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2019年01月15日更新

アパートの修繕費用を徹底解説!

アパート経営を長期的に安定したものにするには、適切な時期に適切な費用をかけて修繕を行うことが大切です。そして、入居者とのトラブルのもとになりがちな退去時の修繕費についても知識を深めておくことが、健全な経営をするうえで鍵となります。

アパートにかかる修繕費とは?

アパート 修繕 費用

アパート経営において修繕は、経営を終えるまでオーナーに課せられる命題のようなものです。「なぜ、費用をかけて修繕しなければならないのか。」それは、次のような理由からです。

建物の長期的な維持

修繕によって建物の耐久性を延ばすことができます。

入居希望者を増やすため

綺麗なアパートに魅力を感じるのは当然のことです。他の物件との差別化を図るため、綺麗な状態を維持する必要があります。

入居者の安全と快適な生活を守るため

修繕によって建物の安全性が確保され、快適な生活を送ってもらうことができます。このことが、クレームの減少につながります。

アパート修繕費の種類

アパートを修繕するときの費用には大きく分けて次の2つがあります。

  • 「修繕費」として確定申告で経費に計上できる費用
  • 建物の価値を上げる資本的支出で「減価償却費」として計上する費用

どちらを計上したらよいかは、不動産収入の額にもよりますので、修繕の前に税理士など税務のプロに相談することをおすすめします。

修繕費となるものの例

  • 定期的な外壁塗装
  • 退去時の壁紙の張り替え
  • 設備機器の入れ替え
  • 壊れた設備機器の取り替え
  • 屋根瓦の修理

これ以外にも、修繕のための費用で、「原状回復するための修繕」にかかる費用は修繕費として計上できます。

注意しなければならないのは、あくまでも「原状回復」が目的ですから、全ての修繕において「同等のグレード」でなければならないという点です。

例えば、外壁の塗装で今まではシリコン塗装をしていたのに、修繕でグレードの高いフッ素塗料を用いた塗装をしたとしましょう。

このケースでは塗料が同等グレードとみなされず、資産価値をアップさせるための資本的支出となってしまいます。

資本的支出(減価償却費)となるものの例

  • 壁紙のグレードを上げた張り替え
  • 機能性がアップしたキッチンに取り替え
  • モルタル外壁をタイル張り外壁に変える
  • 窓ガラスを単板ガラスから複層ガラスに変更

など、修繕前の状態からグレードアップするような修繕はその多くが「資産価値を上げるための修繕」とみなされ、減価償却費として計上することになります。

減価償却費では毎年少しずつの金額しか経費として計上できません。税制面で不利な気がしますが、不動産収入が高額な人ではあえて「減価償却費」として計上することで、税制面で有利になることがあります。



大規模修繕について

ここからは、アパートの維持に必要な修繕項目と、それに伴う費用について具体的にご紹介していきます。

配管修理(給排水など)

建物の配管は10年を超えると劣化し始めます。給水管が劣化すると、給水量が減ったり、水が濁ったりします。排水管では水漏れやニオイが発生し、キッチンやトイレの排水管が詰まって逆流することもあります。

給水・排水ともに配管の寿命は素材にもよりますが、約15年~約30年です。入居者が気付くほどの異常が起こったときには、かなり配管が傷んだ状態で、寿命が差し迫っています。

目に見える異常が報告される前に、定期的な点検を行うことが大切です。そして、点検で劣化が見つかれば修繕工事が必要ですが、現在主流となっている「更生工事」と「更新工事」のどちらかで工事を行うことになります。

更生工事

別名:ライニング工事
配管の中に樹脂を流し込み、新しいパイプの層を作ることで劣化をカバーする工事です。配管に特殊な工具や材料を流し入れる工法のため、内装を壊すことなく短い工期で完了します。

更新工事

最新技術で製造された新しい配管を設置する工法です。古い配管を露出させて交換しますので、内装や外壁を壊す工事となり工期が長くなり費用も高くなります。

しかし、配管ごと交換するので配管の寿命がリセットされ、長期間安全に使用することができるという大きなメリットのある工事です。アパート自体の耐用年数を考慮した上で導入を検討すると良いでしょう。

配管修理費用の目安

  • 配管点検<内視鏡調査>:約50,000円~/日
  • 配管点検<サンプリング調査>:約80,000円~/1カ所
  • 配管更生工事:約150,000円~/1戸あたり
  • 配管更新工事:約400,000円~/1戸あたり

外壁塗装

アパートの外観を美しくリニューアルできる「外壁塗装」は、建物の長期的保全という観点からも非常に大切なメンテナンスです。

外壁塗装が剥がれてくると、古い建物に見えてしまうのはもちろん、雨漏りの危険性が高まってしまいます。塗料の種類にもよりますが、10年程度での塗り替えが一般的なサイクルとなっています。

外壁塗装の目安

  • 外壁塗装<シリコン塗料>:約3,000円~/平方メートル
  • 外壁塗装<フッ素塗料>:約4,000円~/平方メートル
  • 外壁塗装<光触媒塗料>:約5,000円~8,000円/平方メートル

シロアリ駆除

シロアリを見つけたらいち早く駆除することが重要です。シロアリを見つけるときに最も多いパターンは、「変わった羽の形の羽アリを発見し、何の羽アリかを調べたらシロアリだった」というものです。

しかし、このパターンで発見されたときには残念ながらシロアリ被害は広がっていると考えましょう。建物の木材を食べて成長し、羽アリが誕生しているのです。

このようなケースではそれ以上被害が広がらないように、一刻も早く駆除を依頼してください。

基本的なシロアリ駆除工事では、シロアリ自体の駆除と、これ以上被害が広がらないようにするための「防除」を同時に行います。

ひと昔前はシロアリ被害といえば、「ヤマトシロアリ」による木材の食害が多かったのですが、最近では「イエシロアリ」という建物の外にコロニーを持つタイプのシロアリ被害も増えてきています。

イエシロアリの場合、駆除のために屋外にある巣を見つける必要がありますが、簡単なことではありません。

そこで、巣を発見できなかったときには毒餌をセットして、ジワジワと巣を壊滅させる方法で駆除していきます。(ベイト工法)

シロアリ駆除の目安

  • シロアリ駆除<薬剤散布・塗布>:約3,000円~/平方メートル
  • シロアリ駆除<毒餌セット>:約5,000円~/平方メートル

雨漏り修理

雨漏り原因の多くは、屋根材か外壁にあります。どちらにせよ、原因を特定した上で修理を行うことが大切です。

屋根材の修理の場合、瓦の取替えや板金工事を行いますが、足場を組んで行う大規模工事では足場代が加算されます。

外壁の割れや外壁目地の割れが原因の場合、全体的な外壁塗装で対応することもありますが、部分的な補修も可能です。

雨漏り修理の目安

  • 屋根材・板金修理:約150,000円~
  • 部分外壁塗装・目地修理:約50,000円~

鉄製部材のサビ落し

屋外階段や廊下手すりなどの鉄製部材がさびていると、見た目が悪いだけでなく、腐食が進み落下などの大事故につながることがありますので、早めの対策が必要です。

サビの程度が軽度なら、ケレンという作業でサビをきれいに除去していきます。サビが進行している場合は、ケレンの後でサビ止め塗装と仕上げの鉄部塗装(ウレタン塗装)を行います。

なお、腐食が進行している場合や手摺の根元や取り付け部に当たる部分に大きなダメージがある場合には補修で対応できないことがあり、新しい鉄製部材に交換する工事が必要です。

鉄製部材のサビ落しの目安

  • 鉄製部材サビ落とし:約1,000円~3,000円/平方メートル
  • 鉄製部材仕上げ塗装まで:約3,000円~/平方メートル
  • 屋外階段踏み板交換:約30万円~(階段の距離によって変動)

給水ポンプ交換

水を高い位置までくみ上げる役割を持つ給水ポンプの交換時期の目安は、約10年といわれていますが、定期的なメンテナンス(オーバーホールなど)を行っていれば寿命が伸びることがあります。

給水ポンプに異常が起こると、真っ先に入居者が気付くでしょう。水の出が悪くなったり、水が突然出なくなったりと生活に支障をきたしてしまい、高額な補償問題に発展する恐れがあります。

日頃、目が届きにくいものではありますが、定期的に点検を行い早めの交換を目指しましょう。

給水ポンプ交換の目安

  • 給水ポンプ交換:約800,000円~2,000,000円(ポンプ本体の価格によって大きく変動)

屋上・屋根・ベランダなどの防水工事

屋上周辺の防水工事には、防水塗装を行う方法と、防水シートを貼る方法があります。どちらの方法にも一長一短ありますが、最近の防水工事の主流は塗装です。

塗料は「ウレタン塗料」と「FRP塗料」を使います。FRP塗料の方が塗膜が硬く、防水効果に優れていますが、表面にヒビ割れを起こしやすいため定期的なトップコートの塗りなおしが必要です。

過去の防水工事がシート工法であった場合、リニューアルとなる防水工事は「かぶせ工法」と呼ばれる工法で行います。

かぶせ工法は、既存のシートを剥がさずに塗装をするもので、シートを剥がしてリニューアルする方法よりも安価で工期が短いというメリットがあります。

屋上・屋根・ベランダなどの防水工事の目安

防水塗装<ウレタン塗料>:約3,500円~/平方メートル
防水塗装<FRP塗料>:約7,000円~/平方メートル

大規模修繕予防のためにしておきたいこと

メンテナンスを怠ると、アパートの内外に不具合が出て大規模修繕工事が必要になってしまいます。

大きな出費となりますし、入居者にも迷惑をかけてしまいますので、予防のためのメンテナンスを定期的に行うことをおすすめします。

シロアリ検査で予防

シロアリの被害を受けると、部分的な補修では終わらない大規模工事に発展する可能性が高くなります。その理由は、シロアリが建物を支える「木部」を食べつくしてしまうからです。

今は被害を受けていなくても、防蟻処理でシロアリを寄せつけない建物にすることができますので、定期的な処理をおすすめします。

外壁の定期的なチェックで予防

日ごろから外壁のひび割れや塗膜の剥がれをチェックする習慣をつけることで、適切なタイミングで外壁のメンテナンスを行うことが可能になります。

外壁が少しひび割れたからといって建物に危険が迫っているわけではありませんが、水が浸入すると躯体を傷める原因に。塗膜の剥がれも雨漏りの原因になります。

水の被害が広がると大規模修繕工事が必要になりますので、早めのメンテナンスで予防することが大切です。

大規模修繕費に備えてするべきこと

アパート経営のセオリーでは、毎月家賃収入の5%を積み立てておくことが鉄則といわれています。アパートの規模によりますが、配管の全交換など大規模な修繕になると数百万円単位の費用が掛かってしまいます。

短期間で簡単に用意できる金額ではありませんので、積み立てを始めていないという人は、今月から少しずつ積み立てを始めてみましょう。

アパート退去時にかかる修繕費用

アパート 修繕 費用

入居者がアパートを退去するときには、次の入居者のために室内の修繕を必ず行います。

退去時にどのような内容で修繕工事を行うのかは、入居前に入居者にきちんと説明する義務があり、その内容に従ってオーナーが修繕工事を手配します。

入居者が故意に傷をつけた内装や設備はもちろんですが、汚れや破損の有無に関わらず壁紙を替えたり、畳を入れ替えたりする契約を交わすこともあります。

最近では、修繕工事の内容にハウスクリーニングが含まれることが増えてきました。

以前は費用をどちらが負担するかというトラブルが多かったのですが、現在では、退去時のクリーニング費用についてはオーナー側が負担するという考え方が浸透しています。

原状回復のための修繕費用と負担者

一般的な修繕費用の負担責任は以下の通りとなります。

修繕の対象 対象物の状態 負担者
備え付けのエアコン・風呂・トイレ・洗面台・キッチン 故障 オーナー
手入れ不足による故障 入居者
壁紙 日焼け・黒ずみなどの経年劣化 オーナー
故意の傷や穴・タバコ、ペットによる匂いと汚れ 入居者
フローリングなどの床材 日焼けなどの劣化 オーナー
落下等による傷・へこみ 入居者
日焼けなどの劣化・変色 オーナー
故意の擦れ・傷・汚れ 入居者

上記の内容は、あくまでも一般的に契約時に設定される内容です。物件によっては負担責任者が変わることもあります。

壁紙・クロス修理の注意点

壁紙の張り替えは、入居者が傷をつけたり穴を開けたりした一面のみを入居者が負担するという契約が一般的です。

しかし、タバコやペットによる汚れについては、汚れているのは一面だけであっても、匂いが部屋全体に染みついているというケースが多く、全体を入居者が負担することもあります。

壁紙の張り替え修繕工事の費用相場(材料・工事費とも):約800円~1,200円/平方メートル

畳交換の注意点

入居者が故意に傷をつけたり汚したりした場合、入居者に負担を求められるのは畳1枚単位の費用となります。

しかし、畳は日光が直接当たらなくても日焼けをして変色してしまいますので、1枚単位の交換は現実的ではありません。

交換の必要がない他の畳を色合わせのために交換する場合には、その他の畳についてはオーナー負担での交換となります。

畳交換の相場(材料・工事費とも):約7,000円~/枚 ※い草のグレードによって変わります。

退去時の修繕費トラブルを防ぐために覚えておくこと

退去時に入居者との間で修繕費を巡るトラブルにならないように、アパートのオーナーが覚えておくとよいノウハウをまとめましたので、ぜひご覧ください。

国土交通省の退去費用ガイドライン

賃貸契約は「契約自由の原則」によって、オーナーと入居者双方の同意のもと契約が交わされます。

しかし、契約書があいまいな場合や契約時に何らかの問題があった場合などに、退去時の修繕費用を巡ってトラブルに発展するケースがあります。

そこで、国土交通省ではトラブルについての裁判の判例などをもとにガイドラインを作成し、契約時の指標とするように推奨しています。

このガイドラインには法的拘束力はありませんが、万が一裁判になった場合にはガイドラインに則った判決が下されますので、ガイドラインから大きく外れた負担割合の決定などは避けた方がよいでしょう。

ガイドラインの詳細な内容は以下のページで確認できます。

原状回復を巡るトラブルとガイドライン

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html

国民生活センター:ガイドラインを巡る考え方

http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201602_02.pdf

修繕対象物の耐用年数

「原状回復を巡るトラブルとガイドライン」の中で、経年劣化による修繕費用は毎月の家賃として支払っているという考え方が提示されています。

また、ガイドラインには、「自然消耗や経年劣化を計算にいれて退去費用を算出する」と書かれており、以下の式で計算できるとあります。

修繕負担金額の算出方法=(修繕個所の単価×大きさ)×経年劣化(耐用年数を100%としたときの経年%)

この考え方で負担割合を決めていくためには、耐用年数に対する経年劣化の割合が大きな鍵となります。

アパート内の内装・設備等の耐用年数表

便器・洗面台・等給排水、衛生設備 15年
金属製以外の家具(戸棚など) 8年
床材(クッションフロア・カーペットなど) 6年
エアコン・ガスレンジ・インターフォンなど 6年
流し台 5年
ユニットバス等備え付けの設備 建物の耐用年数に同じ

退去時の立会いに注意

国土交通省のガイドラインにも記載がありますが、退去時には退去する借主を立ち会わせて、修繕が必要な個所の確認を行うことが大切です。

立会いでは、実際の傷やヘコミが経年劣化によるものか、借主の故意によるものかを現場で確認していきます。どの部分が借主の負担となるのかを、その場で双方が確認し、納得した上で決定するようにしましょう。

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