建て替えと耐震補強工事はどちらを選ぶべき?
2011年に発生した東日本大震災をきっかけに、より一層地震に対する防災意識が高まった方も多いのではないでしょうか。
住宅の耐震性能を上げることによって安心して暮らすことができますが、方法としては建て替えと耐震補強工事という2通りの方法があります。
それぞれの内容について理解した上で、状況に合った方法で住宅の耐震性を高めましょう。
建て替えを選ぶ場合
住宅の建て替えにを行う場合、新築される住宅は建築基準法の基準に沿って建てられます。
この建築基準法では耐震性についての基準も定められており、耐震等級で言えば1以上の耐震性を持たせることが求められます。
そのため、新たに建築される住宅については、特に耐震性について指定しない場合でも全て等級1以上の耐震性を有することになります。
建て替え工事を行う際は既存の建物を一旦取り壊し、一から新しい建物を建てることになります。
事前に必要な工程や使用する資材を把握することができて、トータルでどの程度費用がかかるか把握しやすいでしょう。
また、建て替えでは予算に合わせて耐震性能を調整できるという特徴もあります。
予算が少ない場合でも、建築基準法に従い最低でも耐震等級1を確保した設計となります。
予算に余裕があり、高い耐震性を求める場合は、費用を上げることによって建物の耐震性をよりグレードアップすることができます。
さらに、建て替えられる建物は新築となるため、耐震効果についても納得しやすいでしょう。
設計や工事に大きな不具合等がなければ、事前に想定した通りの耐震性能が発揮されるはずです。
また、建て替えを行う住宅が収益物件の場合、耐震性を確保した新築物件として入居需要がアップするという効果も期待できます。
耐震補強工事を選ぶ場合
続いて、建て替えではなく耐震補強工事を行うことによって住宅の耐震性を高める場合について説明します。
耐震補強工事を行う場合は新耐震基準を満たすように耐震改修をする必要があります。
耐震基準というものは大きな地震が発生する度に、これまでに何度も改正されてきました。
一般的には1981年に改正された基準のことを新耐震基準と言い、それ以前の旧耐震基準よりも厳しい基準となっています。
中でも木造住宅の場合は、耐震補強工事を行う場合、2000年以降に施工された基準の規定に沿ってプラスアルファの補強工事をする必要があります。
具体的には、基礎、接合部、耐力壁を強化し、バランス良く住宅の耐震性を高めることが求められます。
費用面についてですが、一般的には耐震補強工事は住宅の建て替えよりも費用を抑えて住宅の耐震性を高めることができます。
ただし、工事費用は住宅の状況次第で異なるため、場合によっては想定よりも高額となるケースもあるかもしれません。
また、工事で耐震性を高めることはできても建物自体が新築となるわけではありません。
収益物件の場合は費用の回収が難しい可能性もあることを考慮して、建て替えにするか補強工事にするか選ぶと良いでしょう。
耐震性能を高めるための建て替えでは補助金を利用できる
住宅の耐震性を高めるために建て替えを行う場合、自治体からの補助金を利用できることがあります。
どのような補助金を利用できるかについてはお住まいの自治体に確認してみると良いでしょう。
ここでは一例として、いくつかの自治体で実施されている補助制度について紹介します。
地方自治体が実施する住宅耐震補強事業の一例
和歌山県の旧耐震基準の戸建て住宅の建替え費用を補助する制度
一つ目は和歌山県の和歌山市などで実施されている補助制度です。
こちらの制度では旧耐震基準を基にして建てられている耐震性の低い住宅を建て替える際に利用することができる補助制度です。
要件を満たせば、住宅の建て替えにかかる費用の一部が、最大126万6千円を上限として支給されます。
対象となる建物は昭和56年5月以前に建築された戸建て住宅で、木造住宅であれば上部構造評点が1.0未満であると判定された住宅が対象となります。
申請できる人の要件としては、建て替え後に居住予定であることや、自己所有もしくは2親等以内の親族が対象となる住宅を所有していること等が定められています。
補助を受けることができるのは45戸程度が予定されており、先着順となっています。
宇都宮市の耐震診断・耐震改修の促進事業
こちらは建物の倒壊などの危険から市民の安全を守るため、耐震性の低い建物の建て替えを促進するために宇都宮市が実施している補助制度です。
平成25年に施行された建築物の耐震改修の促進に関する法律により、病院や店舗、ホテルなど不特定多数が利用する施設の耐震性向上が促進されてきました。
この制度では木造住宅の耐震診断や耐震改修にかかる費用の一部が支給されます。
対象となる住宅は昭和56年以前に建築された木造2階建て以下の在来軸組構法で建てられた住宅で、居住用物件であることが求められています。
補助の対象者は住宅の所有者で、過去に同様の補助制度の利用経験がないこと等が定められています。
耐震診断についての補助金額は誰が診断を行うかによって異なります。
たとえば、耐震診断士が診断する場合は2万円を限度として費用の3分の2以内の額が支給されます。
次に耐震改修工事を行う場合についてですが、こちらは補強計画が策定済みであるかどうかで補助額が異なります。
補強計画と耐震改修を行う場合は100万円を限度として費用の5分の4以内の額が支給されます。
また、補強計画が策定済みで改修工事のみ実施する場合は80万円を限度として費用の2分の1以内の額が支給されます。
大田原市の木造住宅の耐震診断・耐震改修・建替え補助制度
最後は大田原市が実施している補助事業について紹介します。
こちらも他の制度と同様に、旧基準で建築された耐震性の低い住宅について耐震診断や耐震改修を行う際の費用の一部が支給されるという制度です。
対象となる住宅は昭和56年以前に建築された木造2階建て以下の在来軸組構法で建てられた住宅で、今回初めて補助対象となることが条件です。
対象者は住宅の所有者であり、過去に同様の補助金を受けたことのない者が対象となります。
補助額は耐震診断にかかった費用に3分の2を乗じた額で、診断のみの場合は上限が2万円、診断と補強計画策定を行う場合は上限が10万円となっています。
耐震改修を行う場合は耐震補強計画の策定を併せて行うかどうかによって補助額が異なります。
耐震補強計画の策定と耐震改修を行い、市内の指定業者に依頼する場合は最大で110万円が支給されます。
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