2024年04月17日更新

監修記事

お風呂の床がひび割れした場合の補修方法は?補修費用も解説

お風呂の床がひび割れてしまった場合、足を怪我する恐れがあるため大変危険です。また、お風呂のひび割れを放置すると二次被害の原因になることがあります。そうならないためにも、お風呂の床がひび割れたときの対処法を知って早めに対応しましょう。

お風呂の床がひび割れする主な原因と問題点

風呂 床 ひび割れ

お風呂の床がひび割れてしまう主な原因とは、どのようなことなのでしょうか。また、お風呂の床がひび割れることによって生じる問題点も見ていきましょう。

お風呂の床のひび割れは経年劣化が主な原因

お風呂には、現場で壁や床を施工しタイルなどで仕上げる「在来工法」とあらかじめ工場などで作られたパーツを現場で組み立てる「ユニットバス」とがあります。

同じお風呂でも工法が異なりますが、どちらも床がひび割れる原因は経年劣化がほとんどだと言われています。お風呂を長期間にわたって使用することで、床にひび割れが発生し穴が開いてしまいます。

ユニットバスの床の場合、経年劣化によってひび割れを起こす他にも、お風呂の椅子でこすれる場所が剥がれてしまうことがあります。

またユニットバスの耐用年数は約15年と言われているため、特にお風呂設置から約15年前後の場合は劣化症状が現れやすくなっています。

一方、在来工法などでお風呂の床がタイル貼りの場合、経年劣化によってタイル目地に充填されたコーキングが痩せてひび割れや剥がれなどを起こしたり、タイルそのものが割れたり剥がれたりすることがあります。

また在来工法でタイルが使用されている床の場合、タイル目地(コーキング)の耐用年数は約10年~約15年であるため、タイル本体ではなくタイル目地の劣化によってひび割れが起こる可能性もあるでしょう。

その他にもタイル床の場合は、固くて重たいものを落とすと割れる可能性が高く、割れてしまったタイルはケガをする恐れがあるため危険です。速やかに修復するようにしましょう。

お風呂の床のひび割れによる二次被害

お風呂の床のひび割れが進行するとひび割れ部分から水が床下へと漏れるようになり、床下の基礎を腐敗させます。

住宅の2階にお風呂があり、ひび割れ部分の劣化が激しい場合は下階まで被害が及ぶ可能性があり、1階の天井部分にシミや水漏れが発生することがあります。

お風呂の床のひび割れによる二次被害はそれだけではありません。ひび割れから水漏れすることによって、基礎部分の湿度が常に高い状態になりシロアリが発生しやすい環境を作り上げます。

また、シロアリは地中に生息しているため、床下の地面を進んで行き、湿度の高い場所を見つけると地面から住宅内に入り込むこともあります。その他にもお風呂のひび割れのすき間からシロアリが浸入するケースもあるようです。

お風呂の床のひび割れを放置することによって、基礎がシロアリに蝕まれ最終的には住宅内にシロアリ被害が広がる可能性があります。

お風呂の床のひび割れの補修方法と費用の目安

次にお風呂の床のひび割れの補修方法と費用の目安をご紹介します。

床がタイルの場合のひび割れ補修方法

タイルの床にできたひび割れを修復する場合、エポキシ系接着剤を使用して修復します。エポキシ系接着剤とは、エポキシ樹脂が主成分の接着剤のことで、膜が硬くなるため金属やタイル目地の補修に向いています。

また、床と浴槽の間のひび割れには防水性の高いペースト状のコーキング材を使用します。

浴室のタイル床のひび割れを修復するのにかかる費用は、約3万円~が相場です。専門業者に依頼して施工する場合は、ひび割れの範囲やその他の箇所の劣化具合によって金額が変わるため、見積もりを依頼しあらかじめ金額を確認すると良いでしょう。

タイルのひび割れが軽度で見つけて間もない場合は、DIYで応急処置をすることも可能です。

しかし、タイルの床のひび割れなどの劣化が激しかったり、ひび割れを発見してから長期間経過している場合は一度専門業者に水漏れしていないか調査してもらうといいでしょう。

もし、タイルのひび割れや剥がれなどの箇所が多く劣化が著しい場合は、お風呂全体のリフォームを検討されることをおすすめします。

浴槽と床が一体型のユニットバスのひび割れ補修方法

次に浴槽と床が一体になったユニットバスでひび割れが起きた場合を見ていきましょう。

この場合はエポキシ樹脂やガラスファイバー素材できたパテで下地を補修した後、ポリエステル系のシートとPET樹脂を貼って塗装の仕上げをする工法があります。

ユニットバスの床がひび割れてしまった場合に放置しておくと剥がれの原因となり、入浴の際足を怪我する可能性があります。そのため、ひび割れを見つけたらできるだけ早めの補修が必要です。

タイルの床と同じく、応急処置としてDIYで修復することも可能ですが、床の内部が浸水しているのかどうか確認が必要なため一度業者に調査してもらいましょう。

ユニットバスのひび割れを補修する費用は約10万円~約20万円が相場で、工期は約2~3日が目安です。

またユニットバスの場合、床だけを交換することは難しいと言われています。そのためひび割れや劣化が激しい場合は、浴槽を解体しユニットバス全体を交換しなければならず、リフォーム費用も高額になる傾向があります。

お風呂の床がFRP床材の場合のひび割れ補修方法

お風呂の床がFRP床材の場合、足を怪我する恐れがあるため早めの補修が必要です。この場合、浴室専用床シートを使用した修復方法があります。

浴室専用床シートとは、ひび割れや剥離が発生したFPR床やタイル床なども修復できるシートのことです。また浴室専用床シートはクッション性や強度、耐温水性に優れているため介護施設や医療施設などでも使用されています。

FRP床のひび割れを補修する床シート工法の費用は、1坪で約8~10万円が相場です。

浴室専用シートを施工する際の手順は以下の通りです。

  1. お風呂の床の汚れを取って平坦にする下地処理をする
  2. 床シートを貼りたい大きさに切る
  3. 床周りをマスキングテープで囲んで養生する
  4. 付属の接着剤を混ぜて均等に床に塗る
  5. 貼りたいサイズに切った床シートを貼り付ける
  6. 床シートの周りのテープを剥がしコーキング処理をする
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床にひび割れがある場合は浴室全体をリフォームする選択肢も

風呂 床 ひび割れ

床にひび割れがある場合、浴室全体をリフォームするという選択肢もあります。特に浴室全体にひび割れなどの劣化がある場合や床下の基礎にまで水漏れしている場合は、浴室全体をリフォームする必要があるでしょう。

では、ユニットバスや在来工法の場合の交換リフォームにかかる費用の目安がどれくらいなのかを紹介していきます。

ユニットバスの交換リフォームにかかる費用の目安

ユニットバスの浴室の場合、床が劣化していると浴槽も経年劣化しているケースがほとんどです。その場合、床のひび割れ補修だけでなくユニットバス自体を交換する必要があるでしょう。

ユニットバスを交換するときは、一度既存のユニットバスを解体し新しい浴室を施工するため、ひび割れだけを修復するよりも高額になる傾向にあります。

経年劣化したユニットバスの交換をするリフォームにかかる費用は、約70万円〜が目安で、浴槽と床だけがセットになっているハーフユニットの場合は約50万円~が目安になります。

新しく設置するユニットバスのグレードを上げたり、最新設備などを導入するとさらに金額が高くなるでしょう。

在来工法のお風呂をユニットバスにリフォームする場合の費用

従来のお風呂が在来工法でユニットバスにリフォームする場合の費用は、約130万円が目安です。新しく入れ替えるユニットバスのグレードによって金額は異なります。

在来工法のお風呂からユニットバスにリフォームする工期は約7~10日間が目安です。

以前の住宅では在来工法のお風呂が主流だったため、住宅を建築して数十年経った浴室の多くは経年劣化の症状が現れていると言われています。

在来工法の浴室のメリットのひとつは「どのようなサイズにも対応できる」ことですが、ユニットバスへとリフォームする際、浴室のサイズが狭くユニットバスを設置できない可能性があるため注意が必要です。

ユニットバスは工場で作られたパーツを現場で組み立てるため、在来工法と比較して短い工期での施工が可能です。しかし、それぞれのパーツはあらかじめサイズが決められており、その中から選んで施工するため、家の浴室サイズに合うものを探す必要があります。

もし、既存の浴室に合うユニットバスが見つからなかった場合、「ユニットバス風在来浴室」へリフォームする方法もあります。

「ユニットバス風在来浴室」とは、在来工法のように浴室のサイズを問わずに施工できユニットバスのように仕上げることができる浴室のことです。リフォーム費用も比較的低コストで行うことができます。

お風呂の床の素材別リフォーム費用

お風呂の床の素材別にリフォーム費用相場や特徴は以下の通りです。

樹脂素材の床材

・価格相場:約5万円~
・特徴
樹脂素材は多くの浴室で使用されている一般的な床材です。耐水性や耐湿性に優れ、浴室での転倒防止のために滑り止め加工や水はけ加工が施されています。また色のバリエーションが豊富で掃除がしやすいのも特徴です。

木製素材の床材

・価格相場:約15万円~
・特徴
本物の木材を使用した床で、木の香りを楽しめリラックスできる空間にできます。木材は腐りやすくぬめりなどが発生するため、浴室の床材として木材を使用するときには防カビ・防水加工されているものを選ぶ必要があります。

タイル素材の床材

・価格相場:約10万円~
・特徴
タイル床の特徴は、サイズや色などのバリエーションが豊富でデザイン性に優れていることです。床だけでなく壁に施工されることがあり、色や柄を楽しむことができます。

タイル床の場合、目地に水がたまりが乾きにくいことがありますが、近年大判タイルでお手入れしやすいものも増えています。

また、タイル床は水に濡れると滑りやすいという欠点がありましたが、最近では滑り止め加工が施され滑りにくくなっている浴室用タイルが増えています。

上記の相場はあくまで目安です。床の破損状況により、下地の劣化の補修費や、解体、養生費なども現場により異なってきますのでよく確認しましょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社KURODA一級建築士事務所 坂田理恵子

株式会社KURODA一級建築士事務所

坂田理恵子

一級建築士、一級施工管理技士。和歌山市で設計事務所に勤務。住宅のリフォームや新築を中心に携わり、女性目線で、家事や掃除、片付けがしやすく暮らしやすい家の提案を行う。

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