目次
既存住宅における断熱リフォーム支援事業とは
既存住宅における断熱リフォーム支援事業は、環境省が実施する断熱リフォーム向けの補助制度です。登録された断熱材・窓・ガラスなどを使って既存住宅の断熱性能を高める工事を対象に、費用の一部を補助します。改修方法は、住宅全体を対象とする「トータル断熱」と、居間の窓を中心に改修する「居間だけ断熱」の2つです。
| 主な対象住宅 | 人の居住に使う既存の戸建住宅・集合住宅 |
|---|---|
| 主な対象工事 | 登録された断熱材・窓・ガラスなどを使う断熱改修 |
| 改修方法 | トータル断熱・居間だけ断熱 |
| 補助率 | 補助対象経費の3分の1以内 |
| 補助上限 | 戸建住宅は120万円/戸、集合住宅は原則15万円/戸 |
| 申請方法 | 原則として申請者が交付申請し、交付決定後に契約・発注・着工する |
注意点
交付決定前に契約・発注・着工した工事は、原則として補助対象になりません。制度を利用する場合は、施工会社と工事内容や対象製品を確認し、契約前に交付申請を進める必要があります。
断熱リフォームに利用できる国の制度には、住宅省エネ2026キャンペーンもあります。対象工事や補助上限、申請者、着工できる時期が異なるため、次に両制度の違いを比較します。
「既存住宅の断熱リフォーム支援事業」と「住宅省エネ2026キャンペーン」の違い
両制度の詳細を確認する前に、まずは全体像を把握しましょう。

| 比較項目 | 既存住宅の断熱リフォーム支援事業 | 住宅省エネ2026キャンペーン |
|---|---|---|
| 主な対象工事 | 登録された断熱材・窓・ガラスを使う断熱改修。玄関ドアは所定の条件を満たす場合に対象 | みらいエコ住宅2026事業 開口部・躯体の断熱改修、特定エコ住宅設備など。 先進的窓リノベ2026事業 高断熱窓・ガラス・条件を満たすドアの改修 |
| 補助上限額 | 戸建住宅 120万円/戸(玄関ドア分5万円を含む) 集合住宅 15万円/戸(玄関ドアも改修する場合は20万円/戸) | みらいエコ住宅2026事業 40万・50万・80万・100万円/戸のいずれか 先進的窓リノベ2026事業 100万円/戸 |
| 申請方法 | 原則として申請者が交付申請し、交付決定後に契約・着工 | 登録事業者が申請し、補助金を発注者へ還元 |
| 2026年7月時点の主な期限 | 令和8年6月公募 2026年6月22日~8月21日17時 | 予約 遅くとも2026年11月16日 交付申請 遅くとも12月31日。いずれも予算到達で早期終了 |
| 向いているケース | 登録建材を使い、窓や躯体の断熱改修を事前申請で進めたい場合 | 高断熱窓の改修、または断熱改修と省エネ設備・子育て対応・バリアフリー改修などをまとめて行う場合 |
※ 参考1:既存住宅の断熱リフォーム支援事業 令和8年6月公募
※ 参考2:みらいエコ住宅2026事業 リフォーム
※ 参考3:先進的窓リノベ2026事業 事業概要
【1】既存住宅の断熱リフォーム支援事業
既存住宅の断熱リフォーム支援事業は、登録された高性能な断熱材・窓・ガラスなどを用いる改修を支援する環境省の補助事業です。補助額の算定では、財団の基準単価で算出した補助対象経費と、見積書の補助対象経費を比較します。そのうち低い金額に、3分の1以内の補助率を乗じます。
制度の特徴
- 原則として申請者が交付申請を行う
- 交付決定前の契約・発注・着工は補助対象外
- 財団の登録製品を採用する必要がある
- 補助額は単純な「工事費の3分の1」ではなく、基準単価と見積額を比較して算定する
※ 参考:令和8年6月公募要領(トータル断熱)
制度の概要
対象の工事(いずれかを選択)
- トータル断熱
登録された断熱材・窓・ガラスを組み合わせ、住宅区分ごとの要件を満たす断熱改修です。玄関ドアは、断熱材または窓・ガラスと同時に改修し、所定の要件を満たす場合に対象になります。 - 居間だけ断熱
居間にある、外気に接するすべての窓を登録製品で改修する方法です。要件を満たせば、ほかの居室の窓や、戸建住宅では所定の断熱材工事も補助対象に含められます。なお、ガラス交換は対象外です。

補助上限額
- 戸建住宅
120万円/戸(玄関ドア分5万円を含む) - 集合住宅
15万円/戸(玄関ドアも改修する場合は20万円/戸)
※ 参考1:トータル断熱 令和8年6月公募
※ 参考2:居間だけ断熱 令和8年6月公募要領
なお、エアコンの補助金を探している場合は、断熱材・窓・ガラスの改修とは対象枠が異なるため、最新の公募要領で設備補助の有無と要件を確認してください。

申請から入金までの流れ(事前申請)
2026年7月時点で、令和8年6月公募の受付期間は2026年6月22日から8月21日17時までです。ただし、住宅区分ごとの申請額が予算に達した時点で、期間内でも受付を終了します。

- 公募要領と対象製品を確認
住宅区分、改修方法、登録製品、必要書類を確認します。 - 交付申請
原則として申請者が、指定の方法で交付申請書類を提出します。 - 交付決定
審査後、交付決定通知を受け取ります。 - 契約・発注・着工
契約・発注・着工は、必ず交付決定通知日以降に行います。 - 完了実績報告
事業完了後30日以内、または2027年2月12日17時のいずれか早い日までに提出します。 - 補助金額の確定・入金
完了実績報告の審査後、補助金額が確定し、指定口座へ入金されます。
申請書類や対象製品の確認には時間がかかります。施工会社に見積書や製品証明書の準備を依頼し、契約前に交付申請を済ませましょう。
※ 参考1:トータル断熱 令和8年6月公募
※ 参考2:既存住宅の断熱リフォーム支援事業の公式サイト
交付決定前に契約・発注・着工すると補助対象外になるため、手続きの順序を施工会社と共有しておきましょう。
【2】住宅省エネ2026キャンペーン
国土交通省・経済産業省・環境省が連携する住宅省エネ2026キャンペーンは、4つの補助事業をまとめた名称です。断熱リフォームでは、主に「みらいエコ住宅2026事業」と「先進的窓リノベ2026事業」を活用できます。
制度の特徴
- 事前に登録された事業者が、発注者に代わって申請する
- 工事着手後は交付申請の予約が可能で、工事完了後に交付申請を行う
- 予約・交付申請は、期限前でも予算上限に達すると受付を終了する

断熱リフォームに活用できる事業と補助金額
断熱リフォームに活用しやすいのは、みらいエコ住宅2026事業と先進的窓リノベ2026事業の2つです。
みらいエコ住宅2026事業の補助上限
- 1991年(平成3年)以前に新築された住宅
義務基準に相当する要件化工事:上限100万円/戸
次世代省エネ基準に相当する要件化工事:上限50万円/戸 - 1992年(平成4年)から2016年(平成28年)までに新築された住宅
義務基準に相当する要件化工事:上限80万円/戸
次世代省エネ基準に相当する要件化工事:上限40万円/戸
先進的窓リノベ2026事業の補助上限
- 住宅:100万円/戸
みらいエコ住宅2026事業では、外皮に面する開口部がある1つの居室を「トリガールーム」と定めます。その部屋で、住宅の新築時期に応じた要件化工事を行います。義務基準に相当する工事は「開口部の断熱改修+躯体の断熱改修+特定エコ住宅設備」、次世代省エネ基準に相当する工事は「開口部の断熱改修+躯体の断熱改修」が基本です。要件を満たせば、住宅内の子育て対応改修やバリアフリー改修なども補助対象に含められます。
先進的窓リノベ2026事業は、登録された高断熱窓・ガラスの改修を支援する制度です。申請には、1件あたりの補助額が合計5万円以上になる必要があります。ドア交換は、窓工事と同一契約で同時に申請する場合のみ対象です。みらいエコ住宅2026事業と併用しても、同じ窓や工事を重複申請できません。先進的窓リノベ2026事業の要件を満たす開口部は、原則として同事業に申請します。
※ 参考1:みらいエコ住宅2026事業 リフォーム
※ 参考2:先進的窓リノベ2026事業 事業概要


申請から還元までの流れ
- 登録事業者と契約
みらいエコ住宅2026事業は「みらいエコ住宅事業者」、先進的窓リノベ2026事業は「窓リノベ事業者」と工事請負契約を結び、共同事業実施規約を取り交わします。 - 工事前写真を撮影し、着工
対象部位の工事前写真を残してから着工します。工事着手後は、登録事業者が交付申請の予約を行えます。 - 工事完了後に交付申請
工事が完了したら、登録事業者が必要書類をそろえて交付申請を行います。 - 補助金を発注者へ還元
補助金は登録事業者に交付され、契約代金への充当または現金支払いなど、事前に合意した方法で発注者へ還元されます。
2026年7月時点で、先進的窓リノベ2026事業の戸別申請は3月31日、みらいエコ住宅2026事業のリフォーム申請は6月30日に始まっています。予約期限は遅くとも11月16日、交付申請期限は遅くとも12月31日です。ただし、予算上限に達した時点で受付を終了します。
※ 参考1:みらいエコ住宅2026事業 申請手続き
※ 参考2:先進的窓リノベ2026事業 事業概要
【結局どっち?】あなたの状況に合った補助金の選び方

申請の手間が少ないのは?
原則として登録事業者が申請する、住宅省エネ2026キャンペーンです。
壁や床の断熱に、できるだけ多くの補助金が使えるのは?
補助額は、工事面積や断熱材の種類、住宅の新築時期、同時に行う工事によって変わるため、一概に比較できません。既存住宅の断熱リフォーム支援事業は基準単価と見積額をもとに算定し、みらいエコ住宅2026事業は断熱材の区分と使用量に応じた定額を合計します。両制度の要件と見積額を比べて選びましょう。
※ 参考1:既存住宅の断熱リフォーム支援事業 公募要領
※ 参考2:みらいエコ住宅2026事業 躯体の断熱改修
断熱改修とあわせて、バリアフリー改修や子育てしやすい環境にリフォームするなら?
住宅省エネ2026キャンペーンのみらいエコ住宅2026事業が候補です。要件を満たせば、バリアフリー改修や子育て対応改修も補助対象に含められます。
リビングの掃き出し窓にだけ内窓を設置するなら、どっちのほうが補助額が大きい?
どちらの制度も、掃き出し窓1か所だけで必ず対象になるわけではありません。先進的窓リノベ2026事業は、1件あたりの補助額が合計5万円以上になる必要があります。たとえば、戸建住宅のMサイズ・Sグレードの内窓は1か所3万4,000円のため、その工事だけでは申請下限に届きません。一方、既存住宅の断熱リフォーム支援事業の「居間だけ断熱」では、居間にある外気に接するすべての窓を改修します。リビング内の窓数と製品性能を確認し、補助額の合計を比較しましょう。
※ 参考1:先進的窓リノベ2026事業 内窓設置
※ 参考2:居間だけ断熱 公募要領
2つの制度の補助額を比較する方法
補助額は、製品の性能・サイズ・数量、断熱材の区分と使用量、住宅の建て方などで変わります。工事費だけを入れた概算表では正確に比較できないため、公式の算定方法に沿って確認しましょう。
【1】窓改修を比較する場合
たとえば、戸建住宅でMサイズ・Sグレードの内窓を2か所設置し、対象となる窓面積が合計4.0㎡だったとします。
- 先進的窓リノベ2026事業
34,000円/か所 × 2か所 = 68,000円
1申請5万円以上の条件を満たします。 - 既存住宅の断熱リフォーム支援事業
W5区分の基準単価3万円/㎡ × 4.0㎡ × 3分の1 = 40,000円
ただし、実際は基準単価で算出した対象経費と見積書の対象経費を比較し、低いほうを基礎に算定します。また、トータル断熱または居間だけ断熱の要件を満たす必要があります。

この条件では先進的窓リノベ2026事業の補助額が大きくなりますが、サイズ・性能・建て方・窓数が変われば結果も変わります。
※ 参考:先進的窓リノベ2026事業 内窓設置
【2】壁・床・天井の断熱改修を比較する場合
- 既存住宅の断熱リフォーム支援事業
改修面積と断熱材の区分ごとの基準単価から補助対象経費を算出し、見積書の対象経費と比較したうえで、3分の1以内を補助します。 - みらいエコ住宅2026事業
断熱材の熱伝導率区分と使用量に応じた定額を合計します。2026年の単価は、屋根・天井が1万3,000~4万4,000円/㎥、壁が1万4,000~4万4,000円/㎥、床が2万5,000~6万2,000円/㎥です。
断熱材の厚さや使用量、施工範囲によって補助額が変わるため、施工会社に対象製品の登録番号・区分・数量を確認し、両制度で試算してもらいましょう。
※ 参考1:みらいエコ住宅2026事業 躯体の断熱改修
※ 参考2:既存住宅の断熱リフォーム支援事業 公募要領
2つの制度に共通するルールと注意点
2つの制度を併用する場合のルールと、施工会社を選ぶ際の確認点を解説します。
【1】国の補助金同士の併用は原則NG
同じ工事に複数の国の補助制度を重ねて利用することはできません。ただし、工事箇所や対象製品・設備が異なれば、併用できる場合があります。住宅省エネ2026キャンペーンの構成事業は、同じ工事請負契約・工期でも利用できる場合があり、契約を分ける必要はありません。ただし、同じ窓・建材・設備を2事業に申請することはできません。既存住宅の断熱リフォーム支援事業とほかの国庫補助を組み合わせる場合は、補助対象経費を分けたうえで、申請前に各事務局へ確認しましょう。
※ 参考1:みらいエコ住宅2026事業 他の補助金との併用
※ 参考2:既存住宅の断熱リフォーム支援事業 公募要領
【2】地方自治体の補助金と併用できる可能性もある(東京都など)
地方公共団体の補助制度は、国費が充当されていないなどの条件を満たせば、国の補助金と併用できる場合があります。
東京都では、2026年度も「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」の一環として、「既存住宅における省エネ改修促進事業」を実施しています。2026年度は、事前申込を5月29日、交付申請兼実績報告を6月30日に開始しました。ただし、同じ経費への重複補助や、都・クール・ネット東京が実施する同種助成との併用には制限があります。国の制度と組み合わせる場合は、申請前に双方の最新要綱で対象経費と財源を確認しましょう。

※ 参考:東京都 既存住宅における省エネ改修促進事業(令和8年度)

【3】業者選びのポイントは制度によって違う
制度によって、施工会社に求める役割は異なります。既存住宅の断熱リフォーム支援事業では、原則として申請者が手続きを行います。登録製品の選定や、見積書・出荷証明書などの準備を支援できる会社を選びましょう。住宅省エネ2026キャンペーンは、みらいエコ住宅2026事業では「みらいエコ住宅事業者」、先進的窓リノベ2026事業では「窓リノベ事業者」として登録された施工会社が申請します。利用する事業への登録状況と申請実績を、契約前に確認してください。
【Q&A】断熱リフォーム補助金に関するよくある質問
予算がなくなったらどうなりますか?申請はいつまで?
いずれの制度も、予算上限に達した場合は予定より早く受付を終了します。2026年7月22日時点の主な期限は次のとおりです。
| 補助金制度 | 2026年の主な申請期間 |
|---|---|
| 既存住宅の断熱リフォーム支援事業 | 令和8年6月公募 2026年6月22日~8月21日17時。住宅区分ごとの予算到達で早期終了 |
| みらいエコ住宅2026事業(リフォーム) | 交付申請は2026年6月30日開始。予約は遅くとも11月16日、交付申請は遅くとも12月31日まで |
| 先進的窓リノベ2026事業(住宅・戸別) | 交付申請・予約は2026年3月31日開始。予約は遅くとも11月16日、交付申請は遅くとも12月31日まで |
締切日だけでなく予算の消化状況も確認し、対象製品と必要書類がそろい次第、早めに手続きを進めましょう。
※ 参考1:既存住宅の断熱リフォーム支援事業 最新公募
※ 参考2:みらいエコ住宅2026事業 リフォーム
※ 参考3:先進的窓リノベ2026事業 事業概要
私の家は補助金の対象になりますか?
住宅と申請者の要件は、制度ごとに異なります。
既存住宅の断熱リフォーム支援事業は、人の居住に使う既存住宅が対象です。住宅区分に応じて、所有者・居住者・管理組合などの申請要件が定められています。新築住宅や、店舗・事務所など住宅以外の建物は対象外です。みらいエコ住宅2026事業は、原則として2016年12月31日以前に新築された住宅が対象です。2017年以降に新築された住宅でも、1999年基準を満たさないことを証明できれば対象になる場合があります。先進的窓リノベ2026事業は、既存住宅の開口部改修が対象です。ただし、過年度の先進的窓リノベ事業で補助を受けた同じ開口部などは対象外です。
築年、登記上の用途、所有・居住関係、過去の補助実績を確認し、登録事業者へ相談しましょう。
※ 参考1:みらいエコ住宅2026事業 対象要件
※ 参考2:先進的窓リノベ2026事業 事業概要
※ 参考3:既存住宅の断熱リフォーム支援事業 公募要領
【まとめ】自分に合う補助金制度で断熱リフォームをしよう
断熱リフォームで比較される主な国の支援ルートには、既存住宅の断熱リフォーム支援事業と、住宅省エネ2026キャンペーンがあります。住宅省エネ2026キャンペーンは4事業の総称で、断熱改修では主にみらいエコ住宅2026事業と先進的窓リノベ2026事業を活用します。
押さえておきたいポイント
- 申請者・申請時期・対象工事を比べて制度を選ぶ
- 同じ工事でも、制度によって補助額が異なる
- 工事箇所や対象経費を分ければ、併用できる場合がある
- 予算上限に達すると受付を終了するため、早めに準備する
断熱リフォームは、冷暖房費の削減や室内の快適性向上につながります。費用負担を抑えるには、工事内容に合う補助制度を選び、申請時期や対象製品を早めに確認することが重要です。制度選びに迷ったら、両制度の申請実績がある施工会社へ相談しましょう。ハピすむでは、補助制度に詳しいリフォーム会社を紹介しています。まずは無料相談・無料見積もりをご利用ください。






