地下室にトイレ増設はできる?費用や工事の流れ、ポンプアップ排水の仕組みを解説

地下室にトイレを増設するリフォームの費用相場は、80~200万円程度です。
通常のトイレとは異なり、地下から排水を上に持ち上げる「ポンプアップ排水システム」の使用が不可欠です。
地下室にトイレを設置する問題点やメリット・デメリットも紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。

2025年11月17日更新

監修記事
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地下室にトイレを増設するメリット

地下室にトイレを増設するメリットは、以下の通りです。

メリット
地下室の実用性がアップする

地下室にトイレがあれば、作業場や居住空間として使う際に、わざわざ階段を上り下りする必要がなくなり実用性が高まります。
無駄な移動が減って作業の中断も最小限に抑えられ、建物全体の利便性が向上します。

メリット
周囲に気を使わずに使える

地下室は、建物のほかの生活空間から隔離された場所です。そのため、トイレの音や使用中の動作が他の部屋に伝わりにくくなります。
また、家族や来客に気を使うことなく、トイレを安心して利用できるという点も大きなメリットです。プライバシーの確保はストレスを減らし、より快適な生活を提供します。

メリット
建物の資産価値が上がる

地下室にトイレを設置すると建物全体の設備が充実し、資産価値の向上が期待できます。
トイレの数が増え、地下室が居住空間として認識されることは不動産市場での評価対象となり(価値が5~10%向上するケースも)将来的な売却時にも有利に働くでしょう。

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地下室にトイレを増設するデメリット

地下室にトイレを増設するデメリットは、以下の通りです。

デメリット
増設費用が高い

地下室にトイレを増設するためには、一般的なトイレ工事以上にコストがかかります。なぜなら、排水を上に送るためのポンプアップ排水システムの設置が必要となるからです。
ポンプアップ排水システムは、通常のトイレには不要な追加設備であり、これに伴う配管工事や床の加工などが発生します。とくに、既存の地下室に新たにトイレを増設する場合は、予想以上に費用が膨らむこともあります。

デメリット
工期が長くなりやすい

ポンプアップ排水システムの導入や、排水を上層へ持ち上げるための複雑な配管工事が必要なため、地下室のトイレ設置は工期が長くなりがちです。
目安は1~2週間程度ですが、建物の構造によってはさらに延びる可能性もあるため、余裕を持った計画が重要です。

デメリット
湿気や臭いがこもりやすい

地下室は自然換気が難しく湿気がこもりやすいため、カビや悪臭が発生しやすい環境です。
そのため、換気システムを導入して湿度を管理したり、防カビ・防臭効果のある内装材を使用したりといった対策が必須になります。

デメリット
定期的に設備のメンテナンスが必要

ポンプアップ排水システムは、排水トラブルや逆流のリスクを防ぐため、定期的なメンテナンスが不可欠です。
年1回程度の点検が推奨されますが、メンテナンスを怠って故障すると高額な修理費がかかるため、異常や異音が発生した時は早めの修理が必要です。

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地下室にトイレを設置する際の排水システム

地下室にトイレを設置する際に最大の課題となるのが「排水システム」です。地下にあるため、重力を利用した通常の排水では下水に流れず、特別な仕組みが必要になります。

ここでは、ポンプアップ排水システムの仕組みや圧送ポンプ、逆流防止弁といった重要な設備について詳しく解説します。地下室トイレの排水に関する基礎知識を深め、快適な利用を目指しましょう。

ポンプアップ排水の仕組み

地下室にトイレを設置する際、最も重要な要素となるのが「ポンプアップ排水システム」です。このシステムは、圧送ポンプ、タンク、逆流防止弁、排水管から構成されています。ポンプアップ排水システムを使用することで、通常の重力による排水が困難な地下室でも、排水を上層へ持ち上げて下水道や浄化槽に流します。

圧送ポンプとは

圧送ポンプは、排水をタンクに溜め、それを上層の排水管へ押し上げるための装置です。ポンプの容量や性能は、使用するトイレの頻度や地下室の環境に応じて選定する必要があります。ポンプの性能が不足すると、排水不良やトイレの詰まりの原因となるため、適切な設計が重要です。

ポンプアップ排水のデメリット

ポンプアップ排水システムには、いくつかのデメリットがあります。
たとえば停電が発生した場合はポンプが動作しなくなり、トイレや水回りが使用できなくなります。
また、ポンプが排水を圧送する際、動作音や振動が発生することもあり、とくに静かな環境を求める場合は注意が必要です。

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地下室にトイレを増設する費用

地下室にトイレを増設する際の全体的な費用相場としては、80~200万円が目安です
ポンプアップ排水システムを導入するためには、通常のトイレ増設工事よりも高いコストがかかります。まずは、基本的な工事の内訳を見ていきましょう。

工事内訳費用相場
トイレ本体10~50万円
圧送ポンプの費用10~30万円
逆流防止弁の費用1~5万円
配管工事と設備の設置費用20~50万円
付帯設備の設置費用5~20万円
合計46~155万円

「内訳の合計(46~155万円)と、全体の相場(80~200万円)に差があるのはなぜ?」と疑問に思われるかもしれません。

こちらの工事内訳は、あくまでトイレ本体とポンプ排水システムの設置に関する基本的な工事費用の目安です。

実際の地下室リフォームでは、これらの費用に加えて以下のような「付帯工事費」「諸経費」などが発生することが一般的です。

基本工事以外にかかる費用
湿気・換気対策費

デメリットでも触れたように、地下室には高性能な換気扇の設置や、防カビ・調湿効果のある内装材の使用が推奨されます。

内装工事費

トイレ空間を新設するための壁紙、床材、照明、ドアの設置費用などです。

諸経費

現場管理費、廃材処分費、設計費、駐車場代など、リフォーム会社に支払う経費です。

予備費

排水ルートの設計が複雑な場合や、既存の構造上、予期せぬ追加工事が発生する可能性もあります。

これらの費用が加わるため、リフォーム全体の総額としては80~200万円が見込まれます。

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地下トイレを増設する際の問題点

水流が高いところから低いところに向かって流れる性質があることは、誰もが知っている事実です。

地下にトイレを設置する場合、この性質への対策が必要になるため、かなりの費用や労力が発生するという問題点があります。

問題点
地階床より低い位置に汚水槽が設置される

地下トイレの排水には、地階の床よりさらに低い位置に、ポンプを備え付けた汚水槽(メンテナンススペース含む)の設置が必要です。
この汚水槽は、設置と維持に高額な費用と労力がかかる上、そもそも設置が難しい場合もあります。

問題点
逆流防止弁付きのポンプ施設が必要

汚水槽は、臭気漏れや豪雨時の浸水、下水の逆流といったリスクを伴います。
特に、道路面より低い地下室では下水が逆流しやすいため、汚水槽には「逆流防止弁付きのポンプ施設」を設置する対策が必須です。

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地下室のトイレの増設に関するよくある質問

ここでは、地下室にトイレを増設に関するよくある質問をご紹介します。

排水設備のメンテナンスの頻度は?

地下室トイレの排水設備、とくにポンプアップ排水システムのメンテナンスは、年に1回程度が目安です。
ポンプの故障や異常を早期に発見するため、定期的な点検が推奨されています。異常な振動や音が発生した場合、早めに修理を依頼することでトラブルを未然に防げます。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】工藤 あきこ

リフォーム業界出身のママ建築士。
設計事務所でのアシスタントを経て、地場やハウスメーカー系リフォーム会社の営業設計として勤務。水まわりの交換からフルリノベーションまで、幅広いリフォームを担当した。2022年、前職までの経験を活かして、建築専門ライターに転身。現在は、記事の監修やブログ「新・リフォームの歩き方」の運営をメインに活動する。

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