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2022年09月26日更新

監修記事

FRP防水とは?塗装費用やメリット・デメリット、メンテナンス時期を解説

様々な用途で使われているFRPの防水塗装には数多くの特徴があります。FRP防水とはいったいどのような防水工法なのでしょうか?FRP防水の工法や、塗装単価、メリット・デメリット、塗装工程、メンテナンス時期などについて詳しく解説します。

防水工事の一つに、FRP防水があります。FRP防水には数多くの優れた特徴があり、住宅のベランダやバルコニー、ビルの屋上やショッピングモールの屋上駐車場などによく使われています。

そんなFRP防水ですが、いったいどのような防水塗装なのでしょうか?FRP防水の工法や、塗装単価、メリット・デメリット、そしてメンテナンス時期や塗装業者の選び方などについて解説します。

FRP防水とは?


FRP防水とは、ガラス繊維のマットと液状の不飽和ポリエステル樹脂を重ねることでつくられた防水層に、トップコートと呼ばれる紫外線や雨風などから防水層を守る保護仕上げ材を塗った防水工法のことです。

ガラス繊維とポリエステルという素材の性質上、非常に軽量にもかかわらず高い気密性や防水性、耐久性、耐摩耗性があります。

日本では、1980年頃から各メーカーが防水用ポリエステル樹脂の開発に積極的に取り組んだこともあり、1990年代以降に多く施工されてきた防水工法です。

FRPは何に使われている?

FRPは「Fiber Reinforced Plastics」の略称で、日本語では「繊維強化プラスチック」を意味します。

ガラス繊維とプラスチックを組み合わせることで、プラスチック単体よりも耐水性や強度に優れています。

FRPはその特徴から、住宅の浴槽やユニットバス、自動車や鉄道車両の内外装、プールや浄化槽など日常の様々な場面で使われている素材です。

FRP防水のメリット

様々な場面で使われているFRP防水ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか?

わかりやすく順に解説していきます。

防水性が高い

FRP防水の最大のメリットは、防水性が非常に高い点です。

FRP防水は、ガラス繊維のマット上にポリエステル樹脂を重ねるので、防水層に継ぎ目ができません。

そのため、気密性にも優れており、水が浸入しにくい構造になっています。

その高い防水性から、水を貯蔵する浴槽や浄化槽などにも使われているのです。

仕上がりが丈夫で衝撃や摩耗に強い

繊維強化プラスチックであるFRPは、衝撃や摩耗に非常に強い性質があります。

FRP防水面上に重いものを置いたり、人や自動車が通行したりしても耐えられる強度があることから、バルコニーやショッピングモールの屋上駐車場などに使われています。

塗料が軽い

FRP防水は1平方メートルあたり約3kg〜約5kgと非常に軽く、どんな場所にでも施工がしやすい防水工法です。

塗料が軽いと建物の構造への負荷が軽減され、建物の安全性も向上します。

そのため、木造で築年数の古い住宅のベランダなどにも数多く施工されてきました。

工期が短い

FRP防水は、約1日〜約2日で施工が可能です。

重ね塗りをしても、塗装が硬化するまでの時間が他の防水工法よりも非常に早く、時間と手間がかかりません。

工期が短いため、施工の際に天候不順の影響を受けにくく、品質の安定へとつながるだけでなく、工事の負担が軽減されます。

FRP防水のデメリット

FRP防水のメリットをご紹介しましたが、ここではFRP防水のデメリットについて詳しくご紹介します。

費用がやや高い

FRP防水にはたくさんの優れた特徴がある一方で、他の防水工法よりも費用がやや高い傾向にあります。

ウレタン防水やシート防水よりも約2倍の費用がかかる場合もありますので、事前に施工業者に費用を確認しておきましょう。

施工の難しい箇所がある

FRP防水は伸縮性が低いため、木造の広いバルコニーなどへの施工にはあまり適さないかもしれません。

木材は外気の影響で伸縮するので、広いバルコニーでは変形量が多くなり、ひび割れが発生しやすくなります。

目安として、木造住宅において10平方メートルよりも面積が広いバルコニーには極力使用しない方が望ましいでしょう。

鉄骨造やコンクリート造などは変形量が少ないので、FRP防水は適しています。

FRP防水の塗装費用と工期

FRP防水の塗装単価は、1平方メートルあたり約4,000円〜約9,000円程度かかり、他の防水工法よりも少し高い傾向にあります。

一般的な一戸建ての場合、ベランダの面積を10平方メートルとすると、総額で約1万円〜約2万円程度高くなるでしょう。

しかし、約1日〜約2日と比較的短い工期で施工が可能なのは、FRP防水の大きな特長です。

ちなみに雨天時の工事は、仕上がり品質に影響が出るので避けた方が良いでしょう。

防水塗装は、実際の塗装面の場所や劣化状態によって、費用や工期に多少違いが出る場合があります。

塗装業者に見積もりの内容や工期などを事前に確認しておくことをおすすめします。

FRP防水の耐用年数とメンテナンス時期とは?

FRP防水の耐用年数は、建物の立地条件や環境にもよりますが、約10年〜約15年が目安です。

防水性能が劣化してしまうと、防水層の表面にひびが入ったり塗装が剥がれたりしてしまい、雨漏りの原因になってしまいますので、そうなる前にメンテナンスをしておきましょう。

メンテナンスの方法として、防水層の表面に施しているトップコートを5年程度で塗り替えることが望ましいです。

FRP防水の表面は紫外線や雨風などの影響により経年劣化します。トップコートを5年を目安に塗り替えることで、FRP防水の寿命が延長されます。

FRP防水とその他の防水塗装の比較

FRP防水の他にも、ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水などの防水塗装があります。

それぞれの防水塗装にどのような特徴があるのか、表でまとめました。

FRP防水の特徴

防水工法FRP防水
メリット・軽量
・高強度
・高防水性
デメリット・費用が高い
・施工の難しい箇所がある
塗装ができない場所木造の広いバルコニー
塗装場所の例一戸建ての屋上やベランダ
塗装単価の目安
(1平方メートルあたり)
約4,000円〜約9,000円
塗装工期の目安約1日〜約3日

ウレタン防水の特徴

防水工法ウレタン防水
メリット・複雑な形状でも施工可能
・重ね塗りが可能
デメリット高い施工技術が必要
塗装ができない場所特になし
塗装場所の例一戸建ての屋上やベランダ
塗装単価の目安
(1平方メートルあたり)
約3,000円〜約8,000円
塗装工期の目安約3日〜約7日

シート防水の特徴

防水工法シート防水
メリット・広い面積でも一度に施工が可能
デメリット・施工の難しい箇所がある
・高い施工技術が必要
・工事中に振動音が発生しやすい
塗装ができない場所・形が複雑な場所
・凹凸がある場所
塗装場所の例アパートやマンションの共用部
塗装単価の目安
(1平方メートルあたり)
約3,000円〜約8,000円
塗装工期の目安約3日〜約7日

アスファルト防水の特徴

防水工法アスファルト防水
メリット・高耐久性
・高耐荷重性
・施工実績が豊富
デメリット・高い施工技術が必要
・熱を使った作業のため火災の危険がある
塗装ができない場所重量に耐えられない場所
塗装場所の例ビルやマンションなどの大型建築物
塗装単価の目安
(1平方メートルあたり)
約6,000円〜約8,000円
塗装工期の目安約3日〜約7日

このように、各防水工法には様々な特徴があります。

なお、塗装単価や塗装工期は、あくまで目安となりますのでご留意ください。

施工する場所によって適した防水工法が異なるので、不安な方は塗装業者に確認しておきましょう。

FRPの防水の塗装工程


FRPの防水工事は、具体的にどのような工程で進めるのでしょうか?

実際の流れを順番に解説していきます。

塗装箇所の洗浄

まずは、防水塗装をする床面や立ち上がり部分の下地の洗浄をします。

汚れが付着した状態で施工してしまうと、仕上がりに大きな悪影響を与えかねません。

念入りに洗浄することが、きれいな仕上がりにつながります。

リフォームなどですでに防水層がある場合は、洗浄の前に撤去作業をする必要があります。

下塗り材(プライマー)の塗布

洗浄後、接着剤となる下塗り材(プライマー)を塗布します。

均一にムラなく塗布することが、下地と防水層の密着性を高めるポイントです。

FRPシートを塗装箇所に敷く

下塗り材の塗布が終われば、FRPシートを塗装箇所に敷いていきます。

FRPシートを敷く際は、脱泡ローラーを使ってシート内の気泡を取り除くことが大切です。

気泡が残ってしまうと、防水層の浮きが発生する原因となりますので、注意が必要です。

ポリエステル樹脂を塗布して硬化させる

FRPシートの上にポリエステル樹脂と硬化剤を混ぜて塗布します。

重ね塗り作業

防水層を形成するために、FRPシートを敷いてポリエステル樹脂を塗布する工程を2、3回繰り返して層を作ります。

これは、FRP防水が2層以上で十分な性能を発揮するためです。

手間はかかりますが、ポリエステル樹脂の硬化スピードはとても速いので、工期が長くなることはありません。

重ね塗り作業が完了したら、研磨機を使って表面を研磨して、きれいに磨き上げます。

トップコート(表面の保護塗料)を塗る

最後に、防水層を紫外線から守るため、トップコートと呼ばれる保護塗料を塗布して防水面を強化し完成となります。

FRPシートは紫外線に弱いので、保護塗料が必要です。

施工後も、約5年〜約7年を目安にトップコートを塗り替えるようにしましょう。

そうすることでFRP防水の耐用年数が長くなります。

FRP防水の経年劣化の見分け方

FRP防水は耐久性が高いですが、外気にさらされているため、雨風や紫外線などにより日々劣化していきます。

劣化に気づかず放置してしまった場合、漏水や雨漏りを引き起こします。木造住宅の場合は、木材などの構造部の腐食へとつながりかねません。

そうならないためにも、劣化の兆候や補修のタイミングを見逃さないことが重要です。

FRP防水の経年劣化の見分け方について、詳しくご紹介します。

表面にひびが入っている

FRP防水の表面にひびや亀裂が入っている場合は経年劣化を疑いましょう。

FRP防水は伸縮性が低く、木造住宅では木材の伸縮や地震によって歪みが生じてひび割れてしまうことがあります。

ひびが入らないように、定期的にメンテナンスをすることが重要です。

トップコートは約5年を目安に塗り替えをしましょう。

塗装に剥がれ・浮きがある

FRP防水の表面にはトップコートという保護塗料が塗布されており、FRP防水を保護しています。

このトップコートが剥がれてしまうと、FRP防水層が損傷するおそれがあり、補修しなければ雨漏りの被害につながる可能性があります。

防水層の表面の状態は日頃からチェックしておくようにしましょう。

雨漏りが発生している

雨漏りが発生している場合は、外壁や屋根、ベランダなど雨漏りの原因と考えられる箇所を調査して、水の浸入経路を突き止める必要があります。

FRP防水のベランダの近くから雨漏りが発生している場合は、FRP防水の劣化が原因である可能性が高いです。

構造部分が腐食していると、大規模な改修工事が必要となる場合もあります。業者に依頼するなどして早急に原因を突き止め補修するようにしましょう。

FRP防水の塗装が向いているケース

ここでは、FRP防水の塗装が向いているケースをご紹介します。

重いものを置く場所

FRP防水は頑丈な防水層を形成するため、耐久性に優れているのが特長です。

そのため、ベランダやバルコニーなど重いものを置く場所の防水には、FRP防水が向いています。

また、FRP防水は、重いものを置いても腐食や錆びなどが発生しにくい点にも優れています。

人がよく出入りする場所

FRP防水には自動車の通行でも耐えられる高い耐摩耗性があります。そのため、人が頻繁に出入りするような表面が摩耗しやすい場所にも向いています。

しかし、人がよく出入りする場所のFRP防水が損傷してしまうと、早期に劣化する可能性があります。定期的な点検とメンテナンスは怠らないようにしましょう。

工期を短く抑えたい人

FRP防水は工期が他の防水工法よりも非常に短いので、工期を短く抑えたい人にはおすすめです。

工期が長いと天候不順の影響も受けやすくなります。施工時の悪天候は、施工品質の低下や、さらなる工期の長期化につながる可能性があります。

品質管理や工事に関する負担を極力少なくしたい方には、FRP防水がおすすめです。

FRP防水の塗装業者の上手な選び方

FRP防水の塗装業者は数多くありますが、どのように選べば良いのでしょうか?

ここでは防水の塗装業者の上手な探し方のポイントをご紹介します。

FRP防水で塗装した実績のある業者を探す

FRP防水で実績のある業者を探すようにしましょう。

例えば、塗装業者のホームページやSNSなどで、積極的にFRP防水の情報や施工事例を発信している塗装業者だと安心感がありますね。

また、ご近所や知り合いで塗装工事を施工したことがある方がいれば、施工業者を紹介してもらうと良いでしょう。

塗装見積もりを比較する(相見積もりをする)

複数の塗装業者に依頼して、相見積もりを取りましょう。

1社だけでは見積もりの金額が適正かどうか判断することが難しく、リフォーム会社によって金額が異なるので、複数の業者をしっかり比較検討することが大切です。

1社1社見積もりを依頼するのは手間で面倒だという方は、リフォーム一括見積もりサイトの「ハピすむ」を活用しましょう。

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屋根リフォームに対応する優良な会社を見つけるには?

ここまで説明してきた屋根リフォームは、あくまで一例となっています。

「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。

そのとき大事なのが、複数社に見積もり依頼して必ず「比較検討」をするということ!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】久田麻里子

2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。

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