2024年08月14日更新

監修記事

屋根瓦の補修はDIYできる?ひび割れの原因や修理費用も徹底解説

屋根瓦のひび割れを発見しても、どう対処すれば良いか分からないですよね。自分で補修できるのか、それとも専門の修理業者に依頼したほうが良いのかも悩みどころかもしれません。
この記事では、屋根瓦のひび割れの補修方法や原因、業者に依頼した場合の修理費用などについて詳しく解説します。屋根瓦のひび割れに対する対処法を正しく理解して、屋根からの被害を最小限に抑えましょう。

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屋根瓦のひび割れは自分で修理できる?

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ある程度の知識や経験があっても、屋根瓦のひび割れを自分で修理することはおすすめできません。

ホームセンターなどで材料をそろえれば、応急処置程度のことは行えるでしょう。しかし、高所作業での慣れない作業になるため大変危険です。

また屋根瓦の劣化具合によっては、自分で修理するより業者に相談したほうが良いケースも少なくありません。たとえ自分で修理できたとしても、最終的には業者にきちんと補修を行ってもらうのがおすすめです。

以上を踏まえ、屋根瓦の修理について解説します。

自分で修理できる屋根瓦のひび割れ

「屋根瓦の小さなひび割れくらいなら、自分で修理できる」と考える人もいるでしょう。

しかし、以下の理由から自分でする修理はおすすめはできません。

  • 転落などの大ケガをするリスクがある
  • 応急処置にしかならない
  • 屋根全体を細かくチェックできない
  • ひび割れの適切な修理方法がわからない

また、万が一自分で修理する場合には、ヘルメットや脚立、安全ベルトなどを使うなど安全性の確保が必要。作業中に少しでも危険を感じたら、無理をせず専門業者に修理を依頼しましょう。

>>屋根瓦のひび割れを見つけたら

自分で修理するのは難しい屋根瓦のひび割れ

もし何枚もの屋根瓦がひび割れしている場合は、自分で修理はせず、業者に依頼するのがおすすめです。その理由は、以下の通り。

  • ひび割れだけではなく、屋根瓦全体の劣化が進んでいる可能性がある
  • 規模の大きな屋根の補修が必要な可能性がある

劣化の進んだ屋根瓦は、自分で修理するのは非常に危険。屋根瓦を踏んで割ってしまったり、屋根瓦で滑って落ちてしまう可能性もあります。そのため、屋根瓦の修理は専門業者にまかせましょう。

>>こちらの記事でもっとくわしく解説しています

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屋根瓦のひび割れを自分で修理する場合のリスク

屋根瓦のひび割れを自分で行う場合には、以下のリスクが生じる可能性を考えておきましょう。

  • 高所作業による落下でケガをする可能性
  • 修理が不十分になってしまい、ひび割れが再発する可能性

それぞれのリスクについて解説するので、屋根瓦を自分で修理したいと考えている人は参考にしてください。

高所作業のためケガをする危険がある

屋根瓦の修理作業は高所での作業になるため、落下するなどしてケガをするリスクがあります。高所作業は地面の上とはまったく異なる環境での作業です。そのため、大工仕事に慣れている人でも大変危険です。

高所作業に慣れているプロでも、2メートル以上の現場の場合は、労働安全衛生法を遵守することが必要。命綱や安全帯の着用などの措置をして作業をします。高所作業に不慣れな人の場合は、なおさら万全の準備をして作業を行うことが必要です。

また、道具や屋根瓦などが落下してしまい、通行人にケガをさせてしまうリスクも考えられます。屋根瓦の修理を自分でする際には、高所作業のリスクを理解した上で行いましょう。

修理が不十分で再発する可能性も

屋根瓦を自分で修理する場合、技術不足でひび割れが再発してしまう可能性があります。プロとは違って素人ができるのは応急処置までです。しかし屋根瓦の修理は、応急処置では不十分な場合も。

また屋根瓦は雨風にさらされる過酷な環境に置かれています。そのため、応急処置のまま放置していると、劣化が進んでしまう可能性も。自分で修理したとしても、早めに専門業者に修理を依頼するのがおすすめです。

ひび割れた屋根瓦が一枚だとしても、他の屋根瓦も劣化が進んでいたり破損している可能性もあります。早めに修理を行えば大きな被害は防げるので、いったん自分で修理した後は早めに専門業者に連絡しましょう。

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屋根瓦のひび割れを補修する方法

屋根瓦を補修する方法には、以下のものがあります。

  • 防水加工テープを使った補修
  • パテを使用した補修
  • 屋根瓦の交換
  • 接着材やコーキングによる補修

実際に、屋根瓦のひび割れを補修する方法をくわしくみていきましょう。

防水加工テープでひび割れを止める

防水加工テープを使ってひび割れを止める方法で、水の侵入を防ぐのにも有効です。手順は以下の通り。

STEP
テープを貼る面を拭き取り、きれいにする

作業しやすいように、割れた屋根瓦を取り除きましょう。またテープがしっかり接着するように、背着部はホコリなどをきれいに拭き取ってください。

STEP
ひび割れをくっつけるように防水加工テープを貼る

ひび割れた部分をくっつけ、防水加工テープで接着させましょう。

STEP
完全に動かないように三重ほどテープ貼りをする

テープは剥がれたりズレたりする可能性があるので、三重貼りぐらいがおすすめ。すぐに動かないように、完全に固定しましょう。

STEP
下地を点検し穴などがないかチェックする

屋根瓦を差し込む前に、下地に割れや穴がないかをしっかりチェックしましょう。

STEP
屋根瓦を元通りに差し込み完了

屋根瓦を元の位置に差し込めば作業完了です。

数枚であれば短時間で終わる簡単な作業です。あくまでも応急処置として行う方法なので、早めに業者に本修理を依頼しましょう。

屋根瓦にパテを塗って補修する

屋根瓦のひび割れを修理する方法には、パテを塗って補修するやりかたがあります。屋根瓦の割れた部分にパテを塗ることで、ひび割れを止めたり、接着させることが可能です。

ただこの方法は、大工仕事に慣れている人以外は難しいかもしれません。防水加工テープを貼る方法よりも耐久性はありますが、いずれは再び割れてしまう可能性が高いでしょう。補修した部分が劣化してしまう前に、業者に依頼して修理してもらうようにしてください。

接着剤やコーキングで補修する

屋根瓦のひび割れは、接着材やコーキングで接着させることで応急処置も可能です。

屋根瓦専用の接着材は防水仕様になっており、本来は屋根瓦を固定するために使用します。コーキングはシーリングとも呼ばれ、本来は外壁の目地や継ぎ目などを埋めるために使用されるものです。

接着材やコーキングの素材を接着させる特長を生かし、ひび割れた屋根瓦を補修できます。ただし接着材やコーキングでの処置はあくまでも応急的なものと覚えておきましょう。

屋根瓦を交換する

もっとも確実でおすすめなのが、割れた屋根瓦を新しいものに交換する方法です。早い段階で新しい屋根瓦に交換すれば、屋根を長持ちさせることにもつながります。

なお、必ずしも既存と同じ屋根瓦が手配できるとはかぎりません。建物の築年数などによっては、既存の屋根瓦がすでに廃盤になっており、屋根瓦の加工が必要なケースもあります。

そのため、屋根瓦を交換する際には必ず専門業者に相談する癖をつけましょう。

>>屋根瓦の専門業者を探すなら

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屋根瓦にひび割れが発生する原因

屋根にひび割れが発生する原因には、主に以下のものがあります。

  • 屋根瓦の経年劣化
  • 飛来物が屋根にぶつかった
  • 冬の凍結によって屋根瓦が膨張して割れた

他にもひび割れが発生する原因はさまざまなものがありますが、主には上記で紹介したものです。以下でそれぞれの原因についてくわしく紹介するので、参考にしてください。

経年劣化

屋根瓦がひび割れる原因の一つが、経年劣化によるものです。ただし、屋根瓦の経年劣化というわけではありません。

屋根瓦自体は長期間の使用が可能で経年劣化は起こりにくくなっています。しかし屋根瓦を固定しているクギがサビることにより、ひび割れが起こることも。鉄のクギを使用しているのは築年数の古い家が多い傾向にあります。近年はステンレスのクギを使用することが多め。そのためサビは起こりにくく、屋根瓦の経年劣化も起こりにくくなっています。

飛来物による被害

屋根瓦のひび割れの原因の中で多いとされているのが、飛来物による被害です。屋根はむき出しの状態なので、台風などの強風の際、飛来物がぶつかることがあります。その際、屋根瓦にひびが入ったり割れてしまうことがあるのです。

また、近年では大粒の雹(ひょう)によって屋根瓦が割れる被害も報告されています。他にも、屋根に設置したテレビアンテナが倒れるなどして、ひび・割れの原因になる可能性があるでしょう。

凍結による屋根瓦の膨張

屋根瓦のひび割れは、寒さによる凍結が原因で起こることもあります。冬の寒い日に屋根瓦の中にたまった雨水などの水分が凍結して膨張し、ひび割れが起こってしまうのです。屋根瓦は基本的に耐久性があるので、一度の凍結でひび割れが起こるようなことはありません。

ただし何度も雨水を吸い、凍結することを繰り返すと、やがてひび割れが発生します。凍結を繰り返してひび割れた屋根瓦は中がボロボロになっている可能性も。その場合は接着などの補修ではなく屋根瓦の交換が必要です。

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屋根瓦のひび割れを放置するリスク

屋根瓦のひび割れを放置すると、以下のようなリスクが考えられます。

  • 雨漏りが発生する
  • ひび割れた屋根瓦が落下して住人や通行人がケガをする可能性がある

屋根瓦がひび割れを起こしたからといって、すぐに雨漏りが発生するわけではありません。しかしひび割れの部分から雨水などが入り込むと大変です。屋根瓦の下地の防水シートが劣化し、いずれは雨漏りが発生してしまう可能性が高いでしょう。

雨漏りは家屋全体の劣化にもつながり、他の部分にも影響が出てしまう可能性があります。そのため、雨漏りが発生する前に屋根瓦の補修を行うのがおすすめです。また、屋根瓦が割れたまま放置していると、落下して通行人や住人がケガをする可能性も。できるだけ早めの対処が必要です。

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屋根瓦のひび割れ修理における費用相場

屋根瓦のひび割れ修理の費用相場は、どの程度の修理をするかによって異なります。

被害の状況によっては、ひび割れた屋根瓦のみ修理する場合のほかにも、修理が広範囲にわたるケースも十分に考えられます。

そのため修理の際には、ひび割れの状況や屋根全体の劣化状況に合わせて、適切な修理方法を選択しましょう。

修理内容費用の目安
屋根瓦のひび割れ5〜20万円
屋根瓦の交換1〜5万円
雨漏り15〜45万円
しっくいの補修15〜45万円
下地(ルーフィング)の張り替え5〜30万円
屋根の葺き替え130〜250万円
屋根などの高所作業には足場の設置費用が必要

屋根などの高所作業の場合は、労働安全衛生法に従って足場の設置が必要です。そのため、上記の費用に足場の設置代などが加算されます。

屋根瓦のひび割れによって雨漏りが発生している場合は、大がかりな工事が必要になる場合もあります。雨漏りは放置しておくと、住宅の寿命を縮める可能性も。また室内にカビが発生して健康状態に影響するなどの問題が起こることもあります。屋根瓦のひび割れとともに雨漏りを発見したら、一緒に修理するのがおすすめです。

屋根の状態によっては、破損した場所だけを処置するよりも、屋根を葺き替えたほうが良い場合も。屋根の葺き替えを行う場合は、屋根材によって価格が異なります。業者としっかり相談して、希望に添った屋根材を選びましょう。

屋根瓦の修理には、火災保険が使える可能性もあります。

>>こちらの記事で火災保険についてくわしく解説しています

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屋根瓦のひび割れを予防する方法

屋根瓦のひび割れを予防するには、定期的に点検を行うのが有効です。

とはいえ、高所作業に慣れていない人や屋根瓦にくわしくない人が点検を行っても、あまり意味はありません。ケガをしたり、屋根瓦を踏んで割ってしまうなどのリスクもあります。

屋根修理の専門業者なら、無料で屋根の点検を行ってくれます。高所作業にも慣れているので、安心しておまかせできるのもメリット。ひび割れが起こっていない段階でも必要な処置を提案してくれるので、深刻な状態になる前に対処が可能です。

専門業者では、一般的に以下のような点検をしています。

  • 目視での劣化カ所の確認
  • 防水性能の確認
  • 塗装の状態の確認
  • 家屋の傾きや劣化・腐食などの確認

無料点検では、屋根瓦の状態だけではなく、総合的に状態を確認してもらえるので安心です。築年数がある程度たってそろそろ屋根瓦の劣化が心配だなと感じたら、専門業者の無料点検を活用しましょう。

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屋根瓦の修理業者の選び方

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屋根瓦の修理を依頼する業者は、以下のポイントで選ぶのがおすすめです。

  • 屋根の施工業者ではなく修理専門業者を選ぶ
  • アポなしで来る訪問販売の業者は避ける
  • HPや口コミを確認しておく
  • 複数業者から相見積もりを取る

屋根瓦の修理は、信頼できる業者を選ぶことが大切。少し面倒でも、妥協せずに納得のできる業者を選びましょう。以下で業者選びについてさらにくわしく解説するので、参考にしてください。

屋根の修理が専門の業者を選ぶ

屋根の修理の際には、屋根の施工業者よりも、屋根の修理専門業者を探すと良いでしょう。屋根瓦のひび割れをはじめ、屋根補修の実績が豊富な業者は腕も確かで信頼しやすいからです。

業者のHPなどを確認すれば、屋根の修理実績が紹介されています。実績に屋根瓦の修理が豊富に紹介されている業者は特におすすめ。屋根瓦の修理は長年の経験や実績が重要なので、修理実績が豊富な業者のほうが安心してまかせられます。

訪問販売の業者は避ける

突然訪問してきて屋根の点検などを提案するのが、よくある訪問販売の手口です。親切に見えますが、必要以上に修理した方が良いなどと申し出てくる場合も。無理に施工を受注しようとする場合は悪徳業者の可能性もあるため、断固断りましょう。

以下は、独立行政法人国民生活センター独立行政法人国民生活センターに寄せられた相談です。

独立行政法人国民生活センターに寄せられた相談

訪問販売によるリフォーム工事では、「契約をせかされて不要なリフォーム工事をした」などといった相談が寄せられています。

 また、点検に来たと言って来訪し「工事をしないと危険」などと言って商品やサービスを契約させる「点検商法」の相談が寄せられています。

引用:独立行政法人国民生活センター

独立行政法人国民生活センターのサイトによると、訪問販売・点検商法によるリフォーム相談は年々増加中。いずれも2023年には過去最高件数を記録しているので注意が必要です。

HPや口コミを参考にする

屋根瓦の修理業者を選ぶ際には、業者のHPや口コミも参考にしましょう。業者のHPをチェックする際には、以下の点にも注目してください。

  • 屋根瓦の施工事例が豊富に紹介されているか
  • 料金が明示されているか

優良な業者の場合、施工事例や料金について明示しているはずです。無料見積もりを誘導するだけで施工事例や料金についての説明がない業者は、選ばないほうが良いでしょう。

また、インターネット上の口コミも業者選びの参考になります。特に参考になるのは、屋根瓦の施行に関するもの・屋根瓦以外でも具体的な施工やサービスに言及している口コミです。

複数の業者に見積もりを依頼して選ぶ

屋根瓦修理の業者選びをする際には、いくつかの業者をピックアップして相見積もりを取るようにしましょう。以下のポイントに注目して選ぶのがおすすめです。

  • 見積もりの内容は具体的か
  • 料金の妥当性
  • 担当者の対応
  • 地元の業者か否か
  • 補助金や火災保険のサポートはしてもらえるか
  • 対応のはやさ

なお、料金が安いからといって良い業者とはかぎりません。広い視野をもち、総合的に業者を選ぶようにしましょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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