2024年01月24日更新

監修記事

浴室の防水リフォームについて徹底解説!

浴室にひび割れや破損が見つかった時の対処法をご存知でしょうか。在来工法でつくられた浴室の防水効果は10年から15年と言われており、たびたびのメンテナンスで防水リフォームを検討する方もいるでしょう。ここでは浴室の防水リフォームの種類や費用、リフォームの際に気を付けたいことについて説明していきます。

浴室の防水効果の寿命について

浴室 リフォーム 防水

在来工法の浴室の防水効果の寿命

浴室の内装をする方法は大きく分けて2種類あります。

一つはユニットバスと呼ばれる方法です。

これはあらかじめ工場でつくられたパーツを内装する現地に持っていき、そこで組み立てて作る方法です。

二つ目は在来工法といって、下地から内装までのすべての工程を現地で行う方法です。

ユニットバスと比較して在来工法は出来合いのものではないので、自由度が高く、デザインなどにこだわりを持って浴室を設計したい人によく好まれる方法です。

ここでは在来工法について説明しますが、浴室の防水効果はだいたい10年から15年で劣化してくると言われています。

これは使用頻度や使い方によっても多少異なりますが、時間が経つとともに壁や床にひび割れなどが起きてくるためです。

ユニットバスと比較して、つなぎ目が多いのでタイルの割れ目や壁のコーキング部分から亀裂などが起きやすく、在来工法の浴室ではこまめなメンテナンスが必要になってきます。

浴室の防水リフォームせずに放置することで起こりうる事態

浴室の防水リフォームをせずそのままにしておくと、タイルが剥がれたり、亀裂が入ったり、穴が開いてしまったりすることがあります。

また、タイルの目地には部分的に防水性・気密性の高いコーキング材を使用していますが、経年劣化によってその部分に亀裂が入って隙間ができてしまうことがあります。

すると、浴室の防水性・気密性が失われます。

そのため換気扇が効かなくなってカビが生えやすくなったり、錆が起きやすくなり腐食することもあります。

また、壁や床の亀裂をそのままにしておくと漏水してしまうこともあります。

これらの現象を食い止めるためには、定期的な補修が必要ですし、こまめに掃除をして破損しているところがないかどうかチェックすることが重要になります。

浴室が漏水状態のまま放置することで起こりうる事態

浴室を長年リフォームせず、漏水した状態のまま放置すると、その下にある配管を傷めてしまうことがあります。

そしてその配管が錆びると、そこからも漏水してしまうこともありえます。

このようにして床下や壁の内部に湿気が溜まり腐食するとシロアリが発生し、その結果、見えないところで家の外壁や土台の腐食が進行してしまうことがあります。

こうなってしまうと、躯体に影響が出るので家自体の建て替えのような大規模な工事が必要になってしまいます。

また、マンションなどの集合住宅の場合は階下の住宅に水漏れを起こしてしまい、他人に迷惑をかけてしまう場合があるので注意が必要です。

水回りの中でも、特に浴室は壁や床に直接水がかかる場所なので、メンテナンスをしっかり行うことが大切です。

浴室の防水リフォームの種類と費用について

では浴室の防水リフォームをする場合、どのような方法があるのでしょうか。

浴室の防水リフォームはおもに3つの方法に分けられます。ここではその種類とそれぞれの費用について説明していきます。

シート防水リフォームにかかる費用と工期

シート防水とは、防水機能のあるシートを繋げて床に敷き詰める方法で、タイルの床や壁に適した方法です。

工期は広さによって異なりますが、だいたい2~3日です。費用は平米単価で4,000円~7,500円が相場になります。

リフォームの場合には、これにタイルなどの仕上げ費用がかかります。

FRP防水リフォームにかかる費用と工期

FRPとは繊維強化プラスチックのことで、これを浴室の壁や床の下地に入れることで防水することができます。

軽量で丈夫、衝撃に強く、耐久年数も長いのが特徴です。

浴室の広さや形状にもよりますが、通常は工期が2~3日で、平米単価は5,000円~7,000円が相場です。

リフォームの場合には、さらに仕上げ費用がかかります。

ウレタン防水リフォームにかかる費用と工期

ウレタン防水は液体状のウレタンを下地に入れて塗っていく方法です。

液体状であるため、凹凸があったり、複雑な形状の浴室でも防水が可能です。

液体を乾燥させるのに時間がかかるため、工期は1週間ほどで、費用の相場は平米単価で45,00円~7,00円です。

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大規模な浴室防水リフォームのメリット・デメリット

ここまで、浴室の内装を変えるのではなく、防水のみのリフォームについて説明してきました。

しかし防水工事を計画する場合、、浴室自体もリフォームして防水性を高めるだけでなく、保温性などの機能自体を向上させることまで考えるかたも多いのではないでしょうか。

ここでは大規模な浴室の防水リフォームについてメリットとデメリットを考えたいと思います。

在来工法の浴室を解体し新しい在来工法の浴室にリフォーム

在来工法の特徴として、既製品ではない浴室のデザインが可能なため、自分の好みに合わせた浴室を作ることができます。

特に戸建ての場合、ユニットバスのサイズに適していなければ在来工法でその家に合ったサイズの浴室を設えるという点では大きなメリットがあります。

しかしその分、費用も使用する材料により金額に幅が出てきます。

最低は大体150万円くらいからとなっていますが、広さによってかなり金額は異なりますので見積もりを取る必要があります。

また、もう1つの特徴としてはユニットバスに比べて通常の居室に防水加工をして浴室を作るため防水、保温性が低くなりやすいという点があげられます。

またメンテナンスもこまめに必要になります。

居室に防水加工して一から左官工事をして作り上げていきますので、ユニットバスと比較して工期も長くなります。

リフォームの内容や規模にもよりますが、2~3週間程度はかかることが多いようです。

在来工法の浴室を解体しシステムバスにリフォーム

システムバスとはあまり聞きなれない言葉かもしれません。これはちょうど在来工法とユニットバスの間のような存在です。

というのも、システムバスにはユニットバスにはなかったサイズの豊富さ、デザインの多さと機能性があり、なおかつ在来工法にはなかった保温性があります。

そのため、戸建てなどで従来のユニットバスを導入したくてもサイズの問題で導入できなかった場合に対応することが可能です。

見た目はユニットバスのようでいて、サイズに制限がないというスタイルです。

気密性が高く、保温性が上がり、在来工法時よりも掃除がしやすくなります。

一から作り上げる在来工法のように工期は長くなく、1週間程度と比較的短い工期で済むことが多いので、在来工法のようなデザイン性や機能性を希望しながら、工期にはスケジュール上余裕のない方におすすめです。

広さや希望する素材にもよりますが、機能が最小限であれば60万円くらいから価格が設定されています。

在来工法の浴室を解体しユニットバスにリフォーム

ユニットバスは出来上がりサイズが決まっているため、在来工法からユニットバスにすると浴室のサイズが今までよりも狭くなることがあります。

またデザインにも限りがあることから、こだわりがある人はそれを反映させづらいでしょう。

ただ、各社ともショールームを持っているので、実際にどのような浴室が出来上がるのか、完成形を確認することができます。

ユニットバスは保温性には優れているためこれまでの在来工法による浴室よりも冬場には寒さを感じにくくなるでしょう。

そして、現地である程度までできているパーツを組み立てるだけなので、工期は在来工法と比較して短くなります。

だいたい1週間程度が目安になります。

目地によるつなぎめが少なく、凹凸が少ないので掃除がしやすいというメリットもあります。

費用はユニットバスの最低限の機能と広さであれば60万円くらいからありますが、これは工事費を含めた費用になります。

いずれの場合も工事が始まり、既存の部分を取り外した際に床下の状態を確認します。

その際に腐食があればその部分から修理が必要になり、その分の費用がかかることがあります。

費用がどのように変わってくるのか、事前に業者に確認して話し合っておくとよいでしょう。

浴室の防水壁リフォームの種類について

浴室 リフォーム 防水

在来工法で浴室の防水壁をリフォームする場合、様々な素材を選ぶことができるます。そ

のひとつひとつにメリット・デメリットがありますのでご紹介します。

どのような素材にしようか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

タイル

メリット、デメリット

浴室の壁をタイルにしたいと考えている人は多いでしょう。

タイルのメリットは多様なデザイン性です。

いろんな色のタイルを使って様々なデザインを作り出すことができます。

タイルは比較的価格が安いものがあるため、リーズナブルにリフォームをすることが可能です。

また、以前は冬場に冷たいと言われていたタイルですが、現在では冷たさを緩和する機能を備えたタイルも出てきました。

しかし、一方でタイルは目地を使用するため、亀裂が入りやすく、他の素材と比較して耐久性には心配な点もあります。

一度破損したり亀裂が入ったりすると、そこから漏水してしまう可能性があります。

漏水は家の躯体部分にまで影響することがあるので、タイルの破損等はこまめにメンテナンスする必要があります。

その点はタイルのデメリットと言って良いでしょう。

費用と工期

タイルの場合、0.75坪の壁のみの張替えで、在来工法では15万円くらいかかります。

工期は2~3日で、リフォームが終了した次の日から入浴が可能です。

リフォームが終わった当日は入浴ができないので注意しましょう。

木材

メリット、デメリット

木材もタイルと同様、在来工法の浴室ならではの素材になります。

デザイン性にも富み、木材の浴室に憧れを抱く方もいるでしょう。

一見、浴室には不向きなように見える木材ですが、現在では特殊な加工により浴室に適した木材でリフォームが可能になっています。

とは言え、デメリットもあります。

カビや腐食などはほかの材質と比べて出現しやすい傾向がありますので、毎日のお手入れはとても重要です。

また、木材はとても高価であり、取り扱っているリフォーム業者が少ない、ということもデメリットのひとつです。

費用と工期

木材もタイルと同様に主に在来工法の浴室に使用します。

費用は0.75坪の浴室で60万円程度かかり、工期は5日以上と他の方法と比べて長くかかります。

入浴ができるのは、工事が終了した次の日からになります。

塗装

メリット、デメリット

塗装のメリットは何と言ってもその価格の安さです。

そのほかの素材のリフォームと違い、すでにある壁に塗装をするため、工事自体も比較的簡単に済むため、工期も短く、費用が安価で済むのです。

塗装の場合、現状の浴室内の素材を交換することなく、見た目を綺麗にすることができますし、防水性もよくすることができます。

しかし、デメリットとして他の材質に比べて経年劣化しやすく、塗装が剥げて色落ちしたり変色することがあります。

費用と工期

塗装の場合は0.75坪の在来工法では12万円~、ユニットバスで1216のサイズの場合は10万円~が費用の相場になります。

工期は2~3日で、タイルや木材と同様に入浴は工事が終了した次の日から可能になります。

シート

メリット、デメリット

浴室用のシートには様々なものがあり、手軽にリフォームできることもあってDIYをする人に人気の方法です。

シートの中には浴室の保温性を高める機能があるものや防カビ機能や防水機能に優れた製品もあり、ニーズに合わせたシートを選ぶことができます。

シートのデメリットは一度貼ってしまうと、その下のカビが貼る前に取れ切れていない場合、カビが発生するリスクがあることや、綺麗に貼り付けられずに気泡が入って剥がれやすくなることです。

そのため、貼る前にきちんと掃除をしておく必要があったり、気泡ができないように貼る必要があります。

簡単なように思われるかもしれませんが、シートでリフォームする場合もできるだけ業者に頼んだ方が安心です。

また、在来工法の浴室の場合、タイルでリフォームするよりもシートの方が高くつくことがあるので注意が必要です。

費用と工期

シートは0.75坪の在来工法で20万円~、ユニットバスでは12万円~になります。

工期は1~2日で、比較的短く済みます。工事が終わったその日から入浴が可能です。

パネル

メリット、デメリット

パネルによるリフォームは在来工法でもユニットバスでも可能です。

在来工法の浴室でもまるでユニットバスのようにリフォームすることができ、ユニットバスに交換するより安価で済みます。

また、保温性や防カビ機能のあるパネルもあり、壁面だけをリフォームしてユニットバスのような見た目にしたい場合におすすめです。

しかし、シートと同様にパネルを貼る部分の下にカビが残っていたりすると、貼った後にカビが増えてしまい家が傷むことがあるので注意が必要です。また、在来工法の浴室の場合、シートと同様でタイルよりリフォーム代が高くつくことがあります。

費用と工期

パネルの壁にリフォームする場合は0.75坪の在来工法の場合、20万円~で、ユニットバスの場合は15万円~が相場です。

工期はシートと同様に1~2日と短く、入浴は工事が終了した当日から可能です。

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浴室の防水リフォームを行う前に確認しておくべきポイント

浴室全体の状態を確認してリフォームプランを組む

では実際に防水リフォームを計画した場合、どのような点について確認しておけば安心でしょうか。

まず、浴室全体のどこがどの程度老朽化してきているのかを確認します。そうすればどこを重点的に直すのかがわかるからです。

そのポイント以外についてもどの程度直すのかを考えて、最終的にどのようなリフォームプランを組むのかを決めます。

家族各々の中での色々な希望があるので、意思を統一しておきましょう。

ここである程度決めておけば、リフォーム業者を選ぶ時にも、業者にどのように依頼すればいいのかが明確になるのでリフォームの全体像を決めておくことは大切なポイントです。

工期とリフォームの期間の入浴について予め考えておく

希望するプランがある程度わかったら、その工期がどれくらいになるのかを知っておきましょう。

特に在来工法の場合はユニットバスに比べて日数がかかります。

浴室のリフォーム中は、入浴することができないので予め対応策を考えておく必要があるからです。

特に小さな子どもがいる場合、夏場などにリフォームを計画している場合はこまめなシャワー浴などはできないので注意が必要です。

リフォーム中は、近くに銭湯などの入浴施設があってそこを利用するのか、それともホテル住まいをするのか、などを検討しておきましょう。

見積もり内容にしっかり目を通しておく

業者が決まり、工事に入る前には必ず見積もり内容に目を通しておきましょう。

内容は希望通りになっているのか、必要事項は全て網羅されているのかという点を確認します。

必要であれば見積もりをし直してもらうこともあるかもしれません。

また、解体作業をした後に下地から腐食部分が見つかった場合の工事費がいくらくらいかかるのか、そのほかに追加料金がかかる可能性があるのかどうか、についても確認しておく必要があるでしょう。

後から多額の費用を請求されるなどのトラブルを自ら防止するためにも忘れずに行ってください。

浴室の防水リフォームを依頼する業者の選び方

希望に沿ったプランニングをしてくれるリフォーム業者に依頼する

ここまで浴室のリフォームについて見てきましたが、様々な方法があることがわかったと思います。

どのような方法でリフォームをしていくのか、それぞれに希望があるでしょう。その中でどの業者に頼むか、というのは工事の後の満足度につながる大変重要な選択になります。

多くのリフォーム業者がある中で、各家庭で持っている理想のイメージを明確にして提案してくれる業者は有難い存在です。

また、希望を持っていてもそれがあまり現実的ではなかったり、もっといい方法がある場合に専門的な立場から様々な提案をしてくれる業者も信頼できるでしょう。

うまい文句ばかり並べる業者もいますが、堅実な提案をしてくれる業者は見積もりの段階でコミュニケーションをとればわかるでしょう。

直接コミュニケーションを取ってみることが大切です。

また在来工法を希望する場合、在来工法の実績が多くある業者を選ぶこともリフォーム成功の鍵になります。

多くの事例を持っている業者は提案力もあります。

複数のリフォーム業者から相見積もりを取る

業者を決定する際、相見積もりを取ることは必ずしていただきたいプロセスですが、大手のみならず地元密着の業者にも見積もりをお願いするとよいでしょう。

しかし、いくつもある業者と何度も直接コミュニケーションを取るのは現実的ではありません。

このような時にはまず、複数のリフォーム業者から相見積もりを取ることをお勧めします。

リフォーム業者の相見積もりはインターネット上で専用のページから取ることができ、大変便利です。

ぜひ一度、利用してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】タクトホームコンサルティングサービス

タクトホームコンサルティングサービス

亀田融

一級建築施工管理技士、宅地建物取引士。東証1部上場企業グループの住宅部門に33年間勤務。13年間の現場監督経験を経て、住宅リフォーム部門の責任者として部分リフォームから大規模リノベーションまで2,000件以上のリフォームに関わる。2015年に退職して現在は、タクトホームコンサルティングサービス代表として、住宅診断を行う傍ら、住宅・リフォーム会社へのコンサルティング活動を行っている。

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