
トタン屋根で雨漏りが起こる主な原因

屋根表面のサビ
一般に「トタン」と呼ばれる屋根材は、鋼板の表面に亜鉛めっきを施した亜鉛めっき鋼板です。塗装された製品は塗装亜鉛めっき鋼板に分類され、めっき層や塗膜が鋼板の腐食を抑えています。ただし、経年によって塗膜やめっき層の保護機能が低下すると、屋根表面にサビが生じます。サビが進行すると穴あきや雨漏りにつながるおそれがあるため、早めに専門業者へ点検を依頼しましょう。
棟板金の剥がれ
屋根の頂点を「棟(むね)」と呼び、その棟を覆う金属部材が「棟板金」です。棟板金は釘やビスなどで固定されていますが、経年による固定部の緩みや下地木材の劣化が生じることがあります。固定が不十分なまま強風を受けると、棟板金が浮いたり飛散したりして雨漏りにつながるおそれがあります。釘やビスの抜け・浮きが見られる場合は、専門業者に点検を依頼しましょう。
強風などによる屋根材のめくれ
トタン屋根は軽量で、建物にかかる重量負担を抑えやすい屋根材です。ただし、耐風性は屋根材の重さだけで決まるものではなく、屋根の形状や施工方法、釘・ビスなど固定部の状態にも左右されます。経年劣化で固定部が緩んだまま強風を受けると、屋根材が浮いたり剥がれたりするおそれがあります。屋根材の下にあるルーフィングシートが劣化・損傷している場合は、屋根材の破損をきっかけに雨漏りへつながる可能性もあるため、専門業者による点検が必要です。
トタン屋根の雨漏り修理はDIYで可能か
トタン屋根の雨漏り補修は、屋根に上る必要がある場合はDIYで行わないでください。脚立やはしごを使った屋根修理では、転落による死亡・重傷事故が報告されています。また、雨漏りは浸入口と室内に現れる場所が離れていることもあり、原因を正しく特定できなければ補修後も被害が続くおそれがあります。室内で受け皿や防水シートを使って被害の拡大を抑えたうえで、専門業者へ点検と補修を依頼しましょう。
トタン屋根から雨漏りしたときに自分でできる応急処置
屋根に上るコーキング補修は転落のおそれがあるため、自分では行わないでください。業者が到着するまでの間は、室内側で雨水を受ける、濡れた家財を移動するなど、安全にできる範囲の応急処置にとどめましょう。

屋根に上らず、室内側で応急処置をする
室内側で雨水を受ける、濡れた家財を移動するなどの応急処置は、自分でも行えます。費用を抑えるために無理に屋根へ上らず、雨漏りの原因調査と補修は専門業者に依頼してください。
雨漏りの状況を専門業者に伝える
業者が到着するまで雨漏りが続く場合は、屋根に上らず、バケツや防水シートで被害の拡大を抑えます。専門業者には、雨水が落ちている場所や被害の状況を伝え、訪問時期や応急対応を相談してください。
トタン屋根をDIYでコーキング補修するデメリット
トタン屋根の補修には、転落や雨漏り悪化のリスクがあります。次のような問題を避けるためにも、屋根に上る作業はDIYで行わず、専門業者に依頼しましょう。

根本的な解決にはならない
雨漏りの原因は多岐にわたり、すべてをコーキングで解決できるわけではありません。いったん雨漏りが止まっても、屋根材そのものが劣化していれば、別の箇所から再発する可能性があります。根本的な解決に屋根材の交換が必要なケースもあるため、コーキングによるDIY補修は一時的な対処と考え、専門業者に相談してください。
雨漏りが悪化する可能性がある
DIYでコーキングして雨漏りが止まったように見えても、見えない箇所で進行している場合があります。発見が遅れると、結果として補修費用が高額になるかもしれません。また、浸入口が1か所とは限らず、別の場所から雨水が入り込んでいるケースも考えられます。
コーキング以外でトタン屋根の雨漏りを修理する方法

防水テープを使用する
釘穴などの小さな損傷には、屋外の金属面に対応した防水テープを使って応急補修できる場合があります。防水テープはコーキング剤のような硬化待ちが不要ですが、多くの製品では施工面の水分・油分・汚れを取り除き、十分に圧着する必要があります。製品によって適用できる下地や耐候性が異なるため、用途と施工条件を確認して選びましょう。なお、雨天・強風時や濡れた屋根での作業は危険なため、屋根上の補修は専門業者に依頼してください。
屋根塗装
屋根塗装は、トタン屋根の塗膜を保護し、サビの進行を抑えるためのメンテナンスです。ただし、塗装だけで現在発生している雨漏りを直すことはできません。雨漏りがある場合は、先に浸入口や下地の状態を調査し、穴あき・継ぎ目・固定部など原因に応じた補修を行う必要があります。サビや穴あきが広範囲に及ぶ場合は、部分補修ではなくカバー工法や葺き替えが適していることもあるため、専門業者に判断してもらいましょう。

カバー工法・葺き替えで屋根全体を補修する
トタン屋根から繰り返し雨漏りする場合は、屋根全体の補修も検討します。主な方法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねる「カバー工法」と、既存の屋根材を撤去して交換する「葺き替え」です。屋根の状態によって適した工法が異なるため、専門業者の現地調査を受けたうえで選びましょう。


トタン屋根のコーキング補修で使用する主な道具
| 道具の名称 | 使用用途 |
|---|---|
| マスキングテープ | 施工箇所の周囲を養生する粘着力が弱めのテープ |
| カッター | 古いコーキング剤を除去する道具 |
| プライマー | コーキング剤の密着性を高める下地材 |
| コーキング剤 | 隙間を埋める材料 |
| ヘラ | コーキング剤をならす道具 |
| ヤスリ・掃除道具 | 施工箇所の清掃やサビの除去に使う道具 |
補修に使う道具は、使用するコーキング剤と屋根材に適合するものを選びます。プライマーの要否や種類は、コーキング剤の種類、下地の材質、塗装の有無によって異なるため、製品の施工説明に従ってください。少量の補修ではプライマー不要の製品もありますが、長期的に安定した接着性を得るために専用プライマーが推奨される場合もあります。ヘラやカッターなどの使い方も製品表示を確認し、屋根上での作業は専門業者に任せましょう。


トタン屋根のコーキング補修で知っておきたい安全上の注意点
高所作業には転落事故の危険がある
労働安全衛生規則では、事業者に対し、高さ2m以上で墜落のおそれがある作業を労働者に行わせる場合、足場を組むなどして作業床を設けるよう求めています。作業床の設置が困難なときも、防網や墜落制止用器具などの措置が必要です。この基準は、はしごだけで屋根に上るDIYが安全であることを意味しません。屋根修理中の脚立・はしごからの転落では死亡事故も報告されているため、屋根上の補修は専門業者に依頼しましょう。
※ 参考1:厚生労働省「労働安全衛生規則第518条(作業床の設置等)」
※ 参考2:厚生労働省「足場の設置が困難な屋根上作業―墜落防止のための安全設備設置の作業標準マニュアル」
コーキング後も雨漏りが再発することがある
雨漏りの原因は1か所とは限らず、屋根材の穴あき、継ぎ目や固定部の不具合、ルーフィングシートの劣化などが重なっている場合もあります。コーキングで一時的に雨漏りが収まっても、別の浸入口や下地の劣化が残っていれば再発する可能性があります。コーキングによる部分補修だけで解決したと判断せず、専門業者へ点検を依頼しましょう。
専門業者がトタン屋根の雨漏りをコーキング補修する主な手順

- 下準備
コーキング剤を充填する箇所を清掃します。屋根の表面にホコリやサビが残っていると密着しにくく、施工後すぐに剥がれるおそれがあるためです。 - 養生
施工箇所の周囲をマスキングテープなどで養生します。範囲が広い場合は、薄いビニールなども使って周囲を保護します。 - 既存のコーキング撤去
カッターなどで既存のコーキング剤を撤去します。屋根本体を傷つけないよう、刃を慎重に扱います。 - プライマーを塗布
屋根材とコーキング剤の密着性を高めるため、施工箇所にプライマーを塗ります。 - コーキングの施工
準備が整ったら、コーキング剤を充填します。余分なコーキング剤をヘラでならし、表面を整えます。 - 養生・硬化
コーキング剤の表面と内部の硬化時間は、製品の種類、施工厚、気温などによって異なります。施工後は製品表示で定められた時間を確保し、雨水や接触を避けて養生します。
トタン屋根の雨漏り修理にかかる費用相場

| 補修方法 | 費用相場 |
|---|---|
| コーキング補修(DIY) | ~1万円 |
| コーキング補修(業者) | 3万~25万円 |
| 防水テープ補修(DIY) | ~1万円 |
| 屋根塗装 | 60万~100万円 |
| カバー工法 | 80万~150万円 |
| 葺き替え | 120万~250万円 |
DIYのコーキング補修や防水テープ補修は、材料費のみなら1万円未満に収まる場合があります。一方、業者によるコーキング補修は、部分的な施工でも出張費や諸経費がかかるため、3万~25万円が目安です。業者へ依頼する際は、点検もあわせて依頼し、必要な補修方法を提案してもらいましょう。表の屋根塗装・カバー工法・葺き替えは、30坪の戸建てを想定し、足場費用を含んだ相場です。屋根の面積・形状・勾配、使用する材料、下地の劣化状況によって費用は変動します。

【Q&A】トタン屋根の雨漏り修理でよくある質問
トタン屋根が雨漏りしてしまった場合、修理と葺き替えどちらがおすすめですか
補修で済むか、葺き替えが必要かは、トタン屋根の劣化状況によって異なります。築年数が経ち、広範囲に劣化している場合は、部分修理では改善しにくいため、葺き替えが適しています。一方、比較的新しく劣化が一部に限られる場合は、部分補修で改善する可能性があります。専門業者の調査を受け、屋根の状態に合う方法を選びましょう。

トタン屋根の修理には何日かかりますか
DIYや部分補修なら、1日で終わるケースがほとんどです。一方、塗装や葺き替えには、多くの場合10日~2週間ほどかかります。これらの工事では足場の設置が必要で、工事完了後もしばらく足場が残ることがあります。足場の撤去まで含めると合計2~3週間かかるケースもあるため、余裕を持って日程を組みましょう。



