システムキッチンのリフォーム全知識!費用を節約する補助金活用術とは?

「キッチンをリフォームしたいけど、どれくらい費用がかかるかわからない」
費用の目安がわからないと、なかなかリフォームの計画が進まず後回しになってしまいがちです。しかし、キッチンの劣化が目立つ、使い勝手が悪いなど、キッチンへの不満を感じると「リフォームしたい」という気持ちも高まるでしょう。
この記事では、キッチンのリフォームにかかる費用の目安や、費用を節約するコツなどを解説します。賢く活用したい補助金の情報もチェックして、お得にキッチンをリフォームしましょう。

2025年08月19日更新

監修記事
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システムキッチンのリフォーム費用相場

システムキッチンのリフォーム費用は、戸建てとマンションで大きな差はなく、戸建ては50万〜300万円、マンションは50万〜300万円が目安です。ただし費用はリフォームの内容やキッチンのグレード、オプションによって大きく変動します。

建物の種類費用相場
(材・工)
戸建て50万〜350万円
マンション50万〜300万円
戸建てとマンションの費用の違い

戸建ては建物全体のリフォームが可能であるため、キッチンの位置を比較的自由に移動できます。そのため、給排水管・ガス管・電気配線の移設工事に費用がかかり、マンションよりも費用が高い傾向にあります。
一方、マンションは給排水管が共用部分に含まれることも多いため、大幅なレイアウト変更が難しい場合もあります。この場合、システムキッチン本体の交換や、内装(壁・床)の変更など、比較的費用を抑えたリフォームが中心となることも多いでしょう。

このように、戸建てとマンションでは、リフォームの自由度や費用に違いがあります。リフォーム業者に相談して、ご自身が住んでいる建物に合ったリフォームプランを提案してもらいましょう。

【1】レイアウト

システムキッチンのリフォーム費用は、キッチンのレイアウトによって大きく変動します。比較的費用が安いのはI型キッチンで、50万〜150万円が目安です。一方、もっとも費用が高くなりやすいのはアイランドキッチンで、150万〜350万が相場です。

レイアウト費用相場
(材・工)
I型50万〜150万円
L型80万〜200万円
U型120万〜250万円
ペニンシュラ120万〜250万円
アイランド150万〜350万円
レイアウトを変更する場合は相場よりも高くなりやすい

ただし、上記の費用は「同じレイアウトでリフォームする場合」の相場です。壁付けから対面式に変更するなど、レイアウトを変更する場合は、配管工事などの費用が追加される点に注意しましょう。

【2】グレード

システムキッチンのレイアウトが同じであっても、キッチン本体のグレードが変わると、リフォームの費用も大きく変わります。

たとえば、I型キッチンのグレード別の費用は、普及グレードで50万〜80万円、高級グレードで150万〜300万円と大きな差が生じます。

グレード費用相場
(I型キッチン)
普及50万〜80万円
中級80万〜150万円
高級150万〜300万円

普及グレードのキッチンは、リフォーム費用を最優先に抑えたい場合や、シンプルで使いやすいキッチンを求めている方におすすめです。一方、高級グレードのキッチンは、耐久性やデザイン性の高い素材が採用されているケースも多いため、キッチンのデザインや質感にこだわりたい方に適しているでしょう。

【3】キッチン本体に組み込まれる設備費用

システムキッチンのリフォーム費用は、本体の価格だけでなく、組み込まれる設備機器の価格によっても大きく変動します。

交換する設備名費用相場
(材・工)
水栓3万〜15万円
ガスコンロ10万〜25万円
レンジフード10万〜30万円
ビルトイン食洗機10万〜30万円
IHクッキングヒーター15万〜40万円
オーブン20万〜40万円

これらの設備機器は、高性能な製品であるほど価格が高い傾向にあるため、予算や求める機能などによって最適な製品を選ぶことが重要です。「普段の料理で本当に使うか?」を考え、必要な機能だけを選ぶことで、予算内でのリフォームが実現しやすくなるでしょう。

【4】同時に行いたいキッチンまわりのリフォーム

システムキッチンの交換と同時に、内装や照明などもリフォームすることで、統一感のある快適な空間をつくれます。キッチンの本体以外もリフォームしたい場合は、業者に予算を伝え、リフォーム業者と相談しながら、希望に合った最適なプランを立てましょう。

リフォーム内容費用相場
(材・工)
壁紙の張り替え3万〜10万円
照明・コンセント増設3万〜10万円
床材の張り替え5万〜15万円
室内ドアの交換5万〜15万円
間取り変更
(壁の撤去)
10万〜30万円
窓の交換10万〜30万円
パントリーの新設15万〜40万円
システム収納の設置15万〜60万円
壁紙や照明のグレードによって費用は変動する

キッチン本体と同じく、壁紙や照明などのグレードによっても費用は変動します。「デザイン性を重視したい」など、重視したいポイントを決めた上で、ご自身の希望に合ったものを選択しましょう。

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【費用別】システムキッチンのリフォーム事例

システムキッチンのリフォームにかかる費用ごとに、実際にリフォームをした事例を紹介していきます。

【1】50万円未満のキッチンリフォーム

システムキッチンの予算が50万円未満である場合、水栓の交換などが可能です。

50万円未満で可能なキッチンリフォームの例
  • 水栓の交換
  • ガスコンロの交換
  • レンジフードの交換
  • ビルトイン食洗機の交換
  • IHクッキングヒーターの交換
  • 壁紙の張り替え
  • 照明・コンセント増設
  • 床材の張り替え

【事例1】ガスコンロの交換

before
after

ガスコンロの交換(リンナイ

リフォーム費用約20万円
工期約1日
メーカー名リンナイ
商品名Udea ef
(ユーディア・エフ)

「ガスコンロを交換したい」という相談があり、既存のガスコンロからリンナイ製の「Udea ef(ユーディア・エフ)」へ交換した施工事例です。ガスコンロの交換のみ行ったので、リフォーム費用は約20万円となっています。

【事例2】ビルトイン食洗機の新設

before
after

システムキッチンに食洗機を新設

リフォーム費用約35万円
工期約1日

「既存のシステムキッチンに、ビルトイン食洗機を新設したい」と相談をいただき、新設工事を行った施工事例です。食洗機を設置すると、既存のキッチンより収納量が減ってしまうので、3段引き出しキャビネットもあわせて設置することを提案しました。

また、小さなお子さまがいるので、配線を床下に通し、手が触れないように配慮した上で工事を行いました。

【事例3】セパレートタイプのキッチンへ交換

before
after

セパレートタイプのキッチンへ交換しました

リフォーム費用約40万円
建物マンション

「マンションの一室のリフォームがしたい」と相談があり、アパートやマンションでよく使われる「セパレートタイプ」を採用し、リフォームをしました。使いやすいシンプルな仕様で、次の入居者様に喜ばれそうなキッチンです。

キッチンの他にもリフォーム箇所はありましたが、キッチン交換にかかった費用は約40万円となっています。

【事例4】レンジフードの交換

before
after

レンジフードの交換

リフォーム費用約16万円
工期約1日
メーカー名タカラ
商品名ホーロークリーンレンジフード
VRAS 60cm

「換気扇を交換したい」と相談があり、タカラのホーロークリーンレンジフードを提案しました。既存のブーツ型のレンジフードよりも掃除がしやすい上に、操作もしやすいので「操作が楽になった」とお喜びいただけました。

レンジフードの耐久年数は約10〜15年です。「変な音がする」などの不具合が起きるようになったら、この施工事例のように交換を検討しましょう。

【2】50万〜150万円のキッチンリフォーム

システムキッチンの予算が50万〜150万円である場合、I型キッチンの交換などが可能です。

50万〜150万円で可能なキッチンリフォームの例
  • I型からI型キッチンへの交換
  • 壁付けから対面キッチンに変更
  • キッチン本体の交換と内装工事

【事例5】I型キッチンの交換(ステディア:クリナップ)

リフォーム費用約137万円
工期約5日
建物戸建て
メーカー名クリナップ
商品名ステディア

I型キッチンからクリナップのハイグレードキッチンであるステディアを使用して交換リフォームをしています。落ち着いた色柄で統一されたキッチンは、非常におしゃれな印象を与えてくれます。

【事例6】I型キッチンの交換(V-Style:Panasonic)

リフォーム費用約118万円
工期約8日
建物戸建て
メーカー名Panasonic
商品名リビングステーション V-Style

PanasonicのリーズナブルなキッチンV-styleを使用してI型キッチンを入れ替えました。シンプルなデザインにして価格を抑えつつ、ビルトイン食洗機や掃除の簡単なレンジフードを導入し、使い勝手の良いキッチンにしています。

【7】キッチン・カップボードの交換(シエラ:LIXIL)

リフォーム費用約122万円
建物マンション
メーカー名LIXIL
商品名シエラ

使い勝手の良いシエラを使用してキッチンリフォームを行っています。

キッチンに食洗機を設置して、さらに使い勝手を向上させました。また、カップボードの扉柄の色味を合わせることで、デザインも統一されています。

【事例8】L型キッチンの交換(シエラ:LIXIL)

リフォーム費用約133万円
建物マンション
メーカー名LIXIL
商品名シエラ

L型キッチンからL型キッチンへ交換リフォームを行っています。食洗機を新規に取り付けて、使い勝手を向上させています。

また、白の壁とグレー基調の床に対して濃いグレーのキッチンを選ぶことで、空間に統一感を持たせつつ、キッチンも目立つデザインになっています。

【3】150万円を超えるキッチンリフォーム

システムキッチンのリフォームの予算が150万円を超える場合、大規模なレイアウト変更などが可能です。

150万円を超えるキッチンリフォームの例
  • 仕切り壁を撤去してオープンキッチンに
  • 構造部の補強工事をおこなう

【事例9】I型キッチンからL型キッチン(リフォムス:Panasonic)

リフォーム費用約155万円
建物戸建て
メーカー名パナソニック
商品名リフォムス

Panasonicの最高級キッチン「Lクラス」を採用し、I型キッチンからL型キッチンへ交換リフォームを行っています。

「Lクラス」は基本的にどのような希望でもオーダー対応ができるキッチンで、今回は引き出しの数を使いやすいように調整して設置しています。

【事例10】I型キッチン(2列)の交換(トレーシア:タカラスタンダード)

リフォーム費用約180万円
工期約10日
建物戸建て
メーカー名タカラスタンダード
商品名トレーシア

タカラスタンダードの「トレーシア」を採用し、I型キッチンの交換を行いました。汚れが付きにくく丈夫なホーロー素材を取り入れたため、日々の手入れがラクなキッチンになっています。

背面に引出しも新設し、扉柄を合わせることでデザインが統一され、キッチン空間がきれいにまとまっています。

【事例11】ペニンシュラキッチンへ交換(リシェル:LIXIL)

リフォーム費用約220万円
工期約6日
建物戸建て
メーカー名LIXIL
商品名リシェル

ペニンシュラキッチンからペニンシュラキッチンへリフォームした事例です。

LIXILの高級キッチン「リシェル」ならではのセラミックワークトップを使用しているため、掃除がしやすく、また傷にも強いキッチンになっています。また、自動水栓や食洗機も採用しているため、機能性にも優れた仕上がりになりました。

【事例12】I型の壁付けキッチンからL型の対面へ交換(リシェル:LIXIL)

リフォーム費用440万円
建物マンション
メーカー名LIXIL
商品名リシェル

I型の壁付けキッチンからL型の対面キッチンへリフォームした事例です。L型のキッチンを活用することで作業動線を短くし、複数人での作業もしやすくなっています。

また、キッチンには高級キッチンのリシェルを活用しているため、収納量も多く、おしゃれなキッチンになっています。

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システムキッチンの工事費用の内訳

システムキッチンの工事費用の内訳と費用相場の目安は、以下のとおりです。

システムキッチンの工事費用の内訳
工事の内訳費用相場の目安
養生1万円~
既存キッチンの解体3万円~
(※1)
新規キッチン本体の設置10万円~
給排水設備工事1万円~
電気工事0.5万円~
内装工事4万円~
※1:残材処分費等は別途
※2:上記金額はキッチン本体の仕様や、建物の間取りなどによって大きく変動します

システムキッチンのリフォーム費用は、大きく分けて「キッチン本体の価格」と「工事費用」で構成されており、相場の目安は20万〜35万円です。

しかし、上記金額は壁や床などの劣化具合やキッチン本体の仕様、建物の間取りなどによって大きく変動するため注意が必要です。

また、工事を依頼する業者によって上記金額のほかに「工事諸経費」として総額の10~15%が見積もりに加算される場合もあります。システムキッチンのリフォームを検討する際は、複数の業者から相見積もりを取得することが後悔しないためのポイントです。

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システムキッチンのリフォーム費用を抑えるコツ

システムキッチンのリフォームにかかる費用を抑えるには、素材やオプションを見直すなど、いくつかのポイントを押さえることが重要です。

「もう少し費用を抑えたい」という場合は、これらのポイントをチェックしてみましょう。

【コツ1】素材やオプションを見直す

システムキッチンのリフォーム費用は、選ぶ素材やオプションによって大きく変動します。そのため、すべてのパーツを最高グレードにするのではなく、こだわりたい部分とそうでない部分を明確に分けることが、費用を抑える賢い方法です。

たとえば、自動調理機能がついたガスコンロは、調理の手間をカットできるのが魅力であるものの、商品価格が高い傾向にあります。一方、シンプルな機能のみ搭載されたガスコンロは、商品価格が比較的安いため、リフォーム費用も抑えられます。

また、ワークトップやシンクの素材に、セラミックや天然石などの高価な素材を採用すると、キッチン本体の価格も高くなるでしょう。例えば、このような素材を手入れがしやすくデザインも豊富な人造大理石や、耐久性の高いステンレスに変えるだけでも費用を抑えられます。

このように性能や素材を見直すだけでも、リフォーム費用を安く抑えられます。まずは「これだけはゆずれない」という部分を決め、それ以外の部分でコストを抑える工夫もしてみましょう。

【コツ2】キッチンメーカーにこだわらない

システムキッチンには、多くの有名メーカーが存在します。それぞれデザインや機能、価格帯が異なるため、特定のメーカーに絞って検討すると、選択肢が狭まり、結果的にリフォーム費用が高くなってしまうケースもあります。

まずはリフォーム業者に「メーカーにこだわらないので、予算内でプランを提案してほしい」と伝え、複数のメーカーや製品から、最適なものを提案してもらいましょう。

また、一部の工務店やリフォーム会社は、メーカー品よりも安価に製作できるオリジナルキッチンを扱っている場合があります。このようなオリジナルキッチンを選ぶことで、リフォーム費用を抑えられるケースもあります。

もし「価格の安さ重視でキッチンを選びたい」という場合は、メーカー品やオリジナルキッチンなど、さまざまな選択肢を検討した上で、ご自身の予算とライフスタイルに合ったシステムキッチンを選びましょう。

【コツ3】キッチンの位置を動かさない

キッチンの位置を大きく変更する「レイアウト変更」は、給排水管やガス管、電気配線の移設工事が必要であるため、費用が高額になる傾向にあります。そのため、リフォーム費用を抑えたい場合は、キッチンの位置を動かさないプランにするのがおすすめです。

たとえば、壁付けキッチンを対面キッチンにしたい場合でも、元の位置を基準にレイアウトを工夫すれば、費用を抑えながら理想のキッチンを実現できるかもしれません。

まずはリフォーム業者に、予算とリフォームの要望を伝え、その範囲内でどのようなプランが可能か提案してもらいましょう。

【コツ4】複数の業者で相見積もりをとる

システムキッチンのリフォーム費用を抑える上で、もっとも効果的な方法の1つが、複数のリフォーム業者から相見積もりをとることです。

1つの業者だけで決めてしまうと、提示された費用が適正かどうか判断できず、相場より高い金額で契約してしまうケースも少なくありません。相見積もりをとることで、費用だけでなく、工事内容や担当者の対応も比較検討できるため、適正価格でご自身の要望に合った業者を見つけやすくなるでしょう。

相見積もりをとる際のポイント
  • 各社に同じ条件で見積もりを依頼する
    • キッチンのメーカーやグレード、希望するオプションなど、同じ条件を伝える
  • 見積書の内容をこまかくチェックする
    • 工事内容や材料費が詳細に記載されているか確認する
  • 担当者の対応を見極める
    • 要望を丁寧に聞いてくれるかなど、担当者の対応も比較する

相見積もりをとる際は、安さだけを基準に選ぶのではなく、提案内容や担当者の信頼性、会社の安心感を総合的に判断することが大切です。

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【2025年】システムキッチンのリフォームで活用できる補助金・助成金制度

システムキッチンのリフォームでは、国や各自治体の補助金・助成金制度を活用できる場合があります。これらの制度をうまく活用すれば、リフォーム費用の負担を大きく軽減できるでしょう。

【国の補助金】省エネ・バリアフリー化で費用を抑える

国の補助金・助成金制度において、システムキッチンのリフォームで活用できる可能性があるのは、子育てグリーン住宅支援事業などです。

国の補助金・助成金制度
  • 子育てグリーン住宅支援事業
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業
  • 介護保険による住宅改修

ただし、国の補助金・助成金制度にはそれぞれ予算がもうけられているケースも多い点に注意しましょう。申請額が予算の上限に達した時点で、受付が締め切られてしまうケースも少なくありません。

もしシステムキッチンのリフォームで補助金・助成金制度を活用したい場合は、早めに申請を済ませておく必要があります。

まずは補助金・助成金制度を活用した経験が豊富な業者に相談して、スムーズに申請手続きを進めてもらいましょう。

【自治体独自の補助金】お住まいの地域で利用できる制度を探す

国が実施する補助金・助成金制度にくわえて、各自治体(都道府県・市区町村)が独自にリフォームの補助金や助成金制度をもうけている場合もあります。

自治体独自の補助金・助成金制度を探すためには、自治体のホームページで検索するなどの方法が有効です。

自治体独自の補助金・助成金制度を探す方法
  • お住まいの市区町村のホームページで「キッチンリフォーム 補助金」「キッチン改修 助成金」といったキーワードで検索する
  • 市区町村の住宅課や建築課などに問い合わせる
  • リフォーム業者に相談する

ただし、国の補助金・助成金制度を活用する場合、同じシステムキッチンのリフォームでは自治体独自の制度と併用できないのが一般的です。どの補助金・助成金制度を活用するのがもっとも賢いのか、補助金・助成金制度にくわしい業者や市区町村の担当窓口に相談してみましょう。

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キッチンリフォームの失敗例と改善すべき点

キッチンリフォームで起こりがちな失敗例と、どうすれば改善できるのかという点を解説します。

【1】アイランドキッチンにしたら来客の目が気になる

憧れの的でもあるアイランドキッチンは「おしゃれなキッチン」を目指す方に選ばれることが多いですが、おしゃれである反面、ワークトップやシンク周りが丸見えになってしまいます。

「洗い物をためていたら、突然来客が来て困った」など、思わぬタイミングでアイランドキッチンにしたことへの後悔を感じる方も多いです。

シンクに食器や鍋がたまらないように食洗機を導入したり、手元が隠れるように収納を配置したりするなどの工夫が必要になります。

また、アイランドキッチンを設置する場所と、リビングやダイニングの来客が座る場所の位置関係を工夫することでもマイナスポイントを改善できるので、キッチンの仕様選びとあわせて検討してみましょう。

【2】リフォーム前よりキッチンが暗くなって作業しづらい

壁付から対面にレイアウトを変更したり、壁付のシステム収納を追加したりすると、リフォーム前よりキッチンが暗く感じてしまう場合があります。

キッチンに窓がある場合、壁付であれば直接光を感じられますが、対面にすると距離ができるため「暗くなった」と感じることも多いです。

また、シーリングライトからスポットライトに変更したなど、照明の種類や数を変更したことでも、キッチンが暗くなることもあります。

特に作業面が暗いと、目が疲れたり、食材の色の変化がわからないまま食べてしまったりと、健康を害してしまう恐れもあるので、明るさを確保することは重要です。

レイアウトや照明を変更する際は、ショールームやモデルルームで、実際のレイアウト・照明環境に近い状態で、暗さを感じないか念入りに確認しましょう。

【3】システム収納にしたらゴミ箱を置く場所がなくなった

食器や家電の収納場所のことばかり考えていた結果、ゴミ箱を置く場所がなくなったというケースがあります。

料理の効率の良さを考えた時に、冷蔵庫や食器棚とキッチンを最適な距離に設定することが大切ですが、ゴミ箱の位置も重要です。

システム収納では、ゴミ箱を置くスペースを組み込むこともできるので、十分なスペースが確保できるように計画しましょう。

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【パーツ別】失敗しないシステムキッチンの選び方

システムキッチンのリフォームでは、多くの選択肢の中から最適なパーツを選ぶことが、使いやすく快適なキッチンづくりの鍵です。ここでは、主要なパーツ別に失敗しない選び方のポイントを解説します。

【1】ワークトップ(作業台)は耐久性とお手入れのしやすさを重視

ワークトップは、調理や片付けで毎日使う場所です。そのため、汚れや傷に強く、手入れの簡単な素材を選ぶことが、快適なキッチンを長持ちさせるためには重要です。

たとえば、料理の後にサッと拭くだけできれいになる素材が良い場合は、人造大理石やセラミックがおすすめです。

とくにセラミックは、表面の硬度が高く、金属製の調理器具などでこすっても傷がつきにくいのも特徴。吸水率も低いため、醤油などの汚れも、サッと拭きとるだけで簡単にきれいにできます。

このように耐久性が高く、お手入れしやすい素材をワークトップに採用すれば、キッチンの清潔感を維持しやすいでしょう。

【2】加熱機器(IH・ガスコンロ)は自分の料理スタイルに合ったものを

キッチンリフォームで、加熱機器をIHクッキングヒーターにするか、ガスコンロにするかは大きな悩みどころです。どちらにもメリット・デメリットがあるため、ご自身の料理スタイルや安全性を検討した上で選ぶことが大切です。

IHクッキングヒーターのメリット・デメリット
  • メリット
    • 火を使わないため、火事のリスクが低い
    • 表面が平坦で掃除しやすい
    • タイマー機能や自動調理機能も充実している
  • デメリット
    • IH対応の鍋やフライパンが必要
    • 停電時は使えない
    • 中華鍋などの調理が難しい
ガスコンロのメリット・デメリット
  • メリット
    • 直火ならではの強い火力で、本格的な調理に適している
    • 鍋の素材や形状を選ばずに使える
    • 停電時も使える
  • デメリット
    • IHに比べて火事のリスクが高い
    • 五徳に油汚れや吹きこぼれがこびりつきやすい

「何を重視して選ぶか」について検討して、料理スタイルなどに合った加熱機器を選択しましょう。

【3】ビルトイン食洗機は洗う鍋や皿の大きさ・量に注意

ビルトイン食洗機は家事の時間を大幅に短縮してくれる便利な機器であるものの「洗いたい鍋が入らない」などの失敗が起きる可能性もあります。このような失敗を回避するためには、ご家庭で洗う食器や調理器具の量・大きさに合ったモデルを選ぶことが大切です。

ビルトイン食洗機のサイズは、おもに「浅型」と「深型」の2つに分けられています。1〜2人家族であれば浅型、3〜4人家族であれば深型の採用を検討しましょう。

ビルトイン食洗機のサイズ
  • 浅型
    • 1〜2人家族に適しているサイズ
  • 深型
    • 3〜4人家族に適しているサイズ

ただし、来客が多いご家庭や、洗い物をまとめて済ませたい場合は、家族人数が少なくても深型を選ぶと便利です。メーカーのショールームで、実際に食器や鍋を入れてみた上で、どちらのサイズがご自身に合っているか確認してみてください。

【4】レンジフード(換気扇)は汚れにくさと清掃性をチェック

レンジフードは、調理中の油煙やにおいを吸い込む重要な設備です。しかし、油汚れがたまりやすく、掃除の大変さが悩みの種になる傾向にあります。そのため、システムキッチンのリフォームでは、汚れにくさと清掃性を重視して、レンジフードを選ぶことが重要です。

たとえば、レンジフードで昨今採用されることが多い「フィルターレスタイプ」は、フィルターがなく、吸い込み口に整流板がついています。油汚れは整流板につくため、この部分をサッと拭くだけで済み、内部のファンには汚れが届きにくいのも魅力です。

また、クリナップの「洗エールレンジフード」のように、お湯を入れるだけでフィルターとファンをお掃除してくれる機能がついたレンジフードも販売されています。

このように各メーカーから汚れにくく、掃除の手間のカットできるレンジフードが販売されています。レンジフードを選ぶ際は、デザインだけでなく、清掃性などについてもチェックしておきましょう。

【5】扉材・取手はデザイン重視派か機能性重視派のどちらかを選択

システムキッチンの扉材と取手は、キッチンの印象を大きく左右するだけでなく、使い勝手にも直結する重要なパーツです。リフォームを成功させるには、ご自身の好みやライフスタイルに合わせて、デザイン重視か機能性重視かを選択することが大切です。

ここでは「デザイン重視派」と「機能性重視派」に分けて、それぞれおすすめの扉材・取手を紹介します。

デザイン重視派におすすめ

キッチンの見た目をとくに重視するなら、以下のような扉材と取手を選ぶのがおすすめです。

【扉材】

  • 鏡面仕上げ
    • 光沢があるため、高級感を演出できる
  • 木目調
    • あたたみのあるナチュラルな雰囲気に
  • マットな質感
    • 落ち着いたモダンな印象を与える

【取手】

  • デザイン性のある取手
    • ゴールドやブラックなどを選べば、キッチンのアクセントに
  • 取手なし(フラット)
    • 見た目がスッキリして、洗練された印象に
機能性重視派におすすめ

日々の使いやすさや手入れのしやすさを重視するなら、以下のような扉材と取手を選ぶのがおすすめです。

【扉材】

  • 耐久性や防汚性に優れたシート・フィルム
    • 汚れが染み込みにくく、水拭きだけで簡単にきれいになる
  • ホーロー
    • 油汚れがこびりつきにくく、耐久性も高い

【取手】

  • ライン取手(扉と一体型)
    • 衣服が引っかかったり、小さな子どもが頭をぶつけたりする心配もない
  • バー取手
    • タオル掛けとして使える

システムキッチンの扉材と取手を選ぶ際は、ショールームで実際に、それぞれの扉材や取手の色合い、質感を確かめてみましょう。

【6】シンク(流し台)は掃除のしやすさと耐久性に注意

システムキッチンのシンクは、調理の下ごしらえや食器洗いなど、毎日何度も使う場所です。そのため、汚れがつきにくく、お手入れがしやすいかが、シンクを選ぶ上での重要なポイントとなるでしょう。

シンクのおもな素材は、ステンレスと人造大理石の2種類です。それぞれにメリット・デメリットがあります。

ステンレスシンクのメリット・デメリット
  • メリット
    • 熱や衝撃に強く、サビにくい
    • 油汚れなどがつきにくい
  • デメリット
    • 比較的傷がつきやすい
    • 水滴の跡が残りやすい
人造大理石シンクのメリット・デメリット
  • メリット
    • カラーバリエーションが豊富
    • 表面がなめらかで、汚れが染み込みにくい
    • ステンレスよりも水はねの音が響きにくい
  • デメリット
    • 熱い鍋などを置くと、変色や変形を起こすおそれがある
    • 硬いものでこすると、傷つく可能性がある

清潔感のある見た目を重視するなら人造大理石、丈夫で長く使いたいならステンレスといったように、両者のバランスを考えて選ぶのがおすすめです。

【7】水栓・浄水器はショールームで使い勝手を必ず確認

システムキッチンの水栓は、毎日何度も触れるパーツであり、その使い勝手はキッチンの使い勝手にも直結します。そのため、デザインだけで選んでしまうと「水はねが気になる」「レバーの操作がしにくい」といった後悔につながることもあるでしょう。

このような後悔を回避するためには、ショールームで実際に触って使い勝手を確認することが非常に重要です。

水栓選びでチェックすべきポイント
  • レバーの操作性
    • スムーズに水量を調整できるか
  • ハンドシャワーの引き出しやすさ
    • スムーズに伸ばせるか、元に戻しやすいか
  • 水流の種類
    • 洗い物の種類に合わせて水流を切り替えられると便利(シャワー水栓への切り替えがあるかなど)

また、昨今ではセンサーに手をかざすだけで水が出せる便利な「タッチレス水栓」を選ぶ方も増えています。このようなタッチレス水栓を選ぶ際は、センサーの反応スピードなどについても追加でチェックしましょう。

タッチレス水栓を選ぶ場合のチェックポイント
  • センサーの反応
    • どのくらいの位置で反応するのか、水が出るまでのタイムラグはどのくらいか
  • 手動での操作性
    • センサーが故障した場合や、水量をこまかく調整したい場合に、手動でも問題なく操作できるか

【8】システム収納(家電収納・食器棚)は収納量に合った仕様で

システムキッチンのリフォームでは、キッチン本体と合わせて「システム収納」を設置する場合も多くあるでしょう。

システム収納とは、家電や食器などを効率よく収納するための棚やキャビネットのことをいいます。このシステム収納を、ご自身の収納量やライフスタイルに合ったものを選ぶことで、すっきりとした快適なキッチン空間をつくれます。

システム収納を決める際は、始めに「収納したいものをリストアップすること」から始めてください。リストアップしたものを、どこに配置したいかによって、最適なシステム収納の仕様が決まります。

たとえば、LIXILのシステム収納では、家電のほかに、ゴミ箱を設置するためのワゴンもプランに含められます。このワゴンを採用すれば、ゴミ箱もシステム収納におさめられるため、キッチン空間をスッキリ使えるでしょう。

このようにキッチンのシステム収納は、プラン次第で使い勝手や見た目を大きく変えられます。ご自身のライフスタイルや家族構成に合わせた収納計画を立てて、快適なキッチン空間をつくりましょう。

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もっと快適なキッチンにするためのポイント

システムキッチンのリフォームは、古くなった設備を新しくするだけでなく、毎日の家事を楽にするなど、既存よりもっと快適なキッチンにするための絶好の機会です。

これらのポイントを参考に、ご自身の生活スタイルや家族構成に合わせたリフォームを計画して、理想のキッチンにリフォームしましょう。

【ポイント1】体に合った高さのキッチンを選ぶ

キッチンは毎日使う場所だからこそ、体に負担がかからない高さの製品を選ぶことも非常に大切です。ご自身の身長に合わない高さのキッチンを使っていると、無理な姿勢で作業することになり、肩こりや腰痛の原因となってしまうこともあるでしょう。

最適なキッチンの高さは、一般的に「身長÷2+5cm」と言われています。たとえば、身長160cmの方の場合、最適なキッチンの高さは85cmが目安です。

身長最適なキッチンの高さ
150cm80cm
155cm82.5cm
160cm85cm
165cm87.5cm

多くのシステムキッチンは、この表を参考に「80cm・85cm・90cm」の3段階で高さを選べるようになっています。キッチンメーカーやリフォーム業者のショールームで、実際のキッチンの高さを確認して、シンクでの洗い物や包丁で食材を切る動作が無理なくできるか試してみましょう。

【ポイント2】収納量を確保して効率の良い動線をつくる

キッチンにおいて適切な収納量を確保し、使い勝手の良い動線を設計することで、毎日の家事の負担を大きく減らせます。

キッチンで適切な収納量を確保するには、引き出し収納を最大限に活用するなどの方法が有効です。

キッチンで適切な収納量を確保する方法
  • 背の高い調味料や、調理器具も立てて収納できる「引き出し収納」を採用する
  • 昇降式の吊戸棚を設置して、キッチン上部の空間も収納スペースにする
  • スリムなラックを活用して、冷蔵庫と壁の間などの隙間も活用する

キッチンの収納計画は、ご自身の持ち物の量や種類を把握することから始まります。リフォームを機に、不要なものを処分したり、本当に必要なものだけを厳選したりすることで、より快適なキッチンへと生まれ変わらせられるでしょう。

【ポイント3】ワークトライアングルを意識してリフォームする

キッチンでの作業をスムーズにするためには、効率的な動線が不可欠です。そこで重要になるのが「ワークトライアングル」という考え方です。

ワークトライアングルとは

ワークトライアングルとは、キッチンにおける主要な作業スペースである「冷蔵庫・シンク・コンロ」の3点を結んだ三角形のことです。これら3つを適切に配置することで「食材を取り出す→洗う→調理する」という一連の作業がスムーズになり、家事の負担を大きく軽減できます。

ワークトライアングル

ワークトライアングルのそれぞれの辺の長さは「シンクから冷蔵庫」と「シンクから加熱機器」が120〜210cm、「加熱機器から冷蔵庫」で120〜270cmが目安です。

ワークトライアングルの3辺の合計は、360〜600cmが理想とされています。この範囲に収まるように冷蔵庫・シンク・コンロを配置することで、キッチンの作業効率のアップが期待できるでしょう。

【ポイント4】掃除しやすい素材を選ぶ

システムキッチンを交換する際は、汚れがつきにくく、サッと拭くだけできれいになる素材を選ぶことで、日々の掃除の負担を軽減できます。

たとえば、最近のシステムキッチンは、扉や引き出しに耐久性や防汚性に優れたシートやフィルムの貼られた製品が多くなっています。このような製品は、水や油はねによる汚れも水拭きだけで簡単に落とせるため、清潔な状態を保ちやすいでしょう。

このように、お手入れのしやすい素材を選ぶことで、掃除の時間を短縮でき、キッチンをもっと快適な場所にできます。既存のキッチンで「掃除しにくい」と感じている部分がある場合は、その箇所を優先して、掃除しやすい素材の採用を検討してみましょう。

【ポイント5】子どもを見守りやすい配置も検討する

システムキッチンのリフォームは、料理の効率だけでなく、家族の安全やコミュニケーションを考えた配置にすることも大切です。とくに小さなお子さんがいる家庭では、料理中も子どもの様子を見守れるようなレイアウトにすることで、安心して家事をこなせます。

子どもの様子を見守りやすいキッチンにするには、対面キッチンにレイアウトを変更することもおすすめです。リビングやダイニングに面した対面キッチンであれば、料理をしながら子どもと会話をしたり、宿題を見たりすることも可能です。

また、キッチンの前面にカウンターをもうければ、料理中に子どもが座って待つ場所になったり、食事の準備を手伝ってもらう場所になったりと、より子どもとコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。

【ポイント6】老後も使いやすい安全な動線とスペースを確保する

システムキッチンのリフォームは、現在の生活だけでなく、将来の生活も考慮した計画を立てることが重要です。

たとえば、車椅子や歩行器を使うようになった場合でも、安全にキッチンが使えるように、車椅子が通行できる幅である80cm以上を確保しておくと安心です。このように余裕のある通行幅を確保しておけば、複数人でキッチンを使う際のストレス軽減にもつながるでしょう。

また、通行幅の確保とあわせて、油や水ですべって転倒するのを防ぐため、すべりにくい加工がほどこされた床材を採用することも重要です。通行幅に余裕があっても、床材が滑りやすいと、転倒してしまう可能性もあります。

これらのポイントを意識してリフォームを計画して、年齢を重ねても快適で安全に使えるキッチンを実現しましょう。

【ポイント7】必要なコンセントの数と最適な位置を事前に検討しておく

キッチンでコンセントが足りない、またはコンセントの位置が悪いと、延長コードが必要になったり、コードが邪魔になって作業効率も悪くなったりします。

快適にキッチンを使うために、まずは現在使っている家電と将来使いたい家電をリストアップしてみましょう。これらをどこに配置するか、具体的な場所も決めておくと、必要なコンセントの数や位置がわかります。

キッチンのコンセントの位置は、リフォーム工事が始まってからの変更は難しい場合も多い点に注意しなければいけません。工事が始まる前に、リフォーム業者と十分に相談し、ご自身の生活スタイルに合ったコンセント計画を立てておきましょう。

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システムキッチンをリフォームする際の注意点

システムキッチンをリフォームする際には、マンション特有の制約や電気工事の必要性などに注意が必要です。

「計画していたリフォームが実現できなかった」「予想外の出費で予算オーバーになった」などのトラブルが起きないように、ここではシステムキッチンをリフォームする際の注意点について学んでおきましょう。

【注意点1】マンションは管理規約でリフォームが制限される場合も

マンションでシステムキッチンをリフォームする際、戸建て住宅とは異なるもっとも大きな注意点は「マンションの管理規約による制限」です。

マンションは、建物全体を住民全員で所有する「区分所有建物」であり、快適な共同生活を送るためのルールが「管理規約」として定められています。そのため、リフォームする際は、この管理規約を必ず守らなければいけません。

管理規約で定められているリフォームに関するルールの例
  • リフォームできるのは、所有者の「専有部分」に限られる
  • 休日や夜間の工事は禁止
  • フローリングは遮音性の高い製品を採用しなければならない
  • 給排水管の移動は認めていない

マンションの管理規約に違反した場合、管理組合から工事の中止や原状回復を求められます。場合によっては、損害賠償を請求されたり、法的措置に発展したりする可能性もあります。

これらのトラブルを回避するためには、リフォームを検討する初期段階で管理規約の内容を確認し、マンションリフォームの実績が豊富な業者に相談することが不可欠です。

【注意点2】電気契約の変更や分電盤の交換が必要になる場合もある

システムキッチンのリフォームでは、ガスコンロからIHクッキングヒーターへの変更や、新たに食洗機・電気オーブン・ディスポーザーなどを導入するケースが多い傾向にあります。

これらの機器は多くの電力を消費するため、既存の電気契約や分電盤のままでは対応しきれない場合があります。この場合、電気契約の変更や分電盤の交換などが必要になるでしょう。

作業内容費用相場
専用回路の増設
(IHクッキングヒーター用)
2万〜5万円
分電盤の交換5万〜20万円
幹線工事10万〜30万円
電気契約の変更無料
電気契約の基本料金は増額となる

電気契約の変更の申請自体は無料であるものの、アンペア数を増やした場合、基本料金は増額となる点に注意が必要です。IHクッキングヒーターなど消費電力が大きい機器を導入する際は、リフォーム費用だけでなく、電気工事にかかる費用や毎月の電気代の増加分も考慮しましょう。

【注意点3】補修で追加費用が発生する可能性もある

システムキッチンのリフォームでは、既存のキッチンを解体した後に、壁や床の状態の悪くなっていることが判明し、補修が必要になるケースもあります。このような追加工事は、当初の見積もりに含まれていないケースが多く、予期せぬ出費となるでしょう。

追加費用が発生しやすいケース
  • 水漏れが原因で、床下や壁の下地が腐食していた
  • シロアリによる木部の腐食や食害が見つかった
  • 壁や床に凹凸や段差があり、新しいキッチンを設置するために平坦にする必要がある
  • 配管が経年劣化で腐っている
補修内容費用相場
床下地の補修1万〜3万円
(※)
壁下地の補修0.5万〜1.5万円
(※)
給排水管の交換2万〜5万円
防蟻処理
(シロアリの駆除と予防処理)
0.2万〜0.5万円
(※)
※ 1平方メートルあたり

既存のキッチンを撤去した後でなければ確認できない部分もあるため、これらの追加費用は、発生する可能性がゼロではありません。

そのため、予算内でリフォームするには、事前に「発生する可能性のある追加費用」を業者に確認しておくことが重要です。追加費用の目安も確認して、予想外の出費で予算オーバーとならないように注意しましょう。

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【メーカー別】キッチンリフォームでおすすめしたい商品

キッチンメーカーは、それぞれ独自の強みや技術を持っています。ご自身のこだわりたいポイントに合わせてメーカーを選ぶことが、理想のキッチンリフォームの実現へとつながるでしょう。

【クリナップ】ステディア

クリナップの「ステディア」は、機能性とデザイン性を両立させた人気のシステムキッチンです。とくに、メーカーが得意とするステンレス素材を活かした高い清掃性と耐久性が魅力です。

「流レールシンク」は、クリナップ独自の技術によって、調理中の野菜くずや油汚れが水流にのって排水口に集まる仕組みになっています。このシンクを採用すれば、シンク内をきれいに保ちやすく、掃除の手間を減らせます。

クリナップのステディアがおすすめな人
  • 日々の掃除やお手入れの手間を減らしたい
  • 耐久性と衛生面を重視したい
  • デザインにもこだわりたい

【LIXIL】リシェル

LIXILのシステムキッチン「リシェル」は、熱・傷・汚れに強いセラミックトップが最大の特徴であり、デザイン性と耐久性を兼ね備えたキッチンを求める方に人気があります。

セラミックを採用したワークトップは、高温の鍋やフライパンを直接置いても変形・変色しにくく、硬い素材のためキズもつきにくいのが魅力です。

LIXILのリシェルがおすすめな人
  • デザインと耐久性を両立させたい
  • 調理中の動きを効率化したい
  • 掃除の手間を減らしたい

【TOTO】ザ・クラッソ

TOTOのシステムキッチン「ザ・クラッソ」は、美しさと清潔さにこだわったハイグレードモデルです。TOTOが得意とする水まわりの技術をいかした機能が盛り込まれており、デザイン性と使いやすさの両方を求める方に人気があります。

ザ・クラッソで採用されている水栓は「きれい除菌水」が使えます。きれい除菌水とは、水道水を電気分解して作られる、除菌成分を含む水のことをいいます。薬品や洗剤を一切使用せず、水道水に含まれる塩化物イオンを電気分解することで、次亜塩素酸という除菌成分を生成します。

この除菌成分が、ヌメリや黄ばみの原因となる菌の繁殖を抑えるため、きれいな状態を長く保てるのが魅力です。

TOTOのザ・クラッソがおすすめな人
  • 清潔で美しいキッチンを保ちたい
  • 掃除の手間を減らしたい
  • デザイン性と開放感を重視したい

【タカラスタンダード】トレーシア

タカラスタンダードの「トレーシア」は、タカラスタンダードの最大の強みである「高品位ホーロー」を活かしたシステムキッチンです。ホーローは、熱・キズ・汚れ・湿気に強く、キッチンを美しい状態で長く保ちたい方に人気があります。

ホーローは、表面がガラス質のため、油汚れや調味料が染み込まず、サッと拭くだけで簡単にきれいになります。また、ホーロー製品には内部に鉄が含まれているため、マグネット収納も活用できるのが魅力です。

タカラスタンダードのトレーシアがおすすめな人
  • キッチンにホーロー製品を採用したい
  • 耐久性と衛生面を重視したい
  • キッチンでマグネット収納を活用したい

【トクラス】Bb

トクラスのシステムキッチン「Bb」は、シンプルながらも基本性能が充実したモデルで、とくに人造大理石のカウンターに強みを持っています。

トクラス独自の人造大理石「クラストン」は、熱や衝撃、汚れに強いのが特徴です。そのため、熱いフライパンを置いたり、硬いものを落としてしまったりしても安心です。

トクラスのBbがおすすめな人
  • コスパ重視でキッチンを選びたい
  • 掃除の手間をできるだけ減らしたい
  • シンプルなデザインのキッチンを選びたい

【パナソニック】S-CLASS

パナソニックの「S-CLASS」は、パナソニックのハイグレードモデル「L-CLASS」の技術やデザイン思想を受け継ぎながら、手の届きやすい価格帯を実現したシステムキッチンです。とくに、家電メーカーならではの便利な機能と、掃除の手間を減らす工夫が特徴です。

S-CLASSで選択できる「トリプルワイドコンロシリーズ」は、3つのコンロが横一列に並ぶ独自のレイアウトであるのが特徴です。調理スペースを広く使え、鍋やフライパンを同時に置いても干渉しにくいため、効率よく調理ができます。

パナソニックのS-CLASSがおすすめな人
  • ハイグレードモデルの機能を、比較的手頃な価格で手に入れたい
  • 調理の効率を上げたい
  • デザイン性と機能性のバランスを重視したい
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システムキッチンのリフォームの流れ

システムキッチンのリフォームをする際に、計画開始から工事まで、どのような流れで進んでいくのか、大まかな流れを確認しましょう。

システムキッチンのリフォームの流れ
STEP
リフォーム箇所と予算を決める

STEP
リフォームの依頼先を検討する

見積もりは複数社に依頼することで、価格やプラン内容などを比較できるので、リフォームの依頼先候補は、複数社検討するのがおすすめです。

STEP
現地調査・プラン決め

キッチンリフォームにかかる詳細な金額は、現地調査の上算出する必要があります。また、複数社に見積もりを依頼した場合は、現地調査の日程がかぶらないように注意し、希望するキッチンリフォームのサイズレイアウト・リフォームの範囲を現地で伝えましょう。

STEP
見積もり

STEP
契約・支払い

STEP
工事着工

システムキッチンの交換のみであれば、リフォーム期間の目安は約2日ですが、キッチンの場所を元の位置から移動させた場合などは、さらに約3日〜1週間ほど工事期間が長くなります。内装工事と大幅なレイアウト変更があれば、約2週間以上かかる場合もあるので、工事期間中に生活する仮住まいの手配などを検討しましょう。

STEP
引き渡し

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【Q&A】システムキッチンのリフォームに関するよくある質問

システムキッチンは何年を目安に交換すべき?

システムキッチンを交換する目安は、設置から10〜20年です。ただしこれは目安であるため、使用頻度やメンテナンスの状況によって大きく変わります。
また、システムキッチン本体よりも、内部の設備機器の方が先に寿命を迎えることも多い傾向にあります。使用頻度の高いガスコンロやレンジフードは、10〜15年で交換が必要になる可能性もあるでしょう。「電源が入らない」など、システムキッチンの設備機器の不具合が発生しやすくなった場合は、設備機器の交換も検討しましょう。

システムキッチンのリフォームにかかる日数は?

システムキッチンのリフォームにかかる日数は、リフォームの内容によって異なります。キッチン本体を交換する場合は2日〜1週間、キッチン本体と内装を同時にリフォームする場合は5〜10日が目安です。

リフォーム内容工期の目安
キッチン本体の交換のみ2日〜1週間
キッチン本体の交換と内装工事5〜10日
レイアウト変更をともなうリフォーム2週間〜1か月以上

ただし、壁の撤去や給排水管の移動が必要なリフォームの場合は、1か月以上も日数がかかる可能性もあります。具体的なリフォームの日数については、業者に確かめておきましょう。

DIYでシステムキッチンをリフォームできる?

簡易的な収納の追加や引き出しの模様替えなど、軽微な作業であればDIYでもキッチンをリフォームできます。

DIYで可能なシステムキッチンのリフォーム
  • 収納の追加
    • 棚やラックを自作して、収納スペースを増やす
  • 扉や引き出しの模様替え
    • リメイクシートやペンキを使って、キッチンの印象を変える

ただしシステムキッチン本体の交換や、給排水管・電気配線に関わる作業は、専門的な知識と資格が必要です。これらの作業をDIYでおこなうと、水漏れや感電などの重大なトラブルにつながる危険があります。安全で確実なリフォームのために、専門的な作業はプロに依頼しましょう。

マンションでもシステムキッチンをリフォームできる?

マンションでもシステムキッチンのリフォームは可能です。ただし、建物全体が個人の所有である戸建て住宅とは異なり、マンション特有の注意点や制限があります。
特に注意すべきなのは、マンションにはそれぞれ「管理規約」がある点です。管理規約では「キッチンの移動は不可」など、リフォームに関するルールが細かく定められている場合もあります。
管理規約に違反すると、管理組合から工事の中止ややり直しを求められる可能性もあります。このような管理組合とのトラブルを避けるために、マンションでシステムキッチンをリフォームする際は、必ず管理規約の内容を確認しておきましょう。

システムキッチンのシンクだけを交換できる?

システムキッチンのシンクだけを交換することは可能ですが、いくつかの条件があります。

シンクだけの交換が可能な条件
  • オーバーシンクタイプ(※)である
  • 既存のシンクと同じサイズ・形状のものに交換する

※ シンクの縁がワークトップの上に載っているタイプのキッチンのこと

システムキッチンのシンクだけを交換する場合にかかる費用は、10万〜20万円が目安です。シンクの交換は1〜2日で済むケースが多いものの、給排水管の調整などが必要な場合は、数日ほど工期が延びる可能性もあります。

システムキッチンをおしゃれにリフォームするポイントは?

システムキッチンをおしゃれにリフォームするには「見せる収納」と「隠す収納」を使い分けるなどのポイントを押さえることが重要です。

システムキッチンをおしゃれにリフォームするポイント
  • 「見せる収納」と「隠す収納」を使い分ける
  • 採用する色を2〜3色に絞って統一感を出す
  • キャビネットの下や背面などに間接照明を設置する

たとえば、ガラス扉のキャビネットには、お気に入りの食器や調理器具を収納。一方、調味料や食品のストックなど、生活感が出やすいものは、引き出しや扉付きのキャビネットに隠して収納します。このように見せたい物と隠したい物を明確にすることで、生活感を感じさせないおしゃれなキッチンに仕上げられるでしょう。

システムキッチンのリフォームを依頼する業者選びのポイントは?

システムキッチンのリフォームを依頼する際、キッチンリフォームの実績が豊富であるかなどのポイントをチェックすることが重要です。

システムキッチンのリフォームを依頼する業者選びのポイント
  • キッチンリフォームの実績が豊富か
  • 水まわりの工事に必要な専門的な資格を持っているか
  • 見積書の内容が詳細に記載されているか
  • キッチンリフォームの内容や日程を丁寧に説明してくれるか
  • 極端に高い・安い見積金額ではないか

これらのポイントを複数の業者で比較することで、ご自身の希望にもっとも合った業者を見つけられるでしょう。また、複数の業者で相見積もりをとることで、システムキッチンのリフォームにおける費用の相場感がわかります。極端に高い・安い見積金額ではないかもチェックして、適正価格でリフォームしましょう。

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【まとめ】費用相場や事例をチェックして理想のキッチンにリフォームしよう

システムキッチンのリフォームは、レイアウトやグレード、オプションの選択によって費用が大きく変動します。そのため、予算内で理想のキッチンにリフォームするには、専門知識のある業者に予算を伝えて、最適なプランを提案してもらうのがおすすめです。

また、適正価格でリフォームするには、複数の業者から相見積もりを取る方法も有効です。費用やプラン内容を比較検討すれば、予算内で理想のキッチンを実現できるでしょう。

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この記事の監修者プロフィール

【監修者】ディバルコンサルタント株式会社 代表 明堂浩治

ディバルコンサルタント株式会社

明堂浩治

芝浦工業大学工学部建築工学科を卒業。大手建設会社で20年勤務した後、独立しコンサルタント業を始める。

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