2024年09月18日更新

監修記事

床の断熱リフォームはどれが効果的?費用相場や補助金制度なども解説

床断熱リフォームには、床下断熱などいくつかの種類があります。そのため、どれが一番効果的なのか気になる人も少なくないでしょう。この記事では、戸建て用・マンション用の工法やその効果を詳しく紹介します。さらに床の断熱リフォーム時の注意点や費用相場についても解説。最後まで記事を読んでいただければ、床断熱リフォームのメリット・デメリットを理解し、リフォームに向けた具体的なアプローチが可能になります。

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【戸建て】リフォームで床を断熱する方法

戸建てで床断熱リフォームする場合、3つの方法から選べます。

それぞれの方法にはメリット・デメリットや向き不向きもあるので、お住まいに最適な方法を選びましょう。

【方法1】床下断熱

戸建ての床断熱リフォームとしてもっともよく利用されるのが床下断熱です。

断熱の仕組みは、床下の床組みに断熱材を敷き詰めて床下で冷たい外気をシャットアウトするものです。

床下断熱は施工可能な業者も多く、新築だけではなくリフォームでの施工が可能という利点があります。

床下断熱の工法は取り扱う業者が多いこともあり、以下の2つの工法から選べます。

断熱材を入れる

比較的工事のハードルが低いのが、断熱材を入れる方法です。

断熱材はすでに成型されたものを使用するので、施工者の技術に影響されることが少なく品質も安定します。

使用する断熱材により費用は異なりますが、安価なものを使用すれば工事が安く済むのもメリットです。

ウレタン断熱材の吹き付け

工事のハードルは高くなりますが、断熱性・気密性に優れているのがウレタン断熱材を吹き付ける方法です。

液体のウレタンを吹き付けて密着させるので、長期間に渡って断熱効果が持続することが期待できます。

工法の性質上、隙間ができにくいので、カビや結露が発生しにくい点もメリットです。

ただし施工者に高い技術力が求められるので、費用は断熱材を入れる場合より高くなる傾向があります。

【方法2】基礎断熱

床の断熱リフォームでもっとも難易度が高いのが、基礎断熱です。

基礎断熱は床下断熱のように床組みではなく、建物の基礎部分に直接断熱材を貼り付ける工法です。

床下断熱とは異なり基礎コンクリート全体を断熱材で覆う形になるので、外気をシャットダウンし結露が起きにくいメリットがあります。

ただリフォームで基礎断熱の工事をするのは難しく、新築の際に行われることが多くあります。

【方法3】室内の床断熱

断熱リフォームには、室内の床を剥がして室内側から施工するものがあります。

この方法は床板の貼り替えリフォームの際に一緒に行えば、費用を安く抑えることが可能です。

床を剥がす大がかりな工事になるので、工期が長く費用は高くなりがちです。

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【マンション】リフォームで床を断熱する方法

マンションリフォームで床を断熱する方法には、乾式断熱と湿式断熱があります。

湿式断熱は床材の下に断熱材を貼り付ける工法、湿式断熱はウレタンなどを床材の下に吹き付ける方法です。

いずれにしても既存の床を剥がす必要があるので、床板のリフォーム時に一緒に工事するのがおすすめです。

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床下の断熱リフォームで期待できる効果

床の断熱リフォームすることで、お住まいが快適になるいくつかの効果が期待できます。

メリットを理解すれば、自宅の床断熱リフォーム後の生活が具体的に見えてくるでしょう。

【効果1】寒い時期に足元の冷えを改善できる

床断熱リフォームで期待できる効果には、寒い時期に足元の冷えを改善できることがあります。

床断熱リフォームでは床下や基礎部分に断熱材を入れるので、冷たい外気が床下から入らなくなります。

冬の時期、暖房を付けていても足元から冷えてしまう経験をされた人も多いのではないでしょうか?

床断熱リフォームを行えば足元から来る冷えが改善され、より快適な冬を過ごせます。

【効果2】床下における結露やカビなどの抑制

床の断熱リフォームをすることによって、床下に結露やカビが発生するのを抑制できます。

床断熱で外気と床下の温度差が緩和され、結露が起こりにくくなり、結果的にカビの抑制にもつながります。

床下の結露やカビが抑制されれば建物の状態を健全に保てるので、住宅の耐久性の向上も期待できます。

今の住宅にできるだけ長く住みたいと考えるなら、床断熱リフォームは有効な方法の一つです。

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床の断熱リフォームにかかる費用相場

床の断熱リフォームにかかる費用の相場は、以下の通りです。

断熱工事の工法費用の目安
床下断熱
(断熱材を入れる方法)
30万~40万円
(20坪)
床下断熱
(ウレタン吹き付け)
3,000~6,000円
(1平方メートルあたり)
基礎断熱30万〜40万円
(20坪)
室内の床断熱80~120万円
(20坪/床の張り替え工事込み)
※費用の目安は、選ぶ断熱材によっても異なります
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床の断熱リフォームにおすすめの断熱材

床の断熱リフォームにおすすめの断熱材は、以下の通りです。

断熱材特徴
硬質ウレタンフォームウレタン吹き付け工法で使用する断熱材。
気密性・断熱性が高く、高湿なので衝撃にも強い
フェノールフォーム断熱性能はトップクラスだが、価格は比較的高め。
長期安定性や耐火性にも優れている
押出法ポリスチレンフォームボード上になっているので、基礎断熱に使用されることが多い。
耐水性・施工性に優れているが、耐火性は弱め
ビーズ法ポリスチレンフォーム一般的に「発泡スチロール」としても使用されている。
施工しやすく、耐久性や衝撃性・耐水性に優れている
グラスウール価格が安いため、広く利用されている素材。
防音性・耐火性に優れているが、湿気に弱く耐久性が低め
ロックウール岩石を原料にしているので、耐火性・耐熱性が強い。
デメリットは重さがあることと施工のしづらさ
セルロースファイバー古紙が原料のエコな素材。
施工がしやすく調湿性があり、防音性能にも優れている
ウール調湿効果に優れており、アレルギーの心配が少ないのがメリット。
保温と速乾性もあるが、価格は高め
インシュレーションボード木質の素材をボード上に加工したもの。
調湿性や消臭効果が期待でき、エコ素材としても人気
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床の断熱リフォームにおける注意点

床の断熱リフォームをする場合は、いくつか注意すべき点があります。

事前に注意点を把握しておけば、断熱材や施工業者を選ぶ際にも役に立つはずです。

【注意点1】床下の結露やカビを予防する

床の断熱リフォームをする際には、床下の結露やカビへの予防措置をとることが必要です。

断熱材の下は外気と同じ温度なので、床下換気を行わないと、結露やカビが発生する可能性があります。

床下に防湿シートを敷いたり床下換気扇を設置するなどの対策で、カビや結露の予防が可能です。

床下断熱リフォームをする際には、床下の除湿についても業者と相談するのがおすすめです。

【注意点2】隙間ができないように施工する

床の断熱リフォームをする際には、隙間ができないように施工することも必要です。

施工時に隙間ができてしまうと、断熱性能が下がってしまいます。

配管や配線、高低差のある場所などは、特に気密性を保てるようにしっかり施工することが重要です。

床の断熱リフォームを依頼する業者は、複数の業者から仕事が丁寧な業者を選ぶと良いでしょう。

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床下の断熱リフォームはDIYで可能?

床下の断熱リフォームはDIYでも可能ですが、おすすめはできません。

床下断熱をDIYでするには床材を剥がすか床下に潜り込む必要があり、慣れている人でないと難しいでしょう。

また気密性を保持して断熱性を高めるためには、隙間なく断熱材を設置する必要があります。

このような作業に慣れていないなら、プロにまかせたほうが安心です。

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床の断熱リフォームにかかる工期

床断熱リフォームに必要な工期は採用する工法や断熱材により異なりますが、1日〜3週間程度です。

床を剥がさずに床下で作業をする場合には最短1日で作業が終わることもあります。

また床を剥がして床板のリフォームも一緒にする場合は、最短6日・最長で3週間程度かかるでしょう。

作業する床面積によっても工期は異なってくるので、見積もり時に業者に確認してみてください。

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床の断熱リフォームで利用できる補助金制度

床の断熱リフォームでは、以下の補助金制度が利用できます。

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【Q&A】床の断熱リフォームに関するよくある質問

床下に断熱材はいらないと言われる理由は?

床下に断熱材はいらないと言われる理由は、シロアリの被害に遭いやすくなる可能性があるからです。

基礎断熱の場合、断熱材からシロアリが侵入して木材に被害が及ぶ状況を作ってしまうことがあります。

床下断熱の場合は、その構造上、シロアリの被害には遭いにくいとされています。

基礎断熱を採用する場合は、防蟻対策を行ったり防蟻機能のある断熱材を選ぶのがおすすめです。

床下の断熱材は後入れしても大丈夫?

床下の断熱材は、後入れしても大丈夫です。

断熱材を後入れする場合は、床板を剥がす方法と、剥がさずに床下に入り込んで作業をする方法から選べます。

床板を剥がす場合は費用が高めですが、剥がさずにする場合は比較的リーズナブルな価格で可能です。

床下の断熱材を後入れする場合は、費用だけではなく築年数なども踏まえて最適な方法を選びましょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】下久保彰

2級建築士。建築設計や施工業務を30年以上経験。最近は自営にて各種請負業務を行う。

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