
リフォームの相続税評価額とは?計算方法や相続税対策を徹底解説
相続税対策のことを考えたとき、自宅のリフォームは選択肢のひとつになります。しかし、相続税がどのくらいかかるのかわからな…

住宅特定改修特別税額控除は、自宅をリフォームした際に利用できる所得税の減税制度です。ただし、工事の種類ごとに適用条件や控除額が異なるため、制度の仕組みを正しく理解する必要があります。この記事では、対象条件を工事別にわかりやすく解説します。

住宅特定改修特別税額控除とは、自己所有の居住用住宅に一定のバリアフリー・省エネ・多世帯同居・耐久性向上・子育て対応改修工事を行った場合に、その年分の所得税から一定額を控除できる制度です。住宅ローンを利用していなくても申請できます。耐震改修は「住宅耐震改修特別控除」という別の制度ですが、リフォーム促進税制の一つとしてあわせて案内されることがあります。
現行の制度では、2026年1月1日から2030年12月31日までに改修後の住宅へ入居した場合が対象です。控除額は、対象工事の標準的な工事費用相当額の10%に、限度額を超える部分や併せて行う一定の増改築等の費用の5%を加えて計算します。実際の支払額に一律10%を掛ける制度ではないため、工事ごとの要件と控除限度額を確認してください。

※ 参考:国土交通省「住宅をリフォームした場合に使える減税制度」
適用可否を判断するには、入居時期や所得、床面積、工事費など複数の要件を確認する必要があります。まずは、次の項目をチェックしてください。
【2026年以後の入居用】住宅特定改修特別税額控除チェックリスト

なお、バリアフリー改修では年齢などの要件、省エネ改修では窓の断熱改修、長期優良住宅化リフォームでは認定取得など、工事の種類ごとに追加条件があります。耐震改修は別の控除制度で要件が異なるため、同じチェックリストをそのまま当てはめないようにしましょう。
国や自治体の補助金と併用できる場合もありますが、税額控除の判定や計算では補助金等の額を差し引きます。2026年7月時点では住宅省エネ2026キャンペーンのリフォーム申請が受付中です。ただし、予算上限に達すると期限前でも受付を終了するため、登録事業者へ早めに相談しましょう。
※ 参考1:国土交通省「リフォーム促進税制」
※ 参考2:住宅省エネ2026キャンペーン

バリアフリー改修工事とは、高齢者や障害者の方などが安全に暮らせるよう、住宅内の移動や日常生活をしやすくする工事です。対象となる工事には、通路や出入口の拡張、階段勾配の緩和、浴室・トイレの改良、手すりの設置、段差の解消、滑りにくい床材への交換などが含まれます。

工事内容の例
適用条件
控除額

省エネ改修工事は、住宅の断熱性能やエネルギー効率を高めるリフォームです。この控除では、居室の窓の断熱改修が必須です。窓の改修と併せて床・天井・壁の断熱改修や一定の省エネ設備、太陽光発電設備を設置した場合も対象に含まれます。高効率給湯器への交換や太陽光発電設備の設置だけでは対象になりません。

工事内容の例
適用条件
控除額
控除の対象になるかは、メーカー名や商品名ではなく、製品性能と工事内容が要件を満たすかで判断されます。増改築等工事証明書で要件への適合を証明できることも必要です。
※ 参考1:国土交通省「リフォーム促進税制(省エネ)」
※ 参考2:国土交通省「証明書の様式」

多世帯同居改修工事とは、複数世帯が同居しやすい住宅にするため、キッチン・浴室・トイレ・玄関のいずれかを増設する工事です。改修後に、これら4種類のうち2種類以上がそれぞれ複数設置されている必要があります。親族の年齢や、実際に三世代が同居していること自体は、所得税の控除要件ではありません。

工事内容の例
適用条件
控除額

耐震改修工事は、地震に対する住宅の安全性を高めるための改修工事です。住宅特定改修特別税額控除とは別に「住宅耐震改修特別控除」が設けられており、基礎の補強、耐力壁の設置、屋根の軽量化、筋交いの設置など、現行の耐震基準に適合させる工事が対象となります。

工事内容の例
適用条件
住宅耐震改修特別控除の10%部分は、住宅の所有者であること、床面積、工事費50万円超、工事後6か月以内の入居を一律の要件としていません。ただし、5%部分も受ける場合は、自己所有や合計所得金額2,000万円以下などの追加要件があります。
控除額
※ 参考:国税庁「耐震改修工事をした場合」

長期優良住宅化リフォームは、住宅を長く良好な状態で使うための改修です。外壁の防水、床下の防湿、防蟻、小屋裏の換気など、耐久性を高める工事だけでは控除の対象になりません。耐震改修・省エネ改修のいずれかまたは両方と耐久性向上工事を併せて行い、増改築による長期優良住宅の認定を受ける必要があります。

工事内容の例
適用条件
控除額
※ 参考:国土交通省「リフォーム促進税制(長期優良住宅化)」

子育て対応改修工事は、子どもの事故防止や家事負担の軽減、防犯性の向上など、子育てしやすい住環境を整えるためのリフォームです。2024年に新設され、2026年以後も現行制度の対象として2030年12月31日まで延長されています。

工事内容の例
適用条件
控除額

住宅特定改修特別税額控除は、その年分の所得税から差し引く制度です。所得税額を超える控除額があっても、残額は翌年度の住民税へ振り替えられず、翌年へ繰り越すこともできません。住宅耐震改修特別控除も所得税の税額控除であり、控除しきれない額を翌年度の住民税へ振り替える仕組みはありません。
なお、一定の耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化リフォームには、所得税の控除とは別に翌年度の固定資産税が減額される制度があります。住宅ローン減税では所得税から控除しきれない額の一部を住民税から控除できる場合がありますが、住宅特定改修特別税額控除とは異なる制度です。
どちらが有利かは、対象工事の標準的な工事費用相当額、ローン残高、所得税額、控除期間などによって異なります。住宅特定改修特別税額控除は、ローンの有無にかかわらず、改修後に入居した年の所得税が控除対象です。一方、増改築の住宅ローン減税は、返済期間10年以上のローンで一定のリフォームを行った場合に、最大10年間、各年末のローン残高の0.7%が所得税などから控除されます。両制度の見込額を比較して選びましょう。

住宅特定改修特別税額控除と住宅ローン減税の併用について
増改築費用を対象に住宅ローン減税を受ける場合、バリアフリー・省エネ・多世帯同居・耐久性向上・子育て対応の住宅特定改修特別税額控除とは、原則として選択適用になります。住宅耐震改修特別控除は住宅ローン減税と併用できますが、同じ耐震改修について併用する場合は10%控除部分のみとなります。住宅の取得費用にかかる住宅ローン減税を受けている場合などは取扱いが異なるため、ローンの対象を確認しましょう。
※ 参考1:国土交通省「リフォーム支援制度まるわかりガイド」
※ 参考2:国土交通省「リフォーム促進税制のよくある質問」
控除を受けるには、工事内容を証明する書類を揃えて確定申告を行います。必要書類と申告の流れを順に確認しましょう。
住宅特定改修特別税額控除を受けるためには、確定申告書に計算明細書や工事内容を証明する書類を添付します。必要書類は工事の種類や申請者の状況によって異なりますが、主なものは以下のとおりです。
| 必要書類 | 備考 |
|---|---|
| 住宅耐震改修特別控除額・住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書 | 控除額を計算するための書類 |
| 増改築等工事証明書 | 建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、住宅瑕疵担保責任保険法人などへ発行を依頼する書類 |
| 登記事項証明書など | 所有者、床面積、建築年月日などを確認する書類。不動産番号の記載により添付を省略できる場合があります |
| 補助金等の額がわかる書類 | 補助金を受けた場合に、控除対象額から差し引く金額を確認するための書類 |
| 介護保険の被保険者証の写し | 要介護・要支援認定を理由にバリアフリー改修の控除を受ける場合などに必要 |
| 長期優良住宅の認定通知書の写しなど | 長期優良住宅化リフォームの場合に必要 |
| 住宅耐震改修証明書 | 自治体が証明する方法で耐震改修の控除を受ける場合に必要。増改築等工事証明書を使用する方法もあります |
工事請負契約書や領収書は工事費用を確認する重要な資料ですが、それだけで増改築等工事証明書の代わりになるわけではありません。
※ 参考1:国税庁「住宅関係の税額控除の明細書」
※ 参考2:国土交通省「証明書の様式」

※ 参考:国税庁「住宅関係の税額控除の明細書」
確定申告の期限までに手続きが必要
※ 参考:国税庁「所得税のしくみ」
原則として、改修工事の完了日から6か月以内に、その住宅で生活を始める必要があります。たとえば6月15日に工事が完了した場合、入居期限は同年12月15日です。住民票を移すだけではなく、実際の生活拠点として使用していることが求められます。工事の計画段階で、引き渡し日と入居日を確認しておきましょう。なお、住宅耐震改修特別控除の基本の10%部分には、この6か月要件は同じ形で適用されません。
※ 参考:国土交通省「リフォーム促進税制」
改修工事費のうち、2分の1以上が自己居住部分にかかる費用でなければなりません。たとえば、1階を自宅、2階を事務所として使う住宅で工事費が200万円の場合、自己居住部分である1階の工事費が100万円以上必要です。見積書や契約書で、工事内容と費用の内訳を確認してください。
控除額は実際の工事費用に一律10%を掛けるのではなく、増改築等工事証明書に記載された標準的な工事費用相当額と補助金等の額をもとに計算します。

計算明細書では、主に次の項目を確認します。
| 項目 | 対応すべき内容 |
|---|---|
| 住宅の所在地・床面積 | 改修工事を行った住宅の住所、床面積、居住用部分の割合などを記入 |
| 改修工事の種類 | バリアフリー、省エネ、多世帯同居、耐久性向上、子育て対応、耐震など、実施した工事を区分して記入 |
| 工事完了日・居住開始日 | 工事が完了した日と、改修後の住宅へ居住を開始した日を記入 |
| 標準的な工事費用相当額 | 工事の種類ごとに定められた単価と施工数量等をもとに、増改築等工事証明書へ記載された金額を使用 |
| 補助金等の額 | 国や自治体などから受けた補助金等を区分して記入 |
| A:10%控除の対象額 | 補助金等を差し引いた標準的な工事費用相当額について、工事種類ごとの控除対象限度額までを計上 |
| B:5%控除の対象額 | Aの限度額を超える部分や、併せて行う一定の増改築等の費用について、所定の比較計算と総額上限の範囲で計上 |
| 控除額 | 原則として「A×10%+B×5%」で計算し、それぞれ100円未満を切り捨てる |
複数の改修メニューを同時に行った場合は、工事の種類ごとに標準的な工事費用相当額を区分し、5%控除の対象額についても重複して計上しないようにします。確定申告書等作成コーナーを利用すると、入力内容に応じて計算明細書を作成できます。
※ 参考1:国土交通省「リフォーム支援制度まるわかりガイド」
※ 参考2:国税庁「住宅関係の税額控除の明細書」
外壁塗装だけでは、原則として住宅特定改修特別税額控除の対象になりません。遮熱塗料や断熱塗料を塗るだけの工事も、省エネ改修工事の対象外です。
ただし、対象となる耐震改修や断熱改修に必要な付随工事として外壁塗装を行い、その費用が増改築等工事証明書に対象工事として記載される場合は、控除額の計算に含められます。長期優良住宅化リフォームで外壁の防水性能を高める工事を行う場合も、塗装単独ではなく、耐震・省エネ改修との組み合わせや長期優良住宅の認定が必要です。


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