
基礎のひび割れ補修費用は?工法別の相場と耐震補強が必要なケースを解説
基礎のひび割れ補修費用は、ひび割れの幅・深さ・長さ・原因や、採用する工法によって変わります。この記事では、基礎のひび割…

「一戸建ての耐震補強を検討しているものの、費用がわからず踏み出せない」と悩んでいませんか。工事費は、建物の状態や補強範囲によって大きく変わりますが、自治体の補助制度や減税を利用できる場合もあります。この記事では、一戸建ての耐震補強にかかる費用の目安、支援制度、工事内容、業者選びの注意点を解説します。

目次
一戸建ての耐震補強費用は、耐震診断の結果、延べ面積、構造、補強箇所、劣化状況、内外装の復旧範囲によって変わります。築年数だけでは決まらないため、木造住宅の公表事例を目安にしながら、工事内容と付帯費用まで含めて見積もりを確認してください。
2026年7月時点では、築年数別の全国一律な公的相場はありません。木造2階建て住宅の耐震改修事例を見ると、最も多いのは100万〜150万円の価格帯で、中央値は186万円です。
| 公表事例の見方 | 工事費 |
|---|---|
| 最も件数が多い価格帯 | 100万〜150万円 |
| 中央値 | 186万円 |
※ 2020年発行の木造住宅の耐震改修事例集による金額です。
※ 参考:日本建築防災協会「耐震改修ってどのくらいかかるの?」
たとえば、築40年・築50年の一戸建てでも耐震補強工事の費用は築年数だけで一律には決まりません。100万〜200万円台が目安ですが、見積額は耐震診断の評点、延べ面積、補強箇所、劣化状況、内外装の復旧範囲、地域などに左右されます。基礎補強や屋根の軽量化、腐朽・シロアリ被害の修繕を伴うと、300万円を超えることもあります。


同じ名称の工事でも、施工範囲や工法で費用は変わります。見積書では工事本体に加え、解体・復旧、足場、設計、申請の費用も確認してください。
| 工事内容 | 費用を左右する主な要素 |
|---|---|
| 基礎の補強 | ひび割れ補修か増し打ちか、無筋・有筋の別、施工延長、床の解体範囲 |
| 壁・接合部の補強 | 補強箇所数、耐力壁の仕様、柱脚・柱頭金物、内外装の復旧範囲 |
| 柱・土台の修繕 | 腐朽やシロアリ被害の範囲、部材交換の方法、仮受け工事の有無 |
| 屋根の軽量化・補修 | 屋根面積、既存屋根の撤去、屋根材、下地補修、足場の有無 |
工事項目ごとの金額ではなく、耐震診断に基づく補強計画と付帯工事を含めた総額で比較しましょう。
2025年4月の法改正により、木造2階建て住宅などの「新2号建築物」では、主要構造部の一種以上を過半にわたって修繕・模様替する大規模リフォームが、原則として建築確認申請の対象になりました。ただし、耐震補強工事のすべてが対象になるわけではありません。
申請の要否は、壁・柱・床・梁・屋根・階段の工事範囲、建物の規模、地域などによって変わります。申請が必要な場合は、設計図書の作成費や審査手数料も見積もりに加わるため、計画段階で建築士や所管行政庁、指定確認検査機関に確認してください。
確認申請が必要な場合は工期にも影響する
建築確認申請が必要な工事では、申請図書の作成期間と審査期間を工程に組み込む必要があります。所要期間は計画内容、申請先、補正の有無によって変わるため、着工希望日から逆算して早めに相談してください。

※ 参考1:国土交通省「建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」
※ 参考2:国土交通省「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続」

2026年度に耐震補強へ利用できる主な支援制度は、自治体の耐震診断・耐震改修補助です。

要件を満たす工事には、所得税控除や固定資産税の減額が適用されることもあります。対象住宅、申請時期、対象工事、併用条件は制度ごとに異なるため、契約・着工前に確認してください。
※ 参考1:国土交通省「住宅をリフォームした場合に使える減税制度」
※ 参考2:地方公共団体の住宅リフォーム支援制度検索

多くの自治体では、旧耐震基準の木造住宅などを対象に、耐震診断・補強設計・耐震改修工事の費用を補助しています。対象となる建築時期、耐震評点、補助率・上限額、事業者要件は地域によって異なります。交付決定前に契約・着工すると対象外になる制度も多いため、見積もりを依頼する段階で自治体窓口へ相談してください。
※ 参考:地方公共団体の住宅リフォーム支援制度検索
2026年7月現在、一定の耐震改修はリフォーム促進税制の対象です。要件を満たすと、所得税は最大62万5,000円の控除、固定資産税は翌年度分の2分の1の減額を受けられる場合があります。適用期限は、所得税が2028年12月31日、固定資産税が2031年3月31日です。現行の耐震基準への適合、住宅の建築時期、工事費などに要件があるため、証明書の発行者、税務署、自治体の税務窓口へ事前に確認してください。
減税制度の手続き
所得税は確定申告、固定資産税は原則として工事完了後3か月以内の申告が必要です。補助金との併用が認められる場合もありますが、対象額の計算方法を事前に確認してください。
※ 参考1:国土交通省「住宅をリフォームした場合に使える減税制度」
※ 参考2:令和8年度版住宅リフォームガイドブック
一戸建ての耐震補強では、建物の状態に応じて基礎・壁・柱・屋根などを補強します。代表的な工事内容を部位別に紹介します。

基礎にひび割れや劣化がある場合は、その原因と程度を調べたうえで補修・補強方法を選びます。代表的な方法は、エポキシ樹脂の注入と基礎の増し打ちです。
基礎の補強方法
エポキシ樹脂の注入は、コンクリートのひび割れを一体化させたり、水の浸入を抑えたりする補修方法です。ただし、注入だけで住宅全体の耐震性能が十分に高まるとは限りません。ひび割れの幅や原因、鉄筋の有無、沈下などを調査したうえで補修方法を決めます。一方、基礎の増し打ちは、既存基礎と新しい鉄筋コンクリートを適切に接合して補強する工法です。耐力壁や柱から基礎へ力を伝えられるよう、建物全体の補強計画に合わせて設計する必要があります。
※ 参考:日本建築防災協会・耐震支援情報

壁の補強では、耐力壁の増設や制震ダンパーの設置などを検討します。どの方法が適するかは、耐震診断の結果と建物全体のバランスで判断します。
壁の補強方法
耐力壁の増設では、構造用合板や筋交いなどを用いて、地震の力に抵抗する壁を増やします。壁の量だけでなく、建物の平面上の配置バランスや、柱・梁・土台・基礎との接合も重要です。一方、制震ダンパーは建物の揺れを吸収して応答を抑える装置ですが、耐力不足をすべて補えるわけではありません。製品ごとの適用条件や必要な壁量、接合方法を確認し、耐震診断に基づいて耐力壁や金物補強と組み合わせるかを判断しましょう。
※ 参考:日本建築防災協会・耐震支援情報
湿気やシロアリ被害で傷んだ柱は、劣化の範囲を確認し、必要に応じて健全な部分を残しながら新しい部材へ取り替えます。また、地震時に柱と梁の接合部が外れないよう、金物で補強する方法もあります。柱そのものの修繕と接合部の補強を、建物の状態に合わせて組み合わせます。

重い屋根は、地震時に建物へかかる負荷を大きくします。主な耐震対策は、軽い屋根材への葺き替えと、瓦・接合部の固定や補強です。
屋根の主な耐震対策
日本瓦などの重い屋根材をガルバリウム鋼板などへ葺き替えると、建物上部の重量を抑えられます。葺き替えを行わない場合でも、瓦の固定や屋根接合部の補強によって、地震時の落下・損傷リスクを抑えられます。

倒壊リスクが高い住宅には、建築時期や間取り、劣化状態などに共通する傾向があります。次の項目を目安に自宅の状態を確認し、該当する場合は耐震診断を検討してください。
地震で倒壊するおそれがある一戸建ての特徴
※ 参考1:日本建築防災協会・耐震支援情報
※ 参考2:国土交通省「住宅をリフォームした場合に使える減税制度」
該当する項目がある場合は、耐震補強の要否を自己判断せず、まず耐震診断を受けてください。
一戸建ての耐震補強工事は、以下の4つのステップで進められます。

※ 参考1:令和8年度版住宅リフォームガイドブック
※ 参考2:地方公共団体の住宅リフォーム支援制度検索
耐震補強は、診断・設計・施工の精度が安全性を左右します。業者を比較する際は、法令対応、施工実績、補助制度への対応力の3点を確認してください。
確認申請の要否は、建物の規模と工事範囲によって変わります。木造2階建て住宅などで主要構造部を過半にわたって修繕・模様替する場合は、原則として確認申請が必要です。業者を選ぶ際は、耐震診断と補強設計を行う建築士、申請手続きを支援する担当者、設計どおりに施工できる事業者が連携できるか確認してください。申請不要の工事でも、建築基準法への適合と構造安全性の確認は欠かせません。
※ 参考:国土交通省「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続」
耐震補強は専門性が高いため、戸建て住宅の施工実績を確認してください。業者のWebサイトや提案資料で、自宅と近い築年数・構造の事例、補強内容、費用、工期を見比べると、得意分野や説明の具体性を判断しやすくなります。
自治体の支援制度を利用する場合は、地域の制度に詳しい業者を選びましょう。対象住宅・工事、事業者要件、申請期限、併用条件は自治体ごとに異なります。複数制度を使う場合は、同じ工事費を重複して申請できないこともあるため、見積もりの段階で制度名、申請者、対象経費、必要書類まで説明できるか確認してください。
※ 参考:地方公共団体の住宅リフォーム支援制度検索
耐震補強の目的は、地震による損傷をゼロにすることではなく、倒壊・大破のリスクを抑えて人命を守りやすくすることです。耐震診断に基づく補強を行えば、避難経路の確保や地震後の生活再建にもつながります。ただし、工事後も地震の規模、地盤、建物の劣化状況によって被害が生じる可能性は残ります。目標とする耐震性能、補強後の評点、残るリスクについて設計者から説明を受けてください。
※ 参考:日本建築防災協会・耐震支援情報
補強方法は建物の構造によって異なります。木造では柱・梁・壁の補強が中心ですが、鉄骨造やRC造(鉄筋コンクリート造)では、部材や接合部の状態に応じて別の工法を選びます。
鉄骨造の耐震補強工事
鉄骨造では、ブレースの追加だけでなく、柱・梁の部材補強、接合部や柱脚の補強などが検討されます。外壁を外せば簡単に補強できるとは限らず、鉄骨の腐食や溶接部、基礎との接合状態を調査したうえで工法を選びます。
RC造の耐震補強工事
RC造では、耐震壁や鉄骨ブレースの増設、柱の巻き立て、炭素繊維シートによる補強などが用いられます。ひび割れへのエポキシ樹脂注入は主に補修であり、それだけで建物全体の耐震性能が向上するとは限りません。耐震診断で不足する強度や粘り強さを確認し、補強工法を選定します。
構造によって工法と費用は異なります。現地調査を受けたうえで、補強計画と見積もりを作成してもらいましょう。
耐震補強と建て替えのどちらが適するかは、建物の状態、予算、将来のライフプランで決まります。判断するときは、次の3点を比較してください。
最初に確認したいのは、耐震診断でわかる建物の損傷度と耐震性能です。状態が比較的良く、補強で必要な性能を確保できるなら、耐震補強が現実的です。一方、基礎や柱の劣化が深刻で補強費が高額になる場合は、建て替えの方が費用対効果に優れることもあります。間取りや設備を大幅に変えたい場合も、建て替えを含めて比較してください。
予算は、耐震補強か建て替えかを決める上で重要な要素です。耐震補強は100万〜200万円台が目安となるケースが多い一方、基礎・屋根・劣化修繕まで含めると300万円を超える場合があります。建て替えは建物本体だけでも数千万円規模になり、解体費、設計費、仮住まい費、登記・税金なども加わります。2024年度の注文住宅の平均所要資金は3,936万円ですが、土地取得費を含まない集計です。耐震補強と建て替えを比べる際は、補助・減税、今後の修繕費、間取りや断熱性能、住み続ける年数まで含めた総額で判断しましょう。
現在の住宅に長く住み続けたい場合は、耐震補強が有力な選択肢です。将来売却する可能性があるなら、耐震診断書、補強設計、工事写真、完了証明を保管しておくと、安全性を説明する資料になります。ただし、補強によって売却価格が必ず上がるわけではありません。家族構成に合わせて間取り・断熱性能・設備を大幅に見直したい場合は、建て替えも含めて、住み続ける年数と総費用を比較しましょう。

DIYで耐震補強を行うのは推奨できません。耐震性能は建物全体のバランスで決まるため、部分的な補強が別の箇所へ負担を集中させるおそれがあります。また、壁内や基礎のひび割れ、シロアリ被害などを正確に把握するには専門的な調査が必要です。耐震補強は、建築士などの専門家による診断と補強計画に基づき、施工経験のある業者へ依頼してください。
生活への影響は、工事の規模と施工場所によって異なります。壁や接合部の部分補強は住みながら進められることもありますが、家具の移動や部屋の使用制限が生じます。基礎の広範囲な補強、屋根の葺き替え、柱・土台の交換では、仮住まいが必要になる場合もあります。騒音・振動・粉塵、電気・水道・ガスの停止時間、立入制限、仮住まい費用を見積もり前に確認してください。
中古住宅に耐震補強が必要かどうかは、建築時期だけでは判断できません。1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物や、2000年5月31日以前の木造住宅は、購入前に耐震診断を優先して検討してください。新耐震基準・2000年基準の住宅でも、劣化、不適切な増改築、施工状態によって耐震性が不足することがあります。確認済証、検査済証、設計図書、耐震診断書を確認し、必要に応じて専門家の調査を受けましょう。
※ 参考1:日本建築防災協会・耐震支援情報
※ 参考2:令和8年度版住宅リフォームガイドブック
一戸建ての耐震補強費用は、耐震診断の結果、補強範囲、劣化修繕、内外装の復旧範囲によって変わります。木造2階建ての公表事例では100万〜150万円の価格帯が最も多く、中央値は186万円ですが、基礎補強や屋根の軽量化などを含めると300万円を超えることもあります。費用を抑えるには、自治体の耐震診断・耐震改修補助と、所得税・固定資産税の減税を確認してください。
2025年4月以降も、耐震補強のすべてが建築確認申請の対象になるわけではありません。まずは耐震診断を受け、補助制度の申請時期と確認申請の要否を建築士・施工業者へ相談しましょう。
※ 参考1:国土交通省・建築確認制度
※ 参考2:国土交通省・リフォーム減税
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