目次
屋根に苔が生える原因
なぜ屋根に苔が生えてしまうのか、おもな原因を解説します。
【原因1】屋根に水分が含まれている
屋根の劣化が原因で、屋根材が水分を含んでしまうと、苔が発生しやすい状態になります。
屋根が水分を含んでしまうのは、屋根に以下のような症状が起きていることが原因として考えられます。
- 塗膜の劣化
- 屋根材のひび割れ
- 屋根材のはがれ
これらの劣化が起きている場合、屋根が水分を含み、苔が発生しやすい状態になっているため、症状ごとの補修が必須です。
さらに劣化が進めば、建物を雨漏りから守ってくれる防水シートの劣化にもつながります。
防水シートの劣化まで起きてしまうと、雨漏りのリスクが高まるため、苔の発生を見つけたら、専門業者に点検してもらいましょう。
【原因2】屋根の塗料が劣化している
屋根の塗料が劣化して凹凸ができてしまうと、苔が発生しやすい状態になるため、定期的に塗装をしなければいけません。
このように苔が発生しやすくなる理由は、凹凸した場所は、苔を定着させやすいことが挙げられます。
屋根の塗料は、塗装から10〜15年ほどで劣化するため、メンテナンス時期がおとずれている場合は、塗装を検討しましょう。
【原因3】湿度が高く風通しが悪い
湿度が高く、日当たりが悪い場合、それらが苔の発生における原因になっているかもしれません。
苔は、湿度が高く、日当たりが悪い場所を好みます。
そのため、建物がある環境によっては、屋根に苔が発生しやすい状態になってしまうことも。
そのような環境にある建物であれば、防水性の高い屋根塗料を使うなど、環境にあった苔対策を検討しなければいけません。
【原因4】森や川が周辺にある
建物の近くに森があると、森から苔の胞子が飛んでくるため、苔が発生しやすくなります。
また、川が近いと湿度が高くなるため、苔が水分を吸収しやすい環境に。
これらの環境は、結果的に苔の成長を手助けしてしまうので、徐々に苔が増えてしまうおそれもあります。
一般的に森や川との距離が近くなるほど、苔が発生しやすくなる傾向があるため、そのような環境にあるなら、苔の発生を抑制する対策をしましょう。
屋根の苔を放置するのが危険な理由
屋根の苔を放置するのが危険な理由は、以下のとおりです。
【理由1】屋根の劣化が進む
屋根の苔を放置するのが危険なのは、屋根の劣化が進み、屋根の耐久性を低下させてしまうことが理由として挙げられます。
屋根に苔が発生している状態なら、塗膜の劣化など、屋根の劣化症状がすでに起きているかもしれません。
屋根の劣化症状である、ひび割れやはがれなどが起きれば、さらに屋根が水分を吸収し、耐久性が低下するおそれも。
そのため「苔が生えているだけだから」と思わず、屋根を守るために、早めに苔の除去をおこないましょう。
【理由2】外壁にも胞子が飛ぶ
屋根の苔を放置するのが危険なのは、苔は「胞子」を飛ばして増えることが理由として挙げられます。
外壁の塗料が劣化して、表面が凹凸になっていれば、屋根だけでなく外壁にも苔が増えてしまうかもしれません。
屋根と外壁のどちらも洗浄や補修が必要になってしまうので、屋根だけに苔が発生している段階で、洗浄などの苔に対する対処を検討しましょう。
屋根の苔への対処法
屋根の苔への対処法を解説します。
【対処法1】屋根を洗浄する
屋根に苔が発生した場合の対処法は、高圧洗浄機を使って、苔を洗い流す方法が一般的です。
苔が屋根材に深く根を張っていれば、屋根材に専用薬剤の塗布もおこないます。
屋根の洗浄方法については、のちほど方法ごとの費用相場もあわせて解説します。
屋根の洗浄で苔に対処したい場合は、そちらを見て屋根の洗浄方法について理解を深めましょう。
【対処法2】屋根を塗装する
屋根の再塗装で、経年劣化による表面の凸凹がなくなると、苔の胞子が定着しにくくなります。
また、再塗装の際に使用する塗料は、光沢(ツヤ)があるものを選ぶと、より効果的です。
とくに、築年数が長い建物や、苔が発生しやすい環境にお住まいの場合は、専門業者に相談して、屋根の再塗装による苔予防を検討しましょう。
【対処法3】屋根材を葺き替える
屋根に苔が生えるのを予防するには、屋根材を苔や錆が発生しにくいものに葺き替えるのも有効な手段のひとつです。
たとえば ガルバリウム鋼板 は、苔や錆が発生しにくいという特徴があります。
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛の合金でできているため、防水効果が高く、苔の発生を抑制することが可能です。
なお、屋根材を変えるには、以下のような方法があります。
- 屋根葺き替え
- カバー工法
このような屋根リフォームは、国や地方自治体の補助金や助成金の対象になる場合があります。
補助金・助成金を活用できるかどうかは、リフォームの計画段階で専門業者に確認するのがよいでしょう。
屋根の苔をdiyで除去できる?
屋根の苔をdiyで除去することは、おすすめしません。
屋根の苔を除去する際は屋根に登る必要があるため、高所作業となり転落などの危険性があります。
また、苔の除去は、高圧洗浄や除去剤の使用などを伴う作業です。
そのため、、足元が滑りやすく、ケガのリスクが高まります。
屋根の苔に使えるおすすめの除去剤
屋根の苔を除去する際に使う、おすすめしたい除去剤を紹介します。
屋根の苔の除去は危険が伴うため、安全面に不安がある場合は専門業者に依頼しましょう。
【除去剤1】コケとーるシャワー
容器の口がシャワー形状になっており、薄めずそのまま散布できるため、比較的容易に苔を除去できます。
また「スプレータイプ」のほかにも、広い範囲に苔が生えた場合は薄めて使える「原液タイプ」があるなど、種類が豊富です。
苔の発生具合に合った方を選んで、屋根をきれいにしましょう。
【除去剤2】コケ・カビ・黒ずみ除去スプレー
泡状のスプレーは、苔の除去に必要な成分が、発生した場所に留まって機能します。
屋根の苔は、除去剤の正確な散布が難しいため、泡状だと散布しやすく使い勝手がいいでしょう。
屋根の苔を落とす掃除方法と費用相場
掃除種類 | 費用相場 (1㎡あたり) | 費用相場 (30坪の建物の場合) |
---|---|---|
高圧洗浄 | 100~300円 | 15,000円~ |
バイオ洗浄 | 200~500円 | 19,800円~ |
屋根の苔を除去する際は、高所作業になるため別途仮設足場が必要になります。
屋根の大きさや形状、施工範囲などにもよりますが、仮設足場の設置はコスト負担が大きくなる傾向があるため、予算組みの際には注意しましょう。
屋根の苔を落とす方法は、以下の2種類です。
- 高圧洗浄
- バイオ洗浄
これらは、外壁にも使われている洗浄方法ですが、ここでは屋根に使用した場合の特徴を解説します。
【掃除方法1】高圧洗浄
屋根における苔を掃除する方法には、高圧力で水をかけて洗浄する「高圧洗浄」という方法があります。
高圧洗浄は、おもに屋根材の表面にある苔をきれいにする方法です。
そのため、屋根に苔が発生しているものの、苔が屋根に根を張っていない場合に採用されます。
【掃除方法2】バイオ洗浄
バイオ洗浄は、屋根の苔が深く根を張っている場合に採用される掃除方法です。
バイオ洗浄とは、殺菌・抗菌の効果がある洗浄液を屋根に噴射し、一定の時間をおいてから洗浄液を洗い流す掃除方法のことを指します。
洗浄液を放置することで、洗浄液が屋根材の深くまで染み込んで、苔を分解。屋根材の深くまで苔を掃除できるので、なんども苔が繁殖するのを防ぎたい場合は、バイオ洗浄をおこなうのがおすすめです。
屋根の苔を予防する方法
屋根における苔の発生を予防する方法について、以下より解説します。
【予防方法1】風通しの良いきれいな環境を作る
屋根の苔を予防するためには、風通しの良い環境を作ることが大切です。
たとえば、庭の高木を剪定(せんてい)をしたり、風通しが悪くなる物置を撤去したり、可能な範囲で環境を変えましょう。
風通しが良くなると、湿度が下がり、乾燥した状態を保てます。
乾燥した場所では、苔の発生を抑えられるので、屋根に苔が生えるのを予防できます。
【予防方法2】棟・谷板金をガルバリウム鋼板にする
屋根における苔を予防する方法には、屋根に使われている部材を、苔が生えにくいガルバリウム鋼板に交換するという方法もあります。
屋根面と屋根面のつなぎ目にある「棟・谷板金」には、トタンという金属が使われていることもあります。
トタンは、耐久性が低い金属で、劣化で表面が凹凸になりやすく、苔が定着しやすいのも弱点。
そのため、トタンから耐久性が高いガルバリウム鋼板に交換をすることで、屋根における苔の発生を防げるかもしれません。
屋根の苔除去を依頼する業者を選ぶ際の注意点
屋根に生えた苔を除去してもらう業者を選ぶ際には、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。
以下の注意点を意識することで、信頼できる業者を見つけられるでしょう。
【注意点1】屋根の苔やカビの状態を正確に判断できているか
屋根の苔を除去する業者を選ぶ際には、屋根に発生した苔の状態を、正確に判断できているのかチェックしましょう。
屋根の苔が表面だけに発生しているのか、深くまで根を張っているのかの判断はとても難しく、豊富な知識や経験が必要になります。
また、苔とカビの違いの判断も簡単ではありません。
苔の状態を正しく判断できている、知識・経験ともに豊富な業者を選びましょう。
【注意点2】屋根材に合った除去方法を提案されているか
屋根の素材に合った除去方法を提案されているかも、業者選びで注意すべき項目のひとつです。
もっとも注意すべきなのは、屋根材にひび割れやはがれが起きている場合です。
苔を除去するために高圧洗浄を使ってしまうと、屋根のひび割れなどを悪化させてしまうおそれもあります。
また、屋根材の劣化状況などによって、塗装や葺き替えなど、選ぶべき対処方法は異なる点にも注意しなければいけません。
このように、屋根材によって、最適な除去・対処方法は異なります。
屋根材の状態をくわしく確かめて、最適な方法を提案してくれる業者を選びましょう。
【注意点3】料金以外にも見積内容を比較する
屋根の苔を除去する際には、複数の業者から見積を取得し、料金以外にも以下の内容を比較しましょう。
- 苔の状態にあった提案内容になっているか
- 点検サービスは実施しているか
- 保証が充実しているか
屋根の苔を除去する際の業者選びでは、料金だけに目を奪われてはいけません。
作業をした後、定期的に点検をしてくれるか、保証が充実しているかなど、チェックすべき点がいくつかあります。
とくに、作業に不具合があった場合に無償で対応してくれるなど、点検などのアフターサービスが充実している業者はおすすめです。
苔は何度も生えてしまう場合もあるので、そのような場合でも気軽に相談できます。
【注意点4】長期的に付き合える業者を探す
屋根の苔は一度除去したら終わりではないため、長期的に付き合える業者を選びましょう。
アフターメンテナンスが充実している業者であれば、工事後の屋根の状態を、継続的に確認できるので安心です。
また、建物に長く住むことを考えた場合、苔の発生だけでなく、屋根のリフォーム・メンテナンスなど総合的な相談ができる業者が望ましいです。
信頼できる専門業者と二人三脚で、屋根の苔に悩まない生活を手に入れましょう。
屋根の苔に関してよくある質問
屋根に苔が発生しないように予防できる塗料はある?
屋根に塗装する際、「防カビ性」がある塗料を選ぶことで、屋根における苔の発生を予防できます。
このような表記が、採用を検討している塗料のカタログにあるか、塗料メーカーのカタログで確かめましょう。
屋根の苔が目立たない屋根色は?
屋根の苔が目立たない色は「ブラウン」と「グリーン」です。
枯れる前の苔は、緑や黄色に近い色なので、屋根の色をグリーン系にすれば苔が目立ちません。
一方、枯れた後の苔は、茶色に近い色となります。
そのため、枯れた後の苔を目立たせたくないのであれば、ブラウン系の屋根色を選ぶのがおすすめです。
屋根に苔が生えにくい屋根材はある?
屋根に苔が生えにくい屋根材は、以下のような耐久性の高い金属屋根です。
- ガルバリウム鋼板
- エスジーエル鋼板
これらの金属屋根は、防水性も高いため、水分を好む苔の発生を防げます。
また、苔が生えやすいセメント瓦やスレート屋根に比べて、金属屋根は表面がなめらかなので、苔が定着しやすい凹凸も少ないのが魅力です。
屋根リフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
とはいえ「信頼できる業者が分からない」「何度も同じ説明をするのが面倒」と踏み出せない方もいらっしゃると思います。
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