2024年10月10日更新

監修記事

外壁防水の種類と役割!透湿防水シートの施工方法とポイントも解説

外壁には防水シートやコーキング、防水塗装などさまざまな防水機能が備わっていて、大切な住まいを雨水などから守っています。
今回は外壁防水ごとの役割や施工費用、透湿防水シートの施工方法を解説しています。
また、外壁の防水性低下サインについても解説しているので、ご自宅の外壁を観察するときの参考にしてみてください。

まずは
無料お見積もりから

外壁防水の種類と役割

外壁防水は建物を守るために欠かせない工事で、建物の外壁を長持ちさせるために必要不可欠です。

外壁防水の種類と役割をご紹介します。

種類役割
防水シート建物全体を覆い、外部からの雨水侵入を防ぐ
コーキング隙間や接合部の防水性を確保し、雨水の侵入を防ぐ
防水塗装外壁全体に塗布して、防水性を高め、劣化を防ぐ

防水シート

防水シートは外壁防水の基本的な素材で、建物全体を覆って外部からの水分をシャットアウトします。

防水シートの主な種類には、透湿防水シートとアスファルトフェルトの2種類です。

いずれのシートも、壁の中への雨水侵入を防ぐ役割があり、内部の構造材を守ります。

では、それぞれの特徴についてみてみましょう。

透湿防水シート

透湿防水シート施工の様子
透湿防水シート施工の様子

外壁の防水性能を確保しながら、外側からの雨水侵入を防ぎ、内部の湿気を外に逃がせるシートです。

防水性と通気性を兼ね備えており、内部に湿気がたまるのを防げるので、結露やカビの発生を抑えます。

透湿防水シートは建物の内部環境を快適に保つために、重要な役割を果たします。

アスファルトフェルト

古くから使われている防水シートで、耐久性が高く、雨水の侵入を防ぐ力に優れています。

屋根やモルタル外壁の防水工事に広く使われており、コストパフォーマンスの良い点が特徴です。

透湿性はありませんが、防水性が高く、外部からの水分をしっかりと遮断するため、木造建築などの外壁防水に適しています。

コーキング

コーキング施工の様子
コーキング施工の様子

コーキングとは、外壁や窓枠などの隙間に使用される防水材で、隙間やクラックからの雨水侵入を防ぎます。

コーキング材はゴム素材で弾力性があり、建物の動きに追従する役割もあります。

施工が比較的簡単で、多くの住宅で必須の防水材です。

防水塗装

外壁全体に塗布して防水性を高める工法で、外壁の劣化を防ぎます。

防水塗装は、新築だけでなく、既存の建物のメンテナンスにも効果的です。

塗装によって外壁の見た目も改善され、建物の美観を保ちながら、防水性を向上させられます。

外壁防水工事ごとの費用相場

これまで紹介した外壁防水の費用相場を、以下にまとめました。

防水工事の種類費用相場
透湿防水シート4千円〜5.5千円
(m2あたり)
アスファルトフェルト5千円〜8千円
(m2あたり)
コーキング0.5千円〜1.5千円
(mあたり)
防水塗装6千円〜7千円
(m2あたり)

シートは外壁施工店、コーキングはコーキング業者、防水塗装は塗装屋と施工する業者が異なり、費用もまちまちです。

>>外壁リフォームの費用相場はこの記事でチェック!

まずは
無料お見積もりから

透湿防水シートの施工方法(貼り方)と注意ポイント

玄関周りの透湿防水シート施工
玄関周りの透湿防水シート施工

ここからは、防水シートの代名詞でもある、透湿防水シートの施工方法を紹介します。

  • シート貼り方
  • シートの固定方法
  • 開口部の処理方法
  • 土台水切り部の処理方法
  • 破れた透湿防水シートの補修方法

では、一つずつみていきましょう。

シート貼り方

透湿防水シートの貼る工程は、外壁の防水性能を左右する重要な工程です。

シートを貼る際には、まず下地が乾燥していることを確認し、下から貼り上げる方法が基本です。

重ね幅は約10cm以上を確保し、水が浸入しないようにします。

シート同士の接合部は丁寧に圧着し、隙間ができないように注意しましょう。

また、風が強い日には施工を避け、シートが剥がれないようにすることが大切です。

シートの固定方法

透湿防水シート施工
透湿防水シート施工

シートを固定する際は、専用のタッカーやステープルを使用します。

固定箇所は、シートの上下および中央部に一定間隔で配置し、しっかりと固定することで風によるバタつきを防ぎます。

また、シートを傷つけないように、固定具は慎重に打ち込みましょう。

さらに、固定具がシートから露出している場合は、防水テープで覆い、隙間を完全に防ぐことが必要です。

タッカー&ステープルとは

タッカーは木工や建築用のホチキスのようなもので、ステープルはその針です。

コの字方のステープルをタッカーで木材や防水シートに打ち込んでいくイメージです。

開口部の処理方法

窓やドアなどの開口部は、雨水が浸入しやすい箇所です。

そのため、透湿防水シートを開口部に貼る際は四隅を斜めにカットし、シートを折り込んで内側に巻き込みます。

この際、隙間なくしっかりと貼り付け、防水テープを使ってさらに補強することがポイントです。

とくに上下の重ね部分には注意が必要で、必ず水の流れに逆らわない方向でシートを重ねるようにしましょう。

土台水切り部の処理方法

土台水切り部は、建物の基礎部分に位置するため、とくに防水性能が求められる箇所です。

透湿防水シートを貼る際は、土台部分にしっかりと密着させることが重要です。

シートの端を水切り部まで引き延ばし、隙間なく密着させ、固定具でしっかりと固定してから防水テープで覆って水の侵入を防ぎます。

この処理を怠ると、基礎部分から水漏れが起きる原因となるため、慎重に行いましょう。

破れた透湿防水シートの補修方法

透湿防水シートが施工中に破れてしまった場合は、破れた箇所の周囲を清掃し、防水テープで破れを覆います。

次に、その上から新しい透湿防水シートを重ねて貼り、破れた部分を完全に覆うようにしましょう。

この際、新しいシートと既存のシートが10cm以上重なるようにし、接合部をしっかりと圧着するのがポイントです。

補修が終わったら、再度防水テープで補強し、防水性を確保します。

透湿防水シート施工の注意ポイント

透湿防水シートの施工には、以下の注意ポイントがあります。

  • シートを貼る際に、湿気やほこりがシートに付着しないようにする
  • シート同士の重ね幅を十分に確保し、接合部をしっかりと圧着する
  • 施工後にはシートが風でめくれないように、隙間なく取り付ける

これらのポイントを守ることで、外壁の防水性能を長期間にわたり維持できます。

外壁の防水性低下したサインとタイミング

外壁の防水性が低下すると、建物の寿命が短くなるだけでなく、住まいの快適性も損なわれます。

メンテナンスのタイミングを見極めるためには、防水性低下のサインを早期に発見することが大切です。

以下に、代表的な劣化症状と放置した場合のリスクをまとめました。

劣化症状放置した場合のリスク
外壁のチョーキング美観の低下、防水機能の欠落
外壁のひび割れ雨水の浸入による構造材の腐食
コーキングの剥がれや劣化外壁材の隙間からの雨水侵入
外壁の色あせ美観の低下
カビやコケの繁殖外壁の劣化促進、健康への悪影響

外壁のチョーキング

外壁のチョーキング
外壁のチョーキング

外壁を指でこすった際に白い粉が付着する現象で、塗装が劣化し、防水性が低下しているサインです。

外壁塗装にチョーキングがみられる場合は、外壁塗装を行う目安となります。

外壁のひび割れ

外壁にひび割れが生じると、そこから雨水が侵入する危険性も高まります。

ひび割れが小さい(ヘアクラック)うちは目立たないかもしれませんが、放置すると水が構造材に浸透し、腐食やカビの原因となります。

断熱性能も低下し、室内の快適性が損なわれるため、ひび割れを発見したら早急に業者に連絡しましょう。

コーキングの剥がれや劣化

劣化したコーキング材
劣化したコーキング材

コーキングは、外壁材の隙間を埋める重要な役割を果たしますが、時間が経つと剥がれたり劣化したりします。

この状態を放置すると隙間から雨水が侵入し、外壁材や内部の木材が湿気を吸収して、カビが発生するかもしれません。

また、外壁材自体の劣化も進行し、余計な修繕コストがかかる可能性もあるため、注意が必要です。

外壁の色あせ

外壁の色あせは、紫外線や雨風による塗膜の劣化を示すサインです。

色あせが進行すると、外観が損なわれるだけでなく、塗膜の保護機能も低下します。その結果、外壁材が直接ダメージを受けやすくなり、防水性能も低下します。

色あせが目立つようであれば、早めの再塗装を検討し、外壁の保護を強化することが必要です。

カビやコケの繁殖

カビやコケが外壁に繁殖すると、見た目の悪さだけでなく、外壁の劣化を加速させます。

とくに湿気が多い場所では、これらの微生物が外壁に浸透し、素材を傷める原因となります。

また、カビは健康にも悪影響を与えるため、早急に対処するようにしましょう。

カビやコケの発生がみられた場合は、専用の洗浄剤で除去し、再発防止のため防藻・防カビ機能のある塗材で塗り替えることが重要です。

まずは
無料お見積もりから

外壁の防水性を高める方法

塗装(下塗り)の様子
塗装(下塗り)の様子

外壁の防水性を高めるためには、以下のような材料を使用するのがカギです。

  • 弾性塗料
  • 低汚染性の塗料
  • 長持ちするコーキング材

これらを採用することで、外壁のメンテナンス頻度を減らせるため、それぞれの材料の特徴と利点について知っておきましょう。

方法①弾性塗料を使う

弾性塗料とは外壁に発生する小さなひび割れを防ぐための塗料です。この塗料は弾力性があり、外壁の動きや変形に追従するため、ひび割れをカバーしやすい利点があります。

弾性塗料を使用することで、雨水の浸入を防ぎ、外壁の耐久性を高めることが可能です。

方法②低汚染性の塗料を使う

低汚染性の塗料は外壁の美観を保ちつつ、防水性を向上させる効果があります。

汚れが付きにくい特性をもっているため、雨やほこりによる汚れが蓄積しにくくなり、汚れによる塗膜の劣化を防止できます。

そのためいつまでも綺麗な外観を維持できるのです。

一般的な塗料より長寿命のものが多く、メンテナンスの頻度を減らせます。

方法③長持ちするコーキングを使う

コーキング材の劣化は、外壁から雨水が浸入する原因となります。

コーキング材は劣化しやすいため、耐久性の高いものを選ぶようにしましょう。

柔軟性と耐久性に優れた、紫外線にも強い長寿命のコーキングを使うと、長期間にわたって住宅の防水性を維持し、厳しい環境下でも効果を発揮し続けます。

外壁防水工事でDIYができるか知りたい

外壁のひびわれ(ヘアクラック)
外壁のひび割れ(ヘアクラック)

外壁防水工事は専門的な知識と技術を必要とするため、基本的にはDIYで行うことはおすすめしません。

しかし、小規模な修繕や応急処置としては、DIYで対応できる場合もあります。

たとえば、外壁クラック補修用のパテや防水スプレーを使用すれば、小さなひび割れを埋められます。

ただし、あくまで一時的な対策であり、根本的な解決にはなりません。

最善策は、防水工事や専門的な施工技術をもつ、業者に依頼することです。

まずは
無料お見積もりから

Q&A

透湿防水シートを張り替えるタイミングはいつ?

一般的に、透湿防水シートの寿命は10〜20年とされていますが、シートの劣化具合や使用環境によっては早めの張り替えが必要になる場合もあります。

透明な外壁塗料の効果が知りたい

透明な外壁塗料は、既存の外壁の色やデザインをそのまま活かしつつ、建物の美観を保ちながら防水性を向上させる効果があります。

紫外線や雨水から外壁を保護する効果があります。

外壁リフォームの業者選びで後悔しないために

必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!

なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。

とはいえ「信頼できる業者が分からない」「何度も同じ説明をするのが面倒」と踏み出せない方もいらっしゃると思います。

そのような方こそハピすむの一括見積もり比較を活用しましょう!
大手ハウスメーカーから地場の工務店まで、審査を通過した1000社以上の中から、まとめて見積もりを依頼できます。

無料の見積もり比較はこちら>>

また、ハピすむでリフォームされた方には最大10万円分の「ハピすむ補助金」もご用意しています。

詳細はこちら>>>ハピすむ補助金プレゼントキャンペーンの流れ

まずは
無料お見積もりから

この記事の監修者プロフィール

【監修者】工藤 あきこ

リフォーム業界出身のママ建築士。
設計事務所でのアシスタントを経て、地場やハウスメーカー系リフォーム会社の営業設計として勤務。水まわりの交換からフルリノベーションまで、幅広いリフォームを担当した。2022年、前職までの経験を活かして、建築専門ライターに転身。現在は、記事の監修やブログ「新・リフォームの歩き方」の運営をメインに活動する。

LINE 友達追加
まずは
無料お見積もりから
【お住まい周辺】
無料一括最大3社
リフォーム見積もりをする