

オール電化リフォームで後悔しない重要なポイント3つ
オール電化リフォームで後悔しないためには、費用の試算、補助金の確認、デメリットへの対策が欠かせません。まずは、検討初期に押さえたい3つのポイントを確認しましょう。

オール電化とは
調理・給湯・冷暖房など、家庭内のエネルギーをすべて電気でまかなう住宅のことです。
【ポイント1】初期費用と光熱費の変化を正確にシミュレーションする
オール電化リフォームを検討する際、最初に行いたいのが費用のシミュレーションです。近年の電気料金の上昇により、オール電化にすれば必ず光熱費が安くなるとはかぎりません。現在のガス併用生活と比べて光熱費がどう変わるか、初期費用を何年で回収できるかを、客観的なデータで確かめましょう。具体的な金額を比較すれば、家計に合うリフォーム計画を立てやすくなります。
【ポイント2】国や自治体の補助金制度を漏れなく活用する
オール電化リフォームでは、給湯器やIHクッキングヒーターの購入費に加え、工事費もかかります。初期費用を抑えるには、国の「給湯省エネ2026事業」や自治体独自の補助金制度を確認しましょう。補助金には予算上限や申請期限があるため、対象条件と受付状況を早めに調べることが大切です。

【ポイント3】オール電化リフォームのデメリットと対策を把握する
オール電化リフォームで後悔しないためには、初期費用の高さや停電時の機能停止、日中の電気代が割高になるといったデメリットを把握する必要があります。これらの懸念点は、事前の確認や設備の選び方によって軽減できる場合があります。初期費用は、対象条件を満たせば国や自治体の補助金で抑えられます。停電に備えるなら、太陽光発電と蓄電池の自立運転時に使える回路・出力・切り替え方法を確認しましょう。日中の電気代が高い料金プランでは、太陽光発電の自家消費や家電を使う時間帯の見直しが対策になります。
オール電化リフォームの費用相場
オール電化リフォームにかかる費用は、導入する設備によって大きく異なります。

| 設備 | 費用相場 |
|---|---|
| エコキュート | 40万〜95万円 |
| IHクッキングヒーター | 10万〜30万円 |
| 電気床暖房 | 30万〜115万円※1 |
| 太陽光発電 | 130万円※2 |
| 蓄電池 | 75万〜200万円※3 |
※1:施工面積や工法によって変動します。6畳では30万〜55万円、約26㎡では115万円前後が目安です。
※2:2025年に設置された住宅用太陽光発電の平均28.9万円/kWを用い、4.5kWで計算した目安です。
※3:設備費と工事費を合わせて1kWhあたり約17万〜22万円、蓄電容量5〜8kWhの場合の目安です。
設備の導入費用は、グレードやメーカー、住宅の状況によって変わります。エコキュートでは、容量や配管の延長工事の有無が金額を左右します。電気床暖房も、床の張り替えや配管工事が必要かどうかで差が出ます。太陽光発電や蓄電池は初期費用が高いため、利用できる補助金も確認しましょう。


オール電化は本当に安くなる?ガス併用との比較
オール電化にするとガスの基本料金がなくなる一方、給湯・調理・暖房に使う電力が増えます。そのため、光熱費が安くなるかは、現在のガス料金、電力会社の料金プラン、使用時間帯、家族人数、地域の気候、太陽光発電の有無などによって異なります。とくにプロパンガスから切り替える場合は削減できる可能性がありますが、一律の金額で比較することはできません。
検討する際は、直近1年分の電気・ガス・灯油の使用量と請求額を用意し、導入予定のエコキュートの年間給湯保温効率、契約予定の電気料金単価、昼夜の電力使用量を入れて試算しましょう。複数の料金プランで試算し、初期費用を含めた回収期間まで比較することが大切です。

※ 参考:資源エネルギー庁「使用量や時間によって変動する料金制度」
【2026年】オール電化リフォームに活用できる補助金制度
オール電化リフォームの初期費用は、対象工事の条件を満たせば国や自治体の補助金で抑えられる場合があります。ここでは「給湯省エネ2026事業」「みらいエコ住宅2026事業」と、自治体独自の補助制度について紹介します。制度ごとに対象製品や必須工事、申請方法が異なるため、契約前に条件と受付状況を確認しましょう。

【制度1】給湯省エネ2026事業
「給湯省エネ2026事業」は、対象となる高効率給湯器の導入を支援する制度です。エコキュートは基本額が1台あたり7万円で、加算要件を満たす機種は3万円が加算され、合計10万円となります。さらに、対象機器の設置と同時に電気温水器を撤去する場合は2万円、電気蓄熱暖房機を撤去する場合は1台あたり4万円の加算があります。
対象となるのは登録製品を給湯省エネ事業者との工事請負契約などで導入する工事で、施主支給やDIYは対象外です。交付申請は工事完了後に登録事業者が行い、遅くとも2026年12月31日までですが、予算上限に達すると早期終了します。
2026年8月13日時点の申請額
- 予算:37%
- 撤去加算:18%
※ 参考1:給湯省エネ2026事業「事業概要」
※ 参考2:給湯省エネ2026事業「予算に対する補助金申請額の割合」

【制度2】みらいエコ住宅2026事業
「みらいエコ住宅2026事業」のリフォームでは、開口部や躯体の断熱改修など、定められた組み合わせの必須工事を行う場合に、エコキュートなどの特定エコ住宅設備も補助対象になります。エコキュートだけを設置する工事では利用できません。補助上限は、住宅の新築時期と実施する断熱工事の基準に応じて1戸あたり40万〜100万円です。交付申請の期限は遅くとも2026年12月31日ですが、予算上限に達すると早期終了します。
給湯省エネ2026事業との併用はできますが、同じ給湯器に対して両方の補助を受けることはできません。どちらを利用できるか、登録事業者に確認しましょう。

【制度3】自治体の補助金制度
国の制度に加えて、自治体が太陽光発電、家庭用蓄電池、高効率給湯器などの導入を支援している場合があります。対象設備、補助額、受付期間、国の補助金との併用可否は自治体ごとに異なります。なお、国の「DR家庭用蓄電池事業」は2026年5月29日に予算へ達し、公募を終了しました。蓄電池を検討する場合は、自治体の制度が利用できるか確認しましょう。
※ 参考:DR家庭用蓄電池事業「事業概要」
オール電化にリフォームするデメリットとその対策
オール電化へのリフォームで後悔しないためには、電気代、停電、IHの使い勝手、暖房、お湯切れに関する注意点を把握しておく必要があります。ここでは、5つのデメリットと具体的な対策を解説します。

【デメリット1】電気代が高くなることもある
オール電化に切り替えるとガス代は不要になりますが、給湯や調理などに使う電気は増えます。昼間の単価が高い料金プランで日中に多くの電気を使う家庭では、光熱費がかえって高くなることもあります。対策は、生活スタイルに合う料金プランを選び、割安な時間帯にエコキュートでお湯を沸き上げることです。洗濯機や食洗機のタイマーも活用すると、電力を使う時間帯を調整できます。
太陽光発電の自家消費も効果的
太陽光発電システムを導入すると、発電している時間帯は電力会社から買う電気を減らせます。ただし、天候や季節、発電容量、家庭の使用量によっては買電も必要です。
【デメリット2】停電時に電化製品が使えない
オール電化住宅では、停電が発生すると全ての電化製品が使えなくなり、調理や給湯、暖房などができなくなるリスクがあります。停電対策として、太陽光発電と家庭用蓄電池を組み合わせる方法があります。ただし、停電時に使えるコンセントや回路、出力、100V・200V対応の有無は製品によって異なります。必要な家電を動かせる仕様か、導入前に確認しましょう。エコキュートは機種によって、断水時に貯湯タンクの水やお湯を非常用取水栓から生活用水として取り出せます。飲用は避け、取扱説明書に従って使用してください。

【デメリット3】IHクッキングヒーターの調理に慣れが必要
オール電化へのリフォームでは、ガスコンロをIHクッキングヒーターに替えるのが一般的です。火を使わない一方、ガスコンロと操作感が異なり、慣れるまで時間がかかることがあります。中華鍋を振る、食材をあぶるといった調理には向きません。製品を選ぶ際は、高火力調理、揚げ物、煮込みなど、よく使う調理方法に対応した機能を確認しましょう。鍋の材質や底の形状によっては使えない、または火力が弱くなることがあるため、SGマークのあるIH対応鍋やメーカー推奨の鍋を選んでください。

【デメリット4】暖房の立ち上がりが遅い
暖房の立ち上がりは、採用する機器によって異なります。エアコンは比較的早く室温を上げられますが、床暖房は床からゆっくり部屋を暖めるため、暖かさを感じるまで時間がかかります。床暖房を導入する場合は、タイマーを活用するほか、立ち上がり時にエアコンを併用すると快適性を高められます。住宅の断熱性能を高めることも、暖房負荷の軽減に有効です。
【デメリット5】エコキュートのお湯切れが起こる
エコキュートは、夜間に沸かしたお湯をタンクに貯めて使う仕組みです。貯湯容量が家族構成や使用量に対して小さいと、来客時などにお湯が足りなくなることがあります。普段の使用量に合う容量を選び、多く使うことがわかっている日は、昼間の「沸き上げ設定」を活用しましょう。

エコキュートの容量の目安
- 2〜4人:195〜300L
- 3〜5人:370L
- 4〜7人:460L
- 5〜8人:560L
実際に必要な容量は、入浴回数やシャワーの使用時間、来客の頻度、地域の水温などでも変わります。家族人数だけで決めず、1日に使う湯量も確認しましょう。
オール電化にリフォームするメリット
オール電化へのリフォームには、光熱費を見直せる、火を使わずに調理できるなどのメリットがあります。ここでは、代表的な5つのメリットを解説します。
【メリット1】光熱費の削減が期待できる
オール電化で光熱費の削減が期待できる主な理由は、次の2つです。
光熱費の削減が期待できる要因
- ガス料金の基本料金が不要になる
- 割安な時間帯の電気を活用できる
オール電化にリフォームすることで、光熱費の削減が期待できます。特に、以下の2つの理由が大きな要因となります。
光熱費の削減が期待できる要因
- ガス料金の基本料金がいらなくなる
- 深夜電力で割安になる
オール電化にしてガス契約を解約すれば、ガスの基本料金は不要になります。ただし、電気料金は増えるため、光熱費全体が必ず安くなるわけではありません。時間帯によって単価が変わる料金プランもありますが、割安になる時間帯や単価は電力会社・プランによって異なります。現在の使用量と生活時間に合うプランを比較しましょう。
※ 参考:資源エネルギー庁「使用量や時間によって変動する料金制度」
【メリット2】火を使わないため安全性が高い
オール電化住宅では、調理や給湯にガスの炎を使わないため、ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクを避けられます。IHクッキングヒーターは炎が出ませんが、油の過熱や誤った鍋の使用によって火災が起きることはあります。調理中はその場を離れず、取扱説明書に記載された鍋と油量を守りましょう。
※ 参考:東京消防庁「調理中は、こんろから離れないようにしましょう」
【メリット3】災害時の復旧が早く、非常用水も確保できて安心
過去の大規模地震や被害想定では、電気が都市ガスや水道より早く復旧した例があります。ただし、災害の種類や地域、設備の被害状況によって復旧順序は変わるため、必ず電気が先に復旧するとは限りません。エコキュートは機種によって、断水時に貯湯タンクの水やお湯を非常用取水栓から生活用水として取り出せます。使用方法は機種ごとに確認し、飲用は避けましょう。
※ 参考:内閣府「ライフラインの被害・復旧想定」
【メリット4】太陽光と蓄電池で停電時も安心
太陽光発電と家庭用蓄電池を組み合わせると、停電時にも電気を使える場合があります。日中に発電した電気を蓄電池に貯めておけば、停電中も照明や冷蔵庫などを動かせます。導入前に、自立運転時に使える回路やコンセント、出力を確認しましょう。平常時は発電した電気を自家消費することで、電力会社から買う電気を減らせます。


【メリット5】日常生活の快適性向上が期待できる
オール電化にすると、掃除や給湯の手間を減らせる場合があります。IHは天板が平らで、吹きこぼれや油汚れを拭き取りやすいのが特徴です。火を使わないため、ガスコンロに比べて調理中の室温上昇も抑えやすくなります。エコキュートは沸き上げ時間を設定でき、生活時間に合わせてお湯を用意できます。
マンションのオール電化リフォームが難しい理由
マンションのオール電化リフォームは、電気容量と設備の設置場所に制約があるため、戸建て住宅より難しい傾向があります。主な理由は次の2つです。
マンションのオール電化リフォームが難しい理由
- 電気容量の増設が難しい
- エコキュートの設置スペースを確保できない

マンションでは、建物全体の受電設備や幹線容量の制約により、住戸ごとの契約容量を増やせない場合があります。IHクッキングヒーターには200Vの専用回路が必要なため、まず管理会社や管理組合、電気工事店に設置可否を確認しましょう。エコキュートは貯湯タンクとヒートポンプユニットの設置スペースに加え、配管経路、床の耐荷重、排水、運転音への配慮が必要です。バルコニーや共用配管、躯体に関係する工事は管理規約によって制限される場合があります。工事の承認・届出が必要かはマンションごとに異なるため、見積もり前に管理規約と使用細則を確認してください。
※ 参考:国土交通省「マンション標準管理規約」
【Q&A】オール電化のリフォームに関するよくある質問
オール電化とは?
オール電化とは、家庭で使用するエネルギーをすべて電気でまかなう住宅のことです。具体的には、給湯器をエコキュートなどの電気給湯器に、コンロをIHクッキングヒーターに切り替えることを指します。これにより、ガスを一切使わなくなり、光熱費の基本料金を一本化できるほか、火を使わないため安全性が高まるなどのメリットがあります。
オール電化リフォームの工事期間は?
エコキュートとIHクッキングヒーターの標準的な交換は、1〜3日が目安です。既設配管や基礎を利用できれば、エコキュートは最短1日、IHの交換は半日ほどで終わる場合があります。一方、基礎の打ち直し、200V専用回路や分電盤の工事、太陽光発電・蓄電池の設置を伴う場合は日数が延びます。現地調査後に工程表を確認し、お湯や調理設備を使えない時間についてもリフォーム会社と打ち合わせておきましょう。
オール電化にリフォームした場合の1ヶ月あたりの光熱費はいくらになる?
オール電化住宅だけを対象に、世帯人数別の月間光熱費を示す公的な全国平均はありません。電気代は、地域、季節、住宅の断熱性能、家族人数、給湯・暖房の使い方、料金プラン、太陽光発電の有無などで大きく変わります。目安を出すには、直近1年分の電気・ガス・灯油の使用量と請求額を基に、導入予定の設備効率と電気料金プランを反映して試算します。リフォーム会社や電力会社のシミュレーションを利用し、夏と冬の両方を比較しましょう。
※ 参考:総務省統計局 家計調査(e-Stat)
オール電化工事でリフォームローンは使える?
オール電化工事にもリフォームローンを利用できます。金融機関や商品によって、金利、借入限度額、返済期間などの条件が異なるため、月々の返済額と総返済額を比較しましょう。工事費だけでなく、家計全体とのバランスを見て選ぶことが大切です。

信頼できる業者選びのポイントは?
信頼できる業者かどうかは、施工実績、資格者の体制、補助金への対応、見積もりの内訳、保証内容から判断できます。確認したいポイントは次のとおりです。
信頼できる業者選びのポイント
- オール電化リフォームの実績が豊富か
- 200V専用回路などの工事を電気工事士が行う体制か
- 給湯省エネ事業者として登録されているか
- 補助対象製品と申請条件に精通しているか
- 丁寧にヒアリングしてくれるか
- 見積もりに本体・撤去・配管・電気工事・申請費用の内訳があるか
- アフター保証が充実しているか
※ 参考1:経済産業省「電気工事士」
※ 参考2:給湯省エネ2026事業「事業概要」
【まとめ】オール電化にリフォームして快適な生活を実現
オール電化リフォームの費用は、導入する設備や住宅の状況によって変わります。光熱費の削減や安全性の向上が期待できる一方、初期費用、停電、お湯切れなどへの備えも必要です。現在の光熱費と導入後の試算を比べ、生活スタイルに合う設備や料金プランを選びましょう。2026年度は、給湯省エネ2026事業やみらいエコ住宅2026事業を利用できる場合があります。対象製品や必須工事、受付状況を契約前に登録事業者へ確認し、補助金を含めた総費用でリフォーム計画を検討してください。
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