2024年01月24日更新

監修記事

リフォーム工事の解体工事で注意すべき事

リフォームの解体工事は、残す住居部分に影響のない丁寧な作業が要求され、騒音やホコリ対策、近隣への影響にも配慮が必要な専門的な工事です。建て替えの解体工事との違いや、業者の選び方、リノベーションの場合の解体費用や工期、事前や工事中の注意点について紹介します。

『建て替え』『リフォーム』解体工事の違いとは?

建て替えとリフォームの解体工事では、傷つけずにそのまま活用できるよう残さなければならない部分があるかどうかが大きく異なります。

建て替えの解体工事

建て替えは、基礎部分も残さずに全て撤去して更地化し、同じ場所に新しい家を建て直すことを指します。したがって、建て替えのために行う解体工事では、戸建住宅やマンションなどの建造物を、基礎から取り壊して更地にします。

取り壊した建物に使われていた建材や設備は、処理施設に運搬して処分してしまうため、解体時の損傷を気にすることなく、解体作業を進めていくことができます。

建て替え解体工事の流れ

解体工事の前には、ライフラインの停止手続きや廃材処理の手続きなどの事前準備を行います。準備が終われば、解体工事が始まります。

2階建て以上など、高所での作業を伴う場合は足場を設置し、粉じんの飛散を防ぐために養生シートで建物の周囲を囲います。

適切な足場や養生の設置は、事故や周囲への影響を防ぎ、安全な工事を行うために重要な準備です。質の高い解体業者を選ぶ際の、判断材料の一つになります。

敷地や建物周辺の障害物を撤去したら、建物の解体作業です。工事は、大型機械で崩して廃材を運搬するイメージが強いかも知れませんが、実際は、廃材を分別しながら解体します。新築工事と逆の手順をイメージしましょう。

分別解体をするのは、建設用資材の分別処理が法律で義務づけられているためで、建物本体の解体前に建物外側の瓦やスレート、石膏ボードなどを別々に撤去するとともに、屋内の建具や設備など不用品も撤去します。

建物本体の解体は、建設用大型機械での作業と手作業を併用する方法で、分別しながら撤去を進めます。最終的には、構造部分や基礎部分を建設機械で取壊し、撤去します。

最後に、コンクリートや木材、金属などに分別された廃材は、法律に基づいて処分するための処理施設に搬出し、整地すれば解体工事が完了します。

リフォームの解体工事はあとから作り変えることが前提

一方、リフォームでは、基礎部分や、柱などの構造部分はそのままに、利用できる部位を活用しながら部分的な改修や修繕、増改築を施します。

このため、リフォーム時の解体工事では、あとから作り変えることを前提として壊さなければならないという点が、建て替え解体工事と根本的に異なります。

リフォームに伴う解体工事では、依頼者の希望に応じて、水廻りや内装、間取り変更、屋根、外壁など、部分的なリフォームを行うために、必要な範囲に限定した解体と撤去作業を行います。

このように、リフォーム工事のための解体工事では、損傷を与えないように残しておかなければならない部分の保護のため、より慎重で丁寧な作業が要求されます。

住みながら行うリフォーム解体工事は生活への配慮が重要

また、一般的に、リフォーム用の解体工事の際は、依頼者が住みながら行うこともあり、単に取り壊しや撤去ができれば良いわけではありません。ホコリや騒音、生活への影響などに配慮した工事が重要となります。

そのためには、生活環境を維持するための養生の設置や、解体工事で発生するホコリやゴミの発生に気を配り、こまめな清掃作業も必要になります。更に工事部分の荷物の移動や移動場所の確保、トイレやキッチンなどの水場が使えるように配慮しなければなりません。

したがって、建て替えの解体工事に比べ、工期や費用もかかることになります。

業者選びは重要!リフォームの解体工事

更地にする解体工事と違い、リフォームのための解体工事を依頼する際は、経験や知識、工事に伴うホコリや騒音などへの対策を主な基準として、業者を選ぶことが重要です。

解体に慣れている業者に依頼

リフォームの解体工事については、撤去する部分と残す部分が常に共存しているため、丁寧な解体作業が要求されます。このため、リフォームを前提とした解体に慣れている業者に依頼することが大切です。

解体で残す部分は、リフォームで利用しながら作り直すため、損傷を与えないように慎重かつ丁寧に、不要な部分を取り除いていかなければなりません。単に、不要な部分が撤去できれば良いというわけではありません。

したがって、建物の構造に詳しく、リフォーム用解体工事の経験が豊富な業者を選ぶことが重要です。解体工事業者といっても、更地にする解体工事が得意な業者や、ビルの解体、設備の解体などを専門とする業者など様々です。

また、リフォーム後の形を理解していないと解体部分が把握できないため、リフォームを施工する業者、設計する事務所などが手配、指示することがほとんどです。

ホコリや騒音についての配慮も重要

また、建て替えと異なり、リフォームの場合は、依頼者が居住したままで工事を進める場合もあるため解体工事によって発生する騒音や振動、ホコリなどに配慮した対応ができる業者に依頼することが重要です。

リフォーム解体工事の経験豊富な業者であれば、このような対応にも精通しているため、安心して任せることができます。

内装リフォーム解体工事の例

更地化する解体工事と同様、作業の安全確保や残す部分の保護、騒音や粉じん対策のために、足場や養生を設置します。また、養生は、廃材の搬出作業時に損傷を与えることがないよう、保護する役割も持っています。

内装材や建材を撤去する場合は、まず、撤去する場所と撤去しない場所をはっきり区別し、撤去せずに残す部分については、保護シートなどで覆い、破損や汚れを防止します。そのうえで、変更する部分の内装材や建材をすべて撤去します。

壁紙を剥がす際には大量の粉じんが発生する恐れがあるため、慎重に作業を行うとともに、撤去した廃材は分別しながら処理を進めます。

すべてを取り壊す解体工事では、粉じんが舞い上がらないように、散水によって抑える方法もありますが、建物内部では利用できないケースが多いため、慎重に撤去作業を進めなければなりません。

床材を撤去する場合は、床と表面の板材とが接着剤やノリなどで貼り合わされているため、接着剤の種類に適した解体方法で少しずつ剝がします。この際、下地の汚れや傷が発生しやすいため、慎重な作業が要求されます。

また、接着剤が残った部分は凸凹になってしまうため、滑らかな平面になるよう、除去や補修を施して仕上げる必要もあります。また、床の高さに支障がなければ撤去せずに上から重ね貼りをする方法をとることもあります。

解体後は、リフォーム工事に取り掛かりやすいように、念入りに清掃作業を行います。解体工事で発生した廃材については、法律に基づく処分を行います。

このように、リフォームを前提として解体工事を行う場合は、専門的な撤去技術や様々な配慮が必要ですから、経験が豊富な業者を選ぶことが重要になるというわけです。

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リノベーションを伴う工事…解体の費用や工期は?

リフォームは、時間の経過によって劣化した部分の改修や、古くなった設備を取り替えるなど、部分的に改修や修繕を施して新築の状態に近づける、原状回復のための復元工事です。

たとえば、システムキッチンの入れ替えや床材の張り替え、破損や剝離した壁紙の張り替え、キッチンと居間を一間に改造するような間取り変更、屋根の葺き替えなどがリフォームです。

これに対しリノベーションは、明確な定義はないものの、間取りの大幅変更や、内外装の刷新などを併せて行い、新しい暮らし方に沿った住まいや家に新たな価値を生み出すような大掛かりなリフォームを指します。

ちなみに、リノベーションは、大がかりな解体工事を伴うためにフルリフォームやスケルトンリフォームと呼ばれることもあり、混乱しやすいためご注意ください。

最も大掛かりなリノベーションとしては、既存の建物を支える基礎部分や、柱などの構造部分だけを残し、あとは解体撤去して、新たに内外装や屋根などを作り直す方法があり、まったく新しい家に作り変えることができます。

このように大掛かりなリノベーションを行うとなれば、部分的なリフォームに比べて、解体工事も大掛かりなものとなることは疑う余地がありません。

費用や工期は解体してみて初めて分かることも

ただし、解体の費用や工期については、建て替えのための解体作業とは違い、解体してみて初めて分かることもあります。

基礎と構造部分だけを残す解体工事を行うと、それぞれの状態がハッキリ分かります。雨漏りが発生していた場合は腐食やカビ、シロアリが発生していた場合は柱の腐蝕などを発見することもあります。

また、地盤沈下や地震などによって、基礎の変形や建物構造の歪みなどが生じていることもあります。このような状態が生じていれば、別途補修などが必要になることから、費用は増え、工期が長くなることにつながります。

依頼者の希望と劣化状態により工事範囲や工期、費用が分かる

依頼者がどのようなリノベーションを希望するかによって、解体する規模や範囲が決まり、解体してみて初めて分かる劣化の状態によって、工期や費用を算出できます。

基礎や柱などの構造部分で劣化や損傷が進んでいる場合、建物の強度を保つための補修や補強工事が必要で、工期や費用が嵩みます。劣化の程度によっては、建て替え解体の費用と同程度、あるいは上回るケースも発生します。

工期や費用の事例

リノベーションに伴う解体工事の場合は、広範囲にわたり、手作業を中心とする慎重な撤去作業を進めるため、工期が長くなるとともに、人件費が増えることから費用が高くなります。

また、屋根や外壁などまで解体して、基礎と構造部分だけを残す解体工事の場合は、おのずと工期も費用も嵩むことに加え、仮住まいの費用もかかることになります。

工期

木造家屋を解体して更地化する場合で、工期は、7日間程度です。

工程別には、足場と養生の設置に1日、屋根瓦や屋根ふき材の撤去作業に1日、ガラスや内装材の撤去に1日、柱や梁などの構造体撤去に2日から4日程度が一般的です。

これに対して、建物内部を構造部分だけ残して行うリノベーションの解体工事では、工期はおよそ1ヶ月から~3ヶ月かかります。

キッチンを移動するリノベーションの場合、キッチンの取外しや床、クロスの撤去、ガスや水道の配管、電気工事などが必要で、2週間から1カ月程度かかります。

なお、小規模な例として、2部屋から1部屋への間取り変更で壁を撤去するような場合は、2日から3日程度で解体工事を済ませることができます。

費用

解体費用の相場は、廃材の処分費用込みで、木造なら坪2~5万円、鉄筋コンクリート造なら坪6~7万円程度です。一般的に、木造の場合が最も安く、次いで鉄骨造、鉄筋コンクリート造の順に、単価と費用が上がります。

たとえば、30坪の木造住宅を基礎と構造部分だけ残す解体工事であれば、単純に計算すると、60万円から150万円程度の費用がかかります。

ただし、地域や物件の状況、また、資機材の搬入や搬出のための道路幅、廃材の量などによっては、追加費用がかかることもあります。

また、耐震補強が必要な場合、別途、筋交いや耐震補強材の追加 添え木や金物による構造材のずれや欠損の補修などを行います。

木造戸建住宅の場合では、耐震補強の費用は70万円から150万円程度が相場で、大規模な補強が必要な場合は300万円程度かかるケースもあります。

リフォームの解体工事で注意すべき点

リフォームの解体工事では、前述した費用や工期、業者選びの他にも、注意すべき点があります。

解体工事は、騒音や振動、ホコリ、廃棄物などが発生するため、トラブルにつながりやすい工事です。必ず着工前に、業者と一緒に近隣へ挨拶回りに行き、工期や内容を説明して理解と協力を依頼しておかなければなりません。

依頼者だけでは専門的な質問には答えられませんし、業者だけではお子様の有無や在宅状況などが分からず誠意が十分に伝わらないこともあり、近所づきあいの一環として挨拶しておけば、近隣関係のトラブル防止に役立ちます。

費用面では、解体範囲に不用品を残さないことに注意しましょう。産業廃棄物は処理費用が高く、解体費用に占める割合も大きいため、粗大ゴミなどとして自分で処分できるものがあれば、処理費用を抑えることができます。

手続き面では、電気や電話、インターネット回線、テレビなど、屋内引込線が解体範囲にある場合は、事前に管理会社や専門業者に連絡して、対応を依頼しておきましょう。撤去や再配線が必要な場合は、事前予約が必要です。

工事が始まったら、現場に立ち会いましょう。解体後の劣化の状況が確認できれば今後どのような費用が必要になるか事前にわかるので安心感が高く、不明な点があればその場で確認できるとともに、場合によっては工事個所のトラブル隠し防止にも役立ちます。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社フレッシュハウス 樋田明夫

株式会社フレッシュハウス

樋田明夫

フレッシュハウスでリフォームの営業担当を長年経験し、数々のリフォームコンテストでの受賞実績を持つ。現在はフレッシュハウス本社における営業戦略室の室長として、大規模リフォームから通常のリフォーム物件まで幅広く対応中。

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