トイレの位置を変える移動リフォームにかかる費用の相場は?

トイレ本体・便座の交換よりも費用は10万円〜20万円ほど高くなりますが、トイレの移動リフォームは可能です。
この記事では、交換よりもトイレの位置を変えるリフォームが必要なケースを紹介していきますので、自分である程度はリフォーム内容を判断・検討することができます。合わせて、トイレの位置を変える際の費用相場や排水芯・止水栓の移動費用なども紹介していきますので「トイレの位置を変えたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

2025年12月17日更新

監修記事
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トイレ移動のリフォーム費用相場は?

トイレ本体のメーカー・商品、移動距離などによって費用は変動しますが、40〜60万円が相場です。給排水管など大掛かりな工事が必要となるので、工期目安は2日〜5日となります。

トイレ移動リフォーム費用の内訳
  • トイレ本体:10万円〜
  • 既存トイレ撤去:3万円〜
  • 取付作業(新規トイレ):3万円〜
  • 電気配線:2万円〜
  • 換気扇:1万円〜
  • 給排水管設置:15万円〜
  • 内装工事(壁や床):10万円〜

 合計:44万円~

トイレットペーパーや掃除用具を収納するキャビネット・棚を設置する場合は、上記の価格に4〜15万円追加となります。

また「床をはがしたら下地が腐っていた」など、工事開始後に追加の補修費がかかる場合もあるので、現地調査や見積もりの際に目安の金額を聞いておくのがおすすめです。

トイレの移動リフォームが相場より高くなるケース

1階から2階などフロア間で移動する

トイレ本体のほかに手洗いも移動する

新規で給排水や電気配線工事を行う

1階から2階などフロア間で移動する場合は、移動距離が長くなるだけでなく、床以外に壁や天井にも配管工事を行う必要があり、20万円以上費用が高くなるケースもあるので注意が必要です。
また、トイレ本体のほかに手洗いも移動する場合や、移動先で給排水や電気配線工事が必要な場合も同様に費用が高くなるので、予算と見積もり金額を照らし合わせて検討することが大切です。

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トイレの移動リフォームはどういうケースで必要?

トイレの移動リフォームにともない、既存の便器やタンク、給湯器、洗面ボウルなどの設備が取り外され、室内のフローリング上に置かれている様子。配管の組み換えや間取りの変更が必要な大規模なリフォーム現場の状況を示す写真。

トイレ本体・便座の交換のみのリフォームよりも約10〜20万円ほど費用が高くなる移動リフォームですが、以下のようなケースでは移動リフォームを検討するのがおすすめです。

移動する場所などのプランニングを、リフォーム会社と進めていきましょう。

CASE
トイレまでの移動が負担になっている

介護が必要な状態であったり、足腰に不安があったりすると、トイレまでの移動が負担になります。トイレは1日に何度も使用する場所であり、生活の質に直接影響があるため、住宅の中での位置が重要です。

例えば、介護が必要な家族の寝室の近くにトイレを移動したり、洗面所やお風呂の隣に移動したりと、気兼ねなくトイレへ行ける場所に設置すると、サポートする側の方も安心できます。

トイレまでの動線に手すりを設置するなど、移動工事のほかにもプラスアルファで工事を行い、家族全員が負担なくトイレを使用できるようにプランニングをしましょう。

CASE
使用時の音や臭いが気になる

寝室の近くや普段過ごしているリビング・ダイニングなどの近くにトイレがあると、使用時の音や臭いが気になってしまう場合があります。

  • 夜中にトイレを使うと家族を起こしてしまう
  • トイレの臭いがリビングまで届いてしまう

など、トイレの位置によっては、家族に気を遣ったり、自分が不快な思いをしたりすることがあるため、既存のトイレ位置で対策が難しい場合は移動リフォームが必要です。

昨今では、自動脱臭機能がついているなど性能が上がっているので、本体を交換するだけで改善できる可能性もあります。移動リフォームと本体交換のどちらもプランニングしてもらった上で、メリット・デメリットを比べて検討しましょう。

CASE
既存のトイレでは来客に気を遣わせてしまう

玄関からトイレが見える位置にあったり、来客対応するリビングや和室の近くにあったりすると、来客に気を遣わせてしまう場合があります。

また、来客がトイレを使用する場合、家族が過ごしているリビングや寝室の脇を通らなければいけないと「ゆっくりお過ごしのところ申し訳ない」と萎縮してしまう場面もあるため、来客が多い家ではトイレ位置が重要です。

100%来客に合わせたトイレ位置にする必要はありませんが、来客があった際に家で過ごす家族も、来客側も気を遣わないような位置にすると、ストレスなく対応できます。

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排水芯とは?移動が必要なケースや費用相場を紹介

「排水芯(はいすいしん)」とは、トイレの後ろの壁から排水口までの距離のことです。

昨今では20cm(200mm)で施工されているのが一般的で、トイレ本体も排水芯20cm(200mm)に対応できるような商品が販売されています。

トイレの設置後に排水芯が見えることはなく「トイレ設置工事の際にチェックが必要な部分」なので、日常的に気にする必要はない箇所です。

排水芯の移動が必要なケース

主に「設置したいトイレ本体と既存の排水芯が合わない場合」に、排水芯の移動が必要です。
昨今では20cmで施工されていますが、1990年代前半までは排水芯の距離が様々で、50cm以上で施工されている場合もあります。そのため、対応できる排水芯が限られているトイレを選ぶ場合、排水芯の移動が必要です。

様々な排水芯に対応できる商品もある

LIXILなど各トイレメーカーでは、さまざまな排水芯に対応できる商品・部材が販売されています。
例えば、LIXILのタンクレストイレ「サティスS」は排水芯20cm〜58cmまで対応できるほか、短い12cmまで対応可能です。そのため、排水芯が20cmでなくとも、最新のトイレに排水芯の移動工事なしで交換できる場合もあります。

排水芯の移動にかかる費用相場
  • 移動費用:3万円〜
  • 補修工事:2万円~
    ※ 必要な場合のみ

既存の排水芯を移動する場合は、3万円〜が費用相場となります。
排水芯を移動する際に、配管や繋ぎ目の部材などが劣化していた場合は別途補修工事が必要です。
補修工事が必要な場合は、移動費用のほかに2万円〜の費用がかかります。

排水芯の確認方法

トイレ本体に貼られているシールや、工事の際に受け取った取扱説明書などで、便器の品番を確認しましょう。また【メーカー名 便器の品番 排水芯】と検索すると、排水芯を確認できます。

メーカーや商品によってはWebに掲載されていない場合もありますが、リフォーム会社への見積もりの際に品番を伝えておくと、リフォーム会社の方で確認できる可能性が高くなります。排水芯を見積もり時に確認できていると、より詳細な見積費用が出せるので、プランニングもスムーズに進みます。

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止水栓とは?移動が必要なケースと費用相場を紹介

トイレの床から立ち上がっている給水用の止水栓のクローズアップ。金属製の配管にマイナス溝の付いた止水栓(アングル形)が備わっており、そこからトイレ本体へと繋がる白い給水ホースとアース線が伸びている様子。木目調のフローリングと接する配管の根元には、銀色の化粧カバーが取り付けられている。

「止水栓(しすいせん)」は、給水管からの水の流れを止めたり調整したりする役割がある部材です。キッチンや洗面台など、ほかの水まわり設備にもついています。

一般的に、トイレの止水栓は便器に向かって左側についています。日常生活の中では開閉をする場面はありませんが、水漏れなどのトラブルが発生した際に、給水を止める手段として開閉を行う部材です。

止水栓の移動が必要なケース
  • 給水ホースの納まりが悪い
  • ホースが長く掃除がしづらい
  • 便器の真裏に止水栓がある

止水栓が便器よりも高い位置にあったり、トイレに向かって右側についていたりすると、通常よりも給水ホースが長くなり、納まりが悪くなります。
「ごちゃごちゃしている」と感じるほど納まりが悪いと、水漏れのリスクも高くなるため、リフォームの際に移動するのがおすすめです。
また、トイレ本体を手前にずらせば、真裏に止水栓があっても設置できますが、選ぶトイレや排水芯の位置によっては設置が難しい場合もあります。

止水栓の移動にかかる費用相場
  • 移動費用:2万円〜
  • 補修工事:2万円~
    ※ 必要な場合のみ

給水方式によって、壁・床のどちらかを部分的に解体する必要があるため、移動費用は2万円〜となります。
また、凍結防止のための断熱材を給水管に巻いたり、配管部材の劣化により補修が必要であったりする場合は、別途費用が必要です。
作業内容や既存状況などによりますが、補修工事についても2万円〜が費用相場となっています。

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マンションでもトイレの移動リフォームは可能?

マンションのトイレリフォーム現場の様子。既存の便器が取り外され、コンクリートの床(スラブ)に直接設置された給水管や止水栓、コンセントが露出している状態。床面はグレーのクッションフロアで、横にはトイレットペーパーをストックするワイヤーラックが置かれている。マンション特有の配管制約を確認しながら進める移動リフォームの検討事例。

給排水管やマンションの構造・間取りなどに問題がなければリフォームは可能ですが、以下のような場合はトイレ移動ができません。

物件ごとに条件は異なるため、本格的にトイレ移動リフォームを検討する前に確認しましょう。

CASE
排水勾配が確保できない

マンションでは、各世帯のトイレからの排水管が集められ、地上の排水管へとつながっているため、排水管の位置を戸建てのようにきく動かすことができません。また、排水がうまく流れていくように一定以上の勾配(傾き)を確保する必要があるため、移動する場所も限られています。

排水管を移動できる場所であっても勾配が確保できなければトイレ移動は難しいため、既存の位置でのリフォームなど、他の案を検討しましょう。

CASE
トイレ移動により水漏れリスクが高い直床である

マンションの床構造が「直床(じかゆか)」といわれる構造であれば、水漏れリスクが高いため、トイレ移動は難しいです。

直床(じかゆか)

マンションの構造をつくっているコンクリートスラブの上に、床材を直で施工している構造のこと

二重床(にじゅうゆか)

コンクリートスラブと床材の間に隙間がある床構造のこと

二重床であれば、隙間部分に配管が通せるので水漏れを防げますが、直床の場合は床を上げるなどして構造を変更する工事なしでは水漏れリスクが高いです。マンションの床構造については専門的な話となるので、リフォーム会社などに相談して確認しましょう。

CASE
マンションの管理規約でトイレ移動が禁止されている

マンションの管理規約で、トイレ移動など水回りのリフォームが禁止されている物件も多く、禁止事項に含まれている場合は移動できません。
「リフォーム会社と相談して、見積もりまで出してもらったのに」など、後々気づいて失敗しないよう、リフォーム会社に相談する前に管理規約を確認したり、管理会社や大家へ相談したりするのがおすすめです。

物件のリフォームに関する記載は、契約書など契約時にもらった資料の中に含まれています。物件ごとに管理規約や禁止されているリフォーム内容は異なるため、お住まいの物件の決まりを確認してみましょう。

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トイレの移動リフォームのDIYは可能なのか

配管やトイレ本体など必要な部材を自分で購入すれば、DIYは可能です。しかし、リフォーム後にトラブルが発生する可能性が高いためおすすめできません。
たとえ自己所有である戸建て住宅でも、建物の気密性・断熱性、構造の耐久性などを損ねてしまうおそれもあります。

水漏れや下水臭のトラブルに注意

トイレの移動先に給排水管が設置されていない場合、自分で配管工事をしなければなりません。しかし、適切に施工しないと水漏れの発生や下水臭が上がってくるといったトラブルにつながる可能性が高くなります。水漏れが発生すると、床材などの内装材の張り替えが必要になるなど、追加で費用がかかります。

また、水漏れに気づかないでいると、高額な水道料金の請求が来たり、床を支える構造部の木材が腐食したりと、大きなトラブルに発展する可能性もあるので、トイレの移動リフォームはリフォーム会社に相談するのがおすすめです。

DIY後の工事は費用が割高になる可能性大

配管やトイレ設置工事などをDIYで行ってみたものの、水漏れなどのトラブルが起きて断念した場合、リフォーム会社などの専門業者に補修や手直しを依頼することになります。

この場合、不適切な箇所を補修・手直しする作業から始まるため、ゼロの状態から依頼するよりも費用が割高になる可能性が高いです。また、ゼロの状態から依頼するよりも納まりが悪くなってしまうなど、綺麗な仕上がりにならない場合もあります。

「少しでも安く済ませたい」と思って始めたDIYが、逆に費用がかさんでしまう事態を招きかねないので、専門的な知識・技術のある会社に相談しましょう。

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トイレを移動するリフォームの施工例

施工例
従来と同じ場所の2階部分にトイレを移動

今まで1階にあった約1畳のトイレを同じ場所の2階部分に移動した場合、かかる費用・価格の内訳は以下の通りです。

トイレ本体7万円〜
(※1)
内装工事4万円〜
埋め込み式キャビネット7万円〜
(※2)
トイレの設置
給排水管
排気用ダクト
電気配線等の工事
20万円〜
合計39万円〜
(※3)
※1:タンク内蔵の場合は18万円〜 ※2:タンク内蔵の場合は18万円〜 ※3:廃材処分代別途

使用するトイレの種類によって価格は変動しますが、この事例のようにフロアをまたぐ工事の場合は39万円〜の費用がかかります。

施工例
2台あったトイレを1台へ
一戸建てのトイレリフォーム前の様子。同じ空間内に、男性用の小便器(左)と、手洗いタンク付きの洋式トイレ(奥)が並んで設置されている。壁面は白いタイル貼りで、窓際や棚には掃除用具などが置かれており、複数の設備が並ぶことでやや手狭な印象の内装状態。
before
リフォーム後の施工事例。小便器を撤去し、LIXILのタンクレストイレ「サティスG」を設置。トイレ本体の位置を奥へ移動したことで、左側の壁面に手洗い器付きの木目調ロングカウンター収納を新設。壁紙は上品な花柄のクロスに貼り替えられ、広々とした機能的で清潔感のあるトイレ空間。
after

施工会社:株式会社テンイチ

リフォーム費用135万円
工期6日
建物戸建て
施工箇所トイレ
洗面所
商品名
(メーカー)
サティスG
(LIXIL)

既存のトイレは、小便器とタンク付きトイレがありましたが、小便器を撤去し、新しくLIXILのサティスGを設置しました。
同じ空間内ではありますが、トイレの位置を移動したことで手洗いの追加も可能となり、使いやすさが大幅に向上しています。

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【Q&A】トイレの移動リフォームに関するよくある質問

トイレ移動にかかる費用を安くする方法はある?

トイレ移動によって省エネ基準を満たすトイレ本体に交換するなど、国や自治体の補助金制度の要件を満たす場合は、補助金の活用も可能です。

トイレの移動リフォームは介護保険の住宅改修に含まれる?

介護が必要な家族がいる場合、介護保険における「住宅改修」の内容として認められれば、介護保険を利用できます。ケアマネージャーなど、専門家と相談しながら、プランニングや申請手続きを進めましょう。

リフォーム期間中は普段通りに生活できる?

トイレ移動リフォーム期間中は、排水・給水工事が完了するまで仮設トイレを利用しての生活となります。工期目安である2〜5日間は通常通りの生活は難しいので、事前にスケジュール等を確認しましょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】久田麻里子

マザーハウス 石田工務店

久田麻里子

2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。

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