目次
【工事内容・費用別】和室リフォームでできること一覧
和室のリフォームは、予算や目的に応じて「全体リフォーム」と「部分リフォーム」に分けられます。費用はリフォームの内容によって大きく変動するため、内容別に費用相場を解説します。
リフォーム内容 | 費用相場 (6~8畳の場合) |
---|---|
和室から洋室にリフォーム | 10万~65万円 |
和室とリビングを一体化させる | 40万〜200万円 |
段差解消・断熱リフォーム | 10万〜100万円 |
リフォーム内容 | 費用相場 |
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和室の天井・壁の張り替え | 3万〜30万円 |
収納の新設・増設 | 5万〜50万円 |
畳の張り替え・表替え | 1.8万〜24万円 |
和室の建具リフォ―ム | 3万〜30万円 |
掘りごたつの新設・撤去 | 5万〜50万円 |
障子・襖の張り替え | 0.3万〜1.5万円 (1枚あたり) |
【全体リフォーム】和室から洋室にリフォームして使い勝手を向上
和室を現代のライフスタイルに合わせて洋室へリフォームすると、空間の使い勝手が劇的に向上するため、人気の方法です。
畳からフローリングへ変更するだけでなく、壁や天井も洋風にすることで、家具の配置がしやすくなり、掃除の手間も軽減されます。このような和室から洋室へのリフォームは、将来的に子供部屋・書斎・寝室など、特定の用途を想定している場合に最適です。
和室から洋室にリフォームする場合の費用は、10万〜65万円が目安です。
リフォーム内容 | 費用相場 (6~8畳の場合) |
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床材の変更 (畳からフローリングにする) | 10万~35万円 |
内装全体の変更 (床・壁・天井) | 35万〜65万円 |
畳の厚みとフローリングの厚みの違いにより、隣接する部屋との間に段差の生じる可能性があります。その場合は、段差を解消する工事も必要になる点に注意しましょう。
【全体リフォーム】和室とリビングを一体化して開放的な大空間へ
和室とリビングを一体化させるリフォームは、現在の住まいをより開放的で広々とした空間に変えたい方に非常に人気があります。
和室とリビングの一体化にかかる費用は、工事の範囲や選択する素材によって大きく変動するものの、一般的には40万〜200万円が目安です。
リフォーム内容 | 費用相場 (6~8畳の場合) |
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壁・建具の撤去と床の統一 | 40万~80万円 |
和室とリビングの大空間化 (構造壁の撤去と補強を含む) | 80万〜200万円以上 |
上記のほかに、床暖房や収納を設置する場合は、追加で費用がかかります。もし快適性や利便性を加えたいなら、業者に予算を伝え、どのような機能がどこまで実現可能か具体的に相談してみましょう。
【全体リフォーム】段差解消や断熱リフォームで快適・安全な部屋に
和室のリフォームにおいて、安全性と快適性を大きく向上させるのが、床の段差解消や断熱リフォームです。とくに高齢者や小さなお子様がいるご家庭、または冬場の寒さや夏場の暑さに悩まされているご家庭では、検討すべきリフォームの1つです。
段差解消や断熱リフォームを含む全体改修の費用相場は、10万〜100万円が目安です。
リフォーム内容 | 費用相場 (6~8畳の場合) |
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段差解消リフォーム | 10~30万円 |
断熱リフォーム | 50〜100万円以上 |
防音リフォーム | 10〜50万円 |
和室の断熱リフォームにかかる費用は、断熱リフォームの方法や範囲によって大きく変動します。
- 床下断熱
- 壁、天井断熱
- 窓の断熱改修
これらのリフォームで和室の断熱性が向上すると、部屋全体の冷暖房効率も向上し、光熱費の削減につながります。また、外気温との温度差が小さくなることで、結露の発生を抑え、カビの繁殖を防ぐ効果も期待できるでしょう。
【部分リフォーム】天井・壁紙の張り替えで印象をガラリと変える
「和室の雰囲気を大きく変えたいものの、大規模な工事は避けたい」という場合に最適なのが、天井や壁紙(クロス)の張り替えです。この部分リフォームは、比較的短期間かつ費用を抑えながら、部屋全体の印象を変えられる効果的な手段です。
天井と壁紙の張り替えにかかる費用は3万〜30万円が目安です。ただし選ぶ素材の種類や、既存の壁・天井の状態によって費用は変動します。
リフォーム内容 | 費用相場 (6~8畳の場合) |
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壁紙(クロス)の張り替え | 5万〜15万円 |
天井の張り替え・塗装 | 3万〜10万円 |
自然素材の壁材への変更 | 10万〜30万円 |
和室の雰囲気を保ちつつ、機能性を高めたい場合に、調湿・消臭効果のある珪藻土や漆喰などの自然素材に塗り替える選択肢もあります。これらは職人の手作業によるため、クロス張り替えよりも費用は高い傾向にあります。
【部分リフォーム】収納の新設・増設で部屋に溢れた物をスッキリ
和室に物があふれてしまう、収納が足りないといった悩みを解決するには、収納の新設や増設が効果的なリフォームです。和室特有の押し入れを現代のライフスタイルに合わせた使いやすい収納に変えたり、デッドスペースを有効活用したりすることで、部屋全体がすっきりと片付き、快適な空間が生まれます。
収納の新設・増設にかかる費用相場は、工事の内容や規模によって5万〜50万円と幅があります。
リフォーム内容 | 費用相場 (6~8畳の場合) |
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押し入れの内部改修 (収納材の増設など) | 5万〜20万円 |
収納の新設 | 10万〜30万円 |
ウォークインクローゼットの新設 | 30万〜50万円 |
収納リフォームは、単に物を片付けるだけでなく、生活動線をスムーズにし、快適な暮らしを実現するための重要な要素です。収納する物の種類や量、ライフスタイルに合わせて最適なプランを検討し、リフォーム業者に具体的な要望を伝えてみましょう。
【部分リフォーム】畳の張り替え・表替えできれいな和室へ
和室の印象をもっとも手軽に、かつ効果的に改善できるのが、畳の張り替えや表替えです。畳は日焼けによる変色や擦り切れ、ささくれ、シミなどで傷みやすく、定期的なメンテナンスが不可欠です。新しい畳表にすることで、和室特有のい草の香りが戻り、視覚的にも清潔感のある美しい空間を取り戻せます。
畳のメンテナンス方法は、畳の状態によって主に3つの選択肢があり、それぞれ費用が異なります。
施工内容 | 費用相場 (1畳あたり) | 費用相場 (6〜8畳の場合) |
---|---|---|
畳の裏返し | 0.3万〜0.7万円 | 1.8万〜5.6万円 |
畳の表替え | 0.4万〜1.5万円 | 2.4万〜12万円 |
畳の新調 | 0.8万〜3万円 | 4.8万〜24万円 |
現在使用している畳の表面(畳表)を剥がし、裏返して再利用する最も安価な方法です。
- 畳の裏返しが最適な場合
畳床(芯材)は既存のものをそのまま利用し、新しい畳表と畳縁に交換する方法です。
- 畳の表替えが最適な場合
畳の全体的な劣化が激しい場合、畳を10年以上使っている場合は、畳表・畳縁・畳床のすべてを新しいものに交換する「畳の新調」が必要です。ご自宅の畳の状態や、求める機能性、予算に合わせて最適な方法を選び、和室を快適な空間に保ちましょう。
【部分リフォーム】建具を新設・交換して様々なシーンに活用できる和室に
和室の雰囲気を大きく左右し、その使い勝手や機能を劇的に向上させるのが、建具の新設や交換です。間仕切りとなる襖や障子、ドアなどを変更することで、和室をプライベートな空間から開放的な大空間へと自在に変化させられるでしょう。
建具の新設・交換にかかる費用相場は、選択する建具の種類や材質、工事の規模によって3万〜30万円と幅があります。
リフォーム内容 | 費用相場 |
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襖・障子の交換 | 3万〜10万円 |
和室と洋室間の間仕切り交換 | 10万〜30万円 |
和室用建具を洋風の引き戸に交換 | 3万〜15万円 |
間仕切り壁の撤去とドアの新設 | 15万〜30万円 |
建具の新設や交換は、和室のレイアウトや雰囲気を大きく変えるだけでなく、生活の利便性にも直結します。どのようなシーンで和室を使いたいのかを明確にし、業者と相談して最適な建具を選びましょう。
【部分リフォーム】掘りごたつの新設・撤去で部屋のレイアウトを一新
和室の雰囲気を大きく変え、使い勝手を向上させる部分リフォームとして、掘りごたつの新設または撤去が挙げられます。どちらのリフォームも、部屋のレイアウトや利用シーンを変化させられるのが魅力です。
掘りごたつの新設・撤去にかかる費用相場は、工事の規模や選択する機器によって5万〜50万円と幅があります。
リフォーム内容 | 費用相場 |
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掘りごたつの新設 | 15万〜50万円 |
掘りごたつの撤去 | 5万〜15万円 |
床を掘り下げる新設工事は、建物の床下の構造に影響を与える可能性があります。とくに木造住宅の場合、根太や大引といった床を支える部材を切断する必要が生じることがあり、その際は適切な補強工事が不可欠です。
補強工事の有無はリフォームの費用にも影響するため、必ず業者に補強工事の必要性について確認しておきましょう。
【部分リフォーム】障子・襖の張り替えで清潔感のある印象に
和室の雰囲気を大きく変えるには、障子や襖の張り替えが効果的です。これらは和室の顔とも言える存在で、日焼けや破れ、汚れが目立つと部屋全体が古びた印象を与えてしまいます。新しいものに張り替えるだけで、和室全体が明るく、清潔感のある空間に生まれ変わります。
障子や襖の張り替えにかかる費用相場は、選ぶ素材の種類やデザイン、襖の構造によって1枚あたり0.3万~1.5万円が目安です。
リフォーム内容 | 費用相場 (1枚あたり) |
---|---|
障子の張り替え | 0.3万〜0.8万円 |
襖の張り替え | 0.4万〜1.5万円 |
障子や襖を張り替えることで、部屋に明るさと清潔感が戻り、い草の香りと相まって心地よい空間がよみがえります。ご自宅の障子や襖の状態、求めるデザインや機能性、予算に合わせて最適な素材を選び、和室を快適で美しい空間に保ちましょう。
おしゃれに使いやすく!和室リフォームの施工事例7選
和室リフォームの施工事例を7つご紹介します。
【事例1】リビングと一体化!扉の工夫でモダンな多目的スペースへ


リフォーム費用 | 約20万円 |
工期 | 3日 |
建物 | マンション |
和室の扉部分にパーテーションカーテンを採用した事例です。
パーティションカーテンを設置しただけですが、和室全体の印象を変えられます。ほかにもロールスクリーンやブラインドを設置するなど、手軽に和室の印象を変える方法はありますので、参考にしてみてください。
【事例2】色あせた畳を新調


リフォーム費用 | 約20万円 |
工期 | 1日 |
建物 | マンション |
色あせてしまった古い畳を新調した事例です。
畳を新調したことによって、部屋全体が明るく清潔感のある雰囲気に変わりました。
また単に新調しただけではなく、長期間快適に利用できるよう色あせしにくい素材を選択しています。この他にも、耐久性に優れている素材、汚れに強い素材など畳の種類は豊富ですので、メンテナンスの手間を減らすためにも、ご家庭の環境や用途に合わせた畳を選ぶことが大切です。
【事例3】和室とリビングがひと続きの開放的な空間


リフォーム費用 | 約450万円 |
工期 | 1ヶ月半 |
建物 | 戸建て |
和室とリビングがフローリングでひと続きにつながるよう、リフォームした事例です。
空間が一体となることで、開放感を感じられるだけでなく、家族や友人とのコミュニケーションを促進するデザインです。
和室とリビングとの間に襖を設けず、リビングにも和の色調をそのまま採用していることで、統一感が生まれています。また照明や建具もこだわることで、さらに一体感を強調できるでしょう。
【事例4】鮮やかな洋室に畳を合わせる


リフォーム費用 | 約108万円 |
工期 | 15日 |
建物 | 戸建て |
鮮やかな青磁色のクロスの部屋に、淡い色の縁無し畳を採用し、絶妙な和洋のコントラストを作っている事例です。
単なる和室だった部屋ですが、畳という和室らしさを残しつつ、クロスの鮮やかな洋風要素が絶妙にマッチして、独自の空間を演出しています。和と洋の要素を組み合わせて、自分だけのオリジナル空間を作ってみてはいかがですか。
【事例5】ペットと暮らせる和室へ


リフォーム費用 | 約300万円 |
工期 | 1ヶ月半 |
建物 | 戸建て |
飼い猫によってボロボロにされていた和室から、飼い猫と快適に暮らせる工夫をちりばめた空間にリフォームした事例です。
壁には調湿・消臭効果のあるジョリパッドを、床にはデザイン性と耐久性を兼ね備えた樹脂製の縁無し畳を、障子には耐久性の高いワーロン紙を採用しています。猫が爪を立てても傷つきにくい素材を使いながら、デザイン性も損なわない工夫がされています。ペットと暮らすご家庭は、参考にしてみてください。
【事例6】畳が丘で和室のように寝転べる

リフォーム費用 | 約150万円 |
工期 | 1ヶ月半 |
建物 | マンション |
パナソニックの【畳が丘】を採用したことで、和室のように畳に寝転んでリラックスできる空間を作った事例です。
和室を作らずとも、和室のテイストを演出でき、ベンチのように腰掛けたり、収納スペースを設けるなど、通常の和室ではできない利用方法もあります。
ただし、畳が丘を設置する際には、部屋のサイズ、使い方を考慮して設計する必要がありますので、事前に業者としっかり打ち合わせしましょう。
【事例7】変わり組子の障子を取り入れた和モダン空間

リフォーム費用 | 約820万円 |
工期 | 2ヶ月 |
建物 | 戸建て |
赤い挿し色が特徴的な変わり組子の障子、正方形の琉球畳、漆喰の壁がアクセントの床の間など、和室の既成概念にとらわれない空間にリフォームした事例です。
伝統的な和の要素を大胆にアレンジしているものの、全体の調和が見事に取れています。
ただ、デザイン性を重視し過ぎてしまうと、実用性や予算を無視してしまうこともあるので、こちらも専門的なアドバイスがもらえる業者に相談することをおすすめします。
和室のリフォームはDIYで可能か
和室のリフォームは、内容によってはDIYも可能です。しかし、専門的な知識や技術が必要な作業もあり、プロに依頼した方が良い場合もあります。
- 畳の表替え・裏返し
- 障子・襖の張り替え
- 壁の塗り替え(和紙クロス・珪藻土DIY用など)
- 砂壁・綿壁の簡単な補修
- 長押(なげし)や鴨居(かもい)の簡単な補修・塗装
- 照明器具の交換
- 畳の新調・敷き込み
- 畳からフローリングへのリフォーム
- 壁の下地処理や解体
- 水まわり設備の設置・変更
- 断熱・防音工事
- 柱・梁の補強や移動
- 電気配線工事
- 大規模な間取り変更
DIYは費用を抑えられるメリットがあるものの、安全性や仕上がりの品質、将来的な耐久性を考えると、間取り変更や補強工事など専門的な作業はプロに任せることをおすすめします。
まずは、和室のリフォーム内容や予算を明確にし、プロへの相談も視野に入れて検討してみましょう。
【2025年最新】和室リフォームの費用を賢く抑える3つのコツ
和室リフォームの費用を賢く抑えるには、畳や内装材のグレードを見直すなど、3つのコツを押さえることが重要です。
これらのポイントを実践して、和室のリフォームでかかる費用を節約し、家計への負担を軽減させましょう。
【コツ1】畳や内装材のグレードを見直す
和室リフォームの費用を抑えるには、材料費の見直しが鍵です。とくに畳は、既存の状態が良ければ「裏返し」や「表替え」で再利用することで、新品購入よりも大幅にコストダウンできます。新調する場合も、い草の品種や織り方、耐久性に優れた和紙畳や樹脂畳など、種類によって価格はさまざまです。
また、内装材のグレードを一段階下げることも有効です。たとえば、高価な漆喰壁から、漆喰調や珪藻土クロスに変更するだけでも費用は抑えられます。

このように和室のリフォームで採用する製品のグレードを見直すことで、費用の節約が可能です。「どこにお金をかけるか」について検討し、無駄な出費は抑えましょう。
【コツ2】国の補助金制度を活用して実質負担額を減らす
和室リフォームの費用負担を大幅に軽減できる可能性があるのが、国や自治体が提供する補助金・助成金制度の活用です。2025年も、複数の主要な補助金事業が実施されており、和室のリフォーム内容によって賢く利用することで、実質的な費用を大きく抑えられます。
- 子育てグリーン住宅支援事業
- 先進的窓リノベ2025事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
- 高齢者住宅改修費用助成制度(介護保険)
これらの補助金・助成金制度は、申請期間が定められていたり、予算に限りがあったりするため、早めの情報収集と計画が成功の鍵です。信頼できるリフォーム業者に相談し、ご自身が利用できる制度を積極的に活用して、賢く和室のリフォームを進めましょう。
【コツ3】複数の業者から相見積もりを取る
和室リフォームは、畳・襖・障子など洋室とは異なる専門知識が求められます。相見積もりは、和室に関する各業者の専門性や提案力をチェックする絶好の機会です。
あなたの理想を具体化するアイディアや、既存の和室の問題に対する的確な解決策を提示してくれるかを見極めましょう。
- 見積金額が適正価格であるか(極端に高い、安い金額ではないか)
- 見積書の内容は詳細に記載されているか
- 追加費用の可能性と目安の金額が記載されているか
- 和室に関する専門知識があるか
- 担当者とコミュニケーションがとりやすいか
相見積もりは手間がかかる作業であるものの、これらのポイントをしっかりチェックすることで、自身の状況にもっとも適したリフォーム会社を選択できます。複数のプロの意見を聞き、比較検討することで、後悔のない和室リフォームを実現できるでしょう。
契約前に知るべき和室リフォームの注意点
和室のリフォームを検討する際に、契約前に知っておくべき重要な注意点がいくつかあります。
これらを事前に把握しておくことで、トラブルを避け、スムーズにリフォームを進められるでしょう。
【注意点1】見落とし厳禁!マンションの管理規約を必ず確認する
マンションで和室をリフォームする際、もっとも重要なのが管理規約の確認です。
マンションには、自由にリフォームできる「専有部分」と、リフォームが制限される「共用部分」があります。
- 専有部分
- 共用部分
専有部分内の工事でも、床材の変更や水まわり、防音に関する規定のあるのが一般的です。工事時間の制限や届け出の義務も決められており、これらに違反すると、トラブルに発展する可能性があります。
そのため、マンションで和室をリフォームする際は、事前に管理組合へ連絡し、必要な手続きや承認を得ることが不可欠です。リフォーム業者と契約する前に、必ず規約内容を共有し、和室のリフォーム内容が管理規約に違反していないか確認しておきましょう。
【注意点2】床の高さ調整で段差ゼロへ!安全確保の最重要ポイント
既存の和室と隣接する部屋との間に段差がある場合、つまずきやすく、転倒事故の原因となるため、安全確保のポイントとして段差を解消する必要があります。
とくに、厚みのある畳を撤去し、フローリングやクッションフロアなどの薄い床材に変更する際には、床の高さに大きな差が生じる可能性もあります。この段差を放置すると、日常の動線を妨げるだけでなく、高齢者や小さなお子さんがいるご家庭では、転倒による事故のリスクが高まるでしょう。
具体的な解決策としては、畳を撤去した後に、フローリングなどの新しい床材の下に合板や根太などで追加の下地を設ける「かさ上げ」工事をおこなうのが一般的です。
これにより、隣接する部屋の床の高さに合わせ、段差を解消できます。
リフォーム計画時には、業者に既存の床の高さと隣接する部屋の床の高さを正確に測ってもらい、段差をなくすための具体的な方法と費用について相談しましょう。安全で快適な住環境のために、段差ゼロを目指す意識を持つことが大切です。
【注意点3】お子様やペットと暮らすなら耐久性の高い製品に
和室を子どもが遊ぶスペースや大切なペットと共に過ごす空間としてリフォームする場合、もっとも重視すべきは製品の耐久性です。従来のい草畳では、子供の遊びによる摩耗や、ペットの爪による引っ掻き傷などが衛生面でも問題となる可能性があります。
長期的に快適な環境を維持し、メンテナンスの手間を減らすためには、素材選びに徹底的にこだわりましょう。
たとえば、ダイケンの「健やかおもて」の撥水加工が施された畳は、飲みこぼしやペットの粗相にも対応しやすいため、拭き取りが簡単です。また、い草に比べて色あせしにくいため、カビやダニが発生しにくいのも魅力です。

このような耐久性に優れた素材を選ぶことで、和室は子供やペットにとって快適な遊び場となるだけでなく、家族みんなが心地よく過ごせる美しさを長く保てる空間となるでしょう。
【注意点4】防音・断熱対策は必須!快適な和室の実現に不可欠
和室のリフォームにおいて、防音・断熱対策は快適な居住空間を確保するための非常に重要な要素です。とくに、畳からフローリングなど異なる床材へ変更する場合、この対策は必須です。
従来の畳は、厚みとい草の多孔質な構造により、音を吸収し、熱の伝導を抑えるというメリットがあります。しかし、畳を撤去し、フローリングなどの硬質な素材に変更すると、足音が響きやすくなったり、床からの冷気や熱が伝わりやすくなったりといった問題が発生する可能性もあります。
そのため、リフォーム時には、新たな床材の下に適切な防音材や断熱材を組み込むことが不可欠です。
- 高密度な遮音シートや防音マットの敷設
- 二重床構造の採用
- 二重サッシの取り付け
- 壁や天井への防音材の導入
- 高性能断熱材の充填
- 二重サッシの取り付け
- 高断熱サッシへの交換
これらの対策を組み合わせることで、静かで快適な温度下の和室を実現し、1年中心地よく過ごせる、より質の高い居住空間へと生まれ変わるでしょう。
【注意点5】予期せぬ追加費用に注意!リフォームの落とし穴を避けるために
和室のリフォームでは、壁や床の解体後に畳下の腐食など、見えない部分の問題が発覚し、追加工事の必要となるケースが多く見られます。。
- 畳下の腐食
- シロアリ被害
- 壁内の湿気による木材の劣化
これらは建物の構造に影響を与えるリスクもあるため、木材の交換など補修工事が必要となる場合もあります。そのため、補修工事に費用がかかり、予算オーバーとなる可能性もあります。
予期せぬ追加費用による予算オーバーを避けるには、契約前に業者に徹底的な現地調査を求め、可能な限り隠れた部分の状態を確認してもらうことが重要です。また、もし追加で工事が必要になった場合の費用を確認しておくことで、予期せぬ出費を避けられるでしょう。
【注意点6】素材選びはメンテナンス費用も考慮!長期的な負担を避ける賢い選択
和室の素材選びは、初期費用だけでなく、長期的なメンテナンス費用や手間を考慮することが賢い選択です。
たとえば、伝統的な「い草畳」は香りや調湿効果が魅力であるものの、日焼けやカビ、ダニのリスクがあり、定期的な表替えが必要です。一方、和紙畳や樹脂畳は耐久性や撥水性が高く、メンテナンスが楽な反面、初期費用が高い傾向にあります。
このように素材によってメンテナンスにかかる費用も変動するため、ご自身のライフスタイルに合わせて、長期的な負担が少ない製品の採用を検討しましょう。
【プロが教える】古い和室がモダンに生まれ変わるデザインの秘訣
和室は、日本の伝統的な美意識と現代のライフスタイルを融合させることで、これまでにない新しい魅力を引き出せます。心地よいモダンな和室にするには、単に古さを解消するだけでなく、機能性とデザイン性を兼ね備えることが重要です。
このように「空間のつながりを意識する」など、いくつかのポイントを押さえ、古い和室をモダンな空間に生まれ変わらせましょう。
【1】空間のつながりを意識する
おしゃれでモダンな和室を実現するためには「つながり」を意識することがもっとも重要です。これは隣の部屋とつなげるだけでなく、建具や内装材などの間仕切りやデザインについても、隣接する部屋との調和を意識することが大切です。
たとえば、隣接する部屋と色味やデザインを統一した畳や建具の採用で、空間に統一感がうまれます。これにより、和室が孤立した空間ではなく、住まい全体のデザインの一部として、より開放的で洗練された印象を与えるでしょう。
また、和室の壁や天井の色を隣接する部屋と合わせることで、視覚的なつながりが強化されます。隣のリビングが木目調を基調とした空間であれば、和室もベージュやブラウンといった落ち着いたトーンでまとめ統一感を持たせると良いでしょう。
このように、素材や色の連続性を意識することで、和室がLDKなど他の空間と自然に溶け込み、住まい全体が一体感のある洗練された印象になります。
【2】デザイン性の高い畳や壁紙を採用する
畳や壁紙の色や素材を工夫することで、従来の和室とは一味違った雰囲気を演出できます。たとえば、グレーやダークブラウンなどのモダンな色合いの畳を選ぶことで、シックで洗練された印象を与えます。また、縁無し畳を採用することで、すっきりとしたモダンなデザインを実現することも可能です。
壁紙も和室の印象を大きく左右する要素です。現代的なテクスチャーや色合いの壁紙を取り入れることで、一気にモダンな雰囲気になります。たとえば、無地のグレーやベージュ、オフホワイトといった落ち着いた色味の壁紙は、空間に広がりと落ち着きを与えるでしょう。

このように、畳や壁紙といった主要な内装材の選び方を工夫することで、和室が「伝統的な要素と現代的なデザインが融合した空間」に生まれ変わります。
【3】壁のデザインにこだわる
壁面全体を無彩色のワントーンでまとめつつ、素材の質感にこだわることで、ミニマルながらも奥深いモダンな和室を演出します。
たとえば、きめ細やかな左官仕上げの漆喰壁にすることで、光が当たったときに繊細な陰影を生み出し、空間に豊かな表情を与えます。

漆喰壁の他にも、珪藻土やシラス壁のような自然素材の塗り壁は、独特のざらつきや温かみのある風合いが魅力です。これらは見た目の美しさだけでなく、調湿性や消臭効果といった機能性も持ち合わせており、快適な空間を実現します。
こうした素材へのこだわりが、モダンで趣のある和室を演出するでしょう。
【4】照明や光を工夫する
和室をおしゃれでモダンな空間にするためには、照明計画と自然光の取り入れ方が非常に重要です。単に部屋を明るくするだけでなく、光を効果的にデザインすることで、奥行きのある空間を演出できます。
たとえば、メイン照明には、伝統的な行灯や和紙ランプを現代風にアレンジしたデザイン性の高い器具を取り入れると良いでしょう。天井から吊り下げるシンプルな和紙のペンダントライトは、柔らかな光を広げながら、空間に温かみと上質さをもたらします。
また、床置きのスタンドライトやフロアランプを部屋の隅やコーナーに配置することで、高さの異なる光源が生まれ、空間に立体感と奥行きが生まれます。素材は、和紙・木・竹・麻といった自然素材や、モダンなスチール、ガラスなどを組み合わせたものがおすすめです。
このように、照明器具の選び方や配置などを工夫することで、伝統的な和室に現代的な快適性とデザインを融合させ、洗練された心地よい空間を作り上げられるでしょう。
和室のリフォームに関するよくある質問
- 和室にリフォームするデメリットはある?
-
和室にリフォームすることで、ベッドや家具を置くと畳が傷む可能性もあるなど、いくつかのデメリットがあります。
和室にリフォームするデメリット- ベッドや家具を置くと畳が傷む可能性もある
- 畳や障子の定期的なメンテナンスが必要になる
- 洋室のリフォームより費用が高い傾向にある
和室にリフォームすることで、畳の上で寝転んでくつろげるなどのメリットがあるものの、これらのデメリットも考慮する必要があります。畳や障子のメンテナンスにかかる費用なども考慮して、リフォームの内容を検討してみましょう。
- モダンな和室にするためのポイントは?
-
モダンな和室にするためのポイントは、伝統的な和の要素と現代的なデザイン、素材をいかに融合させるかにあります。
モダンな和室にするためのポイント- 縁なし畳を採用する
- グレー、ブラック、ベージュなどの落ち着いた色の畳や、2色のカラー畳を市松模様に敷く
- 深みのある藍色や墨色、鮮やかな色をクッションや小物、壁の一部などに取り入れる
- 行灯(あんどん)風のスタンドライトや、和紙や竹など自然素材を使ったペンダントライトを設置する
これらのポイントを組み合わせることで、伝統的な和の落ち着きと、現代的なデザインが融合した、心地よいモダンな和室が実現できます。
- 和室のリフォームにはどれくらいの日数がかかる?
-
和室のリフォームにかかる日数は、部分リフォームであれば1〜2日が目安です。リフォームの内容によって日数が大きく変動するため、業者とスケジュールについて確認しておきましょう。
リフォーム内容 日数の目安 部分リフォーム
畳の表替えや壁紙の張り替えなど1〜2日 中規模リフォーム
押入れをクローゼットに変更するなど2日〜1週間 全体リフォーム
間取り変更や断熱工事など1週間〜1ヶ月以上 - マンションの和室もリフォームできる?
-
マンションの和室も、リフォームすることは可能です。しかし、マンションの管理規約や管理組合のルールでリフォームが許可されていない場合や、リフォームの内容が制限されている場合もあります。
そのため、もしマンションの和室をリフォームしたいなら、マンションの管理規約を事前に確認することが重要です。もし管理規約に不明点がある場合は、管理組合などに相談し、「工事の中止を求められる」といったトラブルを回避しましょう。
- 和室に床の間は残すべき?
-
和室に床の間を残すべきかは、リフォームの目的や個々の好みによります。
和の趣を残し、伝統的な雰囲気を保ちたい場合は、床の間を残すことをおすすめします。しかし一方で、スペースの有効活用を優先したい場合は、床の間を撤去し、収納スペースに変えるなどのリフォームも検討するとよいでしょう。 - 和室のリフォームを依頼する業者選びのポイントは?
-
和室のリフォームを成功させるためには、和室のリフォームの経験が豊富な業者であるかなど、いくつかのポイントをチェックして業者を選ぶことが重要です。
和室のリフォームを依頼する業者選びのポイント- 和室のリフォームの経験が豊富であるか
- 専門知識を持った建築士や施工管理技士が在籍している業者であるか
- 詳細でわかりやすい見積もりを作成してくれるか
複数の業者で相見積もりをとり、これらのポイントを比較して、信頼できる業者を見つけましょう。
【まとめ】和室リフォームの失敗は事前の情報収集で回避!
和室のリフォームは、理想の空間を想像する反面「費用は?」「失敗したらどうしよう?」といった不安がつきものです。しかし、これらの不安は事前の徹底した情報収集で解消できます。
マンションの管理規約確認から、予期せぬ追加費用を避けるための詳細な見積もりチェック、長期的なメンテナンスまで考慮した素材選び。これら1つ1つを丁寧に理解し、準備を進めることが成功の鍵となるでしょう。まずは信頼できる業者選びから和室のリフォーム計画をスタートさせましょう。
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和室リフォームの業者選びで後悔しないために
必ず相見積もりを複数取って比較しましょう!
なぜならリフォームの費用・工事方法は、業者によって大きく異なるからです。
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