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目次
トイレの増設・移設にかかる費用・工期の目安
工事内容 | 費用 | 工期 |
トイレ新設・増設(戸建て) | 40万円~ | 5日~ |
トイレ新設・増設(マンション) | 35万円~ | 4日~ |
増築を伴うトイレの新設・増設 | 120万円~ | 7日~ |
2階にトイレを増設 | 50万円~ | 5日~ |
既存のトイレを拡張 (トイレの位置変更なし) | 20万円~ | 3日~ |
既存のトイレを移設 | 40万円~ | 3日~ |
外にトイレを設置 | 50万円~ | 7日~ |
事務所にトイレを増設 | 50万円~ | – |
トイレの増設・移設にかかる費用
トイレ増設の費用相場は、35万円~です。増築を伴う場合は100万円を有に超えます。
増設や移設には大きな費用がかかります。とくに配管工事が工事に含まれると費用は高くなりやすいです。
トイレからの水は、キッチンや浴室の雑排水とは異なり、「汚水」という分類になり、雑排水とは流す配管が分かれています。
この汚水配管が増設位置から遠い場合や、流すために必要な勾配が取れていないときには、費用が高額になるケースが多いです。
>>トイレリフォームの費用はこちらでまとめて解説しています!
トイレの増設・移設にかかる工期
既存のトイレを移設する工事だけでも3日間、トイレ増設の場合は4日以上かかります。
配管などが複雑な場合は上記以上の日数がかかる場合もあります。
リフォーム前に行われる現地調査で状況を良く確認してもらい、工事日数を確認するようにしましょう。
トイレの工事中は一時的に水が使えなくなることもあります。
在宅で工事を行う場合はその日時も確認し、家事などの時間を工夫するようにしましょう。
トイレを増設するとき、3つの注意ポイントとは?
トイレを増設する際にはこちらの3点に注意しましょう。それぞれご紹介します。
- 必要最低限の広さを確保する
- 設置場所に注意する
- 2階の場合はトイレから出る音に注意する
注意点1 必要最低限の広さを確保する
トイレに必要な最低限の広さは0.4坪と言われています。
平米数に直すと約1.32㎡ですが、実際は壁の厚さなどがあるため、空間としては78㎝×120㎝程です。
ここに一般的な奥行き80㎝程度のトイレを設置すると、40㎝の空間が余ります。
また、横幅75㎝以下になると設置できないタイプのトイレもあるため、注意が必要です。
注意点2 設置場所に注意する
トイレは増設場所によっては配管工事が複雑になる場合があります。
トイレの工事にもかかわらず、他の場所まで手をつける必要があると、その分費用や工期もかかります。
また、せっかく増設するのであれば使いやすい位置にすることや、場合によっては他に音が響かない場所にする配慮も必要です。
トイレの増設についてしっかり話し合いを行い、事前にしっかりと考えた上で位置を決定しましょう。
配管位置などは自身ではわかりづらいことも多いため、専門家のアドバイスを受けることもおすすめです。
注意点3 2階の場合はトイレから出る音に注意する
トイレを2階に増設する場合は、音にも十分注意が必要です。
トイレの排水は基本的に2階から1階に流れるため、流したときの音が1階に届きます。
そのため、排水菅が寝室の近くを通っている場合は、2階でトイレを使用する度に排水音が寝室に響いてしまいます。
日中は気にならなくても、寝ているときには気になってしまうこともありますので、音に敏感な場合には排水経路に十分注意しましょう。
クローゼットなどの収納部分であれば、音がある程度軽減されますので、検討してみるのもよいでしょう。
どうしても寝室を排水が通る場合には、壁内に防音処理をする方法もありますが、高額になる可能性もあります。
トイレを設置できる場所、4つの条件とは?
条件1. 十分な広さが確保できる場所
前述の通り、トイレには必要最低限の広さである0.4坪が必要です。
空いているからと言って、無理にトイレを作ってしまうと、結局使いづらくなってしまうこともあります。
たとえば階段下を設置スペースとして考えた場合、床面積は必要最低限確保できるかもしれませんが、天井高さが一定ではないため、うまく空間を利用できないことがあります。
床面積だけでなく、高さ方向の検討も忘れないことが重要です。
トイレ工事は決して安い金額ではないため、きちんと広さが確保できる場所を選びましょう。
条件2. 元々あるスペースに設置する
新しくスペースを作る増築は、金額や工期がかかるためあまり手軽に行えません。
ですが、元々あるスペースを利用すれば増築よりも簡単にトイレを増やせます。
たとえば6畳の和室の押し入れスペースをトイレにする場合、幅180㎝、奥行き90㎝程あることが多く、トイレとして十分なスペースが取れます。
また、襖を外し新たに壁を造作するだけで仕切れるため、給水と排水の工事ができれば、その他の工事は最小限で済むことが多いです。
条件3. 1階のトイレの上に設置する
1階のトイレの上に必ずしもスペースが空いているとは限りませんが、空いている場合は設置場所としておすすめです。
なぜならば、1階のトイレから給水や排水経路を確保できるため、増設で最も難しい工事の部分が比較的容易にできるためです。
通常であれば、経路を確保するためにトイレとは関係のない場所を工事することもありますが、1階のトイレの上に設置すれば、その必要は少なくなります。
また、2階のトイレの音問題も解決できるため、2階にスペースがある場合は設置を検討してみましょう。
条件4. 大きな空間を仕切って設置する
大きな空間を仕切ってしまうことは、もったいなく感じてしまうと思いますが、部屋の中にトイレを作りたい場合などにはおすすめです。
ゲストルームや、廊下までトイレに行くことが難しい方のいる場合などは、部屋の中にトイレを作ることで音なども気にする必要がないため、気兼ねなく楽に使用できます。
トイレを増設できない、2つのNG事例を紹介!
NG例1. 配管構造によっては増設できない場合もある
排水菅は、縦に流れる竪管(たてかん)と言われるところまで、平面上は法律上決められた勾配で傾けなければいけない決まりがあります。
その傾きは水回り別に決められており、トイレは1/50です。
1mにつき、2cm下がるように排水菅を傾けて設置しなくてはならず、竪管まで遠ければ遠いほど、床下にスペースが必要になります。
マンションでは構造により、床下スペースがない場合や、あってもスペースを増やすことができず、トイレの増設が困難な場合もあります。
また、戸建てはマンションよりも床下スペースがある場合が多いですが、限界がありますので、遠くに設置する場合は注意が必要です。
NG例2. 水圧が低い場合は注意
タンクレストイレは、タンクがなくすっきりとした見た目から需要が高まっている商品です。
また、トイレ自体のサイズが小さめであるため、トイレスペースが狭い場合などにおすすめです。
ですが、タンクレストイレは水道の圧力で直接汚物を流す仕組みのため、低い圧力だと十分に流れない可能性があります。
従来のトイレは10L以上の水を利用して流していましたが、タンクレストイレはその半分以下で流すため、圧力は重要です。
マンションの2階以上の場合は圧力が低くなる傾向にあるため、十分な圧力が取れているか専門家に確認することをおすすめします。
メーカーによっては低水圧用の部品を用意している場合もありますので、合わせて検討すると良いでしょう。
>>水圧の問題を解決するSFAポンプ(排水圧送ポンプ)はこの記事で紹介
トイレ増設の施工事例
事例1. 収納からトイレに変更
住宅の種類 | 一戸建て |
施工期間 | 5日間 |
金額 | 約45万円 |
施工箇所 | トイレ |
2階の収納部分をトイレに変更した事例です。
既存の収納の奥行きも十分あったため、独立手洗い器や、手すりも設置できました。
事例のようなカウンター付き手洗いは10㎝以上の奥行きがあるため、トイレの幅は少なくとも90㎝程度が必要です。
通常のクローゼットは奥行き60㎝程度であるため、独立手洗いを設置する際は奥行きをよく確認しましょう。
事例のドアは引き戸であるため、バリアフリーで使いやすいトイレとなっています。
夜間にトイレに行く際、1階のトイレを利用していたようですが、2階にトイレを設けたことで楽に利用できるようになりました。
事例2. 移設し雰囲気を一新!
住宅の種類 | 一戸建て |
施工期間 | 3日間 |
金額 | 約50万円 |
施工箇所 | トイレ |
既存は壁タイルの汚れが目立ち、床にはシミもできていましたが、移設に伴い内装も一新し、雰囲気が大きく変わりました。
また、トイレには温水便座が付き、快適に過ごせるようになっています。
トイレはリビングと隣接しているため、音が響かないように間仕切り壁には防音対策を行っています。
防音対策により、トイレを使用している音がリビングに届きにくくなり、気兼ねなく使用できるようになりました。
事例3. 2階の廊下にトイレを増設
住宅の種類 | 一戸建て |
施工期間 | 14日間 |
金額 | 約147万円 |
施工箇所 | トイレ・洗面所・廊下 |
2階への増設は配管などが複雑に関わるため、十分な検討が必要です。
この事例では配管スペースを取るため、廊下から15㎝の段差を作り、トイレの増設を実現しています。
トイレの配管は直径75mmが一般的であり、床構造の厚みなどを考えると、15㎝の段差は少ない方と考えられます。
一般的な階段の高さは23㎝以内と決められているため、それほど高い段差ではありませんが、不自由する場合には段差を作ることはおすすめではありません。
事例4. 納戸にトイレを新規設置
住宅の種類 | 一戸建て |
施工期間 | 3日間 |
金額 | 約65万円 |
施工箇所 | トイレ |
納戸の一部を解体し、トイレを新規設置した事例です。
玄関ホールに面した納戸であったため、来客時などには家の奥に通さずとも、入口付近でトイレを使用できるため便利です。
独立手洗い器のキャビネットと背面のアクセントクロスを合わせることで、統一感と共に高さ方向の広さも演出しています。
また、床は落ち着いたベージュの塩ビタイルを採用しており、他の色と調和しつつ、清掃性も向上しています。
事例5. スペース拡張でバリアフリーを実現
住宅の種類 | 一戸建て |
施工期間 | 2か月半 |
金額 | 約850万円 |
施工箇所 | トイレ・キッチン・浴室・床・洋室・玄関ドア・玄関・リビングダイニング |
トイレスペースを既存の2倍である3.5畳に広げ、車いすでも余裕を持って使える広さに拡張した事例です。
車いすからトイレに移動するためには、トイレ横近くに車いすを寄せる必要があり、一般的な幅のトイレではうまく利用できない場合があります。
その点、事例ではトイレ横に十分なスペースがあり、扉も大きな引き戸になっています。
トイレの増設費用を安くする方法
トイレの増設を検討する際、費用は重要な要素の一つです。
快適なトイレを増設したいけれど、費用はできるだけ抑えたいという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、費用を抑えながら快適なトイレの増設が実現する方法を紹介します。
製品のグレードを下げる
トイレ増設費用を削減する方法として、製品のグレードを下げることが挙げられます。
トイレ本体や便座にはさまざまな種類があり、高機能なモデルほど価格が高くなりやすいです。
自動開閉機能などの高級機能が搭載された製品は便利ですが、必要ではない場合もあります。
機能を厳選して、シンプルな製品を選ぶことで、購入コストを大幅に削減することが可能です。
具体的には、シンプルな節水型トイレやスタンダードな便座を選ぶことで、コストを減らせます。
増設する場所を給排水管の近くにする
トイレ増設費用を抑えるために重要な要素の一つが、増設場所の選定です。
新しいトイレを既存の給排水管の近くに設置すると、配管の延長作業が少なくて済みます。
とくに、排水管の設置が遠い場所であるほど、掘削や配管作業が多くコストも膨らむため、増設する場所の選定には注意が必要です。
排水圧送ポンプを活用する
トイレを増設する際、排水は大きな課題となります。
排水管の勾配が取れない場所にトイレを設置する場合は、通常よりも大掛かりな工事が必要となり費用が増加します。
排水圧送ポンプを設置することで、配管の傾きを必要とせずに排水を行うことが可能です。
また、床工事も不要となり、細い配管でも対応可能です。
これにより、コストを抑えながら効率的な排水が可能となります。
補助金を活用する
補助金制度を活用することも、経費削減に大きく貢献します。
とくに、介護や子育て支援の観点から、各種のリフォーム補助金を利用できる場合があります。
活用できる補助金の例を、以下にまとめました。
補助金名 | 補助額 |
子育てエコホーム支援事業 | 最大60万円 |
介護保険を活用した住宅改修 | 最大18万円 |
地方自治体のリフォーム補助金 | 地域によって異なる |
子育てエコホーム支援事業
2023年度に「こどもエコすまい支援事業」が行われ、その後継事業として子育てエコホーム支援事業が始まります。
国が指定したトイレをリフォームで設置することで、決まった金額の補助を受けられます。
ただし、合計補助額が合計5万円以上でないと補助が受けられないなど決まりがあり、トイレ単体の工事の場合は補助対象にならない可能性もあるため注意が必要です。
補助対象の場合は最大60万円の補助を受けられますので、検討をおすすめします。
介護保険住宅改修
要支援や要介護認定を受けている同居人がいる場合には「介護保険住宅改修」を使える可能性があります。
ただし、トイレ交換に対する補助ではなく、介護者が使用しやすいようにバリアフリーや手すりを設置する工事に補助が出る制度です。
対象になる場合はケアマネージャーを通して、最大18万円の補助を受けられます。
自治体独自の補助金
上2つの補助金は国の制度ですが、自治体によっては独自の補助金制度を設けている場合もあります。
内容は自治体により異なりますが、節水型トイレを設置することや、汲み取り式などの古い和式トイレから、洋式トイレへ変更するともらえる補助金があります。
事前にお住まいの自治体ホームページを確認し、詳しいことは自治体に直接確認すると良いでしょう。
国の制度と併用できない場合もありますので、内容をよく確認して使う補助金制度を選ぶようにしましょう。
トイレの増設に建築確認は必要?
既存のスペースを使ってトイレを増設する場合には、建築確認は不要です。
ですが、増築によりトイレスペースを増やす際には建築確認が必要なケースもあります。
とくに自宅が防火・準防火地域に建っている場合には増築面積に関わらず、建築確認が必要です。
稀に、建築当時は防火地域でなかったにもかかわらず、後から防火地域に指定されることもあります。
その際は増築部分だけでなく既存部分も防火地域に適した建物にする必要があるため、注意が必要です。
また、増築面積が10㎡を越える場合にも必要ですが、10㎡は約6畳程の床面積のため、トイレを増設した程度で越えることは少ないです。
トイレリフォームの業者選びで後悔しないために
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