2024年09月11日更新

屋根の板金補修や交換にかかる費用は?とくに浮きは早めの補修を!

突然現れた営業マンに「屋根の板金が浮いています、このままでは危険です」と言われてしまった場合。屋根板金の修理で高額な費用が必要になるのではと、不安を感じてしまうでしょう。
そこでこの記事では、屋根の板金補修や交換にかかる費用を解説します。屋根における板金補修の費用相場を頭に入れて、適正価格で板金補修を済ませましょう。

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屋根の板金とは?

屋根の板金とは、屋根面と屋根面の接合部をカバーしている金属板のことです。

おもに金属屋根やスレート屋根に設置される部材で、雨水や虫が建物に入るのを防ぐ役割もあります。

そのような役割がある屋根の板金には、従来トタンが多く使われていました。

しかし、昨今では耐久性の高いガルバリウム鋼板を使うのが一般的です。

【種類1】棟板金

屋根の板金における「棟板金」は、屋根の勾配でもっとも高い箇所をカバーする板金です。

下地である貫板を屋根面の頂点に設置し、貫板の上に釘やビスで棟板金を固定します。

また、棟板金と棟板金のあいだはコーキングで処理することで、雨水の浸入を防いでいます。

このような特徴がある棟板金は、屋根面のもっとも高い箇所にあるため、釘の抜けやコーキングの劣化が発生しやすいのも弱点です。

そのため、釘の抜けなどがないか、定期的に点検する必要があります。

【種類2】谷板金

屋根の板金における「谷板金」とは、屋根における谷部分をカバーする板金です。

谷板金のおもな役割は、屋根で受けた雨水を排水し、屋根からの雨漏りを防ぐことです。

そのため、屋根のなかで雨水がたまりやすい箇所であり、雨漏りを起こしやすい箇所でもあります。

【種類3】水切り板金

屋根の板金における「水切り板金」は、屋根面の端や外壁とのあいだをカバーする板金です。

水切り板金のおもな役割は、雨水の浸入と屋根材の飛散防止です。

  • 外壁面や屋根面のあいだからの雨漏りを防ぐ
  • 屋根材が風で飛ばされないように固定する

このような役割をもつ水切り板金が劣化した場合、雨漏りや屋根材の飛散が起きるリスクもあるため、早めに補修しなければいけません。

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屋根板金の補修が必要な症状

棟板金の飛散やサビの発生が起きた場合、屋根板金の補修が必要です。

ここでは、屋根板金においてどのようなタイミングで補修が必要かチェックして、板金の腐食や雨漏りなどのトラブルを回避しましょう。

【症状1】釘の浮き

屋根の板金を固定している釘が浮いている場合、強風で板金が飛散するリスクもあるため、釘の打ち直しが必要です。

屋根の板金における釘が浮く原因は、おもに風と熱。板金に風が当たったり、太陽光の熱や気温によって釘が膨張と収縮を繰り返したりすることで、徐々に釘が浮いてきます。

そのような屋根の板金における釘の浮きは、板金を設置してから10年前後で発生しやすくなります。

もし屋根の板金を固定する釘が浮いているなら、雨漏りや貫板の腐食が発生する前に、釘の打ち直しで浮きを解消しましょう。

【症状2】板金の浮き

棟板金や谷板金などが浮いている場合、建物で雨漏りが起きるおそれもあるため、板金における釘の打ち直しなどが必要です。

屋根の板金が浮いてしまうのは、板金を固定している釘の浮きなどが原因。そのため、建物の雨漏りが起きやすくなるだけでなく、板金を固定している釘が抜けたり、板金が飛ばされたりするおそれもあります。

このような建物におけるトラブルを回避するために、屋根の板金が浮いている状態を発見したら、釘の打ち直しなどで対処しましょう。

【症状3】貫板の腐食

屋根の棟板金を支えている貫板が腐食した場合、棟板金を固定する力が弱まるため、腐食した貫板の交換が必要です。

棟板金の固定に必要な釘やビスを打ち込んでいるのは、貫板という下地です。

そのため、下地である貫板が腐ってしまうと、棟板金を固定している釘やビスの浮き・抜けの原因にもなります。

棟板金を固定する力が弱まっている場合、強風で棟板金が飛散したり浮いたりするかもしれません。

そのような棟板金のトラブルを回避するために、腐食が発生している貫板の交換をおこないましょう。

【症状4】サビの発生

屋根の板金においてサビが発生している場合、サビで板金に穴があいてしまうおそれもあるため、サビ止めの塗装や板金の交換が必要です。

金属製の板金は、経年劣化などでサビが発生します。

  • 板金の劣化(太陽光や雨風の影響)
  • 塗膜の劣化
  • もらいサビ

また、屋根にアンテナや室外機などを設置しているなら、それらの部材におけるサビが板金にうつってしまうこともあります。

このように、屋根の板金は経年劣化などでサビが発生するため、屋根の板金に穴があく前に塗装などで補修しておきましょう。

【症状5】板金の飛散

屋根の板金が強風で飛散した場合、建物で雨漏りが起きるリスクもあるため、新しい板金の設置が必要です。

屋根の板金は、屋根面と屋根面のあいだを雨水から守るという役割があります。

そのため、屋根の板金が飛散すると、建物に雨水が浸入しやすくなり、雨漏りが起きてしまうかもしれません。

もし強風などで屋根の板金が飛ばされたら、雨漏りなどのトラブルが起きる前に補修をおこないましょう。

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屋根の板金補修・交換にかかる費用

屋根の板金補修・交換にかかる費用は、棟板金などの交換なら1メートルあたり5,000円〜が目安、釘や塗装に関する補修なら最低でも4万円〜が目安です。

屋根における板金補修の内容費用相場
釘の打ち直し4〜10万円
棟板金の交換5,000〜7,000円/m
貫板の交換5,000〜7,000円/m
谷板金の交換5,000〜7,000円/m
板金のサビ止め塗装5〜15万円
足場設置や産廃処理費は別途必要

上記の費用には、足場を設置する費用や産廃処理費などは含まれていません。それらの費用が別で必要な点に注意しましょう。

ここでは屋根の板金補修でどれほど費用がかかるか確かめて、屋根の板金における腐食などのトラブルが起きる前に補修をおこないましょう。

【パターン1】釘の打ち直し

屋根の板金補修で、板金における釘の打ち直しをおこなう際にかかる費用は4〜10万円が目安です。

板金における釘の打ち直しが必要なのは、熱膨張などによって釘が浮いている場合です。

  • 釘が熱膨張を繰り返して浮いている
  • 釘が浮いて棟板金も浮いてしまっている
  • 釘の抜けによって棟板金がはがれた

このような状態になっている場合、屋根の板金における釘の打ち直しをおこなって、棟板金の浮きやはがれを解消しましょう。

【パターン2】棟板金の交換

屋根の板金補修で、棟板金の交換をおこなう場合にかかる費用は1メートルあたり5,000〜7,000円が目安です。

屋根における棟板金の交換が必要なのは、棟板金にサビなどが発生した場合です。

  • サビで穴があいた
  • 強風で飛ばされた

棟板金がこのような状態になっている場合、下地の貫板が腐食するなどして、建物で雨漏りを起こすおそれがあります。

屋根裏や建物を支える木材が腐食してしまう前に、棟板金の交換をおこないましょう。

【パターン3】貫板の交換

屋根の板金補修で、棟板金の下地である貫板を交換する場合にかかる費用は、1メートルあたり5,000〜7,000円が目安です。

もし棟板金の浮きなどが原因で、下地である貫板が腐食しているなら、新しい貫板への交換をおこないましょう。

新しい貫板に交換する場合、耐久性や耐食性が高い樹脂製・ガルバリウム鋼板製の貫板を使用するのがおすすめです。

樹脂製やガルバリウム鋼板製であれば、雨水にぬれた際の腐食を防げるため、棟板金の固定する力を長く維持できます。

【パターン4】谷板金の交換

屋根の板金補修で、谷板金の交換をおこなう場合にかかる費用は、1メートルあたり5,000〜7,000円が目安です。

屋根における谷板金の交換が必要なのは、谷板金にサビなどが発生した場合です。

  • サビで穴があいた
  • 太陽光の熱で変形した

谷板金の役割は、屋根で受けた雨水を流すこと。そのため、谷板金に変形などが発生すると、雨水が谷板金にたまって雨漏りを起こしやすくなります。

屋根における谷板金の劣化で雨漏りを起こさないように、サビや変形が起きたタイミングで谷板金の交換をおこないましょう。

【パターン5】板金のサビ止め塗装

屋根の板金補修で、板金のサビ止め塗装をおこなう場合にかかる費用は5〜15万円が目安です。

屋根における板金のサビ止め塗装をおこなうことで、サビによる穴あきを防げます。

棟板金や谷板金でサビによる穴あきが発生した場合、穴があいた箇所から雨漏りを起こすリスクもあります。

そのような建物の雨漏りが起きてしまう前に、板金のサビ止め塗装をおこない、サビによる穴あきを予防しましょう。

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屋根の板金補修はDIYでできる?

屋根の板金補修はDIYでもできます。

しかし、転落の危険がある高所での作業となるため、DIYでの板金補修はおすすめできません。

安全に屋根の板金補修ができるよう、専門業者に依頼しましょう。

また、屋根における板金の浮きやはがれは、正しい方法で補修しないと雨漏りを起こす原因にもなります。

建物における雨漏りなどのトラブルを起こさないよう、専門知識のある専門業者に依頼するのがおすすめです。

>>屋根における板金補修の見積もりはこちら

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屋根の板金補修で火災保険は使える?

強風などの自然災害が原因で、屋根の板金補修が必要になった場合、火災保険が使える場合もあります。

たとえば、強風で棟板金が飛ばされてしまった場合。経年劣化ではなく、強風で棟板金が飛んだと認定されると、火災保険が適用されます。

ただし火災保険の加入内容などによって、保険の適用条件などが異なる点に注意しなければいけません。

もし火災保険に加入しているなら、あらかじめ保険の加入内容や申請手順などを確かめておきましょう。

>>屋根修理における火災保険の適用条件はこちら

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屋根の板金補修で活用できる補助金・助成金制度

屋根の板金補修において、国や自治体による補助金・助成金制度を活用できる場合があります。

  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業
  • 住宅エコリフォーム推進事業
  • 自治体による補助金制度

補助金・助成金制度によって申請期限や交付条件などが異なるため、屋根の板金を補修する前に、最新の情報をチェックしましょう。

>>屋根修理の補助金・助成金制度はこちら

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「屋根の板金が浮いている」と言われた時の断り方・対処法

飛び込み営業から「屋根の板金が浮いている」と言われた場合は、営業マンに名刺をもらうなどして、会社の情報をチェックしましょう。

高額な費用請求に注意しよう!

近年、屋根の板金における修理に関して、高額な費用を請求されるなどのトラブルが増えています。

屋根における棟板金の浮きは、棟板金を固定している釘の劣化などが原因であるため、どの建物でも起こりうる症状です。

  • 釘やビスの劣化
  • 強風

そのため、棟板金が浮いていなくても、台風が去った後に「お宅の棟板金が浮いています」と危機感をあおるような言葉で近づいてくる業者もいます。

ここでは飛び込み営業に対する断り方・対処法をマスターして、屋根の板金補修におけるトラブルを回避しましょう。

【ポイント1】「家族と相談する」と返事を濁す

飛び込み営業が屋根の板金補修をすすめてきても、すぐに契約せず「家族と相談する」と返事を濁して、回答を保留にしましょう。

なかには、ゆっくり考える時間を与えないために「今すぐ補修しないと危険です」と迫ってくる業者もいます。

しかし、そのように危機感をあおる業者と契約してしまうと、必要がない屋根の補修工事をおこなわれてしまうかもしれません。

不要な費用を発生させないためにも、家族と相談する時間がほしいと返事を濁し、飛び込み営業と契約すべきか検討する時間を確保しましょう。

【ポイント2】「親戚に屋根業者がいる」と嘘をつく

飛び込み営業と契約する意志がない場合は「親戚に屋根業者がいる」と嘘をついて断りましょう。

屋根の補修について相談できる専門業者がいると言われれば、契約の意志がないと判断してもらえる可能性もあります。

飛び込み営業が何度も契約を迫ってきても、親戚や友人などの身近な関係に屋根業者がいると伝え、トラブルになるような屋根の補修工事における契約を回避しましょう。

【ポイント3】名刺をもらう

飛び込みで訪問した営業マンが在籍する会社について、名刺をもらって会社名などの情報について聞いてみましょう。

飛び込み営業に聞いておくべきことリスト
  • 会社名
  • 会社の住所
  • 連絡先
  • メールアドレス
  • ホームページのURL

飛び込み営業のなかには「親方から言われてきました」「近くの現場で工事しておりまして」と話して、屋根の板金における浮きを指摘する業者もいます。

しかし、実際には親方や現場が存在せず、親方の名前などを聞くと答えられない場合もあるようです。

このように飛び込み営業から名刺をもらい、会社などの情報を収集することで、契約して問題ない業者であるかの判断ができるでしょう。

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屋根の板金補修を依頼する業者の選び方

屋根の板金補修を依頼するなら、屋根工事の実績が豊富な業者など、安心して依頼できる業者を選ぶ必要があります。

雨漏りなどのトラブルが起きないように、屋根の板金において必要な補修を判断できる業者に依頼しましょう。

【選び方1】屋根工事の実績が豊富か

屋根の板金補修において実績が豊富な業者であれば、豊富な経験のなかから最適な屋根の板金補修を提案してもらえるでしょう。

屋根の板金における劣化症状は、建物の構造や環境などによって異なります。

そのため、建物の構造や環境をふまえた上で、屋根の板金でどのような補修が必要かを見極めなければいけません。

もし屋根の板金補修を依頼するなら、そのように屋根の板金補修における「正しい見極め」ができるほど実績の豊富な業者を選びましょう。

【選び方2】専門資格をもっているか

建物や屋根に関する専門資格をもっている業者なら、雨漏りが起きるなどの建物におけるトラブルを回避できるでしょう。

  • 建築士
  • 建築施工管理技士
  • 雨漏り診断士

たとえば「建築士」は、建築物の設計や工事監理に関する専門知識をもつ者として、国が認定する資格です。

このように専門知識があると認められた資格をもつ業者なら、リフォームに関するプロフェッショナルであると判断してよいでしょう。

そのような業者に依頼すれば、建築士などの資格をもたない業者に依頼するよりも、建物におけるトラブルが起きるリスクを軽減できます。

【選び方3】見積がくわしく記載されているか

屋根の板金補修における見積書で、工事・部材の項目がくわしく記載されていれば「追加で費用がかかった」などのトラブルを回避できます。

正しい見積書の例

「一式5万円」など、一式でまとめられている項目が多い場合は、どのような工事・部材が含まれているか確かめておきましょう。

また、屋根の板金補修において、具体的なメーター数などが記載されていない場合、費用が相場よりも高くなっているかもしれません。

見積書における項目数のほかに、現地調査で計測した面積・長さなどが見積書に反映されているかもチェックしましょう。

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屋根における板金補修の施工事例

屋根における板金補修の施工事例をいくつか紹介します。

実際の工事ではどのように屋根の板金を補修しているのか、費用や補修したきっかけなどもわせてチェックしましょう。

【事例1】落下した棟板金を交換

リフォーム費用約135万円
工期21日間
建物の用途一戸建て
施工箇所屋根
外壁
ベランダ

「台風で破損した屋根の板金を補修したい」とご依頼があった、屋根の板金補修における施工事例です。

屋根の板金を点検した結果、棟板金の飛散や浮きが発生している状態と判明。屋根の棟板金をすべて交換する方法で補修しました。

【事例2】屋根板金のずれを補修

リフォーム費用約3万円
工期1日間
建物の用途一戸建て
施工箇所屋根

「屋根の板金がずれており、雨漏りが起きないか不安」とお客さまよりご相談があり、屋根の板金補修をおこなった施工事例です。

屋根を点検すると、ケラバ板金や軒先の板金にずれ・変形が発生している状態。そのため、ケラバ板金と軒先の板金において、ずれや変形の補修をおこないました。

【事例3】棟板金からの雨漏りを補修

リフォーム費用約17万円
工期2日間
建物の用途一戸建て
施工箇所屋根

「台風で屋根の棟板金が飛んでしまい、室内で雨漏りが起きているため補修してほしい」とご依頼があった、屋根の板金補修における施工事例です。

実際に屋根の様子を確かめると、棟板金がはがれ、下地である貫板が露出している状態でした。

貫板がぬれている状態だったため、屋根裏や室内にどこまで雨漏りが起きているかを調査。サーモグラフィカメラなどを使って、建物への影響を調べていきました。

雨漏りにおける調査の結果、建物を支える木材などへの影響はなかったため、棟板金と貫板の交換で補修をおこないました。

【事例4】棟板金の浮きを補修

リフォーム費用約46万円
工期1週間
建物の用途一戸建て
施工箇所屋根

「屋根の板金が劣化している」とご相談があった、屋根の板金補修における施工事例です。

屋根を点検したところ、棟板金で浮きや割れが発生している状態でした。

そのため、お客さまに劣化した棟板金の交換を提案。屋根全体の棟板金を交換して、補修をおこないました。

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屋根における板金補修の流れ

屋根の板金補修にかかる工期は、1〜2日が目安です。

STEP
足場の設置

STEP
劣化した屋根の板金を撤去

板金の下地についても補修が必要なら、下地も補修をおこないます

STEP
屋根の板金を撤去した箇所の補修

STEP
新しい屋根の板金を取り付け

STEP
仕上げ・点検

STEP
足場の解体

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