2024年08月07日更新

監修記事

昔ながらのステンレス浴槽、メリットとデメリットは?交換が難しいとき、他の工事の費用は?

ステンレス浴槽は、その耐久性や衛生面から広く使われてきました。本記事では、ステンレス浴槽の特徴とリフォームの方法、他の材質の浴槽やユニットバスへの交換について詳しく解説します。

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ステンレス浴槽とは?

ステンレス鋼は、鉄にクロムやニッケルを加えた合金です。英語で「stain(錆び・汚れ)less(~しない)steel(鋼鉄)」という言葉の通り、錆びにくく、汚れにくく、頑丈で耐久性が高いという特性があります。

こうした特徴を活かして、ステンレス製の浴槽は長期間使用できる高級浴槽として広く使われてきました。

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ステンレス浴槽のメリット

ステンレス浴槽には他の浴槽にはないメリットがあるため、これまでに多くの住宅で使用されてきました。以下に主なメリットを解説します。

メリット1. 耐久性に優れている

出典:タカラスタンダード-ステンレス浴槽

浴槽に使われている「ステンレス304」という素材は、非常に強度が高く、衝撃や摩耗に強く、割れたり破損したりすることがありません。

また、ステンレスは自ら表面にバリアー(不導態皮膜)を形成することで表面を守り続けるため、長期間使用しても劣化しにくいことが大きなメリットです。

メリット2. 汚れにくく衛生的

ステンレスは表面が滑らかで汚れが付きにくく、掃除がしやすい素材です。また、他の材料に比べて抗菌性が高く、カビや細菌の繁殖を抑え、水垢やヌメリ、臭いも付きにくくなります。

このような特性のため、キッチンのシンクやワークトップ、食品や薬品の製造設備など、衛生的であることが特に求められる部分に多く使用されています。

メリット3. 保温性が高い

出典:JFE建材-ステンレスバス

ステンレスは鉄の一種であり、熱容量が大きいため保温性に優れています。特に裏面に断熱材を充填したタイプの浴槽は湯温が冷めにくく、快適に入浴を楽しむことができます。

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ステンレス浴槽のデメリット

このようにメリットの多いステンレス浴槽ですが、近年では新築住宅の浴槽として選ばれることが少なくなっています。以下のようなデメリットがあることが、その理由と考えられます。

デメリット1. 製品の選択肢が少ない

ステンレス浴槽は、現在の市場では製造メーカーや製品ラインナップの選択肢が限られています。

アクリル系人工大理石・FRPなどの浴槽やユニットバスの普及にともない、30年以上の間、新規の開発や改良がほとんど行われておらず、最新のデザインや機能を備えた製品が少なくなっています。

デメリット2. デザインが古く感じられる

出典:ナスラック-ステンレス浴槽

ステンレス浴槽は、素材そのものの質感を活かしたシンプルで無機質なデザインが特徴ですが、そのために現在のトレンドから離れ、古い印象を与えることがあります。エプロン部分の柄などからも、昭和時代からあまりデザインが進化していない印象が強くなっています。

デメリット3. 傷が目立ちやすい

ステンレスは耐久性の高い素材ですが、その光沢や色彩の特徴から、細かな傷が付いたときに目立ちやすいことがデメリットにもなっています。

また、カラーステンレス浴槽では、塗装の傷や剥がれが目立ちやすく、経年劣化のために古びて見えることがあります。

カラーステンレス浴槽とは?

ステンレスの表面が塗装された浴槽で、豊富なカラーバリエーションをつくれる特徴があります。以前は多くの製品がありましたが、現在ではほとんど製造されていません。

ステンレス浴槽のサイズと種類

ステンレス浴槽のサイズ

ステンレス浴槽は、さまざまなサイズがあります。現在でも多くのサイズが用意されており、既存の浴槽と同じサイズのものを選んで交換することができます。

また、エプロン(浴槽側面の化粧板)があるタイプと、全体をすっぽりと埋め込むタイプがあります。一人用の小型浴槽から、家族全員が入れる大型浴槽まで、目的に応じたサイズが選べます。以下に、主なサイズを紹介します。

浴槽の間口(長辺)800、900、1000、1100、1200、1400mm
浴槽の奥行(短辺)700、750mm
浴槽の高さ550、650mm
ステンレス浴槽の主なサイズ

ステンレス浴槽の主なメーカーとは?

現在、ステンレス浴槽は数社から販売されています。以下に主なメーカーと製品を紹介します。

>>浴槽の形状・素材の選び方はこの記事で紹介!

クリナップ

出典:クリナップ -ステンレス浴槽

クリナップは、システムキッチンなどのステンレス製品を得意としているメーカーです。

ステンレス浴槽では、マルチカラー、モダンブロック、NEWインテリアバスの3シリーズからデザインを選ぶことができ、それぞれに多くのサイズが用意されています。

JFE建材

出典:JFE建材-ステンレスバス

JFE建材は、大手鋼板系のメーカーで、ステンレス浴槽も販売しています。間口は800mmから1400mmまで、豊富なサイズが用意されており、既存の浴槽の交換に対応しています。

浴槽の外側に発泡ポリウレタンの断熱材が吹き付けられており、保温性が高いことも特徴です。

タカラスタンダード

出典:タカラスタンダード-ステンレス浴槽

タカラスタンダードは、ユニットバス「エメロード」シリーズでステンレス浴槽をラインナップしています。

浴槽の底、胴、フランジの3つのパーツを溶接し、そのすべてを職人が手作業で研磨し、底と胴は鏡面に近い光沢を実現する#400仕上げにするなど、きわめて高品質の浴槽となっています。

ユニットバスでステンレス浴槽にこだわりたい方には有力な選択肢となります。

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ステンレス浴槽の寿命とリフォームするタイミング

ステンレス浴槽の寿命は30年程度とされています。ただし、使用環境やメンテナンス状況によって劣化状況は異なるため、定期的な点検が必要です。

リフォームのタイミングは、浴槽に錆や歪み、ひどい汚れなどが発生した場合や、デザインの更新を考える場合に検討することとなるでしょう。

ただし、ステンレス浴槽は耐久性が高いため、浴槽本体よりも周辺のタイルや配管、設備機器などの劣化のほうが進行していることが多く、浴槽だけを交換しても、いずれは他の部分を再改修する必要があります。

このため、ステンレス浴槽を交換するタイミングでは、浴室全体のリフォームや、ユニットバスへの交換も検討しましょう。

ステンレス浴槽のリフォーム方法と費用相場

既存のお風呂のステンレス浴槽をリフォームする場合、いくつかの方法があります。それぞれの特徴や費用相場について詳しく解説します。

交換の方法リフォーム費用
ステンレス浴槽を交換20万~30万円
浴室全体をユニットバスに交換70万~250万円
アクリル系人工大理石浴槽に交換40万~80万円
FRP(強化プラスチック)浴槽に交換30万~60万円
鋳物ホーロー浴槽に交換50万~100万円
ステンレス浴槽を交換するリフォームの相場のめやす

ステンレス浴槽を交換する

出典:クリナップ-ステンレス浴槽

既存のステンレス浴槽を新しいステンレス浴槽に交換するリフォーム費用は、20~30万円です。浴槽のサイズや現場の状況によって変わります。

既存のステンレス浴槽を気に入っている場合、選択肢となる方法です。同じ形状やサイズの新しいステンレス浴槽を選択して交換することができます。

周辺の床や壁のタイルをそのままにして、最低限の工事で浴槽だけを交換できれば、費用も少なく済みます。ただし、現行品の選択肢が少なく、機能やデザインのトレンドから、現在ではあまり一般的ではない方法といえます。

ユニットバスに交換する

出典:パナソニック-ビバス

浴槽だけでなく浴室全体をユニットバスに交換する、もっとも一般的でおすすめの方法です。

浴槽とともに老朽化した内装や設備、配管を一新して、美しい空間デザインやお掃除しやすい内装、暖かさ、省エネ、バリアフリー機能や最新の設備機器などを一度に導入することができます。

ユニットバス交換のリフォーム費用は70万~250万円です。ユニットバス本体のグレードやサイズ、オプションや、床下の構造や断熱材などの改修範囲によって大きく変わります。

なぜユニットバスに交換が最も一般的なリフォーム方法なの?

ステンレス浴槽は古い製品のため選択肢が限られており、他の材質の浴槽に交換する場合には周辺の改修を含めて費用が多くかかる上、古い内装や設備はそのままです。

ユニットバスへの交換は浴槽だけの交換に比べて費用は多くかかりますが、機能性・デザイン性が高く、浴室全体が一新されます。

将来のメンテナンスや再改修を考慮し、長い目で見ればお得であると考えられます。

>>タイル張りのお風呂からユニットバスへの交換はこの記事をチェック!

他の材質の浴槽に交換する

既存のステンレス浴槽を、他の素材の浴槽に交換する方法もあります。ステンレス浴槽とは形状やサイズが異なるため、周辺のタイル部分などの改修工事も必要になりますが、最新の機能やデザインを備えた製品を選ぶことができます。

以下に代表的な3種類の浴槽について解説します。

浴槽を交換したい!気になる費用は?ユニットバス交換とのお値段も比較!

アクリル系人工大理石浴槽

出典:TOTO-ネオマーブバス

アクリル系人工大理石浴槽のリフォーム費用は30万~80万円です。浴槽のサイズやデザイン、周辺のタイルなどの改修範囲によって大きく変わります。

最新のユニットバスでも広く使用されており、その高級感あるデザインと美しい光沢が特徴です。多様な形状やカラーバリエーションがあり、使い勝手やインテリアに合わせやすい点も魅力的です。

熱伝導率が低いため表面が冷たく感じず、保温性が高いこともメリットです。表面が滑らかで傷や汚れが付きにくいため、掃除も簡単です。

FRP(強化プラスチック)浴槽

出典:TOTO-ラフィア

FRP(強化プラスチック)浴槽のリフォーム費用は約20万~60万円です。浴槽のサイズやデザイン、周辺のタイルなどの改修範囲によって大きく変わります。

FRP浴槽は、比較的安価でコストパフォーマンスに優れています。非常に軽量なため設置の手間も少なく、施工費用が少なく済みます。

衝撃に強く割れにくく、アクリル系人工大理石よりは表面の耐久性がやや劣る素材とされていますが、一般的な家庭の使用では十分な性能をもっています。多様な形状・デザインの浴槽が揃っており、空間やインテリアに合わせて選ぶことが可能です。

鋳物ホーロー浴槽

出典:大和重工-鋳物ホーロー浴槽

鋳物ホーロー浴槽のリフォーム費用は、50万~100万円です。高品位な素材であるため他の浴槽に比べて費用は高めですが、耐久性が高く、美しさが長持ちします。

鋳物ホーロー浴槽は、厚みのある鋳鉄製の本体をガラス質でコーティングした浴槽です。表面の質感が美しく、光沢があり、高級感があります。非常に強い耐久性を持ち、傷や衝撃に対しても優れた耐性を発揮します。

ガラス質の表面は汚れが付きにくく、清掃が容易で、抗菌性もあるため衛生的に使用できます。熱容量がきわめて大きいため保温性にも優れ、お湯が冷めにくいため、長時間快適な入浴が可能です。

難点としては、製造メーカーが限られ、他の素材に比べて高価であることと、重量がきわめて重いため床下の構造や搬入に制約があることです。

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ステンレス浴槽をリフォームした事例

以下は、実際にステンレス浴槽の浴室をリフォームした事例です。いずれも、浴槽だけでなく浴室全体をユニットバスに交換しています。

20年間使用したステンレス浴槽を最新のユニットバスに交換

住宅の種類一戸建て
リフォーム費用約101万円
施工期間4日間
採用メーカー•シリーズLIXIL リデアC

ステンレス浴槽からユニットバスに変えたいという要望に応えて、20年間使用されたステンレス浴槽を最新のユニットバスにリフォームしました。浴槽はダブル保温構造でお湯が冷めにくく、洗い場は足元が冷たく感じにくい材質なので、快適に入浴時間を楽しめるようになっています。

ステンレス浴槽からアクリル断熱浴槽のユニットバスに交換

住宅の種類一戸建て
リフォーム費用約75万円
施工期間10日間
採用メーカー•シリーズTOTO

ステンレス浴槽とともに、老朽化した浴室全体を新しいユニットバスに交換しています。天井、壁、浴槽と断熱材で包まれており、寒さからくる身体への影響をできるかぎり軽減させられるように施工しています。

また、給湯器も新品にしたことで浴室に入る前に温めておいてから入浴ができ、寒い思いをすることなく快適なバスタイムが可能となりました。 また、ユニットバスに交換したことで段差が少なくなり、出入りが安全で楽になりました。

浴槽の交換と同時に断熱窓もリフォーム

住宅の種類一戸建て
リフォーム費用約96万円
施工期間5日間
採用メーカー•シリーズTOTO・サザナ

ステンレス浴槽と同時に、タイル張りの浴室全体をユニットバスに改修しています。

浴室が寒くなる原因の大部分を占めるアルミサッシの窓には、樹脂サッシの内窓を取付けて断熱性能を高めました。ユニットバスに交換することで出入口の段差も無くし、バリアフリーな浴室になっています。

Q&A

ステンレス浴槽の表面の傷は治せる?

ステンレス浴槽の表面に小さな傷がついてしまった場合、ある程度の修復は可能です。

軽微な傷には、ステンレス用の研磨剤を柔らかい布に少量取り、傷の方向に沿って優しく磨きます。研磨後は、水でしっかりと洗い流し、乾いた布で拭き取ります。深い傷や広範囲の傷の場合は、専門業者に依頼するのが安全です。

ステンレス浴槽の塗装は効果的?

ステンレス浴槽に塗装を施して、外観をきれいにリフォームする方法もあります。

ただし、ステンレスは塗料の密着が難しい素材であるため、専門業者による高度な知識と技術が必要です。塗装を行う際は、専用のプライマーを使用し、下地処理をしっかりと行うことが重要です。

また、塗装してから数年間は美しい状態を保つことができますが、使用条件によっては5〜7年程度を経過すると傷や汚れが目立ち始めることがあり、定期的なメンテナンスや再塗装が必要になります。

ステンレス浴槽の掃除方法は?

ステンレス浴槽を掃除する際は、まずは浴槽全体をぬるま湯で流し、次に中性洗剤をスポンジに付けて、優しく円を描くように洗います。

特に汚れがひどい場合は、専用のステンレスクリーナーを使うと効果的です。掃除後はしっかりと水で洗い流し、乾いた柔らかい布で拭き取ることで、ステンレスの光沢を保ち、清潔な状態を維持できます。

研磨剤入りの洗剤や硬いタワシなどで強くこすると、表面に傷が付きやすく、その傷に水垢や汚れが蓄積して目立ってしまうことがあります。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】株式会社フレッシュハウス 樋田明夫

株式会社フレッシュハウス

樋田明夫

フレッシュハウスでリフォームの営業担当を長年経験し、数々のリフォームコンテストでの受賞実績を持つ。現在はフレッシュハウス本社における営業戦略室の室長として、大規模リフォームから通常のリフォーム物件まで幅広く対応中。

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