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2022年10月06日更新
発泡ウレタンの断熱素材の特徴や断熱性能・施工費用を解説
最近人気のある発泡ウレタンという断熱材。この記事では特徴や発泡ウレタンのメリット・デメリット、施工費用などについて詳しく解説いたします。断熱リフォームを検討中で発泡ウレタンが気になる方は是非読んでみてください。
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- 監修者久田麻里子
発泡ウレタン断熱材とは
断熱リフォームで最近人気が高まっているのが発泡ウレタンという断熱材です。
発泡ウレタンはフロンガスなどの発泡剤を混ぜて作られたもので、ウレタン内部に小さな粒状の空気やガスを閉じ込めて断熱します。
発泡ウレタンには充填式発泡ウレタンと板状発泡ウレタンがあります。
施工する建物の規模などによって使い分けることが多いです。
発泡ウレタンの良い点は断熱性が優れているところです。
断熱性や省エネ効果をさらに高くするよう求められている今、注目されている断熱材と言えるでしょう。
発泡ウレタンと他の断熱材との比較
断熱材には発泡ウレタンの他にもさまざまな種類のものがあります。
ここでは発泡ウレタンと他の断熱材との断熱性能や耐火性能の比較についてご紹介します。
さらに価格も比較してご紹介しますので参考にしてください。
グラスウール
グラスウールは主な原料のガラスを高温で溶かして綿状に繊維化したもので、無機繊維系の断熱材です。
細かい繊維が重なり合うことによって空気を含み、断熱性を上げる素材です。
- 発泡ウレタンと比べて価格が安くコストパフォーマンスが高いため、従来の断熱材の中ではもっとも市場に多く出回っている断熱材です。
- 原料のガラスは不燃材料なのでグラスウールは耐火性に優れています。また劣化しにくくシロアリの害にも強いです。
- 綿状の繊維系断熱材であるため湿気を通す性質があり、結露が起こりやすいというのがデメリットです。そのため断熱性能は発泡ウレタンより下がります。
- 価格は約25万円~約30万円程度(一般的な延べ床面積が40坪の家を施工した場合)
ロックウール
ロックウールは玄武岩などの岩石を原料とした鉱物繊維系の断熱材です。
- 発泡ウレタンと比べて価格が安くコストパフォーマンスは高いです。
- 岩石を原料とした鉱物繊維系のため、耐火性に優れています。また、吸音性能も高いです。
- グラスウールと同じく湿気を通す性質があるため、断熱性能は発泡ウレタンより下がってしまいます。
- 価格は約25万円~約30万円程度(一般的な延べ床面積が40坪の家を施工した場合)
羊毛断熱材
羊毛断熱材とは羊の毛を使ったウール素材の断熱材です。
- ウールが使われている衣服をあたたかく感じる人が多いと思いますが、断熱材としてもやはり断熱効果は高くなります。
- 天然素材になるため、湿度を調整する調湿性も高いです。
- 羊毛は難燃性になるため、耐火性も通常程度にあるとされます。
- 天然素材なので価格が高いのがデメリットと言えます。
- 価格は約50万円~約60万円程度(一般的な延べ床面積が40坪の家を施工した場合)
発泡ウレタン断熱材のメリット
ここまで発泡ウレタンの特徴や他の断熱材との比較についてご紹介してきました。
それでは発泡ウレタンのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
発泡ウレタンの優れた断熱性能
発泡ウレタンのメリットといえば、やはり一番に挙げられるのは優れた断熱性能です。
発泡ウレタンはフロンガスなどの発泡剤を混ぜて作られた断熱材です。
ウレタン内部に小さな粒状の空気やガスを閉じ込めて断熱します。
そのため熱伝導率が低く、断熱性能が高いのです。
熱が伝わりにくい素材なので、薄くても高い断熱性が得られます。
また発泡ウレタンは建物の躯体への自己密着力が高く、剝がれにくいという特徴があります。
建物の躯体と断熱材の間は狭いほど断熱性が高くなるため、しっかり密着する発泡ウレタンは耐熱性能が高いといえるでしょう。
発泡ウレタンの高い気密性
発泡ウレタンのメリットには高い気密性も挙げられます。
発泡ウレタンには吹き付けやボードという種類がありますが、吹き付けは現場発泡ウレタンという種類になります。
現場発泡ウレタンは液を霧状にして、鉄筋コンクリートなどの躯体に吹き付けることで断熱材となります。
霧状に吹き付けると発泡して固まりますが、発砲して膨らんで固まることで気密性が上がります。
また発泡ウレタンを吹き付けで施工するメリットとしては、どんなところにも断熱施工できるということもあります。
ほんの小さな隙間にも施工できるので、気密性がより高くなるのです。
壁内結露の抑制
発泡ウレタンは壁内結露の抑制にも効果があります。
結露とは水蒸気を含んだ空気が冷やされて水滴になる現象ですが、これが実は壁内にも起こることがあるのです。
壁内結露は壁内にカビを発生させたり、柱や梁なども腐食させ、最終的には建物自体の寿命を短くする恐れがあります。
また、壁内に発生したカビは喘息やアレルギーなどの原因にもなります。
こうした壁内結露を防ぐためには、断熱性と気密性を高く保つことが大切です。
小さな隙間も断熱材で防ぎ、壁の中に空気が入らないようにすることです。
それには発泡ウレタンが適していると言えるでしょう。
発泡ウレタンは吸音遮音性能に優れる
発泡ウレタンには吸音遮音性能に優れるというメリットもあります。
これは発泡ウレタンの性質上、音を通しにくいという特徴があるためです。
そして気密性が高くなるため、室内の音が外に漏れるのも、外の音が室内に入ってくるのも最小限に抑えます。
さらに発泡ウレタンの気泡構造が、ウレタン内部に入った音も分散させるため、室内での音の反響まで和らげる効果があります。
そのため、とても静かな住環境が実現するのです。
発泡ウレタンは水分に強い
発泡ウレタンは水分にも強いというメリットがあります。
グラスウールなどの従来よく使われてきた繊維系の断熱材は、どうしても水分や湿気に弱いところがありました。
水分や湿気を含んでしまうことで、断熱性が落ちるだけでなく、腐食の原因になることもあります。
その上いったん水分や湿気を含むと、たとえ乾いたとしても断熱性がもとに戻ることは期待できません。
そのためどうしても築年数が長くなると断熱性が低くなってしまうのです。
そういった繊維系断熱材のデメリットを解決するため、水分や湿気に強い発泡ウレタンが開発されました。
発泡ウレタンのデメリット
ここまで発泡ウレタンのメリットについてご紹介してきました。
メリットがたくさんある発泡ウレタンですが、逆に発泡ウレタンのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
施工者の技量で性能にムラが出る
現場発泡ウレタンは、施工者が現場で吹き付ける作業をおこないます。
この吹き付け作業には経験と技術が必要なので、施工者の技量によって性能にムラが出てしまいます。
腕が悪い施工者に依頼すると、最悪の場合は耐熱性能が低くなってしまうこともあります。
そのため、ある程度経験のある施工者なのか、評判のいい施工者で信頼できるか、など事前に確認をしておいた方がよいでしょう。
難燃性素材で燃えにくいが、燃えることもある
発泡ウレタンは難燃性素材ではありますが、やはり燃えることもあります。
また、ガスを使って発泡させるため、火が燃え移りやすいというデメリットもあるのです。
さらに万が一火災になると、発泡ウレタンは有害な化学物質を発生させてしまうという大きなデメリットもあります。
その化学物質は「シアン化水素」という有毒ガスです。
しかし「シアン化水素」が含まれる量はそれほど多いわけではなく、有害性で比較すればガス機器などから漏れる一酸化炭素ガスの方が有害性は高いといえます。
ただ、発泡ウレタンが燃えると「シアン化水素」という有毒ガスを発生するという事実は知っておくべきと言えるでしょう。
通気層を潰してしまう恐れがある
現場発泡ウレタンの施工に慣れていない施工者や、発泡ウレタンの特性を熟知していない施工者が施工ミスをする可能性もあります。
その施工ミスというのが、通気層を潰してしまうことです。
通気層を潰してしまうと、最悪の場合は結露が生じてしまいます。
例えば、屋根部分の断熱施工をおこなう場合に、一般的には野地板と発泡ウレタンの間に通気層を設けます。
これを野地板に直接発泡ウレタンを吹き付けた場合、通気層がなくなってしまうのです。
通気層がない場合、冬の寒い時期に野地板の温度が低くなれば結露が生じるというわけです。
そのような事態を防ぐため、施工者は発泡ウレタンの特性を十分理解して、通気層を設ける必要があります。
発泡ウレタン断熱材の施工手順
ここまで発泡ウレタンのメリット、デメリットを見てきましたが、ここでは発泡ウレタンの施工手順を詳しくご紹介しましょう。
- 資材と道具の準備をする
- 周りが汚れないように養生シートを張る
- 発泡ウレタンの材料を調合する
- 専用の機械を使って発泡ウレタンを吹き付ける
- 発泡ウレタンがはみ出している部分は削り落としてきれいに仕上げる
- 現場監督のもと、発泡ウレタンの厚みや施工漏れをチェックする
以上のような手順で発泡ウレタン断熱材は施工されます。
参考にしてみてください。
発泡ウレタン断熱リフォーム相場
発泡ウレタンを使用した断熱リフォームの費用相場と、平均的な工期についてご紹介します。
実際に断熱リフォームを検討する場合に費用と工期は大切になりますので、ぜひ参考にしてみてください。
発泡ウレタン断熱リフォームの費用相場
一般的に発泡ウレタン断熱リフォームはコストが高いといわれますが、費用の相場はどのくらいなのでしょうか。
ここでは一般的な住宅(約40坪)の基礎、床、壁、天井に発泡ウレタン断熱を施工した場合の費用の相場をみていきます。
発泡ウレタンの種類によって多少の違いがありますが、費用は下記のとおりです。
- 現場発泡ウレタンの場合 約65万円~約80万円
- 発泡ウレタンボードの場合 約75万円~約90万円
発泡ウレタン断熱リフォームの工期
それでは発泡ウレタン断熱リフォームの工期についてはどのくらいかかるのでしょうか。
断熱リフォームは場所によって工期が変わるので、施工の工程を追ってご紹介していきます。
床 約1日~約1週間程度
床下の狭い空間は発泡ウレタン断熱がおすすめです。
床を剥がして断熱材を敷き込むのは工期も費用もかかるため、発泡ウレタンを吹き付けることで工期が短縮できます。
天井 約2日~約4日程度
天井も床と同じで、天井を剥がすことなく発泡ウレタンを吹き付けることによって、工期も費用も縮小することが可能です。
壁 約2日~約5日程度
壁の場合も壁を剥がすことなく、発泡ウレタンを吹き付けることによって、工期を短縮することができます。
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この記事の監修者プロフィール
2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。

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