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2022年04月08日更新
古民家をリノベーションする費用は?
和の趣を持つ古民家は、リノベーションで現代風にアレンジすることによって、快適さと品格を兼ね備えた理想の住まいとなります。耐震補強やプランニングに、独自の視点が必要な古民家のリノベーションについて、その費用相場を注意点と合わせて解説します。
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- この記事の監修者株式会社フレッシュハウス樋田明夫営業戦略室 室長
目次
古民家リノベーションとは
古民家とは、日本に伝わる伝統工法で建てられた建物で、築50年以上を経ているものを指しています。
太くしっかりとした柱と梁などの部材で造られ、柱と梁の接合部は金物を使わないで、仕口(しぐち)と継手(つぎて)で繋げていくのが特徴です。
古民家リノベーションは、そのような伝統的な住宅で快適に暮らすために、古民家の良さも活かしながら、現代の生活様式に合わせたスタイルにしていきます。
古民家再生リノベーションのポイント
マイホームの一つのスタイルとして、古民家をリノベーションで再生する手法が大きな注目を浴びています。
伝統的な和の趣を現代に残す古民家は、リノベーションによって、古い良さを残したまま、現代でも使いやすく作り替えることができます。
古民家リノベーションの費用相場を把握するためにも、まずは古民家リノベーションの特徴や注意点を知っておきましょう。

古民家リノベーションのメリット・デメリット
ここでは、古民家リノベーションのメリット・デメリットについて解説をしていきます。
メリット
古民家をリノベーションするメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 伝統的な日本家屋を保存することができる
- 耐久性がある
- 税金が軽減できる
現代の住宅とはひと味違う、趣のある雰囲気を日本家屋は持ち合わせています。
近頃では日本家屋を造れる職人さんも少なくなり、ますます希少価値が高まっているようです。
リノベーションで最新の住設機器などに入れ替えると、日本家屋ならではの伝統的な文化を保存しながら、現代でも住みやすい機能的な家へと生まれ変わります。
また、新築住宅でよく使われている新建材と比べ、古民家には非常に強度の高い木材が使われており、既存の柱や梁などをうまく活かして、耐久性の高い家にリフォームをすることも可能です。
固定資産税も減税できる可能性があります。
固定資産税は「固定資産税評価額×1.4%」の計算式によって算出しますが、この固定資産税評価額は経年減価補正というものがあり、築年数に応じて評価額が減額され、おおよそ築25年で最低水準の0.2まで下がります。
したがって、築25年以上経った建物であれば、その物件が新築だった時の固定資産税より2割減額された税額になります。
つまり、古民家(中古物件)の固定資産税は、新築物件より非常に安く済むのです。
デメリット
デメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- 耐震性が低い可能性がある
- 断熱性が低い
- 費用が予定よりも多くかかる
古民家は、1981年より前の旧耐震で建築された建物が大半のため、現在の新耐震基準を満たしていません。
そのため、大地震の際には倒壊してしまう可能性が非常に高く危険なため、耐震診断などをきちんと受けておくようにしましょう。
また、古民家はエアコンが普及していない時代に建てられたものも多いです。
風通しが良いように設計されてはいますが、近年では温暖化が進み真夏の暑さが異常な日もありますから断熱材が適切に入っているかどうかも確認してください。
もう一つの懸念事項として、リノベーション費用が予定よりも多くかかる可能性があるということです。
建物の構造は強いことが多い古民家ですが、長い年月によって劣化している可能性が非常に高く、シロアリ被害を受けている古民家も多いです。
傷んでいる箇所が多いほど修復する必要があるため、何かと費用がかさみがちなのがデメリットでしょう。
リノベーションで快適な古民家にするために
古民家再生リノベーションでは、そのままでは生活しにくい箇所は使いやすく改修し、趣のある箇所はあえて残すといった、バランスの取り方がポイントです。
古民家の床の高さ
古民家は、床下の通気性を確保するために、床の高さが現代の家よりも高くなっていることがあります。
その場合、玄関土間と室内の高低差は約60cmになり、大人でも出入りがしにくい高さですので、ステップや踏み石の設置など、間取りの工夫が必要となります。
梁あらわし天井
平屋の古民家で人気の高い内装デザインといえば、古く立派な梁を利用した、梁あらわしの天井です。
梁は表面を塗装するだけでも風格のあるインテリアパーツとなりますが、スポットライトを設置するスペースとしても役立ちます。
特に、梁あらわしの平屋は、天井が高くなってしまうため、通常の照明だけでは照度不足になることもありますので、梁のスポットライトは重要な意味を持ちます。
ただし、床が高い古民家では梁の位置が低くなり、身長の高い人は目の前に梁がくることもあるので注意しましょう。
断熱・気密改修で冬でも過ごしやすく
今から100年以上前に建てられた古民家は、当然、現代のような断熱性・気密性は備わっていません。
小屋裏付近や天井と壁の境目などに、外から覗けるほどの隙間ができていることもあります。
このような古民家は、リノベーション工事の際に断熱・気密改修を行うことで、最低限の過ごしやすさを確保することができます。
古民家リノベーションで検討するべき工事
古民家リノベーションで検討するべき工事には、以下のものがあります。
耐震・断熱リフォーム
古民家は、現代の建物のように耐震性や断熱性の基準が高くない場合もあり得ます。
安全に快適に暮らすためにも、まずは家自体の耐震性や断熱性を向上させることが必要です。
リノベーションに入る前に、あらかじめ耐震性と断熱性の機能を建築士などのプロの目で確かめてもらうようにしましょう。
屋根・外壁リフォーム
古民家は日本独特の情緒ある趣が素敵な建物ですが、長年の間リフォームやメンテナンスをしていないと、屋根や外壁が劣化していることも考えられます。
リノベーション後に快適に長く住むためにも、屋根と外壁のリフォームを合わせて検討してみた方が良いでしょう。
間取り変更
古民家は昔の大家族構成で住むことを前提として造られた間取りが多いため、現代のライフスタイルにはそぐわない場合も多いようです。
また、部屋の仕切りを外して広く使うなど、思い切った間取りの変更をすると、使い勝手の良い空間が生まれます。
水回りリフォーム
古くなったバスルームやキッチン、トイレなど水回りを最新の設備に取り替えると、日常における生活のクオリティが大幅にアップします。
毎日使う場所だけに、新しくきれいな空間に生まれ変わると、快適に暮らせるようになります。
バリアフリー工事
古民家は部屋の入り口や玄関などで段差があるのが特徴ですが、年配の方や小さなお子さんが住む場合、足元に危険が及ぶ心配があります。
また、バスルームなど足元が滑りやすい場所には滑りにくい建材用いてバリアフリー工事をしておくと、年を取っても安心して暮らせるでしょう。
古民家リノベーションの注意点
古民家リノベーションで特に注意しておきたい箇所が、「耐震補強」と「瓦屋根の処理」です。
耐震改修の方法に注意
古民家の中には、現代の耐震補強が通用しない物件もあります。
古民家が建てられた当時の耐震補強は、現代とは考え方や手法が異なるため、現代風の耐震補強を古民家に取り入れると、かえって建物の強度を落としてしまい、独自の趣のある雰囲気も失われかねません。
古民家に詳しい建築士や、古民家鑑定士などの有資格者による耐震診断を利用するなどして、必ず古民家独自の方法で物件の耐震補強を行いましょう。
瓦屋根の葺き替えは高額になる
古民家の良さといえば、重厚感のある日本瓦屋根の外観です。
しかし、日本瓦は屋根材の中でも特に重く、屋根が重い家は地震の揺れを受けやすいため、壁や柱に強い負荷を掛けてしまいます。
そのため、瓦屋根の古民家をリノベーションするときは、物件の耐久性を優先してガルバリウム鋼板や化粧スレートなどの軽い屋根材へ葺き替えることがありますが、葺き替えは屋根リフォームの中では最も高額な手法です。
古民家リノベーションが得意なリフォーム会社を探すには?
自分が住んでいる地域で古民家リノベーションを得意としているリフォーム会社を知りたい場合は、リフォーム会社紹介サービスを使うと良いでしょう。
リフォーム会社紹介サービスの「ハピすむ」は、お住まいの地域やリフォーム・リノベーションのニーズを詳しく聞いた上で、適切で優良なリフォーム会社を紹介してくれます。
複数の大手リフォーム会社が加盟しており、高額のリフォームを検討している方も安心してご利用いただけます。
運営会社のエス・エム・エスは、東証プライム上場企業なので、その点も安心です。
古民家リノベーションの費用相場
古民家のリノベーション総費用は、約2,000万円~約3,000万円が相場です。
古民家は、平屋でも建築面積が広い傾向にあり、解体処分費用や内装工事費用もかさむため、自ずと総費用の相場は高額になります。
古民家リノベーションの工事内容と費用相場
古民家リノベーションでは、先ほどご説明した、耐震改修、瓦屋根の葺き替え、瓦屋根の点検などの費用の他にも、様々な工事を伴います。
畳や塗り壁などの古い内装を解体し、床をフローリングに、壁をクロスに貼替えるリフォームや、古い水回り設備を最新のユニットバスやシステムキッチンに交換するリフォームなども必要です。
古民家リノベーションで発生する主な工事の費用相場を、部位ごとに見てみましょう。
古民家の耐震改修工事の費用相場
- 金物などによる補強の場合:約10万円/1坪あたり
- 基礎も補強する場合:約15万円/1坪あたり
いずれも耐震診断の費用を含めた、坪単価の金額です。
耐震リノベーションの費用はこちらの記事で詳しく解説しています
古民家の屋根リフォーム費用
- 瓦屋根からガルバリウム鋼板に葺き替え:約1万円/平方メートルあたり
- 瓦屋根から化粧スレートに葺き替え:約3千円~約6千円/平方メートルあたり
- 屋根の補修費用:約8千円/1箇所あたり
- 瓦材の交換:約1万円/1枚あたり
例えば、約80平方メートルの瓦屋根をガルバリウム鋼板に葺き替えた場合は、廃材処分費用なども含めると約80万円の屋根工事費用となります。
内装工事の費用相場
- 解体工事費用:約1万円~約3万円/平方メートルあたり
- 内装工事費用:約2万円~約4万円/平方メートルあたり
古民家の状態が良く、解体する部分が少ない場合は解体費用は約70万円程度に収まりますが、内装をほぼ取り換える場合は、解体費用だけで約200万円以上になることもあります。
水回り設備の交換費用相場
- システムキッチン設置費用:約120万円
- ユニットバス設置費用:約150万円
- 洗面台設置費用:約40万円
- トイレ設置費用:約30万円
※商品価格・施工費込みの金額です。
水回り設備を一式導入すると、合計で約340万円の費用が必要になります。
また、キッチンが玄関土間の中にあるなど、間取りが特殊な古民家では、水回り設備の移設に伴う配管工事費用として、約10万円~約30万円が追加で発生することもあります。
なお、古民家の所在地に公共下水が通っていない場合は、約30万円で浄化槽の埋設工事が必要になります。
外観デザイン費用相場
- 土間コンクリート打設費用:約1万5千円/平方メートルあたり
- 外壁塗装費用:約2千円~約6千円/平方メートルあたり
古民家リノベーションで費用を抑える方法
古民家リノベーションには高額な費用がかかりますので、補助金や減税制度を活用しましょう。
ここでは、リノベーションがお得にできるリフォーム減税や、リフォーム補助金について解説をしていきます。
リフォーム減税
所得税は投資型減税、ローン型減税、住宅ローン減税の3つの制度から1つが選べます。
投資型減税は「耐震」「バリアフリー」「省エネ」「同居対応」「長期優良住宅化(耐久性向上)」の、一定要件を満たすリフォームが対象で、耐震とバリアフリーの両方を行う場合には、制度の併用ができるものもあります。
ローン型減税は、返済期間5年以上のリフォームローンなどを利用して行う「バリアフリー」「省エネ」「同居対応」「長期優良住宅化」などの、一定要件を満たすリフォームが対象です。
バリアフリーと省エネリフォームを行う場合など制度の併用ができるものもあり、併せて耐震リフォームを行う場合は「投資型減税」との併用ができます。
住宅ローン減税(住宅ローン控除)は、返済期間10年以上のリフォームローンを利用する一定要件を満たすリフォームが対象。
「リフォームする住宅の専有面積が50平米以上」「リフォーム工事費用は補助金等を除いて100万円以上」などの条件があります。
リフォーム補助金
バリアフリー・省エネ・耐震リフォームに自治体の補助金を利用できる場合がありますが、各自治体ごとに内容が違うため調べる必要があります。
2020年における主な補助事業は下記の通りです。
補助制度 (改修・リフォーム) | 制度内容 | 助成額 |
---|---|---|
断熱リノベ(高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業) | 住宅に高性能な断熱材や窓等を用いた断熱改修を行う場合に国の補助金が交付 | 最大120万円/戸 |
次世代省エネ建材支援事業 | 室内側から短工期で施工可能な高断熱パネル、潜熱蓄熱建材、調湿建材などの付加価値建材を用いたリフォームを行う場合に国の補助金が交付 | 最大200万円/戸 |
次世代リフォーム実証事業 | 戸建住宅の外気に接する部分全て(外壁は外張り断熱工法等)の断熱改修を行なう場合に国の補助金が交付 | 最大300万円 |
補助金の適用を受けるためには、その補助金の制度で定められた工事内容や申請手続きなどの条件を満たしていることが必要です。
一般に補助金の手続きの流れは、補助事業の募集期間内に計画段階で事前に承認申請を行い、申請が受理されると承認通知が発行されます。
その後工事業者と工事契約を締結して着工します。
工事が完成した後に、工事完了申請・補助金の交付申請を行います。
また、工事計画が事前に承認を受けたものから変更になるとき、変更申請が必要な場合があります。
制度で定められた工事内容や申請手続きの条件を満たさない場合には、補助金の交付が受けられません。
補助金を利用しての工事を希望するときは、工事業者と工事内容や補助金の制度・手続きなどについて、十分に打合せを行いましょう。
古民家リノベーションはどこに依頼すべき?
古民家リノベーションの費用は、古民家の状態やプランニングの内容だけではなく、依頼したリフォーム会社でも異なります。

また、リフォーム会社選びは、総費用だけではなく、古民家の良さをリノベーションで失わないためにも重要です。
古民家の良さを残すために
先ほど耐震補強の項目でも触れたように、古民家は、現代の家とは仕様が異なる建物です。
プランニングにおいては、古民家の雰囲気を台無しにしないよう、独自のコツや視点が欠かせません。
そのため、古民家リノベーションは、できるだけ古民家のリノベーション施工経験を持つリフォーム会社を優先して選びましょう。
古民家の施工事例が多いリフォーム会社ほど、古民家の耐震性の考え方や、外観・間取り作りのコツを押さえていますので、古民家の良さを残したまま、住む人の理想を反映させたプランニングが作りやすくなります。
一方、古民家リノベーションの経験がないリフォーム会社では、下請け業者への指示が行きわたらず、工期の遅れが生じたり、解体しなくても良い柱を取り除いてしまったりすることがあります。
古民家の施工事例を見つける方法
リフォーム会社に古民家の施工事例があるかどうかわからない場合は、直接見積もりの際に古民家の施工事例があるかどうかを質問してみましょう。
実績のあるリフォーム会社であれば、その会社が以前担当したリノベーション済みの古民家や、リノベーション途中の現場まで案内してくれることがあります。
フルリフォーム・リノベーションに対応する優良な会社を見つけるには?
ここまで説明してきたフルリフォーム・リノベーションは、あくまで一例となっています。
「費用・工事方法」は物件やリフォーム会社によって「大きく異なる」ことがあります。
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一生のうちにリフォームをする機会はそこまで多いものではありません。
後悔しない、失敗しないリフォームをするためにも、リフォーム会社選びは慎重に行いましょう!
この記事の監修者プロフィール

株式会社フレッシュハウス
樋田明夫フレッシュハウスでリフォームの営業担当を長年経験し、数々のリフォームコンテストでの受賞実績を持つ。現在はフレッシュハウス本社における営業戦略室の室長として、大規模リフォームから通常のリフォーム物件まで幅広く対応中。
