目次
外壁のメンテナンス方法
外壁のメンテナンス方法は、建物の劣化症状によって異なります。
メンテナンス方法 | 主な劣化症状 |
---|---|
外壁塗装 | 変色 チョーキング |
カバー工法 | ひび割れ 塗膜の剝がれ 雨漏り |
外壁の交換 | ひび割れ 剝がれ 外壁材の大きな破損 |
サイディング | ひび割れ 塗膜の剝がれ・浮き 雨漏り |
コーキングの打ち替え・打ち増し | コーキングの劣化 |
外壁の劣化を発見した際は、専門業者に点検を依頼し、適切にメンテナンスしましょう。
【方法1】外壁塗装
外壁塗装は、建物の防水性や耐久性を維持するために欠かせません。外壁の変色や、手で触れると白い粉がつくチョーキング現象などの劣化症状が見られた場合は、塗り替えのサインです。
使用する塗料の種類によって、塗り替えの目安時期は異なります。たとえば、コストと耐久性のバランスが良いシリコン塗料は約10〜15年、より高耐久なフッ素塗料は約15〜20年が目安です。
外壁塗装する際は、建物の状態や施工費用、将来のメンテナンスサイクルなどを考慮して塗料を選びましょう。
【方法2】カバー工法
外壁のカバー工法は重ね張り工法とも呼ばれ、既存の外壁材の上から新しい外壁材を重ねて張るメンテナンス方法です。古い外壁を撤去しないため、解体費用がかからず、施工費用を抑えられるでしょう。
軽量で高耐久な金属系サイディングを使うと、断熱性や耐久性が向上します。そのため、カバー工法はモルタルや窯業系サイディングの外壁に適しています。
ただし、新たな外壁材を重ねることで建物全体の重量が増すため、注意が必要です。
【方法3】外壁の交換
外壁の交換は、外壁塗装やカバー工法では対応できないほど外壁の劣化が進んでいる場合におすすめです。特に、内部の腐食がある場合は、構造体も補修するケースもあります。
このメンテナンス方法は、外壁の耐久性を根本から向上できる一方で、費用や工期が長くなる場合もあるため注意しましょう。
【方法4】サイディング
外壁に大きなひび割れやサイディングの反りなどが見られた際は、張り替えがおすすめです。はじめに既存のサイディングを撤去した後、モルタルなどを除去して下地を整え、接着剤で新しいサイディングを張りつけます。
サイディングには、窯業系や金属系などさまざまな種類があります。建物の立地環境やメンテナンスサイクル等を考慮して、最適な種類を選びましょう。
【方法5】コーキングの打ち替え・打ち増し
コーキングのメンテナンスには、打ち替えと打ち増しの2つの方法があります。
打ち替えは、劣化が進んだ古いコーキング材を完全に撤去し、新たにコーキングを充填する方法です。一方の打ち増しは、既存のコーキングの弾力や密着性が保たれている場合に施工されます。
打ち増しは軽度の劣化に適していますが、長期的な耐久性を求めるなら打ち替えを検討しましょう。
【種類別】外壁のメンテナンスが必要な時期
外壁材には多くの種類があり、それぞれ最適なメンテナンス時期が異なります。
外壁の種類 | メンテナンスが必要な時期 |
---|---|
窯業系サイディング | 7~10年 |
金属系サイディング | 10~15年 |
木質系サイディング | 5~10年 |
樹脂系サイディング | 5~10年 |
モルタル | 10~15年 |
ALC | 10~15年 |
タイル | 20~40年 |
建物の立地環境や自然災害の有無などによって、メンテナンスの時期は異なります。そのため、外壁の点検を信頼できる業者に定期的に依頼することがおすすめです。
外壁のメンテナンスが必要な劣化症状
ここでは、外壁のメンテナンスが必要な劣化症状を解説します。
【症状1】外壁の変色
外壁の変色は、紫外線や風雨によって塗膜が劣化することで起こる場合が多くあります。特に、日差しが強く当たる南側や西側の外壁は、ほかの方角よりも早く変色が進行しやすくなります。
外壁の変色は見た目の問題だけでなく、防水性能が低下しているサインです。放置すると外壁が水分を吸いやすくなり、ひび割れやチョーキングなどの深刻な劣化につながるおそれがあります。
【症状2】チョーキング
外壁に触れた際、白い粉が手につく現象をチョーキング現象と呼びます。チョーキングは外壁の塗膜が劣化し、防水性が低下しているサインです。
この現象が見られた外壁は、水分を吸収しやすくなっているため、放置すると雨漏りに発展するおそれがあります。
【症状3】ひび割れ
外壁のひび割れは、主に経年劣化や地震などの揺れによって発生します。幅0.3mm未満の細かいひび割れはヘアークラックと呼ばれ、塗膜の表面のみが割れている状態のことです。一方、幅0.3mm以上の構造クラックは外壁材そのものが割れている状態を指します。
このようなひび割れから雨水が内部に浸入すると、建物の腐食やカビが発生するおそれもあります。
【症状4】塗膜の膨れや剝がれ
塗膜の膨れや剝がれは、主に施工時の不具合や経年劣化によって発生します。
たとえば、下地処理が不十分だった場合は塗膜と外壁の密着力が弱くなり、時間とともに浮きや剝がれが起こることもあります。また、紫外線や雨風に長期間さらされることで塗膜が劣化し、膨れたり剝がれたりするケースもあるでしょう。
この状態を放置すると、外壁材の腐食や内部の劣化が進行してしまう可能性もあるため、注意が必要です。
【症状5】コーキングの劣化
外壁の目地に使われているコーキングの耐用年数は、一般的に5〜10年ほどです。
コーキングが劣化すると、ひび割れや剥がれが発生し、防水性も低下します。また、劣化部位から雨水が建物の内部に浸入し、断熱材などの構造材が腐食したり、カビが発生します。
コーキングの劣化は建物の寿命を縮めるおそれもあるため、劣化に気づいたら早めに補修しましょう。
【症状6】外壁材の破損
外壁材が欠けたり剥がれたりしている場合、外壁としての防御機能が著しく低下している可能性もあります。
破損した箇所から雨水が浸入すると、建物の内部が湿気を帯びて腐食し、耐久性や断熱性能にも悪影響を及ぼします。
放置すると修繕範囲が広がり、結果的に大がかりな工事が必要になる可能性もあるため、注意が必要です。
外壁のメンテナンスにかかる費用相場
メンテナンス方法 | 費用の目安 |
---|---|
外壁塗装 | 60万~100万円 |
カバー工法 | 110万~220万円 |
外壁の交換 | 170万~300万円 |
サイディング | 160万~300万円 |
コーキングの打ち替え・打ち増し | 500~1,300円 (1メートルあたり) |
外壁の劣化状態や施工業者などによって、費用が変動するおそれもあるため注意しましょう。
外壁のメンテナンス費用を抑える方法
外壁のメンテナンス費用は、劣化状態によっては高額になるおそれがあります。ここでは、メンテナンス費用を抑える方法を解説します。
【方法1】定期点検で劣化を早期発見する
外壁は紫外線や風雨にさらされており、気づかないうちに劣化が進行します。
定期的に専門業者に点検を依頼することで、軽度な劣化の段階で対応が可能になり、大がかりな修繕を避けられます。たとえば、小さなひび割れの段階で補修した場合、建物内部への雨水侵入や腐食を未然に防げるでしょう。
早期対応は工事規模を抑えることにつながり、結果としてメンテナンス費用の節約になります。
【方法2】補助金制度を活用する
自治体によっては、住宅の外壁塗装や省エネリフォームに対して補助金を出しているケースがあります。ただし、補助金を活用する際は断熱リフォームなど制度の利用条件に当てはまる工事が追加で必要な場合もあります。
補助金を活用する際は、事前に市区町村のホームページや窓口で確認し、対象条件や申請期限などを調べておくことが大切です。
【方法3】メンテナンスサイクルが少ない外壁材を選ぶ
外壁材の種類によって、必要なメンテナンスサイクルは異なります。たとえば、窯業系サイディングは10年~15年ごとに再塗装が必要です。一方、タイルや金属系サイディングは比較的メンテナンスサイクルが少なく、長期的に見るとコストを抑えられます。
また、高耐候性の塗料を使用することで塗り替えの間隔を延ばすことも可能です。このように、メンテナンスサイクルが少ない外壁材を選ぶことで、将来のリフォーム費用を削減できるでしょう。
【方法4】複数の業者に見積もりを依頼する
外壁のメンテナンスを業者に依頼する際は、複数の業者に相見積もりを取ることで、適正価格を把握しやすくなります。また、見積もり内容の内訳を比較することで、過剰な工事や不要な費用が含まれていないかチェックすることも可能です。
外壁をメンテナンスする際の注意点
外壁をメンテナンスする際には、いくつか注意点があります。注意点をあらかじめ理解しておき、外壁のメンテナンスをスムーズにおこなえるようにしましょう。
【注意点1】メンテナンスフリーの外壁材は存在しない
メンテナンスフリーの外壁材は、現実的には存在しません。
たとえば、タイルや金属系サイディングはメンテナンスサイクルが少ないものの、コーキングの劣化などが発生する場合もあります。定期的な点検を怠ると、表面に見えない部分で劣化が進行し、雨漏りや断熱性能の低下につながる可能性もあります。
どの外壁材も定期的な点検や補修をおこなうことで劣化を防ぎ、美観の長期維持が可能です。
【注意点2】自分で外壁をメンテナンスしない
施工費用の削減や趣味の延長で、外壁のメンテナンスをDIYで済ませようと考える人もいるでしょう。
しかし、専門知識や技術がない状態で施工すると、正しくメンテナンスできず外壁を逆に傷めてしまうおそれもあります。たとえば、適切なプライマー処理をせずに塗装すると、密着性が不十分となり、すぐに剥がれてしまうかもしれません。
また、高所作業は危険を伴い、足場の設置が不十分だと転倒事故のリスクも考えられます。そのため、外壁のメンテナンスはDIYではなく、耐久性・仕上がり・安全性なども考慮して専門業者に依頼するのがおすすめです。
【注意点3】依頼する業者は慎重に選ぶ
外壁のメンテナンスは金額が高額になるため、信頼できる業者に依頼することが重要です。
施工実績が豊富な業者であれば、工事の段取りや近隣への配慮、万が一のトラブルへの対応にも慣れており、安心して任せられます。業者の選定時には、見積もり内容の明確さや口コミ、アフターサポートの有無などを総合的にチェックしましょう。
外壁のメンテナンスに関するよくある質問
- 外壁をメンテナンスしないとどうなる?
-
外壁のメンテナンスを怠ると、建物に以下のような問題が発生するおそれもあります。
外壁のメンテナンスをしないリスク- 雨漏り
- シロアリなどの害虫被害
- 建物全体の劣化
- 外観の悪化
このような劣化が現れてからメンテナンスすると、補修費用が余分にかかる可能性があります。
- 外壁塗装は20年前後で寿命を迎えるの?
-
はい。外壁塗装から20年前後が経過すると塗膜の劣化や外壁のひび割れ、雨漏りなどの劣化が見られてくるため、寿命の目安とされています。しかし、外壁塗装に使用する塗料によっては20年を待たずに寿命を迎えるものもあるため、注意が必要です。
- サイディングにリフォームすれば外壁塗装は必要ない?
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サイディングにリフォームしても、外壁塗装は必要です。塗装によるメンテナンスを怠ると、建物の劣化を早める可能性があります。
- 外壁の美観を維持するポイントは?
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外壁の美観を保つには、定期的な清掃とメンテナンス、さらに適切な塗料による塗装が重要です。これらを適切なタイミングで実施することで、外壁の劣化を防ぎ、長期間にわたって美しい外観を維持できます。
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