2023年10月13日更新

監修記事

窓をペアガラス(複層ガラス)に交換するリフォームの価格・費用の相場は?

高い断熱効果を持つペアガラスは、リフォーム方法次第で、所要時間だけでなく費用も異なります。夏涼しく冬暖かい快適な我が家にリフォームするためにも、最も適切なペアガラスの工事方法とその費用相場を、リフォーム前に把握しておきましょう。

ペアガラスの特徴を知っておこう

ペアガラスとは、2枚のガラスと中間層で構成された窓ガラスで、複層ガラスとも呼ばれます。

ペアガラスと複層ガラスは同じ意味を持つ言葉ですので、商品名がどちらで表記されていても問題ありませんが、2重サッシとは根本的に異なりますので要注意です。

省エネ基準法の本格的な実施に伴い、住宅の省エネ性能が義務化されつつある昨今、ペアガラスはもはや家の設備として欠かせない存在になりつつあります。

ペアガラスの持つ断熱性

ガラスとガラスのあいだに中間層を持つペアガラスは、この中間層で熱の移動を遮断することで、高い断熱効果や様々なメリットを生み出します。

ペアガラスの中間層は、

空気<アルゴンガス<真空

の順にグレードが高くなります。さらに、室内側に金属膜を張った断熱Low-Eペアガラスであれば、より高い断熱効果を発揮することができます。

リフォーム時の取り付け方

リフォーム時の取り付けの簡単さも、ペアガラスの大きな利点です。

リフォーム時には、窓枠全体を取り換える必要はなく、ペアガラスに付いたアタッチメントを窓に装着するだけで、簡単に取り付けが可能です。

このアタッチメント式の簡易なリフォームがペアガラスのメリットですが、寸法によっては、アタッチメントが出っぱり網戸が取り付けられなくなったなど、余計に問題を広げることにもなりかねませんので注意しましょう。

このようなペアガラスの特徴を知ったうえで、リフォーム時のメリットとデメリット、または利点や欠点をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

ペアガラスのしくみとリフォーム時のメリット

ペアガラスとは、2枚のガラス板の内部に空気やガスを閉じ込めたもので、複層ガラスとも呼ばれます。

ペアガラスは、その構造によって優れた断熱性や遮熱性を発揮するほか、遮音や防犯効果なども備えた窓です。

ガラスが3枚になったものや、内部が真空のもの、金属膜をプラスしたものなど、様々なタイプが登場しています。

住宅への省エネ意識が高まるとともに、ペアガラスへのリフォームも急速に増えてきました。

断熱性で光熱費を大きく節約

窓は、家の中でも最も熱の出入りが激しい箇所です。しかし、単層と呼ばれる1枚ガラスの窓は、ある程度の風はカットできても、熱の出入りを防ぐ「断熱性」は、決して高くはありません。

断熱性の低い窓では、家の中で温めた空気がどんどん外に逃げてしまいます。

また、夏場は暑い空気が涼しい屋内に入り込んでしまいますので、断熱性の低い家では、エアコンなどの空調機器を一年間常にフルパワーで稼働させなくてはなりません。

この単層ガラスを、高い断熱効果を持つペアガラスにリフォームすることで、夏は涼しく冬は暖かい家となり、エアコンの出番を極力減らすことができるようになります。

ちなみに、単層ガラスをペアガラスにすると、年間の光熱費は約4割以上削減することができると言われます。

リフォーム補助金の申請時に有利

ZEH住宅や省エネ住宅、長期優良住宅など、様々なリフォーム関連の補助制度では、「断熱性」が認定のカギとなっています。

そのほか、自治体のリフォーム関連補助金でも、窓を複数箇所ペアガラスにするだけで、断熱性の条件をクリアでき、補助金がもらえることがあります。

「ZEH住宅や省エネ住宅の補助金は元々受けるつもりはない」
「窓を全部リフォームする必要はない」
とお思いの方でも、他のリフォームと合わせて行えそうであれば、断熱性基準の条件となるペアガラスの導入も検討しておくことをおすすめします。

窓のサッシごと交換するリフォームより簡単

ペアガラスのリフォームでは、既存の窓のガラスのみをペアガラスに交換する方法が主流です。

取り付け交換はわずか1時間程度で完了し、窓を何日も仮止めした状態で過ごす必要がなく、窓周辺の内外装を補修する大掛かりな大工工事も必要ありません。

また、窓をサッシごと交換するリフォームは、1箇所につき約15万円の費用が必要ですが、ガラスのみペアガラスに交換するリフォームであれば、約8万円で行うことができ、費用面でも大きな負担になりません。

ペアガラスと複層ガラスの違い

複層ガラスもペアガラスも、意味するものは同じです。

このうちペアガラスについては、旭硝子が複層ガラスの商品名として商標登録をしています。

ペアガラスの構造の違い

ペアガラスはその構造ごとに、様々な異なる効果を持ちます。
ペアガラスには、ガラスとガラスの間に中間層がありますが、その中身は商品ごとに異なります。

・空気
・アルゴンガス
・真空

断熱効果は真空状のものが最も高く、空気中の熱移動を大幅にシャットアウトする効果を持っています。

また、空気層のものは、ガラスとガラスの間に設けたスペーサーに乾燥材を入れ、乾燥空気になっています。

さらに、ペアガラスには、ガラス表面に金属膜を張った「Low-E」タイプもあります。

「Low-E複層ガラス」は、家の断熱設備としてもはやおなじみの商品です。

Low-Eタイプは金属膜の位置によって、断熱と遮熱という、別の効果をもたらします。

・Low-E遮熱(室外側に金属膜)
・Low-E断熱(室内側に金属膜)

断熱とは、室内外の温度差で生じる空気の移動を抑制することですが、遮熱は日光の熱をカットすることで、役割が異なります。

夏場などに、日差しによる温度上昇で中に入れないような部屋では、遮熱効果を持つLow-Eペアガラスを導入すると良いでしょう。

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ペアガラスリフォームではどんな工事が必要?

「ペアガラスへのリフォームは工事が大掛かりになるのでは?」
「寒いので断熱性を高めたいけど、窓を何日も工事されると困る」

と、不安に感じる方も多いかもしれません。

以下からは、リフォームの工事費用にも関わる、ペアガラスのリフォーム方法について解説します。

サッシごと交換するリフォーム

既存の窓をサッシごと取り除き、新たにペアガラス付きのサッシをはめ込みます。

既存のサッシと新しいサッシの枠の大きさが違う場合、内外壁の補修工事が発生します。

そのため、工事期間は長くなり、費用も高額です。

サッシごと交換する場合の工事費用

・窓交換工事費用:約10万円

障子だけ交換するリフォーム

ガラスの周りにあるフレーム部分を、「障子」と呼びます。サッシの枠は残し、この障子部分だけをペアガラス付きのものと交換する方法もあります。

障子だけ交換する場合の工事費用

・障子交換費用:約4万円

ガラスだけ交換するリフォーム

既存のサッシからガラスのみを取り外し、ペアガラスと入れ替えるリフォームです。所要工事時間も数時間と短く、費用も安価に収まります。

ペアガラスは通常、厚さが12ミリメートル以上あるため、そのままでは既存のサッシ枠の厚さである9ミリメートルに収めることができません。

そのため、ペアガラスにはアタッチメントが付けられており、このアタッチメントを既存の枠にはめて取り付けを行います。

ちなみに、日本板硝子から発売されているペアガラス『スペーシア』などは、既存サッシの枠に収まる厚さで作られているため、アタッチメントなしで取り付けが可能です。

ガラスだけ交換する場合の工事費用

・ガラス交換工事費用:約8千円

網戸の交換などがあると、約1万円の追加工事が発生することがあります。

ペアガラスの価格相場

平方メートルあたりの単価です。

平均価格:約3万円

上記の価格は定価ではなく、実際に販売されている値引価格を元に、平方メートルあたりの相場単価を算出しています。

また、窓枠付き・障子のみ・ガラスのみなど、ペアガラスのタイプで商品価格も異なりますのでご注意ください。

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ペアガラスのリフォーム費用相場

それでは、窓・サッシのペアガラスへの交換リフォームの費用相場を、それぞれのリフォーム方法ごとに見てみましょう。

サッシごと交換するリフォームの費用相場

例)1830×915ミリメートルの窓の場合
・商品価格:約5万円
・サッシ枠価格:約1万円
・工事費用:約10万円

合計:約16万円

障子だけ交換するリフォームの費用相場

例)1830×915ミリメートルの窓の場合
・商品価格:約5万円
・障子価格:約3千円
・工事費用:約4万円

合計:約10万円

ガラスだけ交換するリフォームの費用相場

例)1830×915ミリメートルの窓の場合
・商品価格:約5万円
・工事費用:約8千円

合計: 約6万円

なお、ここで掲載されているリフォーム費用はあくまで具体例の一つです。
相見積もりを取り、適正な費用を把握しましょう。

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防露対策ならサッシ全体のリフォームがおすすめ

このように、ペアガラスのみの交換リフォームに比べて、サッシの枠ごと交換するリフォームは費用も高くなります。

窓枠周辺の調整や補修工事が発生すると、工事期間も長くなってしまいますので、サッシごと交換するリフォームは、一見デメリット部分が大きいように見えます。

窓をペアガラス(複層ガラス)に交換するリフォームの価格・費用の相場は?

しかし、ペアガラスには結露の抑制効果はありません。

従って、窓の結露でお悩みの方は、防露効果の高い樹脂製サッシのペアガラスにリフォームした方が、費用は高くとも根本の原因を解決することができます。

また、ペアガラスに付属しているアタッチメントにも結露が生じますので、取り付ける窓の位置によっては、結露をさらに拡大させてしまう恐れもあります。

既存の窓の結露対策をご希望であれば、アタッチメントの無いペアガラスか、サッシの交換を検討すると良いでしょう。

ペアガラスリフォームのデメリット

高い断熱性に加え、補助金制度で優遇されているだけでなく、取り付けも簡単にできるのが、ペアガラスのメリットです。

しかし、選び方を間違えると、いかにペアガラスと言えどもその効果を十分に発揮することはできず、最悪の場合、デメリットや欠点と化してしまう恐れもあります。

結露対策にペアガラスは不向き

ペアガラスの中には、結露に効果があることをアピールしている商品もありますが、既存のサッシがアルミ製のままでは、ペアガラスでも結露は発生します。

また、ペアガラスはアタッチメントという部材を使って窓枠に装着しますが、アタッチメント部分がアルミの場合、その部分にも結露が発生してしまうという欠点があります。

ですので、現在お使いのアルミサッシに大量の結露が発生してお困りの場合、アルミ製のペアガラスを導入しても、原因の解決にはならないばかりか、結露の範囲を広げることにもなりかねません。

サッシの結露でお悩みの場合は、樹脂素材で作られたペアガラス付きのサッシに交換するリフォームを行うと良いでしょう。

サッシには、枠の材質にも断熱性のグレードがあります。

アルミ<樹脂アルミ混合<樹脂<天然木

上記の順に断熱性は高くなりますが、この中でも特に防露効果が高く、標準以上の断熱性を備えており、天然木に比べてカビの発生が少ない樹脂サッシが特におすすめです。

既存の部材が合わなくなることも

ペアガラスの厚さは、約12ミリメートルで作られています。

既存の窓は、厚さ約9ミリメートルで作られていますので、ペアガラスを装着すると、窓全体の厚みが増すことになります。

さらに、ガラスが3枚になったトリプルガラスや、中間層を広く設けることで断熱性を高めたものなどを取り付けると、リフォーム後は確実に既存の窓よりも厚くなります。

このような場合、網戸やカーテンレール、雨戸やシャッターなど、窓周辺の部材が開けにくくなる恐れがあるため、ペアガラスの取り付けそのものができないことがあります。

リフォーム前には、窓のサイズだけでなく、このような窓周辺のアイテムとの兼ね合いも調べておきましょう。

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ペアガラスに交換するメリット・デメリットは?

冬の日光を遮熱してしまう

ペアガラスのうち、さらに高い効果を発揮するのがLow-Eタイプのペアガラスですが、このうち遮熱タイプのLow-Eガラスは、取り付ける位置に注意が必要です。

このタイプのペアガラスは、遮熱という字の通り、冬の日中の日光まで遮ってしまうというデメリットがあります。

日中、家に太陽光の熱を取り込むことができなければ、けっきょく暖房機器に頼らざるを得ませんので、光熱費が余計にかかり、ペアガラスが本来持つ断熱性の恩恵を受けることはできません。

遮熱タイプのLow-Eペアガラスは、窓の方角によっては、取り付けた方が良い場合とそうでない場合があります。

もちろん、夏場に日差しが当たり過ぎて、生活に不便さを感じるような場所であれば、遮熱タイプのLow-Eペアガラスは、抜群の効果を発揮するでしょう。

冬場に少しでも日光を取り込みたい箇所には遮熱タイプの設置を避け、断熱タイプを選ぶなど、効果的な配置の工夫が、ペアガラスリフォームのポイントです。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社フレッシュハウス 樋田明夫

株式会社フレッシュハウス

樋田明夫

フレッシュハウスでリフォームの営業担当を長年経験し、数々のリフォームコンテストでの受賞実績を持つ。現在はフレッシュハウス本社における営業戦略室の室長として、大規模リフォームから通常のリフォーム物件まで幅広く対応中。

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