2023年10月24日更新
マンションリノベーション費用の相場は?坪単価を含めて解説!
マンションのリノベーションは、物件タイプがワンルームか3LDKかで費用相場や坪単価も異なります。この記事では、マンションの物件タイプごとのリノベーション費用相場と、併せて知っておきたい、リノベーションに使える住宅ローンのしくみについてご紹介します。
マンションのリノベーションにあたって一番気になるのはやはり費用についてではないでしょうか?
この記事では、マンションのリノベーションにかかる費用や詳しい内訳、リノベーションの際の注意点、さらには知っておきたい補助金制度や減税制度などについて詳しく解説していきます。
マンションのリノベーションを検討中で費用が気になる方はぜひご参考ください。
目次
- 1 リフォームとリノベーションの違いとは?
- 2 中古マンションをリノベーションする魅力は?
- 3 マンションリノベーションの費用相場
- 4 マンションのリノベーション費用を知る方法は?
- 5 マンションのリノベーションにはどのような費用が必要か?
- 6 マンションのリノベーションをするときに困ることや課題とは?
- 7 マンションリノベーションで確認するべきことは?
- 8 リノベーション済みの中古マンションの選び方と種類
- 9 可能性が広がるマンションのフルリノベーション
- 10 低家賃設定が魅力の借主負担DIY型物件
- 11 費用ごとに見るマンションリノベーションの実例
- 12 マンションリノベーションに使える住宅ローン
- 13 マンションのリノベーション費用を抑える方法は?
- 14 マンションのリノベーションに使える補助金や減税制度は?
リフォームとリノベーションの違いとは?
リフォームとは
リフォームは、老朽化した建物を新築の性能に戻すという意味で使われます。
具体的には、壊れていたり、汚れていたり、老朽化している部分を直す、きれいにする、新しくすることを指します。
経年劣化によってマイナスの状態になっている住宅を、もとの状態に戻すといったイメージです。
リノベーションとは
リノベーションは、既存の建物に改修を加えることで、建物の価値を高める意味で使われます。
中古物件を購入し、間取りや部屋の雰囲気を自分好みにしたり、暮らしやすくしたりすることをリノベーションと言います。
リフォームがマイナスからゼロの状態にする工事なのに対して、リノベーションは新たな価値をプラスするようなイメージです。
表層リノベーション
目に見える部分だけを新しくすることを表層リノベーションと言います。
具体的な例をあげると、床のフローリングや壁のクロスの張り替えなどです。
目に見えない箇所の工事は行わないため、その分費用を抑えることができます。
築年数が浅く、目に見えない部分に問題がない場合に表層リノベーションは行われます。
見えない箇所はそのままなので、将来的には補修を行う必要性も出てきます。
スケルトンリノベーション
スケルトンリノベーションは、建物の内装を一旦全て壊しスケルトン状態にして一から作り直すリノベーションのことを言います。
間取りや住宅設備、配管や電気配線、床や壁の下地等が一新できるため、より自由に空間を作ることができ、劣化なども一から補修し改善できることから、安全性も増します。
一方で、ゼロから新しく内装を作り直すため、その分費用が高額になります。
中古マンションをリノベーションする魅力は?
物件の取得費用を抑えられる
中古マンションは新築マンションと比べると安く購入することができます。
首都圏の新築マンションの平均価格が約5000万円なのに比べ、中古マンションの平均価格は約3000万円となっています。
リノベーションに1000万円以上かかったとしても、中古マンションを購入した方が費用を抑えることが可能です。
物件は築年数が経つごとに価値が下がって行くため、エリアや築年数によっては、新築マンションの半額以下で中古マンションを購入できることもあります。
自分好みの家にできる
中古マンションをリノベーションする魅力はなんと言っても自分好みの家にできるという点でしょう。
3LDKの良い物件を見つけたとしても、独身の方やおふたりのご家族の場合には、部屋数が多すぎて購入を躊躇してしまうこともあるかと思います。
しかし、リノベーションする前提であれば間取りを変えることができます。
中古マンションのリノベーションは、内装を自分の好きなスタイルにするだけでなく、家族構成やライフスタイルなどに合わせて間取りなどを変更することもできるため物件探しの幅も大きく広がるでしょう。
築年数の幅が広がって物件の選択肢が多くなる
物件購入時には、将来のことを考えて築年数が〜年以内という探し方をする方が多いのではないでしょうか?
エリアなどによっては、築年数が浅い物件がなかなか見つからないこともあるかと思います。
しかし、リノベーションをするという前提であれば、ある程度築年数が経っていて年季の入っている物件も選択肢として入ってくるのです。
築年数の幅が広がるだけで、物件の選択肢は大幅に広がり、物件探しもはかどるでしょう。
資産価値が上がる
中古マンションの場合は、新築から15年を境目に、物件価格の下落はゆるやかになります。
そのため購入時から物件の資産価値が下がりにくいということに加えて、リノベーションを行うことで内装などは新しく生まれ変わるため資産価値は上がります。
リノベーションをしていない同じ築年数の物件よりも、高い価格で売りやすくなるのです。
マンションリノベーションの費用相場
モノトーンな空間がおしゃれなリビングにリフォームした事例 画像提供元:フレッシュハウス
マンションリノベーションには、様々なケースがあります。
例えば、中古マンションを購入し、好みの間取りやデザインにフルリノベーションするケースもあれば、現在住んでいるマンションを、より使いやすく間取り変更するリノベーションもあるでしょう。
しかし、マンションリノベーションの費用は、中古マンション購入の有無ではなく、「ワンルーム」や「3LDK」といった工事を行うマンションの物件タイプ(広さなど)で左右されます。
以下からは、ワンルームマンションと2LDK、3LDK、4LDKマンションぞれぞれの、相場費用と坪単価をご紹介しますが、あくまでも目安の金額とお考えください。
ワンルームのリノベーション費用
- 費用相場:約300万円~約600万円
- 坪単価:約20万円~約40万円
※約7坪のマンションの目安
手を加える箇所が少ないワンルームマンションは、間取り変更があまり発生しないため、工事も設備交換を中心に小規模に収まることが多く、約500万円前後がリノベーション費用の相場となっています。
ただし、水回り設備を価格の高いハイグレード商品と交換したり、無垢床など価格の高い建材を選ぶと、総費用も部材価格に応じて高額になっていきます。
ワンルームのリノベーション費用はこちらの記事でより詳しく紹介しています
2LDKノリノベーション費用
- 費用相場:約690万円〜約1,150万円
- 坪単価:約15万円〜約25万円
※約14坪のマンションの目安
2LDKは、リビング・ダイニング・キッチンの他に2部屋あり、LDKは10畳の広さがある間取りです。
リノベーションでLDKを広めにしたり、逆にLDKを小さめにして寝室や仕事部屋を大きくつくることも可能です。
同じ2LDKでも面積が大きくなるとその分費用も高くなる傾向にあります。
また、大幅なレイアウト変更や、設備、素材のグレードにこだわると2,000万円以上することもあるでしょう。
どれくらいの予算をリノベーションに使うのか、どの部分にこだわりたいのかを明確にした上でリノベーションを考えることをおすすめします。
3LDKのリノベーション費用
木材と漆喰など自然素材にこだわったマンションリフォームの事例 画像提供元:フレッシュハウス
- 費用相場:約700万円~約1,200万円
- 坪単価:約30万円~約60万円
※約21坪のマンションの目安
3LDKのマンションは、間仕切り壁を撤去するリフォームが発生することが多く、間取り変更があまり生じないワンルーム物件に比べると、行う工事の内容も多くなります。
さらに、間取り変更のために、スケルトンリフォームなど物件のフルリフォームを行うと、解体処分費用が増えるため、総費用はさらに高額になります。
4LDKのリノベーション費用
- 費用相場:約770万円〜約2,000万円
- 坪単価:約30万円〜約70万円
※約28坪のマンションの目安
4LDKは、リビング・ダイニング・キッチンの他に4部屋あり、広さも80㎡以上と広々としているものが多いです。
4LDKのリノベーションでは間取り変更をすることが多く、また、広さがある分、床や壁紙、下地材も必要になるため費用も高くなる傾向にあります。
広さがあるため、その分自分好みの間取りやライフスタイルに合わせた部屋にすることができるでしょう。
マンションのリノベーション費用を知る方法は?
マンションのリノベーションをする際、気になるのは費用ではないでしょうか。リノベーションを考えた時にはまず、自分がどのように暮らしたいのかを具体的に考えることが大切です。
次に、希望する生活を再現するにはどの部分をリノベーションしたらいいのか、どのようなプランにするのかリフォーム業者と詳細を決めます。リフォーム業者は施主の希望を元にプランを造り、それに基づいて施工費用を算出していきます。
ただ、このときにあれもこれもと工事を広範囲に広げてしまうと、費用が高額になってしまい予算オーバーとなる可能性があります。
予算がある場合は業者に予算を伝え、優先順位を考えながらリノベーション計画をしていくと予算内でリノベーションできる可能性が高くなるでしょう。
リノベーションを行う箇所が決まったら、設備をどれにするのかなど詳細を決めていき業者が見積もりを作成します。業者が作成した見積もりには必ず目を通し、きちんと詳細が記載されているかを確認しましょう。
マンションのリノベーションにはどのような費用が必要か?
お子様と一緒に過ごしやすい、広く見渡せるリビングにリフォームした事例 画像提供元:フレッシュハウス
マンションのリノベーションを行う際、施工費用の他に様々な費用がかかります。マンションのリノベーション費用の内訳は以下の通りです。
【マンションのリノベーション費用の内訳】
・設計費:リノベーション費用の10%前後(設計費の基準はリフォーム会社によって異なり、リノベーションの依頼先が設計事務所や施工会社の場合は、それぞれ個別に支払います。)
・基本工事費:既存の設備・内装の解体撤去、木工事、給排水、電気配線工事、内装工事など
・設備、資材費:キッチン、ユニットバス、便器、洗面化粧台などの住宅設備や床材、建具など
・オプション工事費:既存設備の補修、造作具家具、造作建具など
・諸費用:書類作成、申請や現場管理費、消費税など
・仮住まい費用:仮住まい先の家賃、引っ越し費用など
マンションのリノベーション費用には、基本的に上記の費用がかかります。
また、仮住まい先の費用は工事期間によって異なります。大規模なリノベーションをする場合、工期が2〜3カ月かかるため仮住まい先の家賃もその分必要となるでしょう。
そして、引越しをする際に業者に依頼する場合は、引越し費用も2回分となることを覚えておきましょう。日常使わない荷物は倉庫やトランクルームなどに預けて置くこともできますので、仮住まいの部屋の広さや方法など、検討してみるとよいでしょう。
マンションのリノベーションをするときに困ることや課題とは?
おしゃれなブルックリンスタイルを基調としつつも、ハンモックなど遊び心のあるリビングにリフォーム 画像提供元:フレッシュハウス
マンションのリノベーションをする際は様々な希望や要望があると思います。しかし、マンションには様々な制約があります。リノベーション計画で気を付ける点や課題になる点を紹介していきます。
構造上の理由
マンションの構造には壁式構造とラーメン構造の2種類があります。
壁式構造とは古い団地などで多く採用されている構造です。壁で構造物を支えていることから躯体となる(多くの場合コンクリートなど)壁を壊して希望の間取りを作るといったリノベーションをすることが難しい場合があり、リノベーションのプランをつくる際に大きな課題となります。
一方、ラーメン構造は最近のマンションで多く採用されている構造です。壁式構造とは違って柱で構造を支えるので界壁以外の壁を壊す事ができることが多く、任意のリノベーションを行うことができる構造です。
また、マンションの場合は、PS(パイプスペース)と呼ばれる配管を通しているスペースも動かす事ができません。
特に、キッチンをリノベーションする際、アイランドキッチンや対面キッチンといった既存のキッチンから違うタイプのキッチンに変更しようとする時に問題なる事が多いので、事前によく検討する必要があります。
管理規約による制約
次に課題として挙げられるのがマンションの管理規約による制約です。マンションは住民の共有財産となります。
そのため、ガス・電気・水道の容量が決まっていてオール電化やガス機器の増設ができなかったり、マンションによっては工事によって騒音を発生させる事を禁止していたりする場合もあり、リノベーションの妨げになる事もあります。
こちらは個人では解消する事は難しく、リノベーションを考えている場合は購入する前に確認することが好ましいでしょう。すでに居住している場合は、管理組合等に掛け合って交渉してみるのもいいでしょう。
マンションリノベーションで確認するべきことは?
広々としたアイランドキッチンを備えた、重厚感あるデザインのお部屋にリフォーム 画像提供元:フレッシュハウス
工事可能な範囲はどこまでか
マンションのリノベーションを行う際には、工事が可能な範囲はどこまでかを確認するようにしましょう。
建物の構造によっては壁の取り壊しができなかったり、給排水管の工事に制限が設けられていたりする場合があります。
その他にも、フローリング材の遮音性能が決められている場合や、フローリング材の使用が禁止されているケースもあるため注意が必要です。
水回りの設備の移動なども給排水管の移動などが必要なため、場合によっては動かすことができません。
間取りを変更するつもりで物件を購入したのにもかかわらず、購入後に希望の間取りにできないという事態にならないためにも、購入する前に確認するようにしましょう。
管理組合への申請・届出は必要か
マンションのリノベーションは、管理組合へ事前に申請や届出を行う必要があります。
工事申請書を提出し、申請した工事内容が管理規約に沿ったものか、違反はないかなどの確認を管理組合が行います。
工事内容が管理規約に違反していたり、他の居住者に大きな影響を与えるような場合には許可が出ない可能性もあります。
また、管理組合が事前に工事の詳細を把握し、工事に伴う騒音や業者の出入りを住人に知らせておく必要もあるのです。
なお、申請書は管理組合からもらい、その他に必要な設計図などの書類は業者からもらいます。
仮住まいは必要か
リノベーションを行う際には、住みながら行えるケースと、工事中に仮住まいが必要なケースがあります。
表層リノベーションや、一部の設備の交換で、工事が数日程度で終わるのであれば、住みながらのリノベーションが可能でしょう。
一方で、スケルトンリノベーションなど全体を一度取り壊す場合や、工事が長期間に及ぶ場合には、仮住まいの用意が必要です。
基本的に2〜3カ月など短期で契約できる物件はあまりありません。
ウィークリーマンションやマンスリーマンションであれば日単位で借りることができるため仮住まいが必要な際には検討してみてください。
見積もり以外の費用は発生しないか
見積もりをもらった際には明細まできちんとチェックし、見積もりの内容以外の費用が発生しないかどうかも業者に確認するようにしましょう。
特に、設計費は業者によって工事費に含まれる場合と別途計上になっている場合があります。
設計費が高額になる場合もあるため注意が必要です。
また、リノベーション全体の資金計画を立てる際には、工事にかかる費用だけでなく、仮住まいや契約に関する費用、リノベーション期間中に荷物を預けておくトランクルーム費用やリフォームにかかる税金などについても確認し想定に入れておくことが大切です。
リノベーション済みの中古マンションの選び方と種類
リノベーション済みの中古マンションを購入するという選択もあります。どのように選んだら良いのでしょうか。
リノベーション済みのマンションの種類を知れば、自分が求めている物件に近づけるリノベーションを考える際の手助けとなります。
ここではリノベーション済みの中古マンションの選び方と種類について解説します。
内装のみリノベーションした物件
内装のみリノベーションした物件は、中古の古い内装を避けてきれいな状態の住宅に手軽に住みたいと考えている方におすすめです。
リノベーションの費用も後々かかることがないため、新築同様の内装の建物に住みたいと考えている場合には、内装のみリノベーションされた物件を選ぶと良いでしょう。
一部の水回りだけをリノベーションした物件
費用を抑えたいと考えている方は、一部の水回りだけをリノベーションした物件がおすすめです。
水回りは以前の居住者が使用していたものを使用するのに抵抗感がある方もいるでしょう。
そのような場合にはすでに水回りがリノベーションされている物件があり、内装などのリノベーションにかかる費用が抑えられているためおすすめです。
マンション全体をリノベーションした物件
マンション全体をリノベーションしている物件は、エントランス部分や外壁の塗装なども行われているため、建物の外観もきれいになっています。
マンション全体をリノベーションしている物件は、マンションの外観もきれいな建物に住みたいと考えている方におすすめです。
内装部分などもきれいになっているため、新築に住む気分で生活を送ることができるでしょう。
可能性が広がるマンションのフルリノベーション
高い天井が特徴的な無垢で明るい部屋にリフォーム 画像提供元:フレッシュハウス
フルリノベーションとスケルトンリノベーションは、意味としてはほぼ同じで、建物の構造躯体(骨組み)だけ残してそれ以外を一度取り払ってから新しくリフォームをしていく工法です。
こちらの工法の最大のメリットは、従来の間取りにとらわれることなく自由な設計ができることです。
ほかにも、構造躯体だけになるので一部制約はありますが各種配管を引き直す事ができることから、追い焚き機能の追加やキッチンの構造の変更等、リノベーションの可能性も広がります。
もちろんメリットだけでなくデメリットも存在します。もっとも分かり易いデメリットは、通常のリフォームに比べて解体の費用や間取りの変更により配管を延長したりする費用が掛かって金額が大きく膨らんでしまうことです。
他にも、工期が長くかかったり、住みながらの工事ができないので仮住まいも探す必要があったりするので、それらも含めての検討が必要になってきます。
フルリノベーションはリフォームとは違い、全体を新しく変えるので建物自身は変わりませんが、マンションの中は新築に近い状態になります。最新のお洒落なキッチンやユニットバスの導入、壁紙の変更等を自分の好きなようにアレンジする事ができます。
低家賃設定が魅力の借主負担DIY型物件
従来の賃貸マンションやアパートでは退去時に原状回復義務があったので、借主がリフォームやリノベーションをすることは不可能に近い物件ばかりでしたが、最近ではDIY可能物件なども出てきました。どの程度のリノベーションが可能なのか、その工事費用や家賃にどう影響するかについて解説します。
築年数が古い賃貸マンションやアパートは人気が下がる傾向にあり、入居者が見つからず空室率が高くなっているのが現状です。
貸主側で壁紙などを張替えるリフォームや、物件の間取りや住宅設備を一新するリノベーションを行う物件もありますが、最近では「借主負担DIY型」物件が登場しました。
賃貸マンションやアパートでは原状回復義務が一般的でした。
しかし、借主負担DIY型物件では事前に合意書を交わすことで原状回復の条件を規定する事ができ、その条件に合わせて、借主側で自由にリフォームやリノベーションができます。
入居者はリノベーションにかかる工事費用を負担したとしても、現状の状態での家賃設定で借りられることがメリットとなります。
貸主側もリノベーションにかかる費用を負担しなくても良い上に、空室対策にも繋がる点で大きなメリットがあるのです。
入居者がどの程度までリノベーションして良いかは、貸主との契約内容によっても変わってくるので、まずはよく確認することが重要です。
間取りを変更する場合、間仕切りなどの造作壁は解体できることもありますが、躯体となる壁や柱は建物を支えている部分なので壊すことはできません。
またフローリングの床を張り替える例を挙げれば、マンション規約によって遮音性の問題から使用できる床材が決められているケースも多くあるので注意が必要です。
リノベーションの際には、マンションやアパートの設計や構造、規約などを充分に調べることをおすすめします。
費用ごとに見るマンションリノベーションの実例
次に、マンションリノベーションの実例を費用ごとにご紹介します。
無垢フロアと白色のエコカラットで垢抜けた印象のリビングにリフォーム 画像提供元:フレッシュハウス
【中古マンションをフルリノベーションした場合】
・費用相場(60平米):約600万円〜約1200万円
中古マンションをフルリノベーションした場合、既存の床材や設備など全て撤去し新しいものを設置します。
約600万円の費用の差は、設備のグレードや造作家具などの有無などによるもので、選ぶ設備や建具などによって大きく異なるでしょう。
【リビングを広くする場合】
・費用相場:約300万円〜
和室や洋室の壁を撤去し広いリビングにする工事で、マンションのリノベーションでよく行われます。
【水回りをリノベーションした場合】
システムキッチンに交換した場合
・費用相場:約100万円〜約120万円
ユニットバスを交換する場合
・費用相場:約80万円〜約100万円
タンクレストイレに交換する場合
・費用相場:約20万円〜約30万円
リビングのリノベーションに続き、水回りのリノベーションも良く施工される場所となります。日常的によく使用する場所なので、リノベーション後は満足度も高くなる傾向にあります。
また、費用も部分的なためフルリノベーションよりは費用は少なく済むでしょう。
3LDKのリノベーション費用はこちらの記事でより詳しく解説しています
マンションリノベーションに使える住宅ローン
施工面積の少ないマンションと言えど、リノベーションの工事費用は高額になります。さらに、スケルトンなど大規模なフルリフォームを行えば、予算を大きく上回ることもあるでしょう。
もしリノベーション費用が高額になってしまっても、リノベーション用のローンを利用することで、工事後も生活費を心配せずに暮らすことができます。
資金に余裕を持ってリノベーションを終えるためにも、マンションのリノベーションで使える住宅ローンの種類を知っておきましょう。
住宅ローンとリフォームローン
まず把握しておかなければならないのが、リノベーションに使えるローンには、住宅ローンとリフォームローンの二種類があるということです。
住宅ローンは、新たに居住用の中古マンションを購入する場合に利用することができますが、リフォームのみを行う場合は利用することはできません。
一方、リフォームローンは、リフォームを行う場合に利用できるローンです。住宅ローンに比べると、金利が高く融資額も少ないというデメリットがあります。
また、住宅ローンの中にはリフォーム費用を融資額に上乗せできるものもあり、さらに、金融機関によっては住宅ローンとリフォームローンをセットで申し込むと、金利が安くなる商品なども用意されています。
リフォームローンの注意点
中古マンションを新たに購入し、リノベーションするケースでは、住宅ローンとリフォームローンを、ある程度の選択肢の中から自由に組み合わせることができます。
しかし、既に所有しているマンションをリノベーションする場合は、リフォームローンしか選択することができません。
先ほども触れた通り、リフォームローンは住宅ローンに比べると金利が高く、融資額は約1,000万円までと少なく設定されています。
リフォームローンを利用したばかりに、生活の安定どころか、返済の利息で生活が圧迫されてしまったということにならないよう、無理のない金額で申し込むよう注意しましょう。
リノベーションで利用できるローンや補助金はこちらの記事でも紹介しています
マンションのリノベーション費用を抑える方法は?
現状の内装や間取りを生かす
既存の壁や内装を取り壊して行うリノベーションは、その分手間や材料費がかかり、費用も高くなってしまいます。
リノベーションにかかる費用を抑えたい場合には、一から全てつくりなおそうとするのではなく、既存の内装や間取りをなるべく生かすようにするといいでしょう。
リノベーションを成功させるために大切なことは、こだわりたいところを明確にすることです。
あれもこれもとこだわりすぎると費用は想像以上に高くなっていってしまいます。
例えば水回りなどはデザインや機能性に優れたグレードの高いものに入れ替え、部屋の壁紙や床などは簡単な補修で済ませるといった具合にメリハリをつけることがポイントです。
相見積もりをとって比較検討する
リノベーションをする際には業者に見積もりを依頼すると思います。
その際には、1社のみに依頼するのではなく、複数社に同じ内容で見積もりを出すようにしましょう。
1社のみですと高いのか安いのかがわからないため、優良な会社なのかを見定めることもできず、最悪の場合悪質な業者に依頼してしまう可能性が高まります。
相見積もりをすることでリノベーション内容に対してどれくらいが費用相場なのか、相場感をつかむことができますし、希望の金額に近い業者に依頼することができます。
また、費用だけでなく、見積もり書の施工内容や内訳が詳しく書かれているかなど業者のサービスの質や、デザイン性、提案力なども比べることができます。
こちらから簡単に無料で見積もりが出来ますので、ぜひハピすむのリフォーム費用の無料相見積もりをご利用ください。
補助金制度を活用する
リノベーション費用を抑えるために補助金制度の活用を検討してみるのもいいでしょう。
国や地方自治体が給付している補助金では、省エネや耐震性、バリアフリーなどを目的としたリノベーションが補助の対象になりやすいです。
リノベーションの内容やご自身の状況に合った補助金制度を探してみてください。
注意点としては、補助金を活用したい場合には工事の着工前に申請する必要がある点です。
工事開始後や終了後に申請しても受理してもらうのは難しいため注意しましょう。
また、補助金制度は予算が上限に達すると締め切られてしまいます。
受付期間中だからといって油断せず、活用したい場合にはなるべく早く申請することが大切です。
制度によりますが、一般的に新年度に募集を開始し、夏・秋頃には受付が終了してしまうケースが多いです。
リフォームの減税制度を活用する
リノベーションを行うにあたってはリフォームの減税制度も活用するといいでしょう。
減税制度が適用される工事内容としては主に、耐震性、省エネ、バリアフリーなどを目的とした工事が対象です。
住宅に関する税金には様々な種類がありますが、リフォーム減税では所得税と固定資産税が主な対象となっています。
具体的な減税制度については後ほどご紹介します。
リフォーム減税制度を受けるためには、対象となるリフォームを行った後に自分で申請を行う必要があります。
また、減税制度の種類によっては、適用を受けるために確定申告によって申請する必要があるものもあるため注意しましょう。
そのほか申請にあたっては必要な書類があるため計画的に準備を行なっていきましょう。
マンションのリノベーションに使える補助金や減税制度は?
マンションのリノベーション費用を抑えるためには、補助金や減税制度を利用する方法があります。マンションのリノベーションに利用できる制度は以下の通りです。
次世代住宅ポイント制度
消費税増税に併せてスタートした、一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能等を満たす住宅や家事負担の軽減に資する住宅の新築やリフォームをされた方に対し、様々な商品と交換できるポイントを発行する制度。
リフォーム減税制度
リフォーム減税制度の種類と対象リノベーションは以下の通りです。
工事内容やローンの利用などにより適用を受けられる制度は異なります。
・投資型減税(所得税):現金またはローンを組み行うリノベーション
・住宅ローン減税(所得税):10年以上のローンを組んで行うリノベーション
・ローン型減税(所得税):5年以上のローンを組んで行うリノベーション
・固定資産税の減額:現金またはローンを組んで行うリノベーション
・贈与税の非課税:祖父母や両親から贈与された住宅のリノベーション
上記に当てはまるリノベーションの場合、税金が控除される可能性があります。
地方自治体が行う補助金制度
国だけではなく、地方自治体が独自で行う補助金制度もあります。自治体が行う補助金制度で多いのが、バリアフリー改修や耐震改修のために行うリノベーションです。
各自治体によって制度や条件が異なるため、詳細はお住いの自治体に直接問い合わせてみましょう。
フルリフォーム・リノベーションに対応する優良な会社を見つけるには?
ここまで説明してきたフルリフォーム・リノベーションは、あくまで一例となっています。
「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。
そのとき大事なのが、複数社に見積もり依頼して必ず「比較検討」をするということ!
この記事で大体の予想がついた方は見積もり比較のステップへ行きましょう!
「調べてみたもののどの会社が本当に信頼できるか分からない…」
「複数社に何回も同じ説明をするのが面倒くさい...。」
そんな方は、簡単に無料で比較見積もりが可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。
大手ハウスメーカーから地場の工務店まで全国1000社以上が加盟しており、フルリフォーム・リノベーションを検討している方も安心してご利用いただけます。
一生のうちにリフォームをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しないリフォームをするためにも、リフォーム会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール
2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。

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