2025年03月05日更新

監修記事

外壁カバー工法の特徴や費用を解説!施工後に後悔しない方法とは?

外壁リフォームが必要になったとき、完全な張り替えではなく、コストを抑えて外観をきれいに改善したいと考える人もいるでしょう。建物の劣化状態によりますが「カバー工法」では費用を抑えつつ、外観を改善することが可能です。今回は、カバー工法のメリット・デメリットや施工費用などを解説します。カバー工法の注意点を理解して、建物に最適な工事を選択しましょう。

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外壁カバー工法とは

外壁のカバー工法とは、既存の外壁に上から新しいサイディング材を重ね張りする工法のことをいいます。

おもに劣化が激しい壁やALC、モルタルなどの外壁リフォームに多く採用され、外壁の張り替えよりも安価で工期が短く、耐久性も高いなどの利点があります。

しかし一方で、外壁塗装と比べると工期が長く、費用も高額になりやすいといえます。

外壁のカバー工法を採用する際は、専門業者による現地調査の結果、予算などを踏まえて慎重に検討しましょう。

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外壁のカバー工法におすすめのサイディング材

以下にサイディング材の種類と費用、耐久年数をまとめました。

サイディング材費用相場
(1平方メートルあたり)
耐久年数
窯業系サイディング0.4万~0.6万円20~40年
金属サイディング0.6万~2万円20~40年
木質系サイディング0.8万~1.5万円15~30年
樹脂サイディング0.9万~2.3万円30~40年

サイディング材には、さまざまな種類があります。

そのなかでも、外壁の重ね張りには薄くて強度の高い金属サイディングがおすすめです。

【種類1】窯業系サイディング

窯業系サイディングとは、セメントや繊維質が主原料の外壁材のことをいいます。

メリット
  • 耐火性や耐久性が高い
  • 多彩なデザインを再現できる
デメリット
  • 重量がある
  • 吸水性が高く、カビや湿気が発生するリスクもある

重量がある窯業系サイディングは建物に負荷がかかるため、カバー工法ではあまり採用されていません。

【種類2】金属サイディング

金属サイディングはカバー工法におすすめの外壁材で、特にガルバリウム鋼板を用いた製品が多く使用されています。

メリット
  • 軽量で建物への負担が少ない
  • 耐水性や耐熱性が高い
デメリット
  • 衝撃に弱く、へこみやすい
  • 断熱を向上させるには断熱材の併用が必要な場合もある

ガルバリウム鋼板やアルミニウムを使用した金属サイディングは錆びにくく、雨風や紫外線に強いため、耐久性も優れています。

【種類3】木質系サイディング

木質系サイディングは、木材や木質繊維が主原料の外壁材です。

メリット
  • 木材特有の温かみや自然な風合いを楽しめる
  • 断熱性や保温性が高い
デメリット
  • 雨や湿気に弱い
  • 耐火性が低い
  • シロアリに侵入される恐れがある

木材は自然素材なので、定期的な塗装や防腐処理が必要になり、メンテナンスの頻度が多くなる場合もあります。

【種類4】樹脂サイディング

樹脂サイディングとは、主に塩化ビニルを素材とした外壁材です。

メリット
  • 耐水性や耐腐食性が高い
  • 軽量で建物への負担が少ない
  • 紫外線に強く、色あせがしにくい
デメリット
  • 衝撃に弱い

樹脂サイディングは金属サイディングよりも強度が低く、衝撃で破損するリスクがあるため、カバー工法ではあまり使われていません。

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外壁をカバー工法でリフォームするメリット

ここでは、外壁をカバー工法でリフォームするメリットを解説します。

【メリット1】外壁の張り替えよりも費用や工期を抑えられる

カバー工法には、張り替えよりもリフォーム費用や工期が抑えられるといったメリットもあります。

一般的に外壁を張り替えるときは、最初に外壁の解体・撤去が必要です。

そのため、外壁撤去の費用と廃材の処分費などが発生し、カバー工法よりに比べてコストが高くなる傾向があります。

カバー工法では既存の外壁を撤去する必要がないため、張り替えよりも費用や工期日数を抑えることが可能です。

【メリット2】断熱性や防音性が向上する

外壁の上にサイディング材を重ね貼りするカバー工法では、外壁が二重になるため、建物の断熱性や防音性がアップします。

建物の断熱性が向上すれば、光熱費の節約にもつながるでしょう。

【メリット3】外壁の傷をきれいに隠せる

カバー工法は既存の外壁に傷がついていても、その傷を隠して外観をきれいにできます。

ひび割れや劣化が激しい外壁を塗装する場合、最初に修復作業が必要です。

ただし、劣化の状態によっては修復跡が目立ってしまうおそれもあります。

カバー工法では外壁材を張り替えることなく、そのまま異なる材質で重ね貼りして隠せるため、修復跡が残る心配はありません。

【メリット4】将来のメンテナンス費用を抑えられる

外壁をカバー工法でリフォームすると、将来のメンテナンス費用を抑えることが可能です。

特に金属サイディングは耐久性が高く、30年以上も持つガルバリウム鋼板が重ね貼りで多く採用されています。

耐久性が高いサイディング材を使えば、外壁塗装のメンテナンスをこまめに行う必要がなくなり、メンテナンス費用を削減できるでしょう。

【メリット5】アスベスト建材を撤去せずに保護できる

古い建物の外壁には、アスベストを含む建材が使用されている場合もあります。

人体に有害とされるアスベスト建材を取り除く際は、アスベストの飛散を防ぐために特別な対策が必要です。

カバー工法では上から新しいサイディング材を重ね貼りしてアスベスト建材を保護できるので、撤去作業を避けられます。

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外壁をカバー工法でリフォームするデメリット

外壁をカバー工法でリフォームするデメリットを解説します。

【デメリット1】外壁塗装よりも工期が長く、高額になりやすい

カバー工法は塗装よりも工期が長く、費用が高額になる傾向があります。

施工方法工期費用相場
(30坪の戸建て住宅)
カバー工法2~3週間170万~230万円
塗装7~10日60万~140万円

上記の日数や費用はあくまでも目安で、建物の状況や使う材料などによっても大きく異なります。

工期をできるだけ短く、費用も抑えたい人は重ね貼りではなく、塗装を視野に入れて検討しましょう。

【デメリット2】下地となる外壁の劣化を補修できない

既存の外壁にサイディング材を重ね貼りするカバー工法は、下地となる壁の劣化を補修できません。

目視で確認できない場所に雨漏りが発生している場合、下地の木部が腐食している可能性もあります。

張り替えであれば、外壁の劣化や腐食があっても同時に補修が可能です。

カバー工法と張り替えのどちらが最適かどうかは、自分で判断できないため、信頼できる専門業者に現地調査を依頼しましょう。

【デメリット3】建物の耐震性に影響が出るおそれもある

カバー工法でサイディング材を重ね張りすると建物の重量が増え地震が起きた際に揺れやすくなる場合があります。

そのため耐震性を考慮して、軽量な金属サイディングを使用することが推奨されています。

【デメリット4】内部結露が発生しやすい

カバー工法のなかでも、外壁に直接サイディング材を張る「直張り工法」では通気性が悪く、内部結露が発生するリスクもあります。

内部結露を放置すると、下地の腐食につながる可能性があります。

しかし、「通気工法」では胴縁を使用して外壁の通気性を保持するため、内部結露を防ぐことが可能です。

一般的に結露の心配がない通気工法を採用しますが、施工技術によっては問題が起きる可能性もあります。

施工後のトラブルを防ぐために経験豊富な業者に依頼しましょう。

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外壁のカバー工法にかかる費用の相場

外壁をサイディング材でカバー工法したときの費用相場は、1平方メートルあたり0.9万〜1.3万円です。

30坪の建物全体を重ね張りした場合は、170万〜230万円ほどの費用がかかります。

工事項目費用相場
仮設足場15万〜20万円
シート養生8万〜12万円
防水シート4万〜6万円
胴縁設置20万〜25万円
土台水切り設置5万〜7万円
サイディング材55万〜75万円
重ね張り作業30万円
コーキング25万〜35万円
合計170万~230万円

施工する建物の状態や使用するサイディング材の種類によって、施工費用は変動するため注意しましょう。

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外壁のカバー工法にかかる費用を抑える方法

ここでは、カバー工法の費用を抑える方法について解説します。

【方法1】仮設足場が必要な工事を同時に検討する

外壁のカバー工法では仮設足場を設置します。

そのため、仮設足場が必要な屋根の工事も同時に検討すると、将来のメンテナンス費用を減らすことが可能です。

外壁と屋根の工事を別々で行うと、個別に仮設足場の費用がかかるものの、一度にリフォームすることで仮設足場に費用が削減できるでしょう。

【方法2】補助金・助成金制度を活用

国や地方自治体の補助金や助成金制度を活用すると、費用を抑えることが可能です。

補助金や助成金を利用するには、工事内容が制度の対象であることが条件として記載されている場合があります。

このような制度は予算や申込期限があるため、事前にホームページで確認しておくと安心です。

【方法3】複数の業者に見積もりを依頼する

カバー工法を依頼する際は複数の業者に見積もりを依頼しましょう。

複数の業者から見積もりを取得することで、工事費用が適切かどうか判断しやすくなります。

また、相見積もりでは業者の間で価格競争が生まれ、値引きやサービスの拡充を狙える場合もあるでしょう。

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外壁のカバー工法で活用できる補助金制度

外壁のカバー工法で活用できる補助金制度に、長期優良住宅化リフォーム推進事業があります。

管轄国土交通省
補助金の割合対象の工事費用の1/3
補助金の上限額100万円
(1戸あたり)
対象工事特定の性能項目を一定の基準まで向上させる工事
利用条件・現況調査を実施する
・リフォーム後に一定の性能基準を満たすこと
・リフォーム履歴と維持保全計画を作成する
※2024年10月25日現在

また、補助金制度は地方自治体が独自の制度が存在し、補助金の金額や条件はそれぞれ異なります。

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外壁のカバー工法で後悔しないポイント

カバー工法で後悔しないポイントを解説します。

【ポイント1】施工前に外壁の状態を確認する

外壁の劣化状態によってはカバー工法を採用できないケースがあります。

外壁の劣化や腐食が激しい場合、重ね貼りでは対応できず、張り替えを選択しなくてはいけません。

また、下地も補修の規模が大きい場合は、費用を考慮してカバー工法よりも張り替えを選んだほうがいいケースもあるでしょう。

建物にとって最適な方法を選択するために、施工前には専門業者に外壁の状態を確認してもらうことが重要です。

【ポイント2】多角的な視野でサイディング材を厳選する

外壁のカバー工法ではサイディング材が持つそれぞれの特徴を理解して、総合的な視点で重ね貼りする壁材を厳選することが大切です。

耐震性の観点からサイディング材を選ぶと、軽量で建物への負担が少ない金属や樹脂が推奨されます。

サイディング材の特徴や耐久年数などを理解して選ぶことで、建物の安全性はもちろん、将来のメンテナンス計画も立てやすくなります。

【ポイント3】費用が高額になるケースを把握しておく

カバー工法は重ね貼りするサイディング材を加工するため、建物の形によっては作業が難航して費用が高額になります。

たとえば、アーチ状や凸凹した外壁だと重ね貼りするサイディング材の加工が手間になり、費用が高額になる恐れがあります。

建物の形状によって、作業の難易度や重ね張りするサイディング材の枚数も異なるため、費用が変動する可能性があることを理解しておきましょう。

【ポイント4】経験豊富で信頼できる業者を選ぶ

カバー工法を依頼するときは、外壁工事の経験が豊富で信頼できる業者を選ぶことが重要です。

既存の外壁や下地などの確認、カバー工法が最適であるかの判断は、経験が豊富な業者でないと難しいケースが多くあります。

不適切な施工でトラブルにならないように、事前に施工実績や口コミの確認をおすすめします。

信頼できる業者を見つけるポイント
  • 適正な見積もり金額
  • 施工実績
  • 依頼者からの口コミ
  • 保証の有無
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外壁におけるカバー工法の施工事例

ここでは、外壁にカバー工法を採用した施工事例を紹介します。

【事例1】傷んだ外壁をカバー工法で補修

Before
After

傷んだ外壁をカバー工法で補修

築10年以上経って傷んだ外壁をカバー工法でリフォームし、きれいな外観に仕上りました。

建物の種類戸建て
築年数10~20年
施工期間10日間

【事例2】傷んだ壁にはカバー工法という選択肢!

Before
After

傷んだ壁にはカバー工法という選択肢!

劣化がひどい外壁をカバー工法で仕上げ、同時に屋根を塗装しました。

建物の種類戸建て
築年数20~30年
施工期間2ヶ月
費用約250万円
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【Q&A】外壁のカバー工法に関するよくある質問

カバー工法とほかの工法は何がちがうの?

ほかの工法と大きく異なるのは、施工方法です。

塗装は既存の外壁を塗装して保護や美観を保ちます。一方で張り替えは古い外壁をすべて取り除き、新しい外壁を取り付ける作業のことです。

外壁のメンテナンス方法工期費用相場
カバー工法10~20日170万~230万円
塗装5~14日60万~150万円
張り替え10~25日150万~280万円
外壁におけるカバー工法の耐用年数は?

耐用年数は重ね貼りに使用するサイディング材の種類や建物の立地条件、環境などで異なります。

金属サイディングのガルバリウム鋼板を使用した場合の耐用年数は20年~30年ほどです。

外壁のカバー工法はDIYでできる?

可能です。

しかし、サイディングボードの購入や足場の設置など、業者に依頼するよりもトータルコストがかかってしまうケースもあります。また、張り替えをしなければならないのか、重ね張りをしても大丈夫なのか、という判断は難しいため専門業者に依頼したほうが安心です。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】岩納年成

大手ゼネコン会社にて、官公庁工事やスタジアム、免震ビル等の工事管理業務を約4年経験。
その後、大手ハウスメーカーにて注文住宅の商談・プランニング・資金計画などの経験を経て、木造の高級注文住宅を主とするビルダーを設立。
土地の目利きや打ち合わせ、プランニング、資金計画、詳細設計、工事統括監理など完成まで一貫した品質管理を遂行し、多数のオーダー住宅を手掛け、住まいづくりの経験は20年以上。
法人の技術顧問アドバイザーとしても活動しながら、これまでの経験を生かし個人の住まいコンサルテイングサービスも行っている。

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