目次
雨樋とは
雨樋(あまどい)とは、雨水をまとめて排水させる筒状の設備のことをいい、主に屋根の軒先に設置されます。
建物に雨樋を設ける目的は、以下の通りです。
- 外壁が腐食・劣化するのを軽減する
- 地面に落ちた雨水で基礎が傷むのを予防する
- 通行人に雨が当たるのを防ぐ
- 雨が地面に落ちる際の騒音を抑える
- 雨漏りを予防する
雨樋を通して屋根の雨水が排水され、外壁や地面に直接雨水がかからないので、建物が傷むのを防ぎます。
つまり、建物をきれいに維持するには、雨樋を修理したりメンテナンスしたりすることが重要です。
また、雨樋にはさまざまな種類や素材があるため、こちらは次の章で解説します。
雨樋の種類
雨樋の種類は、大きく以下の3つに分けられます。
雨樋の種類 | 形状 | 特徴 | 費用 |
---|---|---|---|
半円型 | 断面の形が半円 柔らかい印象になる | 汎用性が高い | 比較的リーズナブル |
角型 | 断面の形が四角 すっきりした印象になる | 流水量が多い | 半円型よりも高め |
特殊型 | 覆い付きのタイプ デザイン性が高いタイプなど | 雪や落ち葉が詰まらない | 半円型や角形よりも高め |
近年はゲリラ豪雨が頻発していることもあり、多くの雨水を流せる「角型」が人気を集めています。
一方で、半円型の片側が角型になっており、流水量を確保できる「リバーシブル型」というハイブリッド型の商品も販売されています。
また、雪の多いエリアや落葉する樹木が近くにある場合は、覆い付きの特殊型を採用する傾向にあります。
このように雨樋には多くの種類があるため、自分で準備すると誤った商品を購入するリスクがあるので注意が必要。
地域性や目的に合った雨樋を選ぶには形状だけではなく、素材にも目を向けることがポイントです。
雨樋の素材
雨樋には、多くの素材が採用されています。
ここでは代表的な雨樋の素材について、メリット・デメリットを見ていきましょう。
雨樋の素材 | メリット | デメリット |
---|---|---|
塩化ビニール樹脂 | 汎用性が高く費用が安い 錆びにくい | 紫外線や衝撃などに弱い |
ガルバリウム鋼板 | 軽量で錆びにくい 金属製では安め | 傷がつくと錆が広がる |
アルミニウム | 錆や熱に強い 継ぎ目が目立ちにくい | 費用が高額になりやすい |
ステンレス | 錆びづらい 継ぎ目が目立ちにくい | 費用が高額になりやすい |
銅 | 時間の経過で深みが増しやすい 長持ちしやすい | 費用が高額になりやすい |
一般住宅でよく見られる素材は「塩化ビニール樹脂」ですが、近年では屋根材としても人気のあるガルバリウム鋼板も注目を集めています。
一方、アルミニウムやステンレスといった素材は耐久性が高いといったメリットがあるものの、流通量が少なく費用が高額になりやすいので、一般住宅ではあまり採用されません。
また、耐用年数の目安は塩化ビニール樹脂製で15〜20年・金属製で20〜30年となっており、長期的に使用するには定期的なメンテナンスが必須です。
雨樋が劣化する原因
雨樋が劣化する原因と対策について、それぞれ解説します。
これらの原因や対策をあらかじめ把握しておけば、雨樋を長持ちさせることができるでしょう。
雨樋が劣化する主な原因は、以下のとおりです。
- ゴミ詰まり
- 雨樋の勾配不良
- 経年劣化
- 継ぎ手の破損
- 風雨・雪による破損
対策を確認する前に、まず原因についてチェックしましょう。
【原因1】ゴミ詰まり
落ち葉や鳥の巣、枯れ葉などのゴミがつまり、雨水が流れなくなっています。
【原因2】雨樋の勾配不良
雨水が流れやすいように傾斜していますが、雨樋の支持金具が破損し、逆流するなどの現象が起きます。
【原因3】経年劣化
一般的に、雨樋の耐用年数は15~30年と言われています。
すでに年数が経過している場合は、雨樋の交換を検討しなければなりません。
また耐用年数までに時間がある場合には、定期的に雨樋を点検し、必要に応じてコーキングなどの部分補修を施しましょう。
【原因4】継ぎ手の破損
雨樋の継ぎ手部分が外れてしまう代表的な原因として、雨樋どうしの接着不良が挙げられます。
この場合、継ぎ手部分を新しいものに交換して接着するか、既存の雨樋をきれいに掃除した上で接着するのが望ましいでしょう。
【原因5】風雨・雪による破損
お住まいの地域によっては、積もった雪の重量で雨樋が曲がってしまう、または強風で雨樋が外れてしまうといったことがあり得ます。
この場合、雨樋の破損状況によって、部分的な交換か全体的な交換のどちらかを判断しましょう。
雨樋を長持ちさせるための対策
雨樋を長持ちさせるための対策は、以下のとおりです。
- 落ち葉除けネットの設置する
- 定期的な樋清掃
- 業者にメンテナンスを依頼する
落ち葉などが雨樋に詰まって雨水が正常に流れなくなるのを防ぐには、落ち葉除けネットの設置が有効です。
ただし、落ち葉除けネットがあっても土埃やゴミは雨樋に入り込むことがあるため、定期的な樋清掃が欠かせません。
なお、下屋や玄関の雨清掃は脚立などを利用して自分でもできますが、高所作業になる場合には転落などの危険があるため必ず業者に依頼しましょう。
業者に依頼すればケガを回避できるだけでなく、雨樋の傷み具合や修理すべき箇所を早期に発見できるので、結果的に雨樋を長持ちさせることにつながります。
雨樋の修理は自分でできる?
雨樋の修理は高所作業で危険をともなうことが多いため、基本的には業者に依頼しましょう。
素人が雨樋の修理をすると、劣化した箇所が悪化してさらに修理費用がかさんでしまうおそれがあります。
さらに、雨樋の修理を業者に依頼すると雨樋の状態を細かくチェックしてくれるため、将来的に大きな破損となる部分を早期に発見できるというメリットもあります。
ただし、業者に頼むと人件費などの費用が発生するので、あらかじめ費用相場を押さえておくのがポイントです。
応急処置ならできる
雨樋の修理は業者に依頼するのが基本ですが、高所作業をともなわない応急処置なら安全に注意して自分でやることも可能です。
たとえば、脚立で作業できる縦樋のひび割れや穴あき程度なら、防水テープを巻いたりコーキング材で補強したりするなどで対応できるでしょう。
ただし、防水テープを巻くと見た目が悪くなるので、気になる場合にはのちほど業者に修理してもらいましょう。
雨樋はどうやって修理する?
ここでは雨樋の修理方法について、部分的な場合と全体的な場合に分けて解説します。
どのような修理が必要か把握しておけば、業者との打ち合わせもスムーズに進むでしょう。
部分的な修理の場合
部分的に修理する場合は、破損した雨樋を外して新しいパーツに取り替えます。
ただし、古い雨樋と同じメーカー・品番の商品があるとは限らないため、部分的な交換ができないケースがあることも頭に入れておきましょう。
交換手順としては「継ぎ手」と呼ばれる雨樋どうしをつなぐ箇所から雨樋を外し、新しい雨樋へ交換します。
全体的な修理の場合
全体的に修理する場合は、古い雨樋をすべて外して新しいパーツへと交換します。
取り替える主なパーツは、以下の通りです。
- 屋根に沿って設置された軒樋
- 壁面沿いに設置された縦樋
- 軒樋などの雨水を屋根の上で集める集水器(じょうご)
- 軒樋などを固定している金具
なお、2階以上で高所作業となる場合には、原則仮設足場の設置が必要となるため注意しましょう。
雨樋修理の費用相場は?
雨樋修理の費用相場は修理内容や業者によっても異なりますが、1〜40万円が目安になります。
それぞれの修理内容にかかる費用の目安は、以下のとおりです。
修理内容 | 費用目安 |
---|---|
部分交換 | 1~5万円 |
全体交換 | 20~40万円 |
なお、上記金額には、仮設足場や雨樋の処分費などは含まれておりません。
また、屋根全体の雨樋を交換する場合には、外壁・屋根塗装と同時に工事することで仮設足場の費用や人件費が安くなるケースがあります。
雨樋の修理に火災保険は使える?
雨樋が破損した原因によっては、修理の際に火災保険が適用になる場合があります。
ここでは火災保険が適用される例とされない例に分けて解説するので、参考にしてください。
火災保険が適用される例
火災保険の契約内容にもよりますが、火災保険が適用される主なケースは以下のとおりです。
- 火災や爆発(延焼やボヤなど)
- 自然災害(落雷や風災など)
- 物体の落下・衝突(車の飛び込みや飛び石など)
火災保険が適用されるか不安な場合には、ご自身の契約内容を確認しましょう。
また、自己負担額である「免責金額」をチェックしておくことも重要です。
火災保険の適用を受けるには、損害額が免責金額よりも大きい必要があります。
さらに、損害を受けてから3年以内に申請しないと適用されないので、注意してください。
火災保険が適用されない例
火災保険が適用されないケースは、以下のとおりです。
- 経年劣化
- 免責金額以下の損害
- 契約外の損害
- 地震保険の補償範囲
自然災害以外・免責金額以下・契約の対象外の場合には、基本的に火災保険が適用されません。
なお、自然災害の場合でも地震保険でカバーされる補償範囲も適用外となるので、気をつけましょう。
具体的には、地震・津波・噴火などは火災保険を使えないため、備えたい場合には地震保険に加入する必要があります。
雨樋の修理業者の選び方
雨樋の修理業者の選び方は、以下のとおりです。
- 実績や口コミで選ぶ
- 料金で選ぶ
- アフターフォローで選ぶ
修理業者の選び方をあらかじめ頭に入れておけば、信頼できる業者を見つけられるでしょう。
【選び方1】実績や口コミで選ぶ
信用できる業者か見極めるためにも、実績や口コミで選んでください。
業者の公式ホームページには施工事例が掲載されているケースが多いので、会社情報を確認する際に一緒に確認しましょう。
雨樋の実績が多い業者や、居住エリアでの施工経験が豊富な業者であれば、安心して依頼できます。
また、SNSや口コミサイトをチェックしておくと、業者の対応や信用度を知ることが可能です。
【選び方2】料金で選ぶ
追加料金や高額費用で悩まないためにも、料金で選びましょう。
相場よりも低すぎる業者は、支払いの段階で事前に知らされていない追加料金を請求される場合があります。
一方で、料金が高額な業者は負担が大きくなるので、施工内容が見合うか確認することが重要です。
適正な費用かチェックしたいのであれば、複数の業者から見積もりを取得して比較・検討してください。
【選び方3】アフターフォローで選ぶ
アフターフォローを確認して業者を選ぶと、施工後もストレスを感じることなく生活できます。
契約にアフターフォローが入っている業者や、保証書やレポートを発行してくれる業者であれば、万が一の場合にも安心です。
業者によっては定期訪問や自然災害後に訪問を実施している場合もあり、プロ目線でチェックしてもらえます。
雨樋修理はどこに頼めばいい?
雨樋修理は、以下のような業者に依頼できます。
- 工務店
- ハウスメーカー
- 板金業者
ちなみに、外壁や屋根のメンテナンス時期が近づいている場合には、工務店やハウスメーカーなどに修理を依頼するのがおすすめです。
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