2024年10月11日更新

監修記事

外壁塗装はシリコンで十分?耐用年数や相場を解説!他塗料との比較も!

外壁塗装はシリコン塗料で十分って聞くけど、他の塗料と何が違うの?シリコン塗料は性能が高く費用が抑えられるコストパフォーマンスのいい塗料です。本記事では、シリコン塗料を使用したメリット・デメリット、費用相場や他塗料との比較を解説します。
これから外壁塗装を行いたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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外壁の塗装で使うシリコン塗料の特徴

外壁塗装の様子
外壁塗装の様子

外壁塗装で使用されるシリコン塗料は、優れた特性やコストパフォーマンスの良さから多くの人気を集めています。

シリコン樹脂を主成分とする塗料で、外壁保護に適した以下のような特徴を持っています。

特徴説明
耐候性紫外線や雨風に強く、劣化しにくい
撥水性水をはじく性質が高く、雨水による汚れを防ぐ
通気性湿気を逃がす性質があり、カビや腐食を防止
耐熱性高温に耐える性質があり、夏場の熱による劣化を抑制
耐久性一般的に10〜15年程度の耐用年数がある
低汚染性表面に汚れが付きにくく、美観を長く保つ
シリコン塗料の特徴

シリコン塗料のデメリット

シリコン塗料には多くの利点がある一方で、以下のようなデメリットも存在します。

  • 塗膜が硬く、ひび割れしやすい
  • 商品によって性能にばらつきがある

一つずつ見てみましょう。

塗膜が硬く、ひび割れしやすい

塗膜が硬いことは、建物の動きや温度変化に対する追従性が低いことを意味します。

外壁は気温の変化や地震などによってわずかに動くことがありますが、シリコン塗料の硬い塗膜はこの動きに柔軟に対応できません。

結果として、塗膜にひび割れが生じやすくなります。

商品によって性能にばらつきがある

シリコン塗料の品質は製品によって大きく異なる場合があります。低品質のシリコン塗料を使用すると、耐候性や耐久性が期待通りに発揮されないことがあるため、製品の選択には注意が必要です。

信頼できるメーカーの製品を選び、適切な施工をすることで、これらのデメリットを最小限に抑えられます。しかし、完全に解消することは難しいので、上記を理解した上で使用を検討することが重要です。

シリコン塗料のメリット

シリコン塗料のメリットは以下の3点です。

  1. 高い耐候性
  2. 低汚染性
  3. 優れた耐熱性

メリットを一つずつ見ていきましょう。

高い耐候性

シリコン塗料は紫外線や雨風などの気象条件に強く、長期間にわたって塗膜の劣化を防ぐことが可能です。外壁の保護効果が長く持続し、建物の寿命を延ばす効果が期待できます。

低汚染性

シリコン塗料は表面に汚れが付着しにくく、付着しても雨で洗い流されやすい性質があります。そのため、外壁の美観を長期間保つことができ、メンテナンス頻度を減らせるのです。

優れた耐熱性

シリコン塗料は高温に強い特性を持っているため、夏場の直射日光による温度上昇にも耐えられます。これにより、熱による塗膜の劣化を防ぎ、建物内部の温度上昇を抑制できるのです。

以上の理由から、シリコン塗料は多くの住宅で採用されています。

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シリコン塗料が人気な理由

外壁塗装の様子

優れた特性の他にも、シリコン塗料が人気な人気な理由は2つあります。以下の表で、その主な理由をまとめました。

理由説明
コストパフォーマンス価格と性能のバランスが良く、経済的
カラーバリエーション豊富な色彩選択肢で、デザイン性が高い

それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

コストパフォーマンスに優れている

シリコン塗料が人気を集める大きな理由の一つは、そのコストパフォーマンスの高さです。

初期投資額と耐久性のバランスが良好で、経済的な選択肢となっています。

一般的にシリコン塗料の耐用年数は10〜15年程度とされ、他の塗料と比較すると、価格は中程度でありながら、耐久性に優れています。

そのためメンテナンス頻度が少なくなり、長期的にみてコスト削減をしやすい塗料です。

また、低汚染性により定期的な清掃や補修の必要性が減少するため、維持管理も簡単です。

このように、初期費用と維持費用の両面で経済的なシリコン塗料は、多くの外壁塗装で採用されています。

カラーバリュエーションが豊富

多様な色彩を選択できることは、建物の外観デザインにおいて非常に重要です。シリコン塗料は、淡い色から濃い色まで、幅広い色調を取り揃えており、建物の個性や周囲の環境に合わせた理想的な外観を実現できます。

調色システムの発達により、カスタムカラーの作成も可能です。特定の色味や、既存の外壁とのマッチングを求める場合でも、柔軟に対応できます。

カラーバリエーションの豊富さは、建物のデザイン性を高め、資産価値の向上にも直結します。

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シリコン塗料の相場

シリコン塗料を使用した外壁塗装の単価は、『2.5千〜3.2千円/㎡』です。

戸建て住宅の場合、延べ床面積30坪(約100㎡)程度の家屋で考えると、シリコン塗料での外壁塗装費用は100〜150万円程度です。

この金額には、足場の設置や下地処理、塗装作業などの費用が含まれています。

単価は、使用する塗料の品質や施工業者によっても変動するため、正確な見積もりは、専門業者に依頼することをおすすめします。

>>外壁自体のリフォーム費用はこの記事で紹介!

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シリコン塗料と他塗料の比較(単価や耐用年数)

以下の表に、ご指定の塗料の種類や費用相場、期待耐用年数をまとめました。

塗料の種類費用相場 (1㎡あたり)期待耐用年数
アクリル塗料0.9千円~1.8千円5~8年
ウレタン塗料1.6千円~2.5千円7~10年
シリコン塗料2.3千円~3.5千円10~15年
ラジカル制御塗料2.5千円~4千円12~15年
フッ素塗料3.5千円~4.8千円15~20年
無機塗料3千円~5千円15~20年

それぞれの特徴を比較してみましょう。

アクリル塗料

アクリル塗料は最も一般的で安価な塗料の一つです。

初期費用を抑えることはできますが、耐久性が低いため、長期的にみると塗り替え回数が増える可能性もあります。

近年の住宅塗装で使われるケースが減ってきている塗料です。

ウレタン塗料

かつてウレタン塗料は主流の外壁塗料でしたが、近年はより耐久性の高いシリコン塗料に人気が移っています。

柔軟性と弾性があり、密着性が高いため、さまざまな素材に塗装できる汎用性の高さが特徴です。

光沢があり、高級感のある仕上がりになる点も人気のひとつでしょう。

>>ウレタン塗料はこの記事で紹介!

ラジカル制御塗料

塗料の劣化要因となる『ラジカル』の発生を抑えることで、高い耐候性と耐久性を持つ新しいタイプの塗料です。

主に特殊な酸化チタンと光安定剤を使用しており、従来の塗料よりも長い耐用年数を実現しています。

淡彩色の外壁に適しており、低汚染機能も備えています。価格はシリコン塗料同等で、コストパフォーマンスの高さが特徴です。

ただし、濃色の選択肢が限られることや、長期的な実績データが少ない点に注意が必要です。

フッ素塗料

フッ素塗料はトップクラスに高い耐久性を持つ塗料で、耐用年数は15年から20年と長く、紫外線や酸性雨に対して優れた耐候性を持ちます。

防汚性も高く、親水性があるため、雨で汚れが自然に落ちやすいのが特徴です。

初期費用は高額ですが、長期間の性能維持を考慮するとコストパフォーマンスに優れます。

ただし塗膜が硬いため建物の動きに追従しにくく、ひび割れのリスクがあるため、施工には高度な技術が求められます。

フッ素塗料は屋根や外壁(サイディング、モルタルなど)、雨どいなどに適しており、とくにメンテナンスが難しい建物に向いている塗料です。

選択する際は、長期的な視点での費用対効果や環境条件を考慮することが重要です。

>>フッ素塗料はこの記事で紹介!

フッ素塗料とシリコン塗料の性能の比較

特性フッ素塗料シリコン塗料
耐用年数15〜20年10〜15年
価格帯 (1㎡あたり)3.5千〜4.8千円2.3千〜3.5千円
耐候性非常に高い高い
防汚性非常に高い高い
光沢保持性優れている良好
耐薬品性非常に高い高い

フッ素塗料とシリコン塗料は共に、外壁や屋根など建物の外装に広く使用されます。

フッ素塗料はとくに高層ビルや公共施設など、頻繁なメンテナンスが難しい建築物に適しており、シリコン塗料は一般住宅から商業施設まで幅広く使用される塗料です。

外壁塗装ではコストパフォーマンスの高さから、シリコンが選ばれるケースも見られます。

無機塗料

セラミックやケイ素などの無機物を主成分とする高耐久性の塗料で、耐用年数は15年以上です。

紫外線や酸性雨に対する耐候性が非常に高く、長期間にわたって建物の美観を保ちます。

また、親水性があるため、雨で汚れが落ちやすい特性を持つ塗料です。

一方で無機塗料は価格が高く、塗膜が硬いため建物の動きに追従しにくいので、ひび割れのリスクがあります。

再塗装も難しい場合があるため、施工には経験豊富な業者を選ぶことが重要です。

全体として高い初期投資となりますが、長期的な視点で見るとコストパフォーマンスに優れた塗料です。

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シリコン塗料のメーカーとおすすめ製品

外壁塗装用のシリコン塗料市場では、複数の有力メーカーが製品を展開しています。以下の表で、主要メーカーとその代表的な製品をまとめました。

メーカー代表的なシリコン塗料製品
日本ペイントパーフェクトトップ
関西ペイントアレスダイナミックTOP
エスケー化研プレミアムシリコン

それぞれのメーカーについて、詳しく見ていきましょう。

日本ペイント

パーフェクトトップ(日本ペイント)
出典:パーフェクトトップ(日本ペイント)

日本ペイントは、1881年創業の日本を代表する塗料メーカーです。建築用塗料をはじめ、自動車用塗料や工業用塗料など、幅広い分野で高品質な製品を提供しています。

同社の代表的なシリコン塗料製品は「パーフェクトトップ」です。

高い耐候性と低汚染性を兼ね備え、長期間にわたって建物の美観を保てます。

「パーフェクトトップ」シリーズは、豊富なカラーバリエーションも特徴で、建物の外観デザインの自由度を高めています。

関西ペイント

アレスダイナミックTOP(関西ペイント)
出典:アレスダイナミックTOP(関西ペイント)

関西ペイントは、1918年に設立された歴史ある塗料メーカーです。建築用塗料や自動車用塗料、工業用塗料など、多岐にわたる製品を開発・販売しています。

同社のシリコン塗料製品の中でとくに注目されるのが「アレスダイナミックTOP」です。

この製品は、高い耐候性と低汚染性を備えており、長期間にわたって建物を保護します。

関西ペイントの製品は、環境に配慮した設計も特徴で、VOC(揮発性有機化合物)の低減にも取り組んでいます。

エスケー化研

プレミアムシリコン(エスケー化研)
出典:プレミアムシリコン(エスケー化研)

エスケー化研は、1958年に設立された塗料メーカーで、建築用塗料を中心に事業を展開しています。

同社はとくに外装用塗料に強みを持ち、高品質な製品で知られています。代表的なシリコン塗料製品は「プレミアムシリコン」です。

優れた耐候性と低汚染性を持ち、長期間にわたって建物の外観を美しく保ちます。

エスケー化研の製品は、施工性にも優れており、塗装作業の効率化にも力を入れています。

また、環境に配慮した水性塗料の開発にも積極的に取り組んでいる優良企業です。

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シリコン塗料を使用して外壁塗装行った事例

ここからは、実際にシリコン塗料で施工された物件を見てみましょう。

施工箇所や費用、使用した塗料などを参考に、ご自身の外壁塗装に活かしてみてください。

シリコン塗料で元のイメージに合わせた仕上がり

現状のイメージに合わせた色で塗装
現状のイメージに合わせた色で塗装
費用97万円
施工箇所外壁・外壁塗装、屋根・屋根塗装
施工期間14日
使用製品クリーンマイルドシリコン(エスケー化研)
築年数30〜40年未満

清潔感のあるホワイト系の外装に合わせ、同様の色で塗装しました。

傷みや汚れを改善し、すっきり新築同様の仕上がりに。

メインはシリコン塗料で木部に高耐久保護塗料を採用

ホワイトを基調としたイメージは変えずに施工
ホワイトを基調としたイメージは変えずに施工
費用95万円
施工箇所外構・エクステリア、外壁・外壁塗装
施工期間15日
使用製品クリーンマイルドシリコン(エスケー化研)
築年数10〜20年未満

全体のイメージは変えず、ホワイトを採用しました。

木部は高耐候保護塗料を塗装し、長持ちする塗装になりました。窓枠や破風等はケレンに時間をかけ、ピカピカの仕上がりになっています。

シリコン塗料で劣化した外壁を新築さながらに

劣化したサイディングがまるで新築のように復活
劣化したサイディングがまるで新築のように復活
費用110万円
施工箇所外壁・外壁塗装
施工期間10日
使用製品セラMシリコン(関西ペイント)
築年数10〜20年未満

サイディング表面の防水性がなくなっていることもあり、ハイクオリティ塗料を採用。初期コストはかかるものの耐用年数が長く、メンテナンスサイクルが伸ばせる仕様に。

シリコン塗料でひび割れを補修しつつイメージも一新

帰宅時に気分が良くなる仕上がりに大満足
帰宅時に気分が良くなる仕上がりに大満足
費用100万円
施工箇所外壁・外壁塗装、屋根・屋根塗装
施工期間10日
使用製品DANシリコンセラUV(日本ペイント)
築年数10〜20年未満

築後12年が経過しており、サイディング表面の小さなひび割れが気になり、外壁塗装を実施しました。

足場を建てたついでに屋根塗装も行っています。10年を経過すると劣化も顕著だったため仕上がりに大満足して頂けました。

汚れが目立つ壁をシリコン塗料で塗り替え

外壁の汚れがなくなって綺麗な仕上がりに
外壁の汚れがなくなって綺麗な仕上がりに
費用70万円
施工箇所外壁・外壁塗装
施工期間8日
使用製品パーフェクトトップ(日本ペイント)
築年数10〜20年未満

外壁の汚れは丁寧に高圧洗浄で除去し、コストパフォーマンスのいい塗料で、費用をグッと抑えられました。外壁表面の保護も回復し一安心です。

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シリコン塗料を選ぶ際のポイント

シリコン塗料を選ぶ際には、以下2つのポイントを押さえておきましょう。

  1. シリコンの含有率を確認する
  2. 水性塗料と油性塗料の違いを把握する

それぞれについて詳しく解説します。

シリコンの含有率を確認する

シリコン塗料を選ぶ際、最も重要なポイントの1つがシリコンの含有率です。シリコンの含有率が高いほど、塗料の耐久性や性能が向上します。

一般的に高品質なシリコン塗料は45%〜65%程度のシリコン樹脂を含有していますが、この情報は製品カタログやウェブサイトに明記されていないため、確認が難しいです。

対策としては、前項で紹介したような信頼できる塗料メーカーの製品を使うこと。

シリコン含有率の低い塗料を使用すると、期待した耐久性や性能を得られない可能性があります。

塗装工事の際は、信頼できる業者と相談しながら、高品質なシリコン塗料を選択することが重要です。

水性塗料と油性塗料の違いを把握する

外壁塗装における油性塗料と水性塗料の違いは以下の通りです。

特徴油性塗料水性塗料
希釈剤シンナーなどの有機溶剤
臭い強い弱い
耐久性高いやや劣る(近年は改善傾向)
乾燥時間比較的短い気温・湿度に左右されやすい
安全性やや劣る高い

油性塗料の方が、性能的には勝るものの、最近の技術進歩によりこれらの差が縮まってきています。

取り扱いやすさや性能アップの面から水性塗料の使用率が上がってきており、現在の外壁塗装市場では、油性塗料より水性塗料の方が多く使われるようになっています。

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Q&A

シリコン塗料の1液と2液の違いは?

シリコン塗料に限らず、1液型と2液型の主な違いは、硬化方法と性能です。1液型は空気中の水分と反応して硬化するため、施工が簡単です。

一方、2液型は主剤と硬化剤を混ぜて使用するため、手間はかかりますがより高い耐久性を持ちます。

シリコンスプレーで塗装はできる?

シリコンスプレーは主に潤滑剤や撥水剤として使用されるもので、外壁塗装用ではありません。

外壁コーキングにシリコンがダメな理由は?

シリコンコーキングは塗料をはじく性質があり、その上から塗装しても密着せず、剥がれやすくなります。

またシリコンオイルが流出することで、目地周辺がベタつき、汚れの原因になります。

>>外壁のコーキング費用はこの記事をチェック!

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】工藤 あきこ

リフォーム業界出身のママ建築士。
設計事務所でのアシスタントを経て、地場やハウスメーカー系リフォーム会社の営業設計として勤務。水まわりの交換からフルリノベーションまで、幅広いリフォームを担当した。2022年、前職までの経験を活かして、建築専門ライターに転身。現在は、記事の監修やブログ「新・リフォームの歩き方」の運営をメインに活動する。

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