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2019年05月16日更新
耐震補強工事にはどんな種類がある?それぞれの特徴や費用を解説
地震大国日本に居住するにあたり住宅の耐震化は重要です。特に築年数が古い住宅の場合、住宅が耐震基準に満たしていない場合があります。耐震補強工事の内容を知って大きな地震に備えましょう。今回は耐震補強工事について詳しくご説明します。
住宅の耐震補強工事の種類
自宅の耐震補強工事を考えている場合、まずは住宅の耐震補強工事の種類にどのようなものがあるのかを知る必要があります。
住宅の耐震補強工事には「外壁を撤去し外側から行う耐震補強工事」「外壁を撤去せず外側から行う耐震補強工事」「内壁を撤去し内側から行う耐震補強工事」の3種類があります。
それぞれどのような内容の工事なのか見ていきましょう。
外壁を撤去し外側から行う耐震補強工事
外壁を撤去して外側から行う耐震補強工事の場合、外壁を撤去することで土台や柱など木部の劣化状況、断熱材や筋交いの状態などを確認できるため、最も確実に耐震補強が行える工事と言えます。
また、外壁を一度撤去することで柱や土台などの構造部分の劣化状況を確認できますので、基礎のひび割れや、柱、土台などの木部の腐食を確認した上で計画的に補修・交換ができます。
外壁を撤去して外側から行う耐震補強工事の場合、外壁の撤去、処分費用もかかるので費用は高めになります。
まず初めに耐震診断を受けてください。壁の量やバランスを見てもらい、建物の形や間取りなどに起因する根本的な危険性について補強計画を提案してもらいましょう。
もちろん筋交いの追加など不要な場合もありますし、不要な位置に筋交いを加えてバランスが悪くなることも防げます。
これは在来工法の家屋に対し一律に考えられる柱の抜けや筋交いの緊結といった金物などの補強とは別に建物ごとに異なる診断になります。
では、外壁を撤去し外側から耐震補強工事を行うときの工程を見ていきましょう。
- 既存の外壁や戸袋を撤去する
- 診断をもとに適切な位置の壁に筋交いを入れる
- 同様に診断をもとに適切な位置の壁に構造用合板を貼り補強する
- 既存外壁や戸袋を元の位置に戻す
また、外壁を一度撤去することで壁内部の筋交いの補強も可能になります。筋交いを補強するときの接合金物の種類は以下の通りです。
筋交い金物
筋交いの上下と両端を接合金物で固定する金物です。筋交いの形状や強度によってプレートタイプやボックスタイプがあります。
ホールダウン金物
耐力壁などを設置し耐震性が高くなると、地震によって柱が抜けようとする力も大きくなる傾向にあります。
そのため、梁や土台から柱が抜けないようにホールダウン金物を使用し、梁や土台と柱を緊結します。
外壁を撤去せず外側から行う耐震補強工事
外壁を撤去せず外側から行う耐震補強工事の場合、短期間での耐震補強工事が可能です。
しかし、外壁を撤去せずに行うため、土台や筋交いなどの状況を目視で確認できないという点では、先程紹介した外壁を撤去して行う耐震補強工事より正確性、確実性が下がるでしょう。
そもそも金物を止める柱や土台などの木部が腐食していたり、シロアリの被害にあっていたら構造材となる木部にきちんと留め付けることができず、効果のない無駄な工事になってしまいます。
外壁を撤去せず外側から行う耐震補強工事には、外付け耐震補強フレームを設置する方法があります。
外付け耐震補強フレームは建物の外側に設置するだけなので、大がかりな工事が必要なく窓の補強もできる工法となります。
そのため、室内が狭く耐震壁が設置できなかったり、開放感がある間取りで耐震性が低い住宅でも耐震補強フレームの設置が可能になり、耐震性を高くすることができます。
内壁を撤去し内側から行う耐震補強工事
内壁を撤去し内側から行う耐震補強工事の場合、建物が密集した住宅街で重機が入らないなどの理由で、外壁が撤去できない場合に向いている耐震補強工事と言えます。
内壁を撤去するので、内壁内部の筋交いや断熱材、柱などの状態を目視で確認でき正確性、確実性も高くなるでしょう。
内壁を撤去して内側から行う耐震補強工事も外壁を撤去してから行う工事と同じく、筋交いや構造用合板などで補強する方法となります。
押入れ内から補強をする場合など内壁の撤去の手間が少なく、仕上げ材の施工が省略できる部分が多ければ工事がしやすくなるため工事単価が低くなる傾向にあります。
では、内壁耐震補強工事の工程を見ていきましょう。
- 既存の内壁を撤去する
- 柱や梁など各所に耐震金物を使用し補強する
- 内壁内部の適切な箇所に筋交いを設置する
- 壁下地材として構造用合板を張り補強する
- 室内側に仕上げ材を貼って完成
内壁を撤去し目視を行った結果、基礎や土台などが劣化している場合は床や天井なども撤去し修復する可能性があります。
木部の補強に加え、状況により、シロアリ駆除や予防工事も一緒に施工することを考慮するとよいでしょう。
また壁や床、天井などどこまで撤去するかは壁内部や柱、梁などの劣化状況によるので、業者による詳細な調査が必要になるでしょう。
耐震補強工事の費用相場の目安
次に耐震補強工事の費用相場の目安をご紹介します。
基礎部分の耐震補強工事の費用相場の目安
基礎部分で行う耐震補強工事は「ひび割れ部分の補修」「炭素繊維シートを基礎に貼り付ける工事」「基礎にコンクリートを流し込む」の3種類があります。それぞれの工事内容と費用相場を見ていきましょう。
基礎に入ったひび割れ部分の補修費用相場
基礎に入ったひび割れは放置しておくと劣化が進み、構造耐力上に悪影響を与える可能性があります。
そのため、基礎に入ったひび割れは補修しなければなりません。
コンクリート部分の表面を平らにするために塗った仕上げ部分だけのひび割れか、耐震力に影響のある基礎本体の奥まで入り込んでいるヒビ割れなのかを確認して補修計画を提案してもらいましょう。
基礎のひび割れを補修する場合、ピックス工法が用いられひび割れ箇所にエポキシ樹脂を注入します。
ひび割れは1カ所ではないケースが多く、ほとんどの場合複数個所のひび割れを修復する必要があります。
基礎に入った幅0.3㎜以下・深さ4㎜以下のひび割れの部分を補修する場合、ひび割れ1つにつきかかる費用相場は約1万円~約2万円が目安となります。
炭素繊維シートを基礎に貼り付ける工事の費用相場
基礎の耐震補強を行う工法として、炭素繊維シートを基礎の外側に貼り付ける工事があります。
1981年以前に建てられた建物の多くで採用されている無筋コンクリートの基礎に施工でき、基礎の割れを防ぎ、耐震性を高くすることができます。
炭素シートを基礎に貼り付ける工事の平均単価は約1万円~約2万円/平方メートルです。
基礎にコンクリートを流し込む工事の費用相場
1981年以前に建てられた住宅の場合、基礎が耐震基準を満たしていない可能性が高くなります。
その場合に有効なのが、基礎にコンクリートを流し込む工事です。
既存の基礎にアンカーボルトを打ち込み、新たな鉄筋を配筋してその上からコンクリートを流し込む施工方法となります。
無筋コンクリートの基礎に多く使われる方法で、コンクリートと鉄筋の組み合わせで頑丈な基礎を作り上げます。
片面だけ行う場合と、両側から挟み込む方法があります。
劣化の状態や、新たなコンクリートの基礎を作るスペースがあるかなど、総合的に判断し、最善の方法を提案してもらいましょう。
コンクリートを流し込む耐震補強工事の費用相場は、約4万円~約6万円が目安となります。
壁に筋交いを入れる耐震補強工事の費用相場の目安
「耐震補強工事の種類」でもご説明した、外壁を撤去して筋交いを入れる工事と内壁を撤去して筋交いを入れる工事の費用相場は以下の通りです。
外壁を撤去して筋交いを入れる工事の場合
材料費、工事費:約10万円~約15万円(壁0.5間あたり)
内壁を撤去して筋交いを入れる工事の場合
材料費、工事費:約13万円~約18万円(壁0.5間あたり)
また筋交いを入れるときに必要な耐震金物の取り付けにかかる費用は以下の通りです。
耐震金物の取り付け費用:約3万円前後(金物1個あたり)
外壁材の柱と土台に耐震パネルを取り付ける費用相場の目安
耐震性を高めるために柱と土台の結びつきを強化する場合、外壁材を撤去し耐震パネルを取り付けて新しい外壁材で覆う工事にかかる費用は約65万円となります。
外壁材の柱と土台に耐震パネルを取り付ける費用相場の内訳は以下の通りです。
- 外壁材や耐震パネル、防水シートの材料費:約35万円
- 工事費用:約30万円
- 合計 約65万円
耐震性を確実に高めるためには耐震補強工事が必要になりますが、大がかりな工事になるほど工事にかかる費用は高くなる傾向にあります。
国や各地方自治体では耐震工事を行う場合、一定の条件などをクリアすることで融資制度や助成金が活用できる場合があります。
制度内容や条件などは各地方自治体によって異なりますので、お住いの自治体に相談してみるといいでしょう。
自宅の耐震性に不安がある場合は、このような助成金制度などを上手く利用して耐震補強工事を行いましょう。
耐震リフォームに対応する優良な会社を見つけるには?
ここまで説明してきた耐震リフォームは、あくまで一例となっています。
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この記事の監修者プロフィール

株式会社フレッシュハウス
樋田明夫フレッシュハウスでリフォームの営業担当を長年経験し、数々のリフォームコンテストでの受賞実績を持つ。現在はフレッシュハウス本社における営業戦略室の室長として、大規模リフォームから通常のリフォーム物件まで幅広く対応中。

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