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2019年02月27日更新

一戸建て住宅の耐震補強工事にかかる費用とは?

地震国日本。大地震が起こったときに自宅が半壊・全壊してしまわないか不安に思っている方もいるのではないでしょうか。この記事では、耐震強度診断の重要性、耐震補強工事の具体的な内容、耐震補強工事にかかる費用、業者選びの注意点等についてご紹介します。

耐震補強工事の必要性

一戸建て住宅の耐震補強工事にかかる費用とは?

まず、日本の地震がどのくらい多いのか、地震により倒壊してしまった家にはどんな特徴があるのかをご紹介します。

地震の多い日本

内閣府の平成22年度版防災白書によれば、2000年から2009年までの間で、日本付近で発生したマグニチュード6の地震は、全世界の約20%の割合を占めています。

近年でも、2011年の東日本大震災をはじめ、2016年の熊本地震、2018年の北海道胆振東部地震など、甚大な被害を及ぼす大地震が頻繁に起こっています。

日本は海洋プレートと大陸プレートの境界にあるため、プレートが沈む込むことで発生する「プレート境界型巨大地震」やプレートの運動による「内陸域の地殻内地震」などが発生しやすいのです。

地震で倒壊してしまう家の特徴

地震で半壊・全壊してしまった家の多くは、築年数が古く、建築基準法が1981年に定めた「新耐震基準」を満たしていなかったという特徴があります。

例えば、2016年の熊本地震では、旧耐震基準の建物702棟のうち225棟が倒壊、一方、新耐震基準の建物1042棟のうち80棟が倒壊と大きな差があったと国土交通省が発表しています。

新耐震基準は、「震度6強から7に達する大規模地震で倒壊・崩壊しないこと、震度5強程度の中規模地震ではほとんど損傷しないこと」が条件ですが、旧耐震基準ではこの基準はありません。

1981年以前に建てられた家は、旧耐震基準に基づいており、「震度5程度の地震で倒壊しないこと」という条件を満たすのみ。新耐震基準と比較すると低い基準となっていることがわかります。

そのため、築40年以上の古い建物に住んでいる場合、今後おこりえる大地震に耐えるため、耐震補強工事をしておくことが、自分と家族の命や生活を守るために必要といえます。



一戸建ての耐震補強工事の内容と費用とは

耐震補強工事はまず、今住んでいる家の耐震性を診断するところからスタートします。

この章では、耐震診断の内容、補強工事の内容と費用についてご紹介します。

まずは耐震診断で耐震性をチェック

耐震診断は、地域の役所等で無料で配布されている「簡易耐震診断マニュアル」を元にして、ある程度は自分で確認することができます。

ですが、より精度と信頼の高い診断をするためにはやはりプロによる耐震診断が必要です。

耐震診断は「国土交通大臣登録耐震診断資格者講習」の受講を終了した耐震診断資格者が行います。

耐震診断には、主に「一般診断法」と「精密診断法」の2つがあります。

一般診断法は建物を壊さず、基礎や土台、柱の状態を確認します。

また、図面から建物に必要な耐力壁(筋交いや、構造合板がある壁)の長さを調査し、総合的な耐震性を判断します。

精密診断法は、調査が必要な場所に穴をあけて目で確認したり、サンプルを取るために切り込みを入れて行います。

基礎や土台のバランス、耐力壁の筋交いが基準どおり施工されているかなどを診断し、具体的にどんな耐震工事が必要かを判断します。

一般診断では耐震性があると判定されていても、精密診断を行ったら耐震基準を満たしていなかったという場合もあるため、築年数が古い建物の場合は初めから精密診断を行う方が良いでしょう。

耐震補強工事

ここからは、耐震補強工事の種類について詳しくご紹介します。

基礎の補強

住宅を支えている基礎がしっかりと耐震構造になっていなければ、倒壊の可能性も高くなります。

例えば、基礎が鉄筋の入っていない「無筋コンクリート」やブロックで作られた基礎の場合、基礎と建物が一体化していないので、水平方向の揺れに弱く倒壊の可能性が高くなると言われています。

この場合は、すでにある基礎を抱き合わせるように、外側にコンクリート基礎を作る補強工事を行います。

既存の基礎と新しいコンクリート基礎はしっかりと鉄筋で結束しておきます。

また、コンクリート基礎にクラック(ひび)が入っている場合、樹脂を充填し強固に基礎を固める修繕工事を行います。

クラックが大きければ、樹脂で固めた上からコンクリートを打ち増しします。

壁の補強

間仕切り壁に代表されるように、筋交いや構造用合板がない壁は、水平方向の揺れに弱いため「耐力壁」にすると耐震性が増します。

筋交いとは、壁の内側に強度を強くするために柱間に斜めに取り付ける部材で、構造用合板は筋交いの間にさらに合板を入れて強度を強くする補強工事です。

耐震診断の結果、耐力壁の数が不十分である場合、必要な箇所に筋交いを増やしたり、新しい壁を増やしたりすることもあります。

壁を増やすと暮らしにくくなる場合は、耐力壁の代わりに「コボット」という金物と「ブレース」という斜め金属部材を天井と床を補強するかたちで取り付けるなど工夫をして補強工事を行います。

柱の修繕

柱が腐っていたり、シロアリ被害を受けている場合は、柱の入れ替えは行わずに、腐敗部分だけ新しい木材に取り換える修繕を行います。

接合部分には耐震用金具を使います。

新しく木材を使用する時は、腐敗防止処理、シロアリ防止処理を行うことで、再発を防ぎます。

また、廊下やバルコニーに面する柱は、外側に鉄筋コンクリートを打ち増しして柱の厚みを増やし、地震の時に柱が変形することを防ぐ補強工事を行うこともあります。

屋根の補強

屋根が瓦やセメント瓦など重量のある素材でできていると、重心が上にあることで揺れが大きくなったり、瓦が崩れて地面に落ちたり、屋根自体が崩れたりする可能性も高くなります。

軽量な屋根材に変えることで、耐震性が改善されるでしょう。

コロニアル、ルーガなど、樹脂を混ぜた繊維と軽量セメントで作られた軽量素材や、最も軽く雨風にも強いと言われている金属屋根が有効とされています。

一戸建て耐震補強工事の費用と業者選びの注意点

一戸建て住宅の耐震補強工事にかかる費用とは?

ここからは、耐震補強工事の費用と工事の優先順位、業者選びの注意点についてご紹介します。

耐震補強工事の費用と工事の優先順位

旧耐震基準で作られた建物の耐震補強工事の平均費用は約175万円と言われています。

ただし、どの補強工事も築年数と工事面積によって費用が異なる点に注意が必要です。

耐震診断を行ったものの、予算の関係ですぐに耐震補強工事ができずあきらめたくなる場合もあるかもしれません。

しかし、そのままでは大地震が来た時の倒壊の可能性も否めません。

すぐに全ての耐震工事を行おうとするのではなく、補強すべき箇所の優先順位を決めて工事を進めていくように心がけましょう。

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査データでは、耐震補強工事実施者の約9割が壁の補強を行っていることや、補強費用の目安と、補強すべき優先順位一覧を公開しています。

このデータによれば、耐震補強工事で優先順位が高いものとして、瓦屋根の軽量化、腐敗した柱・土台の付け替え、耐力壁の設置等があげられていますので参考にすると良いでしょう。

また、自治体によっては、旧耐震基準の木造住宅に対しての耐震診断費用の全額支給や、耐震補強工事費用の一部補助制度を設けているところもありますので、一度自治体に確認してみるとよいでしょう。

業者選びの注意点

業者を選ぶ時にも注意が必要です。例えば、簡単な耐震工事ばかりを勧めてきたり、他社より極端に見積もりが安かったりする業者は注意が必要です。

業者選びをまちがうと、いくら安く済ませられても効果が得られない可能性があります。

数社に見積もりをお願いし、工事内容や金額、見積もり依頼時の対応などもあわせて比較しましょう。

疑問点などを直接聞きながら、信頼できる業者を見極めることが必要です。

正しく業者を選び、耐震診断を行い、耐震補強工事の優先順位を決めたうえで、納得して耐震補強工事を行えるように事前に情報収集しておくことも大切です。

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