2024年06月14日更新

監修記事

ベランダ・バルコニーリフォームの費用相場はいくら?劣化しやすい部位とは?

この記事ではベランダ・バルコニー周りのリフォームの種類や費用相場の紹介をはじめ、事前に把握しておきたい劣化症状や、ベランダリフォームを行う前後で気を付けたいポイントについてご紹介しています。
既製品のベランダを後付けするだけでも80~120万円と高額な工事となるため、ぜひ事前知識としてご一読ください。

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ベランダ・バルコニーの違いとは?

ベランダ・バルコニーの種類

ベランダとバルコニーの違いは、一般的には屋根(雨避け)の有無と言われています。
屋根があるものをベランダと言い、屋根がないものをバルコニーと言います。(屋根の有無によって経年劣化の進行度合いも異なり、メンテナンス時期も多少異なってきます。)

またその他に、1階に設置されるものをテラス、木製の床で作られる外部空間をウッドデッキと言います。

ベランダ
バルコニー

>>テラスとウッドデッキの違いはこの記事で確認!

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ベランダ・バルコニーリフォームの費用相場

ベランダ・バルコニーのリフォームは素材や形状、面積、構造等によってリフォームの可否や費用が大きく異なります。
ベランダ・バルコニーのリフォーム費用相場は以下の通りです。

工事の種類費用相場費用に影響を与えやすいポイント
既製品のベランダを後付け80~120万円前後後付け設置面および周辺の既存状況、商品グレード等により変動
造作でベランダを後付け100~150万円前後後付け設置面および周辺の既存状況、使用材料等により変動
ベランダの床面積を増築80~150万円前後既存ベランダや周辺の状況、使用材料等により変動
既存ベランダをサンルーム化60~120万円前後既存ベランダや周辺の状況、商品グレード等により変動
既存ベランダを部屋化80~150万円前後既存ベランダや周辺の状況、使用材料等により変動
※費用相場の記載は目安です。実際の工事費は、工事内容や施工面積、使用する素材の種類やグレードによって大きく変化することがあります。

※【後付け・サンルーム化・部屋化】2階設置で全長3m×出幅1m程度のベランダサイズの場合
※【増築】2階設置で全長2m×出幅1m程度のベランダサイズを全長4m×出幅2m程度へ拡張した場合

よく行われるベランダの工事内容とは?

ベランダ・バルコニーでご相談が多いリフォームは次の通りです。
・ベランダの後付け、増築リフォーム
・サンルーム化/部屋化リフォーム

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メンテナンス・修理の費用相場とタイミングの目安

ベランダとバルコニーは、壁より下の造りや構造が同じであるため、メンテナンスや修理の箇所、費用相場もほぼ同様です。
ベランダ(バルコニー含む)のメンテナンス・修理の費用相場は以下の通りです。

工事の種類費用相場費用に影響を与えやすいポイント
床面のトップコート塗り替え5~20万円前後トップコート材の種類により変動
床面の防水塗り替え15~30万円前後既存状況や使用する防水材により変動
ドレイン廻り交換10~15万円前後形状・商品グレードにより変動
手すり交換8~30万円前後形状・長さ・商品グレードにより変動
笠木交換15~30万円前後形状・長さ・商品グレードにより変動
窓周りコーキング補修3~10万円前後長さ・個数により変動
入隅コーキング補修3~10万円前後長さ・個数により変動
※全長3m×出幅1m(手すり全長 約5m程度)のベランダサイズの場合

※費用相場の記載は目安です。実際の工事費は、工事内容や施工面積、使用する素材の種類やグレードによって大きく変化することがあります。

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ベランダのリフォームや修理って必要?

ベランダ・バルコニーは定期的なメンテナンスが必要と言われています。そもそもなぜ定期的にメンテナンスしなければならないのでしょうか?

建物で外気に触れる部分は定期的なメンテナンスが必須

外壁もおしゃれに塗装

建物の外気に触れる部位や場所は、雨や風、日の光に常時さらされ、目には見えにくいのですが少しずつある程度の月日をかけて表面が劣化していくため、定期的なメンテナンスが必要となります。
一定の月日が経過すると、ある日突然穴が空いたり防水層や塗装膜が剥がれ始めたりします。

一か所でも障害が発生すると、そこから雨風が入ったり害虫が発生したりと、建物に被害が発生し始めます。
また被害発生直後は目に見えない部分(壁の中など)で起こりますので、居住する人は気づくことも難しいです。

居住する人が気づく頃には、大きな被害となっていることが多く、定期的なメンテナンスコストよりも膨大な修理・修繕コストがかかってしまうことも多々あります。

形状や広さ、見た目を変えると使い方も変わる!

バルコニーの広さ、デザインによって印象や用途は大きく変わります

ベランダ・バルコニーはメンテナンス以外にも「内外からの見た目を変える」「広さ(床面積)を変える」などのリフォームを行うこともあります。

ベランダの形状や見た目を変えると、外観の印象が大きく変わり、新築のような印象を与えることも。
また、床面積を広くすることでアウトドアなどを体感できる、いわゆる「べランピング」を楽しみやすくしたり、緑化してガーデニングを楽しむなど、趣味や憩いの空間としても利用しやすくなります。

一日の中の少しの時間でも、穏やかな気持ちで日の光や外気に触れるだけで、幸福度や健康状況にも良い影響を与えてくれそうですね。

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メンテナンスのタイミングと要チェック部位

メンテナンス各部のタイミングは、造りや劣化頻度、進度などによって異なります。

①床面(トップコートと防水層)

ベランダ塗装のイメージ

床面はベランダ・バルコニーとも費用相場はほぼ同じですが、メンテナンス時期が少し異なります。
屋根のないバルコニーの方が日の光の影響を受けやすく、特に夏場は強い日差しの影響でベランダよりも劣化が早まりやすくなります。

床面は表面にトップコートと呼ばれる保護膜が塗られており、この保護膜が防水面を保護しています。
そのため、メンテナンスではこのトップコートを以下に良い状態に保っていられるか、ということが重要となります。

トップコートの劣化はほとんどの場合、見た目ではわかりません。
そのため、「まだ綺麗だしやらなくても良いか」と思い、長年放置してしまって気づかないうちに防水層も傷んでしまって雨漏れが発生している、というケースも多くあります。

トップコートの塗り替えはトップコートの種類にもよります。
一般的にFRP防水等で多く使われるポリエステル系では【5年】と言われています。
これは常時直射日光が当たっている場合が条件となるため、そうではないベランダの場合は劣化進度がバルコニーよりやや遅く、【5年】に対して【+1~3年】程度と言われています。

ポイント!

メンテナンスの適切な時期は立地条件等により大きく左右されるため、正確な時期については専門家による確認・判断が必要となります。

②ドレインまわり

ベランダのドレイン(雨水の排水設備)

雨が降ると雨水が集中するドレイン廻りでは、水の流れにより少しずつ保護膜が削られたり、ドレインから外に流すためにつながる配管が水の勢いで外れやすくなったりと、意外にも雨漏れ被害になりやすい箇所です。

落ち葉などのゴミがドレインに詰まって水の流れをせき止めると、雨水がドレインに溜まってしまい水圧でドレイン廻りの周囲に損傷を与えることもあります。
メンテナンスのタイミングは床面と同じタイミングで良いのですが、大雨の翌日は水がしっかり流れているか確認しておくと安心です。

③手すり・笠木まわり

ベランダ・バルコニーにはほとんどの場合手すりがあります。
その手すりを設置するため、壁の上にフタをするようなイメージで設置されているアルミ材が笠木です。

笠木は一定の長さで重ねるように継ぎ足しているため、継ぎ目部分などが劣化すると雨漏れ被害が発生する可能性があります。
また、手すりと笠木の設置面や、笠木と壁の取り合い部分などはコーキングで処理されている事が多く、コーキングが劣化してしまうと被害が発生する可能性があります。

④窓やドア下の防水塗装の状態

掃き出し窓の下部も防水塗装が施されている

防水は床面だけではなく、壁面にも塗布する必要があります。
壁面防水の立ち上がり高さは、床面から250㎜以上という決まりがありますが、掃き出し窓やドアがある場合、250㎜の防水より上で設置してしまうと床面まで高すぎて危険が生じるため、サッシやドアの下部の防水は120㎜以上の高さを確保するという決まりがあります。
※瑕疵担保保険の施工基準

250㎜という決まりは雨の床面からの跳ね返り高さなどを考慮されており、逆に言えば250㎜以下の場合は劣化や雨漏りなどのリスクを高める可能性がある、ということにもなります。

そうなると、120㎜以上としている掃き出し窓やドア下の防水はそうしたリスクを含んでいるということです。
床面メンテナンスと同じタイミングで専門業者にあわせてチェックしてもらうと良いでしょう。

⑤入隅部分

ベランダ・バルコニーは手すり壁や笠木などに必ず入隅部分があります。

入隅部分は重なり合っているような造りとなるため、どう造っても必ず隙間が生じます。その隙間を埋めるためにコーキングで塞ぐのですが、コーキングにも耐用年数があります。

コーキングの耐用年数は種類により大きく異なりますが、一般的に使用されるコーキングは最長10年程度、耐用年数が長い高品質のもので最長15年程度となります。

コーキングの劣化は変色やひび割れ、やせ細っていたりなど見た目でわかることもありますが、害虫などの影響で目に見えない小さな穴が空いたりする場合もあります。
気になるようでしたら床面メンテナンスのタイミングで専門業者に合わせてチェックしてもらうと良いでしょう。

耐用年数とは?

製造メーカーが各種試験を通じて検証し得た商品の耐久年数を表す。特殊な環境下では耐用年数に届かず劣化することもある。

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固定資産税がどの程度変動するかも合わせて確認しておくと良いでしょう。

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ベランダ・バルコニーリフォームの施工事例

ここでは実際にハピすむの加盟店が行ったベランダ・バルコニーリフォームの施工事例をご紹介します。

雨漏りする前にバルコニーのひびを修復!

バルコニーの防水工事
工事種別防水工事(雨漏り予防)
建物種別一戸建て
リフォーム費用約25万円
施工期間1週間

バルコニー床面のひび割れが大きくなってきたため雨漏りする前に補修依頼のあった事例です。
この事例では防水層の下の下地状態に問題がなかったために低コストかつ施工期間も短いFRP防水が採用されました。
経年劣化によって表面のトップコートを始め、防水面や下地面など、傷んだ個所が浅いほどコストや施工期間も短く済みます。

ベランダに屋根(雨よけ)を設置!

雨の影響を軽減するため屋根を設置
工事種別屋根(雨避け)設置工事
建物種別一戸建て
リフォーム費用約15万円
施工期間1日

3Fベランダへの雨の影響による汚れを軽減したいとの依頼があった事例です。
雨による影響の他にも、1階よりも2階、2階よりも3階と太陽に近づくほど日照りや風化などの影響も強くなるため、屋根を設置することでこれらの影響や負担を軽減する手段は大変有効です。

バルコニーの交換工事

YKKの「ルシアスBC」を設置
工事種別バルコニー交換工事
建物種別一戸建て
リフォーム費用約80万円
施工期間1週間

木造の既存ベランダの木部部分が腐食してきたために交換を行った事例です。
元々のベランダは奥行きが狭いものでしたが、後付けの広々としたバルコニーに交換したことで使い勝手がとても良くなったとお客様からも好評でした。
木製は見た目や風合いなどはとても良いのですが、耐久性に関してはアルミ製や樹脂製などと比較すると低めです。
特に手すりなどで木製を使用している場合は腐食による危険性も増しますので、早めの決断が必要です。

経年劣化で傷んでいたバルコニーを交換!

紫外線で劣化していた樹脂製のバルコニーを交換
工事種別バルコニー交換工事
建物種別一戸建て
リフォーム費用約60万円
施工期間1週間

屋根や床に樹脂製の仕上げ材が使用されたバルコニー交換の事例です。
耐久性が高い素材でも長年使用していればいつかは変色し、劣化し始めます。
変色は劣化の最初の劣化サインであり、変色したまま放置するとさらに表面が劣化して素材の内部も痛み始めます。
そうなると仕上げ材が外れたり飛ばされたりする危険性もありますので、変色し始めてきたらそろそろメンテナンスチェックのタイミングです。

バルコニーに囲いを設けてサンルームとして使用できるように!

2階バルコニーのサンルーム化リフォーム
工事種別サンルーム化工事
建物種別一戸建て
リフォーム費用約240万円
施工期間10日

害鳥被害が深刻となってお施主様がバルコニーに出にくくなってしまったため、バルコニーをサンルーム化した事例です。
この事例では、2階のベランダ部分だけではなく、その下の1階部分も窓などによってサンルーム化しています。
お施主様はサンルーム化したことによって害鳥被害もなくなり、夜も安心して睡眠できるようになったとのことです。
サンルーム化は快適性だけでなく、居住者の安心感や安全性も確保できるものなのですね。

BBQ出来るくらいバルコニーを拡張した事例

丈夫な木材でバルコニーを拡張した事例
工事種別バルコニー(ウッドデッキ)拡張工事
建物種別一戸建て
リフォーム費用約252万円 ※外階段新設費用も含む
施工期間20日

バルコニーでバーベキューなどを楽しみたいとのご要望があった事例です。
元々ウッドデッキだったこともあり、拡張したバルコニーでもウッドデッキを敷き、手すりもSPFなどの新素材ではなく、堅木で有名なウリン材を使用しています。

ウリン材はコストこそそれなりにかかりますが、非常に高密度なため電動ドリルを使っても穴を開けることや加工することがとても困難なほどの堅木、そして「100年もつ木材」と言われるほどの高い耐久性を持ち、ほぼノーメンテナンスで長持ちする木材です。
雨風の影響を受けやすい外部ではこういった素材を選ぶことによって安心感を得る方法もあります。

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依頼前に確認・準備しておきたい3つのこと

ベランダ・バルコニーの修理やリフォームはリスクを伴うケースがあります。
そのため、建物の構造や造りなどをしっかりと把握してから工事をしないとリスクを高めることになりかねません。

また相談・依頼する際には業者が調査しやすいように用意しておく必要もあります。確認・準備しておきたいことは次の3点です。

  • ベランダにある荷物等を移動しておく
  • 新築時の確認申請書、設計図書などを用意しておく
  • 現在の状況を写真撮影しておく

これらを事前に確認・準備しておくことで業者側も確認などがスムーズに行えるようになります。

①ベランダにある荷物等を移動しておく

業者はどこが劣化しているのかを細かく確認し、採寸する必要があります。
ベランダ内に荷物がある場合は全てベランダ外のどこかに移動しておき、スムーズに調査してもらえるようにしておきましょう。

②新築時の確認申請書、設計図書などを用意しておく

後付け・増築リフォームやサンルーム化・室内化リフォームを行う場合には、条件によって確認申請書が必要となるため、新築時の書類は出来るだけ全て用意しておきましょう。
また、もし新築後に増築や減築などを行っている場合は、その時の資料や書類も合わせて用意しておきましょう。
メンテナンスや修理の際にも設計図書があると構造や造り、面積などが一目でわかるため調査時間を短縮することができます。
なお万が一無くしてしまった場合は、直ぐに用意できない旨を業者に伝えましょう。

③現在の状況を写真で撮影しておく

会社によっては劣化の程度によって請負の可否が異なる場合があります。
そのため、現地調査前に写真を求められるケースもあります。
写真を求められた場合にはすぐに送付できるよう、写真を撮影しておき、画像データとして残しておくと良いでしょう。
工事中に万が一工事とは関係ない場所に傷などが付いていた場合、残しておいた画像が役立つこともあります。

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ベランダ・バルコニーリフォームの注意点とは?

ベランダ・バルコニーを後付け・増築リフォームする場合の注意点は以下の通りです。

なお前提として、新築後に床面積を増やす行為は全て「増築」となるため、ベランダの後付けも増築の一種となります。

  • 建ぺい率と容積率
  • 建築確認申請提出の必要有無
  • 斜線制限と日照権
  • 建物表題変更登記と固定資産税

建ぺい率と容積率

出典:国土交通省-市民景観まちづくりリーフレット(6)

住宅を新築する際、土地の面積に対して住宅を建てられる面積は建ぺい率と容積率によって制限されています。

増築する場合も建ぺい率と容積率を遵守する必要があります。設計図書がある場合には、現状の建ぺい率と容積率の記載があるため確認しておき、すぐに提示できるようにしておくとベストです。
なお既に建ぺい率、容積率のどちらかが上限いっぱいの場合は、後付けや増築することができないため注意しましょう。

またベランダ面積は延床面積には含まれませんが、一定の条件を超えると面積に算入されるためこちらも注意が必要です。

【延床面積に加算される条件】
A. ベランダの突き出し部分が外壁から2mを超えた場合、「2mを超えた部分の床面積」は延床面積に算入される
B. ベランダの突き出し部分が外壁から1mを超えた場合、「突き出したベランダ先端から1m後退した部分から外壁までの床面積」は建築面積に算入される
C. 外壁から突き出したベランダを補強するため角などに柱や壁を建てた場合、ベランダ直下の柱で囲われた部分は全て建築面積に算入される(※ピロティ)

ベランダのサンルーム化リフォームの注意点

ベランダの場合は柱や壁で囲わない場合は面積算入されることはありませんが、サンルーム化や部屋化は全ての壁面を囲う必要があり、壁で囲った部分は全て面積に算入されることになります。

そのため、サンルーム化、部屋化は例外なく建ぺい率と容積率が必然と増加することになります。上限を超えないよう注意する必要です。

建築確認申請提出の必要有無

建物を建てる場合はもちろん、増築する場合も原則として建築確認申請の提出が義務付けられています。
あくまでも原則なので、例外もあります。
例外の一つとして、「防火地域又は準防火地域以外で、増築の床面積が10平方メートル未満のもの」は建築確認申請が不要となります。

ただし上記の例外が通用しない区域等もありますので、役所等の建築指導課などで確認しておくと安心です。
建築確認申請を提出する場合は既存建物の確認申請書や設計図書、検査済証などの書類が必要となります。
リフォームに携わる建築士に書類を提出し、増築の確認申請書類を準備・提出してもらいましょう。

ベランダのサンルーム化リフォームの注意点

サンルーム化、部屋化では壁面を囲う必要があり、囲った部分は全て「増築」となります。

斜線制限と日照権

斜線制限とは、道路や隣地の境界線からの距離に応じて建築物の各部分の高さを制限し、採光や通風を確保するものです。
日照権とは“建物の日当たりを確保する権利”のことです。どちらも日当たりに関する法律となっており、土地によって制限が異なります。

基本的には建築基準法に基づいた対処が必要なため建築士等に見てもらう必要がありますが、いくら法令に基づいて対処したとしても隣地の日差しを少しでも遮る結果となれば、近隣トラブルへと発展する恐れがあります。

法的には問題なくとも、近隣住民との関係性が悪化してしまうと住みづらくなってしまう可能性もありますので、近隣には最大限配慮しておくと良いでしょう。

建物表題変更登記と固定資産税

サンルーム化、部屋化はベランダを室内化することになるため、室内の床面積が増えることとなり、新築時の表題登記から変更する必要があります。表題登記の変更は土地家屋調査士に依頼しましょう。

また、表題登記の変更が完了すると固定資産税もアップする可能性がありますが、増築面積が小さければ税額も変わりはない場合もあり、変動があったとしても範囲は小さい可能性が高いです。
固定資産税がどの程度変動するかも合わせて確認しておくと良いでしょう。

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知っておきたい!見積もり前後の注意点とは?

ベランダの後付けや増築、サンルーム化や室内化リフォームに関する注意点を紹介しましたが、共通する注意点は他にもあります。

ベランダリフォームを依頼できる会社は少ない

前述でもご紹介した通り、ベランダリフォームは他リフォームと比較してリスクが高いリフォームの一つです。
そのためリスクを最小限に抑えたい、回避したいという業者側の本音も理解しておく必要があります。

しかし「うちはベランダリフォームを請け負いません」と堂々と言う会社はほとんどないでしょう。
その会社が希望するリフォームを行えるか否かを判断する材料として、ベランダリフォームの施工事例が豊富で工事種類も多い会社はベランダリフォームを得意とする会社です。
その会社が公開する事例をしっかりと確認し、得意とする会社を選択すると良いでしょう。

ただし、施工事例はお施主様が公開OKを出さない限り一般公開ができません。
事例は多いのに公開できないという会社も中にはありますので、気になる会社があるようでしたら一度相談してみると良いでしょう。

よくある「一式」表示の見積もりには要注意!

相談先の会社も決まって現地調査も済ませたら、次は会社から見積書が提出されます。
見積書にはほとんどの場合、明細がありますが、欄の大きさの関係上、短縮された専門用語がずらりと並ぶこともあり、一般の方が見てもほとんど意味がわからないことも多々あります。
そのため、見積書を提出してもらう時は担当者からしっかりと説明を受けましょう。

また前述では「ほとんどの場合、明細がある」と紹介しましたが、中には明細がなく「防水工事一式〇〇円」と、一式表示された見積もりが提出される場合もあります。

これによって工事品質がどうこうというよりも、後から何かあった場合、見積もりに入っている、入っていないで揉めてしまうケースもあります。
他のリフォームでも同様ですが、特にベランダの修理やリフォームの場合は前述している通りリスクが高い工事となるため、一式表示の見積もりには注意しましょう。

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ベランダの修理やリフォームはどこに頼む?

ベランダ・バルコニーのメンテナンスや修理、リフォームはとてもリスクが高い工事となるため、どの建築業者でも請け負えるわけではありません。
また請け負える業者がいても、工事保証等がどうなっているのかなどをしっかりと確認しておくことも重要です。
ここではベランダ・バルコニーのメンテナンス・修理やリフォームをどこに頼むと良いかなどをご紹介します。

メンテナンス・修理とリフォームでは依頼できる会社が異なる場合がある

メンテナンス・修理とリフォームでは工事の性質が異なります。
メンテナンス・修理は「原状回復」が目的となり、リフォームは「付加価値の変化」が目的となります。

もちろんどちらも請け負えるという会社も多くありますが、それぞれに対して専門会社も存在します。
ただし、リフォームを専門とする会社は多いですが、メンテナンス・修理を専門とする会社は少ないことが現状です。

メンテナンス・修理については、まず第一に新築した会社へ相談することが先決です。
目的が「原状回復」となることから、原状を一番に理解している会社となるためです。

また新築後10年未満の場合は住宅瑕疵担保履行法に基づき、「住宅瑕疵担保責任保険」に加入しているため、新築請負業者以外の業者が防水面等に手を加えてしまうと保証が切れてしまう恐れもあります。
何かの理由によって新築会社に相談ができない場合は、防水面なら実際に防水工事を行った業者、または修理専門会社に相談すると良いでしょう。

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Q&A よくある質問

ここでは相談者から寄せられる「よくある質問と回答」をご紹介します。

住みながらリフォームできる?

できます!
ただし、工事中は粉じんなどが発生するためベランダに面した窓は封鎖する必要があります。
窓を開放しておきたい夏場などは注意が必要です。

ベランダで雨漏りすると家の中まで侵入する?

侵入する危険性があります。
ベランダやバルコニーは後付けではない限り、建物構造と繋がっています。
そのため、梁や柱などを伝って雨水が建物内に侵入するケースは多々あります。
建物内まで侵入してしまうと大きな被害となってしまい、修理コストも膨れ上がる可能性があります。
そうなる前に、定期的なメンテナンスをしっかりと心がけていきましょう。

ベランダを後付け・増築することはできる?

できます。
ただし一定の条件を満たす必要があるため、相場費用や注意点をしっかりと確認して建築士などの専門家に相談しましょう。

ベランダをサンルームや部屋にすることはできる?

できます。
これも一定の条件を満たす必要があるため、相場費用や注意点をしっかりと確認して建築士などの専門家に相談しましょう。

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ベランダリフォームの業者選びで後悔しないために

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】久田麻里子

2級建築士、インテリアコーディネーター、住環境福祉コーディネーター。ハウスメーカー、リフォーム会社での建築業を幅広く経験。主婦・母親目線で様々なリフォームアドバイスを行う。主な担当は水回り設備リフォーム、内装コーディネート、戸建てリフォームなど。

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