2024年06月20日更新

監修記事

2階にお風呂を作るメリットは?向いているケースや間取りを紹介!

この記事では2階にお風呂を作るメリットやデメリット、費用や注意点について詳しく解説します。1階のお風呂リフォームとはまた違う注意点がありますので、把握したうえでリフォームを検討しましょう!

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お風呂を2階に設置するメリットとは?

出典:パナソニック-Lクラス

2階にお風呂を設置することによって、多くのメリットが生まれます。以下に詳しく解説します。

メリット① 1階のスペースを広くすることができる

一般的に2階建ての住宅では、1階のスペースが不足して、2階のスペースが余ってしまうことが多いものです。

2階にお風呂や水回りを設置することで、その分、1階のリビングやダイニング・キッチンなどの主要なスペースを広々と確保することができます。

メリット② 2階の家事動線が効率的になる

2階にお風呂と脱衣室・洗濯機置き場・クローゼット・寝室などがまとまっていると、家事動線がとても効率的になります。

入浴後に洗濯物を仕分け、洗濯して干し、畳んでクローゼットに収納するといった家事の一連の流れがスムーズになります。

メリット③ 1階から生活感が見えにくい

1階にリビングやダイニングがある場合、お風呂や脱衣室・洗濯機置き場のような水回りを2階に設置することで、バブリック空間とプライベート空間を明確に分けることができます。

来客時などに生活感が隠すことができますし、日常生活においても乱雑な様子が目立たず、すっきり整然とした空間を保つことができます。

メリット④ 浴室のプライバシーを確保しやすい

2階にお風呂を設置することで、道路や隣家からの視線を避け、プライバシーを確保しやすくなります。

バルコニーに面した位置に設置したり、窓の位置や高さを工夫することで、窓を開けていても外からの視線を気にせずに入浴できるため、開放的でリラックスしたバスタイムを過ごすことができます。

メリット⑤ 水回りの陽当たりと風通しを改善しやすい

2階にお風呂を設置することで、隣家に遮られることが少なくなり、窓からの陽当たりや風通しを確保しやすくなります。

湿気がこもりがちな浴室や洗面・脱衣室も、自然光や風を取り入れることでカビの発生を抑え、爽やかで清潔な状態を保つことができます。

お風呂を2階に設置するデメリットは?

2階にお風呂を設置することで、注意すべきデメリットもあります。以下に詳しく解説します。

デメリット① 1階からの動線が長くなる

2階にお風呂を設置すると、1階からの移動距離が増え、階段の上り下りも必要になります。1階にリビングやキッチンがあり、頻繁に行き来する場合、この動線の長さを不便に感じることがあります。

特に高齢者や小さな子供がいる家庭では不都合になりやすく、後悔しないように毎日の暮らしをよくイメージして検討する必要があります。

リフォームのヒント

将来的に家族構成が変わったり、高齢化が進んで足腰が弱くなった場合など、2階のお風呂までの移動が不便に感じられる可能性があります。

将来を見越して再改修できるように配管の準備をしておくなど、柔軟な計画が求められます。

デメリット② 費用が割高になりやすい

2階にお風呂を新設する場合、排水や給水・給湯の配管を1階の床下から引き上げる必要があり、直下の1階の壁や天井の改修も必要になります。またユニットバスを設置する部分の床まわりに補強が必要となる場合もあります。

このため、一般的に1階のお風呂に比べてリフォーム費用が高額になる傾向があります。

デメリット③ 音が気になることがある

2階にお風呂を設置すると、シャワーなどの音が1階に響きやすくなります。また、2階には寝室があることが多く、寝室とお風呂が隣接している場合、夜間や早朝に使用すると家族に迷惑がかかることがあります。

必要に応じて間仕切り壁の防音性を高めたり、家族の人数や生活時間帯を考慮しておくことが大切です。

デメリット④ 水漏れ時にリスクがある

経年劣化や施工不良などの原因により、稀に水漏れが発生することがあります。1階のお風呂の場合は床下の空間に漏れていきますが、2階にお風呂を設置する場合は、2階の床から1階の天井や壁・床にまで広範囲に被害が及ぶリスクがあります。

ただし、1階のお風呂に比べて水漏れに気づきやすいともいえます。

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お風呂を2階に設置する費用は?

出典:パナソニック-ビバス

2階にお風呂を作る方法は、以下の4つのパターンに分けられます。リフォーム工事の費用は、これらの方法と使用するユニットバスのグレードやサイズ、改修の施工内容によって異なります。

>>お風呂リフォームの費用相場はこちらの記事でチェック!

① 2階の既存のお風呂を交換する場合

もともと2階にあるユニットバスを交換する場合の費用は、60万円から200万円が目安です。

費用はユニットバス本体のグレードやサイズとオプションで決まり、1階のユニットバスを交換する場合と大きく変わりませんが、古い配管設備が劣化していて交換が必要な場合には、追加の費用がかかります。

>>ユニットバスの交換はこちらの記事でチェック!

② お風呂を2階に増設する場合

1階にあるお風呂をそのままにして、2階の一部にお風呂を増設する場合もあります。この場合の費用は、100万円から250万円以上が目安です。

既存の寝室や納戸などをお風呂として利用するためには、間仕切り壁や床板を撤去・復旧する必要があります。新たに配管工事や床の補強なども必要となるため、ケースバイケースで費用の幅は広くなります。また、お風呂の増設に伴って洗面・脱衣室などの工事が必要になることも多く、その内容に応じて追加の費用がかかります。

③ お風呂を1階から2階に移動する場合

お風呂を1階から2階に移動し、元々のお風呂のスペースを別の用途に変える場合の費用は、150万円から300万円以上が目安となります。

この費用には、「②お風呂を2階に増設する場合の費用」に加えて、1階のお風呂を撤去して、他の用途に変えるための改修費用が加わり、この改修内容によって大きく変わります。

④お風呂を2階に増築する場合

「増築」とは、新たに外壁や屋根を作って床面積を増やす方法であり、既存の部屋の中にお風呂を作る場合とは異なります。

2階にお風呂を増築する場合は、1階の屋根を撤去して柱・壁を建てて部屋を作ったり、バルコニーを塞いで屋内化するなどの方法があります。増築するためには構造計算や法令の基準などの厳しい制約があり、大掛かりで難易度の高い工事となります。

費用は少なくとも200万円以上が目安となりますが、現場の状況によって費用に大きな幅があり、詳細な見積もりによって検討する必要があります。

>>お風呂の増築はこちらの記事から確認!

1階のユニットバスを交換する場合との工事の違いとは?

1階のお風呂と2階のお風呂では、リフォーム工事の方法に違いがあります。以下に詳しく解説します。

床下の構造に制約がある

2階ユニットバスの床下-著者撮影

1階のお風呂の下部は床下と基礎に囲まれた空間になっています。既存がユニットバスの場合はそのまま交換することができ、在来工法の場合はタイルやモルタルを撤去して、基礎や土間コンクリートの上にユニットバスを載せて設置します。1階の床は主要な構造部ではないため、撤去や改修は比較的容易で、制約は少なくなります。

2階にユニットバスを設置する場合、専用の金物を既存の梁に引っ掛けるようにして固定します。このため、新たにユニットバスを支えることができる構造になっているかどうかを確認する必要があります。

また、2階のお風呂の床下は1階の天井裏にあたります。1階の天井裏には、2階を支える梁や1階の壁につながる梁のほか、照明・エアコン・換気扇などがあります。これらを撤去することができない場合には、ユニットバスを設置できる位置や床の高さに制約があります。

配管スペースが必要になる

2階の床下配管と1階のパイプスペース-著者撮影
2階のお風呂の配管スペース例

1階のお風呂は、床下の空間が配管スペースとなっており、配管の更新も比較的容易にできます。

2階にユニットバスを新たに設置する場合、排水管や給水管を1階から2階に引き上げる必要があります。そのためには、お風呂の床下(1階の天井裏)を利用するだけでなく、1階部分にもパイプスペースと呼ばれる配管スペースが必要になります。また、配管が長くなるため、水圧や排水能力にも注意が必要です。

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2階のお風呂が向いているケースとは?

2階にお風呂を設置することが向いているケースと、おすすめの間取り例を紹介します。

①お洗濯の動線を2階にまとめたい場合

水回りをまとめた間取り-著者撮影
2階に水回りをまとめた間取り例
リフォーム前の2階

2階にお風呂を含む水回りをまとめることで、家事動線が効率的になり、忙しい共働きの家庭や子育て世代に向いた間取りをつくることができます。

例えば、使われなくなった個室を改修し、バスルーム、洗面所、トイレ、ランドリールームを2階に集約して設置します。さらに、その近くにバルコニーがあれば、物干しスペースとして活用できるため、洗濯後の動線が短くなります。また、2階に水回りが集中しているため、1階のスペースが広く取れ、家族のくつろぎ空間を充実させることができます。

② 寝室の近くにお風呂があるホテルのような間取りにしたい場合

寝室の近くにお風呂を増設した間取り例
リフォーム前の2階

寝室のそばにお風呂を増設することで、まるでホテルのような贅沢な間取りを実現できます。

例えば、寝室から直接アクセスできるバスルームとウォークインクローゼットを設けることで、入浴後すぐに着替えや身支度ができます。ガラスドア付きの開放的なユニットバスを採用したり、スペースが足りない場合にはコンパクトなシャワーユニットもおすすめです。

この間取りは、プライベートな時間を大切にしたい夫婦や一人暮らしの方に特におすすめです。また、インテリアにこだわりたい人にも向いており、デザイン性の高い豊かな空間を楽しむことができます。

③ 1階に家事室を設ける間取りの場合

家事室の例-著者撮影
1階に家事室を設けた間取り例
リフォーム前の1階

2階にお風呂を移動することで、1階に新たなスペースが生まれます。このスペースを有効活用するために、家事室を設けるのはいかがでしょうか。

家事室にはアイロンがけやミシン作業ができるカウンター、日用品や書類を整理できる収納棚や掲示板、さらには家事用のシンクなどを配置します。リビングやダイニング・キッチンと近い位置にあれば、家事の合間にお子様の様子を確認したり、調理などと並行して家事作業を行ったりすることもできます。

この間取りは、家事を効率的に行うことができるだけでなく、家事そのものを積極的に楽しみたい家庭にも向いています。

④明るく開放感のあるお風呂にしたい場合

バルコニーに面する明るいお風呂の例-著者撮影
バルコニーに面した水回りの間取り例

2階にお風呂を設置することで、明るく開放感のあるバスルームを実現できます。

2階は一般的に周囲の建物や視線から遮られにくく、自然光をたっぷり取り入れたり、お風呂上りにバルコニーで出てみたり、眺望を楽しんだりすることができます。風通しが良く、湿気がこもりにくいため、快適で清潔な環境を維持することができます。

お風呂を2階に作るときの注意点とは?

① 水圧が低い場合がある

出典:パナソニック-オーバーヘッドシャワー

2階にお風呂を設置する場合、特に注意したいのが水圧です。

家に供給されている水道の水圧や給湯器の能力が十分でない場合、2階に水やお湯を供給する水圧が低下して、シャワーの勢いが弱くなったり、お風呂の湯張りが遅くなる可能性があります。

この場合に水圧の低下を防ぐためには、給湯器を交換したり、水道の引き込み管の工事が必要になるなど、高額な費用がかかることがあります。水圧が足りるかどうかについて、必ず事前に専門業者に確認しておきましょう。

② お風呂の入口に段差ができる場合がある

2階のお風呂の床段差の例

2階にお風呂を新設する際に、入口に床段差ができることがあります。

これは、床下の梁などの構造を動かせなかったり、配管のスペースが不十分な場合に、ユニットバスの床が高くなってしまうことによって起こります。

段差があると、日常の上り下りが不便なだけでなく、つまづいて転倒するおそれもあります。レイアウトを優先することで段差が避けられない場合もありますので、設計・見積もり時には床の段差ができるかどうかを確認するようにしましょう。

③ 老後の暮らしも想定しておきたい

2階にお風呂を移動する際には、将来の生活を見据えた計画も大切です。

老後の暮らしを考慮すると、階段の上り下りが困難になることを想定しておく必要があるかもしれません。その場合は、ホームエレベーターの設置が可能であるかどうかを検討したり、将来的に1階にお風呂や脱衣室を再度移動・復旧する計画も視野に入れておくとよいでしょう。

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Q&A 2階のお風呂工事で良くある質問

2階にお風呂がある間取の耐震性は大丈夫?

2階にお風呂を設置する際に、既存の床板を撤去することで耐震性が損なわれることがあります。

また、お風呂は重量が大きく、浴槽に水を満たした状態では建物にかかる負荷が増すことがあります。古い住宅では、もともとの耐震性が不足している場合もあります。施工の際には、お風呂のリフォームによって耐震性に問題がないか、適切に補強ができるかどうかを確認しましょう。

2階に在来工法の浴室を作れる?

2階にお風呂を作る場合は、原則としてユニットバスまたはハーフユニットバスとなります。

在来工法のお風呂は床や壁の防水施工が必須となりますが、木造住宅の2階の浴室では漏水のリスクがあり、防水メーカーの保証が得られる工法も限られるため、一般的に推奨されていません。

2階にお風呂を作る工期はどれくらい?

2階にお風呂を作る工期は、1階の場合に比べてやや多くかかることが一般的です。

1階から引き上げる配管工事や床の補強工事などを含めて、約2週間程度が目安となりますが、洗面所やクローゼットなどの工事も伴う場合は、さらに多くかかることがあります。お風呂が使えない期間が長くなると生活に支障がありますので、リフォーム会社に工期を詳しく確認しておきましょう。

修理やメンテナンス費用に差はある?

ユニットバス本体は1階と2階で差がありませんが、2階のお風呂は給排水の配管が長く、1階からパイプスペースを介して2階の床下まで引き上げているため、配管の修理・更新費用は増える傾向にあります。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】ディバルコンサルタント株式会社 代表 明堂浩治

ディバルコンサルタント株式会社

明堂浩治

芝浦工業大学工学部建築工学科を卒業。大手建設会社で20年勤務した後、独立しコンサルタント業を始める。

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