2024年04月11日更新

監修記事

制震リフォームで地震対策をする方法と費用について

建物の地震対策には、耐震補強リフォームと制震リフォームがあります。耐震補強リフォームと制震リフォームにはどのような違いがあるのでしょうか?制震リフォームの特徴と耐震リフォームとの違い、工事の流れ、施工費用などについてご紹介します。

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免震と耐震との違いから見る制震リフォームの特徴とは

制震リフォームで地震対策をする方法と費用について

 
建物の地震対策リフォームにはさまざまな種類がありますが、それぞれの工法によってどのような特徴があるのでしょうか?

具体的なリフォーム内容と併せて見てみましょう。
 

建物へと加わる地震の揺れにどう対処するのか?

住宅向けの地震対策リフォームには、耐震、免震、制震の3種類の工事方法が用いられており、それぞれ地震の揺れに対しての対処方法に違いがあります。

「耐震」は地震の揺れに対して受け止めて耐える構造を作る工法で、建物全体の強度を高めて地震の揺れでも建物が壊れないよう補強する仕組みです。

「免震」は地盤から建物を切り離す構造をとることで揺れを建物へと伝わりにくくし、揺れの影響を抑える工法です。

「制震」は建物に伝わった地震の揺れを、ゆっくりと伸縮するダンパーなどで吸収し、揺れによって建物がダメージを受けにくくする工法です。

それぞれの工法ごとのリフォーム方法

どの工法も地震対策という点では同じですが、揺れの影響を抑える方法に違いがあるため、工事の方法は大きく変わることに注意しましょう。

耐震の場合は、地震の揺れに耐える構造となるため、耐力壁や筋交いの設置、梁と柱への固定金具などの追加を行い、建物そのものの構造的な強度を高める工事を施します。

免震の場合は、地盤から伝わる揺れが建物に伝わらないようにするため、基礎と建物の間に免震装置を敷き、その上に建物を乗せる工法です。

制震工法は、建物の揺れをダンパーなどで吸収する工法で、地震が発生しても揺れによる建物へのダメージを抑えることができ、長期的な建物の維持に向いているとされる工法となります。
 

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制震リフォームを施工するための条件

 
制震リフォームは既存の建物にダンパーや制震壁を設置し、ダンパーにかかる力を支えるために梁や柱の補強などを行いますが、基本的にどのような木造建築にも施工が可能です。

耐震リフォームの場合も補強工事が基本となるため、ほとんどの木造建築へ施工することができます。

ただし、免震リフォームについては、地盤が液状化などを起こして歪んでしまうと建物が倒壊してしまう危険性が高まるため、安定した地盤にのみ施工が可能です。

また、建物全体を免震装置の上に載せる構造となるため、リフォームの際にはジャッキなどで一度建物を持ち上げなければなりません。

自宅に地震対策を施したいという場合、耐震もしくは制震リフォームなら建築条件やコスト面で有利です。
 

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制震リフォームはどのように行うのか?

 
制震リフォームでは、どのような工法が用いられ、工事の流れはどのようなものになるのでしょうか?

基本的な2つの工法についてご紹介します。
 

住宅の内壁を解体して設備を設置する工法

制震リフォームでは、揺れを吸収する部品を壁の中に設置しますが、こちらは内壁を取り除いて作業を行う工法です。

内壁を取り除くため、施工中は部屋の家具を移動させておく必要がありますし、床を傷つけないよう養生も必要となりますが、内壁は外壁に比べて解体が行いやすいため、比較的短期間、低コストで作業を行うことができます。

ただ、住宅全体に制震工事を行う場合、全ての内壁を取り除いて施工することになりますので、場合によっては工事が完了するまで家財を運び出して保管しておかなければならず、また、仮住まいを用意しなければならないという点もデメリットです。

しかし、施工部位を部屋ごとに分割するなどの方法をとることで、工期そのものは長くなりますが、住みつづけたまま施工を行うこともできます。

工期やコスト、手間などを考慮した上で、一気に工事を行うか順番に工事を行うかを選ぶと良いでしょう。

外壁を解体して設備を設置する工法

こちらは外壁を解体して制震設備を取り付ける工法です。

建物の外側から工事を行うため、家財の移動や仮住まいを用意する必要がなく、住民の負担が少ないというメリットがあります。

しかし、外壁を解体して作業を行うため、雨などを防ぐための養生が必須となりますし、施工期間中は建物に足場を設置しなければならないため、費用はやや割高となるでしょう。

また、外壁の構造によっては設備の設置後に新しく外壁を作り直さなければならない場合もあり、費用がさらに割高となる可能性もあります。
 

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制震リフォームの費用相場はどれくらいか

 
制震リフォームにかかる費用は、どの部分から工事を行うかによって変わります。

内壁を解体して家全体に制震ダンパーを取り付ける場合の費用は、内装の解体費およびダンパーの設置費用、施工後の内装リフォーム費用を合計して約70万円からが相場です。

外壁を解体して制震ダンパーを取り付ける場合については、外壁のリフォーム費用の相場が約150万円から、これにダンパーの設置費用が約50万円かかります。

ただ、これらの費用はあくまでも基本的な施工価格の相場ですので、建物が大きい場合や、追加で補強工事が必要な場合には相場より高い費用がかかるでしょう。

また、内壁、外壁のどちらから工事する場合についても、器具の設置後に使用する壁材によって価格が大きく変わる点にも注意してください。

施工費用そのものを抑えられるというわけではありませんが、工事の際に断熱リフォームを同時に行っておけば、個別に工事する場合に比べて費用が抑えられ、居住性を高めることができるのでおすすめです。
 

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制震リフォームを依頼する業者の選び方

 
制震リフォームを依頼する際には、制震リフォームの実績の他に、その会社がどのような建物のリフォームに強いのかも重要な選定基準となります。

築年数の経った木造建築をリフォームする場合には、工務店などの木造建築に強い会社に依頼すると良いでしょう。

制震リフォームについては、さまざまなリフォーム会社が対応しているため、それぞれの会社に個別問い合わせを行うと、どうしても時間と手間がかかってしまいます。

できるだけ楽に業者を比較したいという場合は、リフォーム会社の特徴などについて紹介しているサイトなどを利用して複数の業者に見積もりを依頼する、相見積もりを行うという方法もおすすめです。

また、地域で長年リフォームや建築業務を行っている会社に施工を依頼するのも良いでしょう。

地域で長く続いている会社なら仕上がりに対して信頼して工事を任せられますし、何より問題が起きた場合や追加の工事を依頼したい場合にすぐに相談することができます。

施工業者選びはリフォームの仕上がりを左右する重要なポイントですので、さまざまな方法を用いて情報を収集し、信頼できる会社を探し出しましょう。
 

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まとめ

 
制震リフォームは制震ダンパーを設置することで揺れを吸収する工法のため、建築条件の制約が少なく、施工費用も比較的安価に抑えられます。

築年数の深い木造住宅にお住まいの方で、費用を抑えつつ早急に地震対策を施したいという方は、制震リフォームを選ぶと良いでしょう。

また、長期的な地震対策を施したいという方についても、建物に対する地震のダメージが抑えられる耐震リフォームがおすすめです。
 

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】有限会社 鈴木商事 鈴木昭吉郎

有限会社 鈴木商事

鈴木昭吉郎

北越高校商業科卒業後民間企業に就職。その後、家業継承の為県外にて修行。終了後帰省し継承6年後法人格に改名現在に至る。

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