ひび割れや剥がれの修復が難しい
屋根塗装用のDIYキットも販売されていますが、ひび割れや剥がれがある場合は、塗装前に補修が必要です。こうした作業は難易度が高いため、専門業者へ依頼する方が安心です。
塗装前の下地処理に手間がかかる
スレート屋根を塗装する前には、高圧洗浄でホコリやコケ、カビなどを落とします。さびが発生している箇所は、塗料の密着性を高めるために削り取る作業も必要です。屋根の状態に合った下地処理ができていないと、塗料本来の性能を発揮できません。
塗装時期や塗料の選定には専門知識が必要になる
塗料の選定には専門知識が必要です。「スレート屋根用」と記載された塗料でも、自宅の屋根に適しているとは限りません。屋根を長く良い状態に保つには、屋根材の状態や周辺環境に合う塗料を選び、適切な条件で施工する必要があります。
高所での作業には危険が伴う
専門業者は足場を組み、安定した状態で塗装します。慣れない方がはしごを使って作業すると、転落のおそれがあり大変危険です。不安定な姿勢では塗りムラも生じやすく、塗料本来の性能を発揮できません。やり直しを業者へ依頼すれば、かえって費用がかかります。屋根の塗装は、専門的な知識と技術をもつ業者へ依頼しましょう。
スレート屋根のリフォームを依頼する業者の選び方
スレート屋根のリフォームでは、施工実績と見積もり内容を確認して業者を選びましょう。主なポイントは次の2つです。
スレート屋根の施工実績を確認する
屋根は家全体の耐久性に影響するため、専門知識と施工実績をもつ業者へ依頼しましょう。屋根材によっては、高い施工技術が求められます。費用の安さだけで選ぶと、満足できる仕上がりにならないおそれがあります。ホームページなどで、希望するリフォームと同様の施工実績があるか確かめてください。
相見積もりをとる
はじめから1社に絞らず、複数の業者から相見積もりをとりましょう。業者によって工事方法や費用が異なり、項目ごとの差は小さくても総額に大きな差が出ることがあります。見積書の内容に加え、依頼時の対応も比較すると、信頼できる業者か見極めやすくなります。

























